下肢疾患– category –

整形外科下肢疾患

股関節から足先までの「下肢」は、歩行や立位保持など基本的な移動機能を担う重要な部位です。立ち上がる、歩く、走る、階段の昇り降り、座るなど、日常生活のあらゆる場面で下肢の機能は欠かせません。

大垣市にある大垣中央病院の整形外科では、下肢に関わる様々な疾患に対して専門的な診療を行っています。先天性疾患から加齢に伴う変性疾患、スポーツ障害、外傷まで幅広く対応いたします。

こんな症状はご相談ください

以下のような症状でお悩みの方は、当院整形外科にご相談ください。

  • 歩くときに股関節や膝、足に痛みがある
  • 階段の昇り降りが困難である
  • 長時間立っていると足や膝が痛くなる
  • 膝がカクッと抜ける感じがする
  • 足の親指が変形している
  • 足の裏が痛む
  • 足首をよくひねる
  • 足がしびれる、むくむ
  • 足の爪が肉に食い込んで痛い
  • 子どもの足の形や歩き方が気になる

主な下肢疾患

股関節の疾患

変性・炎症性疾患

股関節の軟骨がすり減り、痛みや動きの制限が生じる疾患です。加齢や関節への負担が原因となります。歩行時の痛みや、脚を開く動作の制限などが特徴です。

特発性大腿骨頭壊死症

明確な原因なく大腿骨頭の血流が悪くなり、骨組織が壊死する疾患です。進行すると股関節の痛みや可動域制限が生じます。

症候性大腿骨頭壊死症

ステロイド薬の使用や過度のアルコール摂取などが原因で発症する大腿骨頭壊死症です。症状は特発性と同様です。

急速破壊型股関節症(RDC)

比較的短期間に股関節の破壊が進行する特殊なタイプの関節症です。急激な痛みの増強と関節機能の低下が特徴です。

一過性大腿骨頭萎縮症

突然の股関節痛を生じ、MRIで大腿骨頭に一時的な骨髄浮腫を認める疾患です。数カ月で自然に改善することが多いです。

弾発股(ばね股)

股関節の動きに伴って「バネ」のような音や感覚が生じる状態です。腸腰筋や大腿筋膜張筋などが引っかかることで起こります。

先天性・発育性疾患

発育性股関節形成不全(DDH)

生まれつき股関節の発育が不十分な状態です。早期発見・早期治療が重要となります。

ペルテス病

小児期に大腿骨頭の血流障害により壊死が生じる疾患です。股関節痛や跛行(はこう:足を引きずる歩き方)が見られます。

大腿骨頭すべり症(SCFE)

思春期に大腿骨頭が骨端線部分ですべり、変位する疾患です。肥満の男児に多く、歩行時の痛みや跛行が特徴です。

寛骨臼形成不全

股関節のソケット部分(寛骨臼)の発育が不十分な状態です。放置すると早期に変形性股関節症を発症する危険があります。

膝関節の疾患

変性・炎症性疾患

有痛性分裂膝蓋骨

膝のお皿(膝蓋骨)が完全に癒合せず、分かれた状態になる先天異常です。痛みを伴うことがあります。

膝蓋(しつがい)軟骨軟化症

膝蓋骨の裏側の軟骨が軟化し、痛みが生じる疾患です。若い女性に多く見られます。

特発性膝関節血症

明らかな外傷なく膝関節内に出血を繰り返す疾患です。

血友病性関節症

血友病患者に見られる関節内出血による関節の変性疾患です。

ベーカー嚢腫(のうしゅ)

膝の裏側に発生する嚢胞で、膝関節の滑液が後方に突出したものです。膝の裏に腫れを感じることがあります。

変形・アライメント異常

O脚(内反膝)

膝が内側に曲がった状態で、両足首をつけると膝の間に隙間ができます。

X脚(外反膝)

膝が外側に曲がった状態で、両膝をつけると足首の間に隙間ができます。

反張膝

膝が後ろに反りすぎる状態です。関節の不安定性を引き起こすことがあります。

靭帯・半月板損傷

膝前十字靭帯(ACL)損傷

膝の安定性を保つ重要な靭帯の一つである前十字靭帯が断裂する外傷です。スポーツ中の急な方向転換やジャンプの着地などで発生します。

膝後十字靭帯(PCL)損傷

後十字靭帯の断裂で、交通事故や転倒などの強い外力で発生することが多いです。

膝内側側副靱帯(MCL)損傷

膝の内側を支える靭帯の損傷です。スポーツ中の接触プレーなどで生じやすいです。

膝外側側副靱帯(LCL)損傷

膝の外側を支える靭帯の損傷です。MCL損傷より頻度は低いです。

半月板損傷

膝関節内のクッションの役割をする半月板が裂けたり変性したりする障害です。膝の痛みや引っかかり感、腫れなどが症状として現れます。

その他の膝疾患

たな障害(膝滑膜ひだ障害)

膝関節内の滑膜ひだが肥厚し、関節運動の妨げとなって痛みを引き起こす状態です。

膝関節(脛骨大腿関節)脱臼

強い外力により膝関節が正常な位置関係から外れる重篤な外傷です。

色素性絨毛結節性滑膜炎

関節内の滑膜に色素を持った結節が生じる比較的まれな疾患です。膝の腫れや動きの制限が生じます。

滑膜性骨軟骨腫症

関節内の滑膜から骨軟骨の小片が形成される疾患です。関節の引っかかり感や痛みが症状として現れます。

足関節・足の疾患

足の変形・疾患

外反母趾

足の親指が小指側に曲がり、親指の付け根が内側に突出する変形です。女性に多く、痛みや靴ずれの原因となります。

強剛母趾

足の親指の関節が硬くなり、動きが制限される状態です。痛みや歩行障害を引き起こします。

鉤爪趾(かぎづめゆび)

足の指(主に第2〜5指)が爪先方向に曲がった状態です。靴との摩擦で痛みや胼胝(たこ)を生じることがあります。

槌趾(ハンマー趾)

足の指の第一関節が曲がり、第二関節が反り返った状態です。靴との摩擦で痛みを生じます。

扁平足

足のアーチが低下または消失した状態です。疲れやすさや足の痛みの原因となることがあります。

先天性内反足

生まれつき足が内側に曲がった状態です。早期からの治療が必要となります。

多指症(多趾症)

生まれつき指(趾)の数が通常より多い先天異常です。

足部の骨・軟部組織疾患

外脛骨障害

足の内側のアーチ部分に余分な骨(副骨)があり、痛みを生じる状態です。成長期の子どもに多く見られます。

ケーラー病

小児期に舟状骨の血行障害によって生じる疾患です。足の甲の内側に痛みが生じます。

フライバーグ病

思春期に中足骨頭(主に第2中足骨)に生じる骨軟骨障害です。足の前部に痛みが出ます。

セーバー病・踵骨骨端症

成長期の子どもの踵骨(かかと)に生じる骨端症です。運動時のかかとの痛みが特徴です。

足底腱膜炎

足の裏のアーチを支える腱膜に炎症が生じる疾患です。朝起きた時や長時間の立ち仕事後にかかとに痛みが生じることが特徴です。

足関節・腱の疾患

足関節靭帯損傷

足首を捻ることで生じる靭帯の損傷(いわゆる「捻挫(ねんざ)」)です。適切な治療を行わないと慢性的な不安定性を残すことがあります。

アキレス腱断裂

ふくらはぎと踵骨をつなぐアキレス腱が切れる怪我です。スポーツ中や日常生活での急な動きで発生することがあります。

アキレス腱炎

アキレス腱に炎症が生じる疾患です。過度の使用や不適切な靴の使用などが原因となります。

アキレス腱滑液包炎

アキレス腱周囲の滑液包に炎症が生じる疾患です。靴擦れなどが原因となることが多いです。

その他の足部疾患

陥入爪

爪が皮膚に食い込んで炎症や痛みを引き起こす状態です。不適切な爪切りや靴選びが原因となることがあります。

糖尿病足

糖尿病患者に生じる足部の合併症で、神経障害や血行障害により潰瘍や壊疽を引き起こす重篤な病態です。

診断・検査

当院では、下肢疾患の正確な診断のために、以下のような検査を行っています。

問診・診察

問診・診察

症状の経過や患者様の生活背景を丁寧にお聞きし、適切な診察を行います。

レントゲン検査

レントゲン検査

骨や関節の状態を評価します。

超音波検査

超音波検査

腱や神経、関節周囲の状態を非侵襲的に評価できます。

MRI検査

MRI検査

靭帯、軟骨、筋肉などの軟部組織の詳細な評価を行います。

CT検査

電気生理学的検査

複雑な骨折や関節の立体的な評価を行います。

血液検査

血液検査

炎症の程度や関連する全身疾患の評価を行います。

歩行分析

歩行分析

特殊な機器を用いて歩行パターンを分析します。

治療方法

多くの下肢疾患は、まず保存療法から開始します。

保存療法

薬物療法

消炎鎮痛剤、ヒアルロン酸注射などを用いて痛みや炎症を軽減します。

装具療法

サポーターやインソール、装具などを用いて関節や足を保護し、機能改善を図ります。

リハビリテーション
  • 物理療法(温熱療法、電気療法など)
  • 運動療法(ストレッチ、筋力強化、バランス訓練など)
  • 歩行訓練
生活指導

日常生活での注意点や適切な靴の選び方などをアドバイスします。

手術療法

保存療法で十分な効果が得られない場合や、症状が重度の場合は手術を検討します。

  • 関節鏡視下手術:小さな傷から内視鏡を挿入して行う低侵襲な手術です。半月板損傷や軟骨障害などに対して行います。
  • 骨切り術:骨の向きや形を修正し、関節にかかる負担を軽減する手術です。若年層の変形性関節症などに対して行います。
  • 人工関節置換術:損傷した関節を人工物に置き換える手術です。進行した変形性関節症などに対して行います。
  • 靭帯再建術:断裂した靭帯を再建する手術です。前十字靭帯損傷などに対して行います。
  • 矯正手術:変形した足部(外反母趾など)を矯正する手術です。

当院では、患者様の年齢、活動性、症状の程度などを総合的に考慮し、適切な治療法を選択しています。

アクセス

大きな地図で見る

住  所:〒503-0025 岐阜県大垣市見取町4丁目2番地

提携駐車場がございます。アクセスについて詳しくはこちらのページをご覧ください。

整形外科(大垣中央病院)TOPページに戻る