光治療（IPL）のシミへの効果 – 経過や何回必要か、シミ取りの料金を解説

シミは化粧品では消すことができないため、シミの改善を目指す場合は皮膚科のシミ治療がおすすめです。シミ治療器にはいくつか種類がありますが、広範囲のシミに適しているのは光治療（IPL）と呼ばれる治療方法です。

痛みを感じにくく、ダウンタイムも短いため、日常生活にさほど影響をあたえることなく進められます。

今回は光治療（IPL）のシミへの効果や経過、必要な回数や料金について解説します。

光治療のシミへの効果

光治療（IPL）は、幅広い波長の光を使ったシミ治療器です。

「幅広い波長を使っている＝幅広い色素に反応して除去できる」ため、茶色い色素を持つシミだけでなく、赤い色素を持つニキビ跡や赤ら顔の治療にも効果があります。

光治療（IPL）の仕組み

熱エネルギーはシミの原因であるメラニン色素を破壊したり、赤みの原因である血管の拡張を抑えたりできるため、皮膚のシミや赤みを解消する効果が期待できます。

また、コラーゲン生成の促進や毛穴の引き締める働きも期待できます。

茶色いシミ（細かく多いシミ・広範囲のシミ）

光治療は照射範囲が広いため、細かく多いシミや広範囲に点在するシミに適しています。

具体的には、加齢とともに発生する老人性色素斑、若い方でもできる雀卵斑（そばかす）、炎症やニキビ跡による色素沈着などに用いられます。

赤み、くすみ、色むら

光治療は赤みの原因となるヘモグロビンにも反応できるため、顔の赤みやニキビ跡の改善にも効果が見込めます。また、広範囲への照射が可能なため、顔全体のくすみ、色むらが気になる方にも光治療は有効です。

赤み・赤い色素沈着ができる原因

ニキビ跡の赤みは炎症が元で毛細血管が拡張したものです。光治療を行うと血管が収縮するため、赤みが解消されます。

また、怪我や火傷などによる炎症後に赤っぽい跡が残るのは炎症後色素沈着と呼ばれるもので、メラニン色素が赤褐色に見える現象です。

ダウンタイムが少ないマイルドな効果

光治療は1回の効果はレーザー治療よりも劣るものの、副作用やダウンタイムがほとんどありません。

効果はレーザー治療と比較するとマイルドなものになるため、効果実感までには複数回治療を続ける必要があります。

レーザーとレーザートーニングには赤みに反応する波長は含まれていないため、赤みを帯びたシミが気になる方は、光治療が選択されるケースが多いです。

また、痛みに弱い方、ダウンタイムをなるべく短くしたい方にも光治療が選ばれる傾向にあります。

何回必要？効果実感までの回数

光治療が何回必要かは個人差が大きいため一概に「〇回」と言うことはできません。ただ、経験的には3～5回ほど続けていただくと改善効果を実感していただける方が多いです。

必要な回数はシミの状態や希望の仕上がりによって異なる

光治療は複数回続けていくとだんだんとシミが薄くなっていきますが、元のシミの状態（濃さや深さ）に大きく左右されます。

また、肌のターンオーバー状況、照射後に受ける紫外線の影響なども関わってくるでしょう。

さらに、どれくらいの仕上がりで満足できるかの感覚も人それぞれであるため、必要な回数は人によってまちまちです。

3～5回程度で改善を実感される方が多い

目安としては、3～5回程度である程度効果を実感される方が多いように感じます。

光治療によるシミ取りの料金はどのくらい？

光治療によるシミ取りの料金は、照射範囲や使用する機器、またクリニックの料金設定方法などあらゆる要素で変化します。

クリニックや個人で差があるため具体的な金額を算出するのは難しいですが、おおよその目安としては顔全体1回につき1～3万円程度が相場です。

光治療の料金が変わるポイント

光治療の料金を左右するポイントとしては、治療内容のほかに、クリニックの立地や使用する機器（コストを考慮して設定される値段）が挙げられます。

また、クリニックの経営方針により料金に差がでることも考えられます。

自由診療で行う光治療は、どのクリニックでも均一料金で受けられるものではないため、いくつかのクリニックの料金を比較検討するようにしましょう。

料金は治療回数を考慮したトータル料金で考えよう

料金を調べる際には、1回の料金だけでなく、治療全体としていくらかかるのかまで調べておくと安心です。

光治療は一般的に3～5回程度継続して行う方が多いため、複数回続けていくとトータルでどれだけの金額が必要になるかを確認しておきましょう。

クリニックの中には3回コース・5回コースを契約すれば、1回あたりの施術が割引されるメニューを用意してくれているところもあります。

複数回続けると事前に想定している場合は、はじめからコース契約を選択するのもひとつの方法です。

光治療の一般的な経過・ダウンタイムについて

そのため、学校やお仕事がある方でダウンタイムに心配がある点を考慮して、レーザー治療よりも光治療を選択される方もいらっしゃいます。

照射直後からダウンタイムまでは数日程度

光治療を行った場合、ダウンタイムは数日以内です。痛みや炎症はほとんどおこりません。照射部分が少し赤くなる場合がありますが、それも数時間から数日以内に治まっていきます。

基本的に腫れもほとんど見られませんが、敏感肌の方は少し腫れを感じる場合があるかもしれません。照射後は肌が敏感になっているため、保湿や紫外線対策を丁寧に行うようにしてください。

メイクは基本的に照射直後から可能ですが、肌の状態をみて、敏感になっているようなら薄くしたり避けたりしてください。

改善が実感できるまでは月1回ペース、それ以後は3～4ヶ月ごとに照射

照射を重ねるうちに、だんだんとシミが薄くなっていくのを確認できます。自分が満足できる効果が得られるまでは、月1回のペースでの治療が目安です。

それ以降は、メンテナンス目的で3～4ヶ月ごとに照射するのがよいとされています。

光治療でシミが濃くなる？

光治療は基本的にシミを薄くするための治療ですが、相性の合わないシミに使用してしまうとかえってシミが濃くなる場合があります。

肝斑がある場合は要注意

シミのなかでも、頬の上を中心に左右対象にぼんやり広がるように茶色い色素が見える「肝斑」は光治療を行うとかえって濃くなってしまう可能性があります。

これは、肝斑に含まれるメラノサイトと呼ばれる色素が光で刺激され、さらに活性化する恐れがあるためです。

肝斑治療に光治療が選択されるケースもありますが、出力によほど注意しながら照射しなければいけません。

また、肝斑と老人性色素斑や雀卵斑が混在しているケースも注意が必要です。

こういったケースは、美白剤や内服薬使った肝斑治療を行いながら、光治療を行うなどします。

シミではなくアザのケースも

また、一見シミに見えて実はアザであるようなケースもあります。例えば、ADMや扁平母斑と呼ばれるアザには光治療は用いられずレーザー治療が適しています。

見当はずれの治療を行ってしまうと、かえってお悩みが悪化したり、思わぬ疾患を見落としてしまったりなどする可能性があります。

まとめ

光治療は、幅広い波長を使ったシミ治療器で、茶色いシミだけでなく、ニキビ跡や赤ら顔の解消、顔のくすみ消しにも用いられます。

レーザーよりもマイルドな効果を持つため、複数回続けていくうちにだんだんとシミが薄くなっていく治療となります。

1回の効果は劇的なものではないものの、ダウンタイムや痛みが少ないため広範囲の施術や小さくたくさんのシミが点在している治療に向いています。

必要な回数には個人差があるものの、3～5回程度で効果を実感される方が多いです。改善が実感できるまでは月1回ペースで行い、落ち着いてきてからは3～4ヶ月に1回のペースでメンテナンス目的の照射を行うとよいでしょう。

シミには老人性色素斑や雀卵斑、肝斑などいくつかの種類があり、それぞれのシミに応じて治療方法や効果のあらわれ方が少しずつ異なります。また、シミとアザを見分けるのも素人目では困難です。

そのため、皮膚医に種類や状態をきちんと見極めてもらった上で、肌状態やシミタイプにあった治療を進られると、より安心でしょう。

参考文献

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