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AGA薬の個人輸入で効果がないのはなぜ?偽物のリスクとクリニックへ切り替えるべきタイミング

AGA治療薬を個人輸入しても期待するような効果が得られない主な理由は、自己判断による誤った薬の選択や、成分の品質が保証されていない偽造薬を使用してしまっていることにあります。

安価であるという理由だけで安易に個人輸入を利用することは、予期せぬ健康被害を招くリスクが高く、万が一重篤な副作用が出た場合でも公的な救済措置を受けることができません。

本記事では、なぜ個人輸入の薬では効果が出にくいのか、その根本的な原因と潜んでいる危険性を詳しく解説します。

また、安全かつ確実に発毛を目指すために、自己判断を止め医療機関へ切り替えるべき具体的なタイミングや判断基準についても紹介しています。

当サイトの執筆・運営者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

AGA薬の個人輸入で効果がないと感じる主な原因とは

AGA薬の個人輸入を行っても効果を実感できない最大の要因は、自身の薄毛の進行度やタイプに合っていない薬を選定しているか、あるいはパッケージは精巧でも有効成分が含まれていない偽造薬を服用していることです。

自己判断による薬選びのミスマッチ

薄毛や抜け毛の症状は人によって千差万別であり、その原因もAGA(男性型脱毛症)だけとは限りません。

AGAであったとしても、進行レベルや頭皮の状態によって、フィナステリドで抜け毛を抑えるべきなのか、ミノキシジルで発毛を促すべきなのか、あるいはその両方が必要なのかは異なります。

個人輸入を利用する場合、これらの判断をすべて自分自身で行わなければなりません。

多くの人が、インターネット上の口コミやランキング情報だけを頼りに薬を選んでいますが、他人に効果があった薬が自分にも効くとは限りません。

ご自身の症状に適していない薬を服用し続けても、期待する効果が得られないのは当然のことです。

医学的な診断なしに薬を選ぶことは、暗闇の中で的を探すようなものであり、効果が出ない大きな原因となっています。

用法用量が守られていないケース

医薬品は、決められた用法と用量を正しく守って初めて、その効果を発揮します。

しかし、個人輸入された海外製の医薬品には、日本語の説明書が添付されていないことがほとんどです。

英語や現地の言葉で書かれた説明書を十分に理解できないまま、なんとなくの知識で服用を開始してしまう人が少なくありません。

「早く効果を出したい」という焦りから、勝手に服用量を増やしたり、逆に副作用を恐れて規定量よりも少なく飲んだりすることは、薬の効果を著しく低下させます。

自己判断による不適切な服用のパターンには、以下のような例が挙げられます。

不適切な服用パターンの例

服用パターン考えられる問題点髪への影響
自己判断での増量副作用のリスクが急激に高まる頭皮環境の悪化を招く可能性
不規則な服用時間血中濃度が安定しない効果が持続せず抜け毛が減らない
分割して服用錠剤のコーティングが破壊される成分の吸収率が低下する

このように、飲み忘れが続いたり、飲む時間が不規則だったりすることも、血中の薬物濃度を不安定にさせ、効果が出ない原因となります。

正しい服用指導を受けられない環境下では、薬のポテンシャルを十分に引き出すことが難しくなります。

そもそもAGAではない脱毛症の可能性

「薄毛=AGA」と思い込んでいる方が非常に多いですが、脱毛症には円形脱毛症、脂漏性脱毛症、粃糠性(ひこうせい)脱毛症、あるいは甲状腺機能の低下などによる脱毛など、様々な種類が存在します。

フィナステリドやデュタステリドといったAGA治療薬は、男性ホルモンの影響による脱毛に対して作用する薬であり、それ以外の原因による脱毛症には効果がありません。

もし、ご自身の薄毛の原因がAGAではない場合、どれだけ個人輸入でAGA治療薬を購入し服用し続けても、髪が生えてくることはありません。

むしろ、原因に対する適切な治療が遅れることで、症状が悪化してしまう恐れさえあります。

自己診断の限界がここにあり、効果が出ないと感じる一因となっています。

質の悪い薬や偽造薬を服用している

個人輸入代行サイトを経由して入手できる薬の中には、残念ながら偽物や粗悪品が紛れ込んでいる可能性があります。

見た目は正規の薬とそっくりでも、中身は小麦粉やデンプンで固められただけのものや、有効成分が極端に少ないもの、あるいは全く別の成分が含まれているものが存在します。

このような偽造薬を服用していても、当然ながらAGAへの効果は期待できません。

「安く購入できた」と喜んでいても、実際には効果のない偽物を買わされているだけというケースは、決して珍しいことではありません。

品質が保証されていない薬を使用することは、効果がないだけでなく、健康を害するリスクと隣り合わせであることを認識する必要があります。

個人輸入のリスクと偽造薬が健康に及ぼす深刻な影響

個人輸入薬に潜むリスクは単に「髪が生えない」ことだけにとどまらず、不純物の混入や成分量の不正確さにより、重篤な健康被害を引き起こす危険性を常にはらんでいます。

成分量が不明確で副作用が予測できない

正規の医薬品は、厳しい品質管理のもとで製造され、成分量が均一になるように管理されています。

しかし、個人輸入で入手する海外製のジェネリック医薬品や未承認薬の中には、製造ロットごとに成分量にバラつきがあるものも存在します。

表示されている成分量よりもはるかに多い成分が含まれていれば、予期せぬ強い副作用に襲われる危険があります。

逆に成分が少なすぎれば効果はありません。

また、本来含まれてはいけない不純物が混入している場合、それがアレルギー反応や中毒症状を引き起こす原因となります。

どのような成分がどれだけ入っているか分からないものを体に入れることは、ロシアンルーレットのような危険な行為と言わざるを得ません。

不衛生な製造環境と異物混入の危険性

偽造薬や粗悪な医薬品の多くは、衛生管理が全くなされていない不衛生な場所で製造されています。

これまでの摘発事例では、床に直接原料が置かれていたり、害虫が這い回るような倉庫で梱包作業が行われていたりするケースが報告されています。

このような環境で作られた薬には、細菌やカビ、重金属、ガラス片などの異物が混入しているリスクがあります。

これらを服用することで、腹痛や嘔吐などの健康被害だけでなく、肝機能障害や腎機能障害など、内臓に深刻なダメージを与える可能性があります。

見た目がきれいな錠剤であっても、その製造過程が安全である保証はどこにもありません。

重篤な健康被害が出ても救済制度が使えない

日本国内で正規に流通している医薬品を適正に使用したにもかかわらず、重篤な副作用が生じた場合には、「医薬品副作用被害救済制度」という公的な制度を利用することができます。

この制度を利用すれば、医療費や年金などの給付を受けることが可能です。

しかし、個人輸入で入手した医薬品を使用して健康被害が生じた場合、この救済制度の対象外となります。

治療にかかる高額な医療費はすべて自己負担となり、後遺症が残ったとしても何の補償も受けられません。

「自己責任」という言葉の重さは、健康を失って初めて痛感するものです。

わずかな薬代を節約するために、一生に関わる健康という大きな代償を支払うリスクがあることを忘れてはなりません。

具体的には、以下のような健康被害のリスクが潜んでいます。

主な健康被害リスク

  • 有効成分過多による動悸、めまい、血圧低下などの循環器系障害
  • 不衛生な製造環境に由来する細菌感染や消化器系のトラブル
  • 不純物や有害物質(塗料、重金属など)の混入によるアレルギー反応
  • 肝機能障害や腎不全など、長期服用による内臓への深刻なダメージ
  • 健康被害発生時の公的救済制度(医療費補償など)が一切受けられない

フィナステリドやミノキシジルが効かない場合の対処法

現在服用している薬で効果を感じられない場合、薬の種類や濃度の見直しが必要であると同時に、薬の効果を阻害している生活習慣や体調面の要因を取り除くことが、発毛への近道となります。

薬の成分濃度や種類の見直しが必要

AGA治療の基本薬であるフィナステリドやミノキシジルを使用しても効果が見られない場合、薬の強さがご自身の症状に合っていない可能性があります。

例えば、フィナステリドでは抜け毛が止まらない場合、より強力な酵素阻害作用を持つデュタステリドへの変更を検討することが有効な場合があります。

また、ミノキシジルについても、内服薬(タブレット)の濃度を調整したり、外用薬(塗り薬)と併用したりすることで、相乗効果を狙うことができます。

しかし、これらの変更や調整は副作用のリスクも変化させるため、専門的な知識が必要です。

漫然と同じ薬を飲み続けるのではなく、半年などの期間を目処に効果を判定し、変化がなければ治療方針を柔軟に変えていくことが求められます。

生活習慣の乱れが髪の成長を妨げている

どれほど優れたAGA治療薬を服用していても、髪の毛が育つための土壌である身体そのものが不健康であれば、十分な発毛効果は期待できません。

特に食生活の乱れは髪に直結します。

髪の主成分であるタンパク質(ケラチン)の生成には、亜鉛やビタミンなどの栄養素が必要です。

生活習慣の改善が髪に与える影響については、以下の表を参考にしてください。

生活習慣改善のポイント

項目髪への悪影響改善アクション
食生活栄養不足で髪が細くなるタンパク質、亜鉛、ビタミン群を意識して摂取する
喫煙血管収縮により栄養が届かない禁煙または本数を減らし血流を確保する
運動不足代謝低下で頭皮が硬くなる軽い有酸素運動で全身の血行を促進する

過度なダイエットや偏った食事、脂質の多いジャンクフードばかり摂取していると、頭皮の血流が悪くなり、髪に必要な栄養が届かなくなります。

また、過度な飲酒や喫煙も血管を収縮させ、頭皮環境を悪化させる大きな要因です。

薬の効果を最大限に引き出すためには、バランスの取れた食事と規則正しい生活習慣を心がけることが大切です。

ストレスや睡眠不足によるホルモンバランスの乱れ

現代社会において避けて通れないストレスも、AGA治療の大敵です。

強いストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になります。その結果、血管が収縮し、頭皮への血流が滞ってしまいます。

また、睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げます。

髪の毛の成長や修復は、主に寝ている間に行われます。特に午後10時から午前2時の間は髪のゴールデンタイムとも呼ばれていましたが、時間帯に関わらず、質の高い深い睡眠をとることが重要です。

睡眠不足が続くと、ヘアサイクルが乱れ、髪が十分に育つ前に抜け落ちてしまう原因となります。

リラックスする時間を持ち、質の良い睡眠を確保することは、薬の服用と同じくらい重要な治療の一環です。

個人輸入薬からクリニックへ切り替えるべきタイミング

自己判断での治療に限界を感じたら、迷わず医療機関へ相談する決断が必要です。

半年以上服用しても変化が見られない時

AGA治療薬は即効性のあるものではなく、効果を実感するまでに通常3ヶ月から6ヶ月程度の時間がかかります。

しかし、もし個人輸入した薬を半年以上継続して服用しているにもかかわらず、抜け毛が減らない、産毛も生えてこない、あるいは見た目に変化がないという場合は、その薬がご自身に合っていないか、あるいは偽物である可能性が高いです。

これ以上同じ薬を飲み続けても、効果が出る見込みは薄いでしょう。

貴重な時間を無駄にしないためにも、半年という期間を一つの区切りとし、成果が出ない場合はクリニックでの専門的な診断を受ける方向へ舵を切るべきです。

動悸やめまいなど体調に異変を感じた時

薬を服用し始めてから、動悸、めまい、立ちくらみ、胸の痛み、むくみ、性欲減退などの症状が現れた場合は、身体からの危険信号です。

これらはAGA治療薬の代表的な副作用ですが、個人輸入の薬の場合、成分量が多すぎるために症状が強く出ている可能性や、不純物による反応である可能性も否定できません。

「これくらいなら大丈夫だろう」と我慢して服用を続けることは非常に危険です。

以下のようなサインが出ている場合は、すぐに医療機関を受診すべきタイミングです。

クリニック受診を検討すべきサイン

  • 6ヶ月以上継続しても発毛効果や抜け毛の減少が実感できない
  • 動悸、息切れ、全身の倦怠感など、服用前にはなかった体調不良がある
  • 性機能障害(EDや性欲減退)の症状が強く現れ、生活に支障がある
  • 頭皮のかゆみ、発疹、炎症などの皮膚トラブルが悪化している
  • 初期脱毛と思われる抜け毛が3ヶ月以上続き、不安でストレスになっている

最悪の場合、心臓や肝臓に不可逆的なダメージを与えることもあります。

体調に少しでも違和感を覚えたら、直ちに服薬を中止し、医師の診察を受けることが必要です。

初期脱毛がいつまでも終わらない場合

AGA治療を開始して間もなく、一時的に抜け毛が増える「初期脱毛」という現象が起こることがあります。

これは、新しい髪が生えてくる過程で、古い弱い髪が押し出されるために起こる好転反応の一種です。

通常は1ヶ月から2ヶ月程度で収まりますが、もし3ヶ月以上経っても抜け毛が止まらない、あるいはさらに激しく抜けていくという場合は、単なる初期脱毛ではない可能性があります。

薬が合っていない、あるいは別の脱毛症を併発していることなどが考えられます。

自己判断で「これは初期脱毛だから」と決めつけるのは危険です。

異常な抜け毛が続く場合は、専門家の目で頭皮の状態を確認してもらうべきタイミングと言えます。

クリニックでの治療が個人輸入より確実性が高い理由

クリニックでは、医師が患者一人ひとりの医学的なデータに基づいて治療方針を決定し、経過を見ながらきめ細かく調整を行うため、安全性と発毛効果の確実性が個人輸入とは比較になりません。

血液検査に基づいた医学的根拠のある処方

多くのAGA専門クリニックでは、治療を開始する前に必ず血液検査を行います。

検査を通して、肝機能や腎機能の状態、現在の健康状態を正確に把握し、そもそも薬を服用しても問題ない体質かどうかを判断します。

さらに、遺伝子検査を行ってAGAの発症リスクや薬の効きやすさを事前に調べることも可能です。

これらの客観的なデータに基づいて、どの薬をどの程度の量で処方するのが最も効果的で安全かを医師が判断します。

感覚や勘に頼る個人輸入とは異なり、医学的根拠に基づいたオーダーメイドの処方が受けられることが、確実な効果につながる大きな理由です。

医師による定期的な経過観察と用量調整

AGA治療は、薬を飲んで終わりではありません。

定期的に通院し、医師が頭皮の状態や発毛の進み具合をマイクロスコープなどで詳細に確認します。

その経過に合わせて、「もう少し薬の濃度を上げよう」「効果が出ているので現状を維持しよう」といった細かい調整が可能になります。

また、季節の変わり目や体調の変化によって抜け毛が増えることがあっても、医師に相談することで不安を解消し、適切なアドバイスを受けることができます。

この定期的なメンテナンスと専門家による客観的な評価があるからこそ、治療の軌道修正ができ、最短ルートで発毛を目指すことができるのです。

副作用発現時の迅速な医療的ケア

薬による治療において、副作用のリスクを完全にゼロにすることはできません。

しかし、クリニックで治療を受けていれば、万が一副作用が出た場合でも、すぐに医師の診察を受け、薬の減量や休薬、あるいは副作用止めの処方など、適切な処置を受けることができます。

また、定期的な血液検査によって、自覚症状が出る前に肝機能の数値の変化などに気づくこともできます。

個人輸入と比較して、クリニックでの治療には以下のような安全上のメリットがあります。

個人輸入とクリニック治療の比較

比較項目個人輸入クリニック治療
薬の品質偽物や粗悪品のリスクあり正規品・成分鑑定済みで安心
処方の根拠自己判断・ネット情報血液検査・医師の診断
副作用対応全て自己責任(救済なし)医師による迅速な処置・ケア

何かあった時にすぐに相談できる医師がいるという安心感は、長期にわたるAGA治療において精神的な大きな支えとなります。

安全管理体制が整っていることは、医療機関ならではの強みです。

正規品と偽物を見分けることの難しさと限界

個人輸入薬のパッケージや錠剤の見た目は精巧に作られており、専門家であっても外見だけで真贋を見抜くことはほぼ不可能です。

パッケージや錠剤の見た目では判別不可能

偽造薬を作る業者の技術は年々向上しており、パッケージの印刷のズレやフォントの違い、ロゴの色味などを正規品と見比べるだけでは、本物か偽物かを区別することは極めて困難です。

錠剤の色や形、刻印に至るまで、本物そっくりにコピーされています。中には、ホログラムの偽造防止シールさえも精巧に模倣しているケースがあります。

「パッケージがきれいだから」「今までと同じ見た目だから」という理由で本物だと信じ込むことは危険です。

素人が外見だけで判断することは不可能に近いのが現状です。

成分鑑定を行わない限り中身は分からない

その薬が本物であるかどうかを確実に知る唯一の方法は、専門の分析機関で成分鑑定を行うことです。

薬を粉砕し、化学的な分析を行って初めて、有効成分が含まれているか、不純物が混入していないかが判明します。

しかし、個人が購入するたびに高額な費用と時間をかけて成分鑑定を行うことは現実的ではありません。

つまり、個人輸入で購入した薬を飲むということは、中身が何であるか分からないものを、確認する術もないまま体に入れているのと同じことです。

この「確認できないリスク」こそが、個人輸入の最大の落とし穴です。

偽造業者の手口は年々巧妙化している

偽造薬の製造・販売は、世界的な規模で行われている犯罪ビジネスです。取り締まりが強化される一方で、業者の手口も巧妙化しています。

例えば、正規の流通ルートに偽造品を紛れ込ませたり、本物の薬の成分を薄めて量を増やしたりする方法などがあります。

また、インターネット上の販売サイト自体も、一見すると信頼できそうなデザインで作られており、口コミやレビューさえも捏造されていることがあります。

以下に、偽造薬の特徴と判別の難しさをまとめました。

偽造薬の特徴と判別の難しさ

チェック項目偽造薬の実態判別可能性
外箱・包装精巧な印刷技術で完全に模倣される極めて困難
錠剤の形状色、形、刻印など本物と瓜二つ目視では不可能
溶け方・味コーティング技術により差が出にくい飲んでも分からない

どれだけ注意深くサイトを選んだとしても、その裏にある流通経路のすべてを把握することは不可能です。

いたちごっこの状況下で、個人が安全な薬を入手し続けることは非常に難しいと言わざるを得ません。

AGA治療における費用の考え方と長期的なコストパフォーマンス

目先の薬代の安さだけで個人輸入を選ぶことは、結果的に効果が出なかったり健康被害の治療費がかさんだりと、長い目で見れば大きな損失につながる可能性があります。

安さだけで選ぶと健康被害で治療費が増大する

個人輸入の最大の魅力は価格の安さですが、それは「安全性」というコストを削った結果であることを理解する必要があります。

もし偽造薬や粗悪品で健康を害してしまった場合、その治療のために通院や入院が必要になれば、薬代で節約した金額など一瞬で吹き飛ぶほどの高額な医療費がかかります。

さらに、仕事ができなくなったり、日常生活に支障をきたしたりすれば、経済的な損失は計り知れません。

安さを求めた結果、健康とお金の両方を失ってしまうリスクがあることを考えれば、最初から安全な医療機関で治療を受けることこそが、最大のリスクヘッジになります。

効果のない薬を飲み続けることの機会損失

AGAは進行性の症状です。

効果のない偽物の薬や、自分に合っていない薬を飲んで時間を浪費している間にも、薄毛は確実に進行していきます。

一度失ってしまった毛根や、進行しすぎてしまった薄毛を元の状態に戻すことは、初期段階で治療するよりもはるかに多くの時間と費用がかかります。

あるいは、手遅れになってしまうこともあります。

「安物買いの銭失い」と言うように、効果の出ない薬にお金を払い続けることは、ドブにお金を捨てているのと同じです。

多少費用がかかったとしても、クリニックで確実に効果の出る治療を早期に行うことが、結果的に最もコストパフォーマンスの良い選択となります。

クリニックの料金体系は透明化が進んでいる

かつては高額で不明瞭なイメージがあったAGAクリニックですが、近年では競争の激化やオンライン診療の普及により、料金体系の低価格化と透明化が進んでいます。

初診料や再診料が無料のクリニックや、ジェネリック医薬品を取り扱って月々の費用を数千円程度に抑えられるプランを用意しているクリニックも増えています。

個人輸入のリスクを冒さなくても、手の届く範囲で安全な医療を受けられる環境は整いつつあります。

以下の表で、コストとリスクのバランスを確認してみましょう。

コストパフォーマンス比較の視点

視点個人輸入の場合クリニックの場合
初期費用安い(薬代と送料のみ)診察料などがかかる場合がある
リスク費用健康被害時の全額自己負担リスク大副作用対応や補償があり安心
時間的価値効果が出ない期間の進行リスク最短ルートで発毛を目指せる

ウェブサイトで料金を明確に提示しているクリニックも多いので、まずは一度、無料カウンセリングなどで実際の費用感を確認してみることをお勧めします。

Q&A

最後に、AGA薬の個人輸入やクリニックへの切り替えに関して、多くの患者様から寄せられる疑問にお答えします。

個人輸入した薬の残りはどう処分すればいいですか?

効果が感じられない、あるいは不安を感じて服用を中止した個人輸入薬は、各自治体のルールに従って家庭ごみ(燃えるゴミなど)として処分してください。

医薬品は下水に流すと環境汚染の原因となるため、トイレや流しに流すことは避けてください。

また、他人への譲渡や転売は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」で禁止されており、処罰の対象となります。

もったいないと感じるかもしれませんが、安全のために廃棄することが重要です。

クリニックに切り替える際個人輸入していたことを伝えるべきですか?

はい、必ず医師に伝えてください。

これまでどのような成分を、どれくらいの期間、どの程度の量服用していたかという情報は、今後の治療方針を決める上で非常に重要な判断材料となります。

また、個人輸入薬による副作用が出ていないかを確認するためにも必要です。

医師は患者の健康を守ることが仕事であり、個人輸入をしていたからといって責めたり診療を拒否したりすることはありません。

正直に伝えることで、よりスムーズで適切な治療を受けることができます。

個人輸入の薬とクリニックの薬を併用してもいいですか?

自己判断での併用は避けてください。

成分が重複して過剰摂取となり、副作用のリスクが高まる危険性があります。

また、飲み合わせによって予期せぬ相互作用が起こることも考えられます。

クリニックで治療を受ける際は、処方された薬のみを医師の指示通りに服用することが原則です。

もし手元に残っている薬を使いたい場合は、必ず医師に相談し、その許可を得てからにする必要がありますが、安全性の観点から推奨されることはほとんどありません。

偽物を飲んでしまった可能性がある場合どうすればいいですか?

直ちに服用を中止し、体調に変化がないか確認してください。

もし何らかの体調不良を感じる場合は、すぐに内科や皮膚科などの医療機関を受診してください。

その際、服用していた薬(現物やパッケージ)を持参すると、医師が原因を特定する助けになります。

たとえ自覚症状がなくても、肝機能などに影響が出ている場合があるため、不安であれば医療機関で血液検査を受けることをお勧めします。

今後は個人輸入の利用を控え、信頼できる医療機関での処方に切り替えることが最善の対策です。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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