初めての方へ 薄毛遺伝子検査 予約・アクセス

母方の祖父がはげてなくても安心できない?遺伝以外の薄毛の原因と対策

「母方の祖父がはげていないから自分は大丈夫」と考えていませんか?薄毛の原因は遺伝だけではありません。実は、生活習慣や頭皮環境など、遺伝以外の要因も髪の健康に大きく影響します。

この記事では、遺伝以外で薄毛が進行する可能性のある原因を解説し、ご自身の遺伝的リスクを知った上で早期に予防ケアを始める重要性、そしてあなただけのケアを見つける方法について紹介します。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

運営ソーシャルメディア(SNSでは「こばとも」と名乗ることもあります)

XYouTubeInstagramLinkedin

著書一覧
経歴・プロフィールページ

こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

薄毛は遺伝だけではない?母方の祖父が鍵という説の誤解

薄毛は遺伝だけではない?

薄毛に関する俗説として「母方の祖父がはげていなければ、自分ははげない」という話を聞いたことがあるかもしれません。

これは、薄毛の原因遺伝子の一部がX染色体上に存在するため、母方の遺伝情報が影響するという考えに基づいています。しかし、これは薄毛の要因の一部に過ぎません。

男性型脱毛症(AGA)と遺伝の関係

男性型脱毛症(AGA)の発症には、遺伝的要因が関与することが分かっています。

特に男性ホルモン(テストステロン)がジヒドロテストステロン(DHT)に変換され、このDHTが毛乳頭細胞の受容体と結合することで、毛髪の成長期が短縮されることが主な原因です。

この男性ホルモン受容体の感受性の高さが遺伝しやすい形質の一つです。

X染色体以外の遺伝要因

AGAに関連する遺伝子はX染色体上にあるものだけではありません。常染色体上にも関連遺伝子が存在することが研究で示唆されています。

つまり、父親からの遺伝情報も薄毛のリスクに関係する可能性があるのです。

遺伝要因の複雑さ

薄毛のリスクは、単一の遺伝子だけで決まるものではなく、複数の遺伝子が複雑に関与しています。

そのため、「母方の祖父がはげていない」という情報だけで自身の将来的な薄毛リスクを判断することはできません。

遺伝以外の要因の重要性

たとえ遺伝的なリスクが低いと考えられても、後天的な要因によって薄毛が進行する可能性は十分にあります。

遺伝はあくまでリスク要因の一つであり、それ以外の生活習慣や環境要因も無視できません。

遺伝以外に考えられる薄毛の主な原因

遺伝的な素因がなくても、様々な要因が薄毛を引き起こしたり、進行させたりする可能性があります。

遺伝以外に考えられる薄毛の主な原因

ここでは、代表的な遺伝以外の原因を見ていきます。

生活習慣の乱れ

日々の生活習慣は、髪の健康に直接的な影響を与えます。不規則な生活は、髪の成長に必要なホルモンバランスや血行に悪影響を及ぼす可能性があります。

生活習慣と髪への影響

要因髪への影響対策例
睡眠不足成長ホルモンの分泌低下、血行不良質の高い睡眠を7-8時間確保する
運動不足血行不良、ストレス蓄積適度な有酸素運動(ウォーキングなど)
喫煙血管収縮による血行不良、ビタミン消費禁煙、節煙

ストレスの影響

過度な精神的ストレスは、自律神経のバランスを乱し、血管を収縮させて頭皮への血流を悪化させます。また、ストレスホルモンが毛髪の成長サイクルに影響を与えることも指摘されています。

ストレスによる影響

ストレスによる影響
  • 血行不良
  • ホルモンバランスの乱れ
  • 皮脂の過剰分泌

食生活の偏り

髪の毛は主にタンパク質(ケラチン)からできており、その生成には亜鉛やビタミン類などの栄養素が必要です。栄養バランスの偏った食事は、健康な髪の育成を妨げる原因となります。

食生活の偏り

髪の成長に必要な主な栄養素

栄養素主な役割多く含む食品例
タンパク質髪の主成分(ケラチン)の材料肉、魚、大豆製品、卵
亜鉛ケラチンの合成を助ける牡蠣、レバー、牛肉
ビタミンB群頭皮の新陳代謝、血行促進豚肉、レバー、マグロ、カツオ

不適切なヘアケアや頭皮環境

洗浄力の強すぎるシャンプー、頻繁なカラーリングやパーマ、頭皮の乾燥や炎症なども毛髪や毛根にダメージを与え、薄毛の原因となることがあります。

頭皮環境を健やかに保つことが重要です。

頭皮環境を健やかに保つことが重要です。

あなたの薄毛リスクはどこにある?遺伝子レベルで知る必要性

薄毛の原因は多岐にわたるため、効果的な対策を行うには、まずご自身の持つリスク要因を正確に把握することが大切です。

特に遺伝的な要因は自分では認識しにくいため、科学的な分析が役立ちます。

AGA(男性ホルモン)のリスク

AGAの主な原因である男性ホルモンの影響の受けやすさは、遺伝子によって左右されることが分かっています。

PAX1/FOXA2遺伝子領域などのマーカーを調べることで、AGAの発症リスクの高さを評価できます。

AGAリスク遺伝子マーカー例

遺伝子領域関連するリスク
AR遺伝子 (X染色体)男性ホルモン受容体の感受性
PAX1/FOXA2遺伝子領域 (常染色体)AGAの発症しやすさ

毛髪の脆弱性(毛母細胞活性)のリスク

髪の毛の太さや強さ、成長力に関わる遺伝子もあります。

例えばEDAR遺伝子は毛髪の形成に関与しており、この遺伝子のタイプによって髪が細くなりやすい、あるいは抜けやすいといった傾向が分かる場合があります。

頭皮環境(トラブル)のリスク

頭皮のバリア機能や炎症の起こしやすさにも、遺伝的な傾向が関わっています。SPINK5遺伝子などは皮膚のバリア機能に関連し、頭皮トラブルを起こしやすい体質かどうかを知る手がかりになります。

頭皮トラブル関連遺伝子マーカー例

遺伝子関連するリスク
SPINK5遺伝子皮膚バリア機能、炎症反応

遺伝子情報を知るメリット

ご自身の遺伝的な薄毛リスク(AGA、毛髪の脆弱性、頭皮トラブル)を把握することで、漠然とした不安から解放され、より具体的でパーソナルな予防策や対策を早期に始めることが可能になります。

なぜ早期予防が重要なのか

薄毛の悩みは、進行してから対策を始めるよりも、気になり始めた段階やリスクを認識した段階で予防ケアを始める方が、はるかに効果的であり、将来的な負担も軽減できます。

毛周期と薄毛の関係

髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」というサイクル(毛周期)があります。AGAなどの薄毛では、この成長期が短縮してしまうことで、髪が十分に太く長く育つ前に抜け落ちてしまいます。

毛周期の段階

毛周期の段階
  • 成長期 (2~6年)
  • 退行期 (約2週間)
  • 休止期 (約3~4ヶ月)

毛母細胞の活動限界

髪を生み出す毛母細胞は、無限に分裂できるわけではありません。毛周期のサイクルには限りがあり、一般的には40~50回程度と言われています。

AGAなどによって毛周期が短縮されると、その分だけ早く毛母細胞が寿命を迎えてしまい、最終的には髪が生えてこなくなる可能性があります。

早期ケアによるメリット

早期に適切なケアを開始することで、毛周期の乱れを抑制し、毛母細胞の寿命を温存することが期待できます。これにより、薄毛の進行を緩やかにしたり、現状を維持したりすることが可能になります。

早期ケアのポイント

ケアの方向性期待される効果
頭皮環境の改善健やかな毛髪育成の土台作り
血行促進毛母細胞への栄養供給サポート
ホルモンバランスへの配慮AGA進行要因へのアプローチ(該当する場合)

「まだ大丈夫」が手遅れにつながる可能性

薄毛はゆっくりと進行することが多いため、「まだ大丈夫」と思っているうちに、気づけばかなり進行していたというケースも少なくありません。

予防的な観点から、早めに行動を起こすことが賢明です。

自分に合ったケアを見つける「Pesod(ペソッド)」とは

薄毛の原因やリスクが人それぞれ異なるように、効果的なケア方法も一人ひとり違います。

「万人に効く育毛剤は存在しない」という考えに基づき、あなたの遺伝的特徴に合わせたパーソナルな育毛ケアを提供するのが「Pesod」です。

Pesod

Pesodのコンセプト

Pesodは、まず遺伝子検査によって、あなたの薄毛に関する遺伝的リスク(AGA、毛髪の脆弱性、頭皮トラブル)を科学的に分析します。

その結果に基づいて、あなたの体質に合った成分を配合した育毛剤を提供します。

Pesodが分析する3つの主要な遺伝子リスク

Pesodの遺伝子検査では、薄毛に関連する以下の3つの主要なリスクを評価します。

Pesodの遺伝子検査対象リスク

リスクカテゴリ関連遺伝子領域(例)概要
男性ホルモンによる影響(AGA)PAX1/FOXA2 などAGAの発症しやすさ
毛髪の脆弱性(毛母細胞活性)EDAR など髪の太さや強さ、成長力
頭皮環境(トラブル)SPINK5 など頭皮のバリア機能、炎症の起こしやすさ

遺伝子検査結果に基づく7つのタイプ分類

検査結果に基づき、あなたの遺伝的リスクの組み合わせから、7つのタイプのうちいずれかに分類します。

遺伝子検査結果に基づく7つのタイプ分類

各タイプには、それぞれのリスクに対応するための有効成分や、特定の機能を強化する成分が配合されています。

Pesodを選ぶメリット

やみくもに市販の育毛剤を試すのではなく、ご自身の遺伝的リスクに基づいた製品を選ぶことで、より効率的で納得感のあるケアを始めることができます。

Pesodによるパーソナルヘアケアの始め方

Pesodによる遺伝子検査と、あなたに合った育毛剤によるケアは簡単な手順で始めることができます。ここではその流れを紹介します。

遺伝子検査キットの申し込み

まずは以下のLINE登録より遺伝子検査キットを申し込みます。遺伝子検査は無料です。

女性の方の「Pesod」LINE登録はこちらからできます。

育毛剤よりも治療薬が良いとお考えの方は、遺伝子検査によるAGA治療も行っております。詳しくはこちらのページをご確認ください(オンライン診療にも対応しています)

唾液サンプルの採取と返送

キットに同封されている説明書に従って、唾液サンプルを採取します。痛みなどは全くありません。採取したサンプルを返送用封筒に入れてポストに投函します。

検査キットの内容物

  • 唾液採取用具
  • 保存液入りチューブ
  • 返送用封筒
  • 説明書・同意書

検査結果の確認とタイプ判定

返送されたサンプルは専門の検査機関で分析されます。

約3~4週間後に、あなたの遺伝的リスク(AGA、毛髪脆弱性、頭皮トラブル)に関する分析結果と、それに基づいた7つのタイプのうちあなたがどのタイプに該当するかが通知されます。

あなた専用タイプのPesodが届く

検査結果に基づいて、あなたのタイプに合った処方のPesod育毛剤が定期的に届けられます。毎日のケアに取り入れることで遺伝的リスクを踏まえた効果的な予防が期待できます。

Pesod利用の流れ

手順内容
1. 申し込みウェブサイト等から検査キットを注文
2. 検査実施自宅で唾液を採取し返送
3. 結果確認約3-4週間後に遺伝子リスクとタイプを通知
4. ケア開始判定されたタイプのPesodが届き、使用開始

よくある質問 (FAQ)

Pesodや遺伝子検査、薄毛に関する疑問について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。

母方の祖父がはげていなくても、AGAになる可能性はありますか?

はい、可能性はあります。AGAに関連する遺伝子はX染色体(母方から受け継ぐ)以外にも存在するため、母方の祖父がはげていなくても、他の遺伝的要因や生活習慣などによってAGAを発症するリスクはあります。

遺伝子検査で薄毛リスクが高いと分かったら、必ずはげるのでしょうか?

いいえ、必ずしもはげるわけではありません。遺伝子検査はあくまで「リスクの高さ」を示すものであり、発症を確定するものではありません。

リスクが高いと分かった場合でも、早期から適切な予防ケア(生活習慣の改善、Pesodのような遺伝子情報に基づく育毛剤の使用など)を行うことで、発症を遅らせたり、進行を抑制したりすることが期待できます。

Pesodを使えば、髪は必ず生えてきますか?

Pesodは、ご自身の遺伝的リスクに基づいた「予防」と「育毛ケア」を目的とした製品です。発毛効果を保証するものではありません。薄毛が進行している場合や、より積極的な治療を希望する場合は、AGA治療を行うクリニックへの相談が必要です。

Pesodはクリニックでの治療を始める前の段階での予防ケア、あるいは治療と並行して行う頭皮環境ケアとして位置づけることができます。

遺伝子検査の結果は他人に知られますか?

いいえ、お客様の遺伝子情報や個人情報は厳重に管理されます。検査結果はご本人様のみに通知され、プライバシーは保護されますのでご安心ください。

参考文献

KONDRAKHINA, Irina N., et al. The value of genetic and non-genetic factors in the emergence and in the development of androgenetic alopecia in men: multifactor analysis. Annals of the Russian academy of medical sciences, 2019, 74.3: 167-175.

SIDARTA, Erick, et al. The Role of rs6152 Allele and Non-Genetic Factors in Androgenetic Alopecia: A Pilot Study in the Indonesian Local Population. Bioscientia Medicina: Journal of Biomedicine and Translational Research, 2024, 8.6: 447-4476.

KEENE, Sharon A. Cyberspace Chat: Beyond Genetics part III: evidence that lifestyle choices may impact hair loss in androgenetic alopecia. In: Hair Transplant Forum International. Hair Transplant Forum International, 2012. p. 136-139.

KONDRAKHINA, Irina N. Androgenic alopecia in men: the significance of genetic, hormonal and metabolic factors (prospective cohort comparative study). Russian Journal of Skin and Venereal Diseases, 2022, 25.5: 349-361.

HENNE, Sabrina K.; NÖTHEN, Markus M.; HEILMANN-HEIMBACH, Stefanie. Male-pattern hair loss: Comprehensive identification of the associated genes as a basis for understanding pathophysiology. Medizinische Genetik, 2023, 35.1: 3-14.

KONDRAKHINA, I. N., et al. SNP variation in male pattern hair loss in Russians with different dihydrotestosterone levels. Meta Gene, 2019, 19: 219-224.

GARILLI, Bianca. Alopecia: Genes, Hormones, and More Causes of Hair Loss.

免責事項

当院の医療情報について

当記事は、医療に関する知見を提供することを目的としており、当院への診療の勧誘を意図したものではございません。治療についての最終的な決定は、患者様ご自身の責任で慎重になさるようお願いいたします。

掲載情報の信頼性

当記事の内容は、信頼性の高い医学文献やガイドラインを参考にしていますが、医療情報には変動や不確実性が伴うことをご理解ください。また、情報の正確性には万全を期しておりますが、掲載情報の誤りや第三者による改ざん、通信トラブルなどが生じた場合には、当院は一切責任を負いません。

情報の時限性

掲載されている情報は、記載された日付の時点でのものであり、常に最新の状態を保証するものではありません。情報が更新された場合でも、当院がそれを即座に反映させる保証はございません。

ご利用にあたっての注意

医療情報は日々進化しており、専門的な判断が求められることが多いため、当記事はあくまで一つの参考としてご活用いただき、具体的な治療方針については、お近くの医療機関に相談することをお勧めします。

大垣中央病院・こばとも皮膚科

  • URLをコピーしました!
目次