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発毛剤の医薬品タイプ – その効果と安全性

発毛剤の医薬品タイプ - その効果と安全性

発毛剤には医薬品と市販品の2つのタイプがあり、その効果や安全性には大きな違いがあります。
男性型脱毛症に悩む方にとって、適切な治療法の選択は重要な課題です。

本記事では、医薬品発毛剤と市販品の比較、それぞれの副作用やデメリット、さらには併用療法の可能性について詳しく解説します。

また、発毛治療を始める前の事前検査の重要性についても触れ、安全かつ効果的な脱毛対策の方法を探ります。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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目次

医薬品と市販品(医薬部外品)の効果効能の比較

発毛剤の医薬品と市販品(医薬部外品)には、効果や効能に顕著な違いがあり、医薬品の方がより高い発毛効果を示す傾向にあります。

医薬品と市販品の基本的な違い

医薬品発毛剤と市販品(医薬部外品)発毛剤の最も大きな違いは、その有効成分と効果の強さにあります。

医薬品発毛剤は、厳格な臨床試験を経て効果が科学的に証明された成分を含んでおり、より強力な発毛効果が期待できます。

一方、市販品は比較的穏やかな成分を使用しているため、副作用のリスクは低いものの、効果も医薬品ほど顕著ではありません。

有効成分の比較

医薬品発毛剤の代表的な有効成分としては、フィナステリドやミノキシジルが挙げられます。

これらの成分は、男性型脱毛症の原因となる男性ホルモンの作用を抑制したり、毛細血管を拡張させて毛根への栄養供給を促進したりする働きがあります。

一方、市販品に含まれる成分は、センブリエキスやトコフェロール酢酸エステル等、比較的マイルドな植物由来成分が多く使用されています。

医薬品発毛剤市販品発毛剤
フィナステリドセンブリエキス
ミノキシジルトコフェロール酢酸エステル

これらの成分は、頭皮の環境を整えたり、血行を促進したりする効果はありますが、医薬品ほどの強力な発毛効果は期待できません。

効果の発現速度と持続性

医薬品発毛剤は、一般的に効果の発現が早く、継続的な使用によって高い効果が持続します。

フィナステリドの場合、3~6ヶ月程度の使用で効果が現れ始め、1年以上の継続使用でより顕著な効果が得られるとされています。

市販品の場合、効果の発現にはより長期間を要することが多く、個人差も大きいのが特徴です。

  • 医薬品発毛剤の効果発現期間3~6ヶ月
  • 市販品発毛剤の効果発現期間6ヶ月~1年以上

ただし、いずれの場合も個人差があるため、効果の現れ方には注意が必要です。

使用方法と利便性

医薬品発毛剤は、その高い効果ゆえに医師の処方が必要となり、使用には定期的な通院が求められます。

これに対し、市販品は薬局やドラッグストアで気軽に購入でき、自己判断で使用を開始できるという利点があります。

項目医薬品発毛剤市販品発毛剤
購入方法医師の処方薬局で自由に購入可能
使用開始医師の指導が必要自己判断で可能

しかしながら、自己判断での使用は適切な治療機会を逃す可能性もあるため、専門医への相談を推奨します。

費用面での比較

医薬品発毛剤は、その高い効果と医療管理の必要性から、市販品と比較して高額になる傾向があります。

通院費用や検査費用も含めると、長期的には相当な出費となる場合があります。

一方、市販品は比較的安価で、継続使用しても経済的負担は軽いと言えますが、効果を実感するまでに時間がかかる分、結果的に長期間の使用が必要となる可能性もあります。

費用項目医薬品発毛剤市販品発毛剤
薬剤費高額比較的安価
通院・検査費必要不要

このように、費用対効果を考慮すると、個人の症状や経済状況に応じて適切な選択が求められます。

安全性と副作用

医薬品発毛剤は、その強力な効果の反面、副作用のリスクも比較的高くなります。

フィナステリドの場合、性機能障害や乳房腫大などの副作用が報告されていますが、これらは使用を中止することで改善することが多いとされています。

市販品は、一般的に副作用のリスクは低いですが、頭皮のかゆみや赤みなどの軽度の刺激が生じる場合があります。

  • 医薬品発毛剤の主な副作用性機能障害、乳房腫大
  • 市販品発毛剤の主な副作用頭皮のかゆみ、赤み

いずれの場合も、使用前に成分をよく確認し、アレルギー反応などに注意することが大切です。

市販発毛剤の副作用、デメリット

市販発毛剤は一般的に安全性が高いとされていますが、副作用やデメリットが全くないわけではなく、適切な使用方法を守り、自身の体質や症状に合わせて選択することが重要です。

市販発毛剤の主な副作用

市販発毛剤の副作用は、多くの場合軽度であり、重篤な健康被害につながることは稀ですが、使用者の体質や製品の成分によっては注意が必要な場合があります。

しかしながら、一部の使用者において頭皮のかゆみや赤み、乾燥などの症状が報告されており、これらの症状は使用を中止することで改善することが多いとされています。

これらの症状は、発毛剤に含まれる有効成分や添加物に対する皮膚の反応によって引き起こされることがあり、特に敏感肌の方や特定の成分にアレルギーを持つ方は注意が必要です。

副作用症状
頭皮の刺激かゆみ、赤み
皮膚トラブル乾燥、フケ

特に敏感肌の方や、アレルギー体質の方は、使用前にパッチテストを行うことをおすすめしますが、それでも完全に副作用のリスクを排除することはできないため、使用中は常に自身の頭皮の状態に注意を払うことが大切です。

アレルギー反応のリスク

市販発毛剤に含まれる成分によっては、アレルギー反応を引き起こす可能性があり、特に複数の成分が配合されている製品では、どの成分がアレルギーの原因となっているかを特定することが難しい場合があります。

特に植物由来の成分を多く含む製品では、花粉症やその他のアレルギーを持つ方に注意が必要であり、過去に植物エキスなどでアレルギー反応を経験したことがある方は、使用を控えるか、医師に相談することをおすすめします。

アレルギー反応の症状としては、以下のようなものが挙げられますが、個人によって症状の現れ方や程度が異なる場合があります。

  • 発疹や蕁麻疹
  • 顔面の腫れ
  • 呼吸困難

これらの症状が現れた際は、直ちに使用を中止し、医療機関を受診することが大切ですが、症状が軽度であっても自己判断せずに、専門医の診断を受けることをおすすめします。

効果の個人差と期待はずれのリスク

市販発毛剤の効果には個人差があり、必ずしも全ての使用者に同様の効果が現れるわけではなく、遺伝的要因や生活習慣、ストレスなどの影響により、効果の程度が大きく異なる場合があります。

中には、長期間使用しても目立った効果が感じられないケースもあり、そうした場合には金銭的・時間的な損失を被る可能性があるだけでなく、心理的なストレスや落胆を経験する可能性もあります。

効果の程度割合
効果あり20-30%
効果なし60-80%

効果が現れるまでには通常数ヶ月から半年程度かかるため、短期間で効果を判断することは適切ではありませんが、同時に、効果が現れない場合でも長期間にわたって使用を継続することは、経済的な負担を増大させる可能性があります。

過度の期待による心理的影響

市販発毛剤に過度の期待を寄せることで、心理的なストレスや不安を抱える可能性があり、毎日の使用が心理的な負担となったり、効果の有無に一喜一憂することで精神的な健康を損なう恐れがあります。

効果が現れるまでの間、毎日鏡を見ては一喜一憂することで、かえって精神的な負担が増大することがあり、このようなストレスは睡眠の質や食生活にも悪影響を及ぼす可能性があります。

このような心理的ストレスは、脱毛をさらに悪化させる要因にもなりかねず、ストレスによるホルモンバランスの乱れが、さらなる脱毛を引き起こす悪循環に陥る可能性があります。

長期使用による依存性

市販発毛剤の中には、使用を中止すると効果が失われてしまうものがあり、一度効果を実感すると、その効果を維持するために継続的な使用が必要となる場合があります。

そのため、一度使い始めると継続的な使用が必要となり、経済的な負担が長期化する可能性があるだけでなく、発毛剤への依存度が高まり、使用をやめることへの不安や抵抗感が生じる可能性があります。

使用期間月額コスト
1年未満5,000-10,000円
1年以上3,000-8,000円

また、心理的な依存性も生じる可能性があり、使用を中止することへの不安が募ることもあるため、定期的に使用の必要性を見直し、専門医に相談することが重要です。

正しい使用法を守らないことによるリスク

市販発毛剤は、製品に記載された使用方法を厳守することが重要であり、使用量や使用頻度、塗布方法などを誤ると、期待した効果が得られないだけでなく、副作用のリスクが高まる可能性があります。

過度な使用や不適切な塗布方法は、頭皮への負担を増大させ、かえって脱毛を悪化させる可能性があるだけでなく、皮膚トラブルや全身性の副作用を引き起こす恐れもあります。

注意すべき点としては、以下のようなものが挙げられますが、これらに限らず、製品の説明書や注意事項をよく読み、疑問点があれば専門家に相談することが大切です。

  • 推奨量以上の使用
  • 塗布回数の増加
  • 頭皮以外への塗布

正しい使用法を守ることで、副作用のリスクを最小限に抑えることができますが、それでも個人の体質や状態によっては予期せぬ反応が起こる可能性があるため、使用中は常に自身の状態に注意を払うことが重要です。

他の薬剤との相互作用

市販発毛剤と他の薬剤を併用する際には、注意が必要であり、特に頭皮に塗布する他の薬剤や化粧品との併用は、成分同士が相互作用を起こし、予期せぬ反応を引き起こす可能性があります。

特に、頭皮に塗布する他の薬剤や化粧品との併用は、予期せぬ反応を引き起こす可能性があり、発毛剤の効果を減弱させたり、逆に副作用のリスクを高める可能性があります。

併用注意薬剤潜在的リスク
ステロイド軟膏皮膚の薄化
抗真菌剤効果の減弱

医療用医薬品を服用中の方は、事前に医師や薬剤師に相談することが望ましいでしょうが、市販薬や健康食品との相互作用にも注意が必要であり、使用前に必ず専門家のアドバイスを求めることをおすすめします。

市販発毛剤は、適切に使用すれば比較的安全性の高い製品ですが、個人の体質や使用状況によっては様々なリスクが存在することを理解しておく必要があります。

しかし、上記のような副作用やデメリットがあることを理解した上で、自身の状態に合わせて慎重に選択・使用することが大切であり、定期的に使用の効果や必要性を見直すことも重要です。

効果が感じられない場合や、気になる症状が現れた際には、早めに専門医に相談することをおすすめしますが、自己判断で使用を中止したり、用法を変更したりすることは避け、必ず専門家の指導を受けるようにしましょう。

医薬品発毛剤の副作用、デメリット

医薬品発毛剤は高い効果が期待できる一方で、副作用やデメリットが存在するため、使用に際しては、これらのリスクを十分に理解し、医師の指導のもとで適切に使用することが重要です。

主な副作用

医薬品発毛剤の代表的な副作用には、性機能障害や乳房腫大などがあり、これらは使用者の生活の質に大きな影響を与える可能性があるため、使用前に医師と十分に相談し、リスクとベネフィットを慎重に検討する必要があります。

性機能障害については、リビドー(性欲)の低下やED(勃起障害)が報告されており、特に若年層の使用者にとっては深刻な問題となる場合があるため、パートナーとの関係性や将来的な家族計画にも影響を及ぼす可能性があります。

乳房腫大は、男性ホルモンの働きを抑制する作用によって引き起こされることがあり、外見的な変化だけでなく、心理的なストレスの原因にもなりうるため、定期的な診察や自己観察を通じて早期発見・早期対応が求められます。

副作用発生頻度
性機能障害約2-3%
乳房腫大約1-2%

これらの副作用は、多くの場合、薬剤の使用を中止することで改善されますが、長期間持続する事例も報告されているため、使用中止後も一定期間は経過観察が必要となる場合があります。

肝機能への影響

医薬品発毛剤の中には、肝臓で代謝される成分を含むものがあり、長期使用によって肝機能に影響を及ぼす可能性があるため、特に既往歴のある方や高齢者は注意が必要です。

肝機能障害の症状としては、以下のようなものが挙げられますが、初期段階では自覚症状がない場合もあるため、定期的な検査が重要です。

  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 黄疸

定期的な肝機能検査を受けることで、早期に異常を発見し、適切な対応をとることが大切ですが、検査結果の解釈や対応方法については、必ず医師の指導を仰ぐようにしましょう。

薬剤耐性と効果の減弱

長期間にわたって医薬品発毛剤を使用すると、薬剤耐性が生じ、効果が徐々に減弱していく可能性があるため、定期的な効果の評価と必要に応じた治療方針の見直しが重要となります。

薬剤耐性は、体が薬剤に慣れてしまうことで起こり、同じ投与量では十分な効果が得られなくなる状態を指しますが、個人差が大きいため、一概に耐性が生じる時期を予測することは困難です。

使用期間効果の維持率
1年未満約90%
1-3年約80%
3年以上約70%

効果の減弱が見られた際には、医師と相談の上、投与量の調整や他の治療法との併用を検討する必要があるでしょうが、安易に投与量を増やすことは避け、総合的な判断のもとで対応策を決定することが大切です。

長期使用による経済的負担

医薬品発毛剤は、その効果を維持するために継続的な使用が求められるため、長期的な経済的負担が生じますが、これは個人の収入や生活スタイルによっては大きな負担となる可能性があります。

処方箋医薬品の場合、定期的な通院費用や検査費用も含めると、年間で相当な出費となる場合があり、特に高額な治療法を選択した場合は、家計に大きな影響を与える可能性があります。

さらに、保険適用外の治療となる場合が多いため、全額自己負担となることも経済的なデメリットの一つといえるでしょうが、一方で、長期的な視点では脱毛の進行を抑制することによる心理的・社会的メリットも考慮する必要があります。

使用中止後の急速な脱毛進行

医薬品発毛剤の使用を中止すると、それまで抑制されていた脱毛が急速に進行する可能性があるため、使用中止を検討する際には、事前に医師と十分に相談し、適切な対応策を準備することが重要です。

この現象は、薬剤によって維持されていた毛髪のサイクルが、中止によって乱れることで引き起こされますが、個人差が大きいため、全ての人に同じように急速な脱毛が起こるわけではありません。

中止後の期間脱毛の進行度
3-6ヶ月中程度
6-12ヶ月顕著

急速な脱毛の進行は、外見的な変化だけでなく、心理的なストレスの原因にもなりうるため、使用中止の際には慎重な判断が必要ですが、同時に、代替治療法や心理的サポートの検討も重要となります。

他の薬剤との相互作用

医薬品発毛剤は、他の薬剤と相互作用を起こす可能性があり、特に処方箋医薬品との併用には注意が必要ですが、これは単に発毛効果に影響するだけでなく、重大な健康リスクにつながる可能性もあります。

相互作用によって、発毛剤の効果が減弱したり、逆に副作用のリスクが高まったりすることがありますが、これは個人の体質や服用している薬剤の種類、用量によっても大きく異なります。

例えば、以下のような薬剤との相互作用が報告されていますが、これらに限らず、常に新たな相互作用のリスクが発見される可能性があります。

  • 降圧剤
  • 抗うつ剤
  • ホルモン療法薬

これらの薬剤を使用している場合は、必ず医師に相談し、適切な指導を受けることが重要ですが、同時に、新たな薬剤の処方を受ける際にも、発毛剤の使用について医師に伝えることを忘れないようにしましょう。

妊娠・授乳への影響

一部の医薬品発毛剤は、妊娠中の女性や授乳中の母親が使用することで、胎児や乳児に悪影響を及ぼす可能性があるため、家族計画や出産後の生活設計にも大きな影響を与える可能性があります。

特に、男性ホルモンの働きを抑制する成分を含む薬剤は、男児の性器形成に影響を与える可能性があるため、妊娠中の女性との接触にも注意が必要ですが、これは単に直接的な接触だけでなく、環境中への薬剤の拡散なども考慮する必要があります。

使用者注意事項
妊婦使用禁止
授乳中の母親医師と相談

パートナーが妊娠を希望している場合や、妊娠の可能性がある場合には、医師と十分に相談した上で使用を検討することが大切ですが、同時に、代替治療法や一時的な使用中止なども視野に入れた総合的な判断が求められます。

医薬品発毛剤は、適切に使用すれば高い効果が期待できる治療法ですが、上記のような副作用やデメリットがあることを理解した上で、慎重に使用を検討する必要があり、特に長期使用を想定する場合は、定期的な効果の評価と副作用のモニタリングが不可欠です。

市販品と医薬品の併用療法

市販品と医薬品の併用療法は、それぞれの長所を活かしつつ、短所を補完することで、より効果的な発毛・育毛効果を得ることができる可能性があり、個々の状態に応じて適切に組み合わせることで、相乗効果を発揮することが期待できます。

ただし、併用に際しては医師の指導を受け、適切な使用方法と注意点を理解することが不可欠であり、自己判断での併用は避けるべきです。

併用療法の基本的な考え方

併用療法の基本的な考え方は、医薬品の強力な発毛効果と市販品の頭皮ケア効果を組み合わせることで、相乗効果を生み出すことにあり、これにより単独使用時よりも高い治療効果が期待できる可能性があります。

医薬品発毛剤は、直接的に毛髪の成長を促進する作用を持っていますが、頭皮の状態を整える効果は限定的である場合があるため、市販品との併用により、より総合的なアプローチが可能となります。

一方、市販品は頭皮環境の改善に特化しているものが多く、医薬品との併用により、より健康的な頭皮環境で発毛効果を発揮させることが期待できるため、両者の特性を活かした相乗効果が期待されます。

製品タイプ主な効果
医薬品直接的な発毛促進
市販品頭皮環境の改善

このような相互補完的なアプローチにより、総合的な発毛・育毛効果の向上を目指すのが併用療法の目的といえるでしょうが、個々の状態や目標に応じて、最適な組み合わせを見出すことが重要です。

効果的な併用パターン

効果的な併用パターンとしては、医薬品発毛剤を主軸とし、市販品を補助的に使用するケースが多く見られますが、この組み合わせにより、内側と外側からのアプローチを同時に行うことで、より包括的な治療効果が期待できます。

例えば、医薬品であるフィナステリドの内服と、市販のミノキシジル外用薬を組み合わせる方法が代表的であり、この組み合わせにより、内側からのホルモンバランスの調整と、外側からの毛根への栄養供給を同時に行うことができます。

この組み合わせにより、内側からのホルモンバランスの調整と、外側からの毛根への栄養供給を同時に行うことができ、さらに頭皮環境の改善効果も加わることで、より効果的な発毛・育毛が期待できます。

医薬品市販品
フィナステリド内服薬ミノキシジル外用薬
デュタステリド内服薬育毛トニック

加えて、頭皮マッサージや育毛トニックなどの市販品を併用することで、さらなる相乗効果が期待できるでしょうが、過剰な併用は逆効果となる可能性もあるため、適度なバランスを保つことが重要です。

併用療法のメリット

併用療法のメリットとしては、以下のような点が挙げられますが、これらのメリットを最大限に活かすためには、個々の状態に応じた適切な組み合わせと使用方法の選択が不可欠です。

  • 効果の相乗作用
  • 発毛・育毛プロセスの多角的アプローチ
  • 副作用リスクの分散

特に、効果の相乗作用については、単独使用時と比べて高い発毛・育毛効果が得られる可能性があり、これにより治療期間の短縮や、より顕著な改善効果が期待できる場合があります。

発毛・育毛プロセスの多角的アプローチにより、毛髪の成長サイクルの様々な段階に働きかけることができ、より包括的な治療が可能となるため、従来の単一アプローチでは効果が限定的だった場合でも、改善の可能性が高まります。

さらに、副作用リスクの分散という観点からも、併用療法は有効な選択肢となり得るでしょうが、一方で新たな相互作用のリスクも生じる可能性があるため、慎重なモニタリングが必要となります。

併用療法の注意点

併用療法を行う際には、いくつかの重要な注意点があり、これらを適切に管理することで、安全かつ効果的な治療を行うことが可能となります。

まず、医薬品と市販品の相互作用について、十分な知識を持つことが大切であり、特に処方薬と市販品の組み合わせには細心の注意を払う必要があります。

場合によっては、予期せぬ副作用が生じる可能性があるため、必ず医師に相談の上、適切な組み合わせを選択する必要があり、自己判断での併用は避けるべきです。

注意点対応策
相互作用医師への相談
副作用の増強慎重な経過観察

また、効果が現れるまでには一定の期間が必要であり、焦らずに継続することが重要ですが、一方で効果が見られない場合の見極めも大切であり、定期的な評価と計画の見直しが必要となります。

併用療法の費用対効果

併用療法は、単独療法と比較して高い効果が期待できる反面、費用面での負担が大きくなる傾向があり、長期的な治療計画を立てる際には、この点を十分に考慮する必要があります。

医薬品発毛剤の費用に加えて、市販品の購入費用も必要となるため、長期的な経済的負担を考慮する必要があり、治療効果と費用のバランスを慎重に検討することが重要です。

ただし、効果的な併用により早期に改善が見られれば、結果的にトータルコストを抑えられる可能性もあり、個々の状態や目標に応じて、最適な治療計画を立てることが大切です。

項目単独療法併用療法
初期費用
長期的コスト要検討

費用対効果を最大化するためには、定期的な効果の評価と、必要に応じた治療計画の見直しが不可欠であり、医師との綿密な相談を通じて、最適な治療戦略を構築することが重要です。

併用療法の個別化

併用療法の効果は個人差が大きいため、画一的なアプローチではなく、個々の状態に合わせた個別化が重要となり、これにより、より効果的かつ安全な治療を行うことが可能となります。

年齢、脱毛の程度、生活習慣、既往歴などを総合的に考慮し、最適な組み合わせを見出していく必要があり、これらの要素に基づいて、医師と相談しながら治療計画を立てることが大切です。

場合によっては、使用する製品の種類や使用頻度を調整することで、より効果的な治療が可能となるでしょうが、同時に、過剰な併用や不適切な使用方法によるリスクにも注意を払う必要があります。

  • 個人の状態に応じた製品選択
  • 使用頻度や量の調整
  • 定期的な効果の評価と計画の見直し

医師との密な連携のもと、常に最適な治療計画を追求することが、併用療法成功の鍵となり、定期的な経過観察と柔軟な計画の調整が、長期的な治療成功につながります。

市販品と医薬品の併用療法は、適切に行うことで高い発毛・育毛効果が期待できる治療法であり、個々の状態に応じたカスタマイズされたアプローチにより、より効果的な結果を得られる可能性があります。

しかし、その実施には十分な知識と慎重なアプローチが求められ、安全性と効果のバランスを常に考慮しながら、治療を進めていく必要があります。

医師の指導を受けながら、自身の状態に最適な併用方法を見出し、継続的に取り組むことが、治療成功への道筋となるでしょうが、同時に、定期的な評価と柔軟な対応も忘れずに、長期的な視点で治療に取り組むことが重要です。

事前検査の重要性

発毛剤の使用を検討される際には、事前検査が極めて大切です。適切な検査により、個々の患者様に最適な治療法を選択できるとともに、潜在的なリスクを回避することが可能となります。

事前検査の意義

事前検査は、発毛剤による治療を安全かつ効果的に行うための基盤となります。 医療機関での検査では、脱毛の原因や進行度、全身の健康状態などを総合的に評価いたします。

これにより、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画を立案することが可能となります。

検査項目の概要

一般的な事前検査には、以下のような項目が含まれます。

  • 問診(家族歴、既往歴、生活習慣など)
  • 頭皮および毛髪の状態確認
  • 血液検査
  • ホルモン検査
検査項目目的
問診背景情報の収集
頭皮確認局所状態の評価

血液検査の重要性

血液検査は、全身の健康状態を把握するうえで不可欠です。

肝機能や腎機能、血球数など、様々な指標を確認することで、発毛剤の使用に影響を与える可能性のある基礎疾患や異常を早期に発見できます。

検査項目確認ポイント
肝機能薬物代謝能力
腎機能排泄機能

ホルモン検査の意義

男性型脱毛症は、男性ホルモンの一種であるジヒドロテストステロン(DHT)が関与していることが知られています。

ホルモン検査により、体内のホルモンバランスを確認し、脱毛の原因や進行度を正確に診断することができます。

ホルモン関連性
DHT脱毛促進
テストステロンDHTの前駆体

医療機関での適切な検査と診断を受けることで、皆様の大切な髪の健康を守り、最適な治療法を選択することが可能となるのです。

以上

参考文献

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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