骨折後の膝が曲がらない その2

こんにちは。理学療法士の長野浩充です。

私はもうすぐ42歳になります。最近、歳をとると身体的にどういう衰えが生じてくるのかをひしひしと感じています。食後の胃もたれが起きるようになり脂っこいものを控えるようになりました。サッカーなどの運動後は筋肉痛が二日後に来るようになりました。筋肉痛が治るのもかなり遅いです。睡眠を十分にとることがうまくできない日が増えています。途中で目が覚めてしまいます。物忘れもひどくメモをとることが多くなりました。例を挙げるときりがありません。(笑) 

しかし歳を重ねて良くなったこともあります。精神的に大人になったと思います。何か問題が生じた時に感情まかせにせず、冷静に考えたり、判断したり、やさしく対応できるようになった気がします。

サッカーをしている時も子供の時より楽しめるようになったのもそういった精神的な成長のおかげかもしれません。できれば50歳くらいまでサッカーを楽しめたらと思います。リハビリをしていて最善の結果が得られないこともありますが、その都度、患者様にとってより良い対応を心がけていきます。そして、長くスポーツを楽しんで頂きたいと思います。

さて、今回の選手を紹介します。以前にブログに載せた野球選手の現在の状況についてです。

リハビリブログのタイトル『骨折後の膝が曲がらない』の続きになります。みられていない方はそちらも合わせて見て頂ければと思います。

Kさん 30歳代男性 競技:野球

診断名:大腿骨外後顆骨折        担当セラピスト:長野

Q. 大腿骨外顆骨折とは?
A. 大腿骨にひねりを伴った強力な負荷がかかることによって起こる骨折です。骨折部のズレが小さい場合は、保存療法を選択。ズレが大きい場合は手術療法となります。受傷後は膝を曲げる角度が狭くなったり、痛みが残ることが多いです。

リハビリ内容・セラピストの感想

Kさんは社会人野球の試合中にフライを取ろうとして右足を出したところ、捻ってしまい大腿骨(ふとももの骨)の後外側を骨折しました。数日後に手術を施行され、リハビリを続けてきました。現在は、約8か月が経過し、膝は117°まで曲がるようになりました。筋力もまずまず向上してきたため、スポーツ復帰に向けて動作訓練中心のリハビリを実施しています。

まずフロントランジです。(写真①)立った状態から悪い方の足(右足)で前に踏み込む動作です。Kさんはフライを取ろうと踏み込んだ時にケガをしたため、この基本動作は重要です。足の向きと同様に膝を真っすぐに出す事、膝が左右にぶれない事、体幹もブレない事がポイントとなります。

フロントランジ

次にクロスオーバーステップです。(写真②)身体を回転させる動作の基本です。この動作において、悪い方の足(右足)が軸になった時、軸足の足首と膝と股関節を連動させ、膝にストレスを加えない動きを習得します。当院では動作を行う際に鏡を使い、自分の目で動作を確認しながら行っていただいています。

クロスオーバーステップ

次に軽めの守備練習やスイングです。(写真③)ケガした選手は、ケガをした動作に不安が生じるため、その動作訓練は不安を取り除くためにも重要になってきます。まだ強度は軽めで実施しています。

守備・スイング

現在のトレーニングの一部を紹介させて頂きました。膝の曲がり具合はまだまだですが、筋力や動作の習得に関しては順調にきていると感じています。今後は動作訓練の難しさや強度を上げていきたいと考えています。

Kさんが所属している社会人リーグは4月中旬に開幕戦が予定されていますが、競技復帰するかは検討中です。理由は現在の状況として、膝の曲がりが悪いため全力ダッシュが、まだ難しく、100%の状態でプレーできません。

全力ダッシュをするには膝の曲がる角度が135°必要と言われています。今後も野球を楽しんでいただくために、100%の状態でプレーできるようにトレーニングを継続し、サポートしていきたいと思います。

免責事項

当院の医療情報について

当記事は、医療に関する知見を提供することを目的としており、当院への診療の勧誘を意図したものではございません。治療についての最終的な決定は、患者様ご自身の責任で慎重になさるようお願いいたします。

掲載情報の信頼性

当記事の内容は、信頼性の高い医学文献やガイドラインを参考にしていますが、医療情報には変動や不確実性が伴うことをご理解ください。また、情報の正確性には万全を期しておりますが、掲載情報の誤りや第三者による改ざん、通信トラブルなどが生じた場合には、当院は一切責任を負いません。

情報の時限性

掲載されている情報は、記載された日付の時点でのものであり、常に最新の状態を保証するものではありません。情報が更新された場合でも、当院がそれを即座に反映させる保証はございません。

ご利用にあたっての注意

医療情報は日々進化しており、専門的な判断が求められることが多いため、当記事はあくまで一つの参考としてご活用いただき、具体的な治療方針については、お近くの医療機関に相談することをお勧めします。

大垣中央病院・こばとも皮膚科

  • URLをコピーしました!
目次