股関節痛により日常生活に支障をきたした患者様のリハビリ経過

こんにちは。理学療法士の森直輝です。

以前紹介がありました人工膝関節全置換術(total knee Arthroplasty , TKA)は覚えていますか?

今回紹介するのは、股関節の人工関節についてです。

患者様は股関節に痛みがあることで歩くことや靴下を履くなど日常生活が困難となった方です。
当院で人工股関節全置換術(total Hip Arthroplasty , THA)を行い、手術後に良好な治療成績を残されたため紹介します。

変形性股関節症

股関節は、受け皿となる①寛骨臼と太ももの骨の②大腿骨頭により形成されており、あらゆる方向へ動かすことができる関節です。

加齢による変形、体重の負荷によるストレス、先天的なもの(受け皿の被りが浅いこと)により負荷が増加するなど要因は様々です。

変形性股関節症図1
図1 青木隆明 運動療法に役立つ単純X画像の読み方より

症状として、股関節の痛み、歩き、立ち上がり時の違和感、爪が切りにくい、靴下が履きにくいといった日常生活での違和感があります。

治療選択として「手術療法」と手術をせずに運動療法や内服薬等で治療をする「保存療法」があります。

レントゲンでは関節が狭く、骨棘と呼ばれる骨がストレスを受け変形し棘のような形で変形します。

変形性股関節症図2
図2 股関節の違い

ここでBさんについて紹介します。Bさんは当院へ来院される前よりも股関節に痛みがありましたが、日常生活には問題なかったそうです。月日が経ち、股関節痛が増強したことで当院へ受診されました。

Bさんは当院へ来院されリハビリ開始されたときには杖を片手で使用し歩かれていました。しかし、7~8カ月で痛みが増強し、杖を両手で使用し、歩くのもままならないようになったことで手術することを選択されました。

変形性股関節症図3
図3 手術前の歩き方

手術後は股関節の可動域・筋力訓練から始め、歩く・階段の昇り降り・靴下を履く・足の爪を切ると日常生活にも着目してリハビリ介入を行います。

結果、2カ月ほどで退院され、退院後は日常生活に支障もなく仕事も復帰できるようになりました。

変形性股関節症図4
図4 手術後の歩き方

まとめ

今回は変形性股関節症により歩くことや靴下を履くなどの動作が困難となっていましたが、手術をしたことで痛みもなく、歩くこと、靴下を履くなどの動作ができるようになりました。

今、股関節に痛みを抱えている方、股関節以外にも痛みを感じている方、治療選択肢としてはいくつかの案があります。

少しでも症状がある方については気軽に当院へ受診してみてはいかがでしょうか。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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