こんにちは。理学療法士の長野浩充です。私はこの仕事を始めて10年が経ちました。そして長い間色々な患者様と接する事で、色々な経験をさせていただきました。今回は長い経験から大事だと感じていることをお伝えしようと思います。
私が接してきた患者様はスポーツでケガをした方、デスクワークで肩に痛みが出てきた方、転んで骨折した高齢者の方、畑仕事で腰を痛めた方など様々です。
様々な理由で当院へ来院される方がみえますが、皆さんのほとんどに共通して言えることがあります。皆さん自分が行っている行動や仕事に対してどんな病気やケガのリスクがあるのかを知りません。
私たちの仕事はそのリスクを伝える仕事でもありますが、情報があふれている世の中でもっと自分で身体に興味を持ち、リスクを知り、予防することが必要ではないかと感じています。
例えば、バスケットボール部に所属している学生さんがいる親御さんや選手本人はバスケットで起こりやすい怪我は何かを知っておく必要があると思います。
当院に来院されたバスケット選手に起こりやすい怪我の印象は成長期であれば、オスグッド病・シーバー病、その時期を過ぎれば、捻挫や膝の靭帯、半月板の損傷などがあります。
また下記の図のようなデータもありました。バスケットではやはり足関節捻挫が圧倒的に多く、他には腰痛症、前十字靭帯(膝の靭帯の一部)断裂、ハムストリングス肉離れやアキレス腱炎などがあります。

バスケットの動作はジャンプやステップが多く、シューズと床との摩擦が強く、相手との接触も多いという特徴があります。これらの特徴は足関節に大きな負荷がかかるのは容易に想像できるため、捻挫が多いと推測できます。
このようにバスケットという特殊な動作は人間のどの部分にストレスがかかるかおおよそ決まってきます。他のスポーツにおいても同様のことが言えます。
予防策について少しお伝えするとすればオスグッド病に対しては太もも前面の筋肉(大腿四頭筋)のストレッチが必要です。シーバー病であればふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)のストレッチが必要です。
捻挫に対しては足首の柔軟性・筋力が必要です。ハムストリングス(太もも裏の筋肉)の肉離れに対してはハムストリングスの柔軟性・筋力が必要になります。
膝の靭帯や半月板の損傷に対しては膝や股関節、足関節の筋力やそれらの協調性が大事になってきます。
スポーツだけでなく仕事されている方を例に挙げると、デスクワークは良い姿勢と比べて、猫背になり、首は通常よりも反り、肩は巻き肩になってきます。それにより肩から首の筋肉は通常よりも短縮や伸張され硬くなります。
そして良い姿勢をとるための筋肉は弱くなります。さらにそれらが悪化すれば首や肩回りの神経も圧迫などを受けて手にしびれなどが発生し、肩も上がらなくなってきます。そのようなことがよく起こります。

スポーツや仕事で例を挙げましたが、これらのように普段の生活から何が自分の身体に起こっているのか起こりやすいのか、どのようなストレスを蓄積しているのかを知る必要があると思います。
そしてそれらを知り予防をするというのが大事になってきます。少し大げさかもしれませんが、身体を健康で保つためには必ずやらなければならないケアが誰にでもあると考えても良いかもしれません。
最近私も職業柄、中腰での仕事が多いため腰痛に悩まされています。歳も取るごとに股関節の柔軟性や体幹筋の筋力低下を実感しています。ストレッチや筋トレが毎日必要な身体になってきました。
患者様にお伝えしているように私も自分のケアに励みたいと思います。
どんなケアをしたら良いかはスタッフに遠慮なく聞いてください、良いアドバイスができると思います。そしてスタッフに聞いたケアの方法(ストレッチや筋トレなど)は信じて必ず継続して行ってください。
身体に良い変化が現れます。『継続は力なり』と常々思いますので皆さん自分の身体ケアを頑張りましょう。