こんにちは。理学療法士の國嶋敦子です。
今回は転倒予防についてお話させていただきます。
“転倒”と聞くと「大したことじゃない」と思われるかもしれませんが、高齢者で転倒した方の8割以上が、通院や入院が必要なケガをしており、介護が必要な状態になりやすいと言われています。
当院の入院リハビリテーションでは、骨折後(徒手整復術後や手術後)の患者様が多くみえます。その多くの患者様は高齢であり、転倒されての骨折が多いです。
高齢者で特に多い骨折には、大腿骨近位部骨折、脊椎圧迫骨折、上腕骨近位部骨折、橈骨遠位端骨折があります。
ご自身が現在転倒しやすい状態かどうかチェックしてみましょう!
「はい」がついた項目の合計数が点数となります。10点以上だと転倒危険軍となります。いかがでしょうか?
また、10点以下でも“過去1年で転んだことがある”“歩く速度が遅くなってきた”“杖を使っている”“背中が丸くなってきた”“毎日お薬を5種類以上飲んでいる”にチェックが入っている方は要注意です!
では、転倒しないようにするためには、どうすればいいでしょうか?
転倒予防のポイントは、「転ばない身体をつくること」です。そのためには、身体のバランスを保つことと、立つ・歩く際に必要な筋力を保っておくことが大切です。
まずは、1セット10回~20回から始めましょう。できそうであれば、2セット行いましょう。
バランス保持運動として、片足立ちをまずは10秒を10回~15回行いましょう。できそうであれば、秒数を30秒~1分に増やしてみましょう。動かない物に掴まって、まずはやってみてください。
最後の運動は、前後へのステップ運動です。右足を前へ⇒左足を前へ⇒右足を後ろへ⇒左足を後ろへとステップ運動を1分間3セット行いましょう。右足からスタートを1分間、左足からスタートを1分間、左右交互に1分間行いましょう。
転倒予防には、筋力強化だけでなくバランス能力の向上も重要です。上記運動を組み合わせて行いましょう。いずれの運動も、膝や腰などに痛みがある場合は無理せず、医師や理学療法士に相談して行ってください。
転倒予防は継続することが大切です。無理のない範囲で継続していきましょう!