4月リハビリテーション科ブログ 作業療法士 國枝拓麻

訪問リハビリでの作業療法

最近誕生日を迎え、38歳になり老いを感じ始めた作業療法士の國枝が執筆させていただきます。患者様には「まだまだ若いでしょうが」と叱咤激励されて頑張っております。よろしければ、どうぞ最後までお付き合いください。

目次

【はじめに】

 今回のテーマは「訪問リハビリでの作業療法」についてお話していきます。訪問リハビリに携わって13年ほどがたちました。私は訪問リハビリがとても好きです。なぜなら作業療法士として輝ける場所であるからです。その理由をこれからお話しさせていただこうと思います。

もし、このブログをお読みいただき訪問リハビリがやってみたいという方が見えましたら、訪問リハビリの利用の流れというブログがありますので参考にしてください。下記のリンクからブログを読むことができます。

【作業療法とは?】

作業療法については作業療法士の西出(旧姓:山浦)先生が過去のブログで紹介していますのでご参照ください。一番下にリンク先を載せておきます。

ここでは簡潔に「道具などを用いて生活の質を上げる療法士」と書いておきます。以前、患者様よりリハビリの便利屋さんと言われたことがありますが、的を得ているように感じました。皆さんは作業療法士と聞いてどのようなことを思い浮かべますか?

【訪問リハビリと他のリハビリの違い】

 訪問リハビリは、外来リハビリや入院リハビリと大きく違うところがあります。それは、リハビリを行う場所です。訪問リハビリは患者様の住んでいるところでリハビリを行うため、生活に即したリハビリを提供することができます。

具体的に話すと、実際に生活の場で使っているトイレや洗面所、浴室を使い、日常生活動作の練習を行う。また、行きたい場所までの屋外歩行練習、その延長にある買い物の練習など、病気やケガをする前の生活に戻れるように援助していくこととなります。

生活の質(以下QOL)を高めるお手伝いをしていくと捉えていただくと良いと思います。

【私が訪問リハビリで大切にしていること】

 私はこのQOLを如何に高くしていくか、その高くするスピードをより迅速に行うことを心がけて訪問リハビリの場に臨んでいます。他のリハビリスタッフも少なからず心掛けていることでしょう。その中で作業療法士として出来ることを常に考えて、患者様と一緒に悩んで解決しています。

迅速な対応とは何かを実際にあった事例をもとにお話させていただきます。

【実際にあった悩みと解決方法】

「A様/80代女性/右橈骨遠位端骨折/一人暮らし」

悩み①:指に力が入らなくて爪が切りづらい。今使っている爪切りでどうにかできないか。

理由:この患者様の親指は変形しており、つまみ動作において深くつまんだところで力が出せませんでした。

解決策:爪切りの持ち手に丸めたティッシュをセロテープで巻き付け、深くつままなくても爪切りが行えるようにした。上記の様に持ち手を太くして、※力が入りやすいつまむ位置で爪が切れる様に工夫をし、これによりその日からうまく爪が切れる様になりました。

※親指と人差し指の距離が増えるほどつまむ力が増すと研究結果が出ています。

反応:こんなに楽に爪が切れるようになったのはすごく久しぶりでした。とても感謝しています。

悩み②:包丁でかぼちゃが切りにくい

理由: 握力が弱くなっており、包丁を握る力も弱くなっていました。電子レンジを使い柔らかくして切る方法もあるのですが、一人暮らしで一度に食べる量だけ切りたいという要望があったため力の弱さがあっても切れるやり方を選びました。

解決策:動作を見たときに下へ押すように切ろうとしていました。下へ押すのでなく押し切り(前へ押しながら切る)で切るように指導し練習しました。また、包丁の角度を平行でなく前に少し立てるようにするようにして切るようにしました。この方法で一人でも安全にかぼちゃを切ることができ、その日のうちにかぼちゃで料理をしたそうです。

包丁で硬いものを切る際は押し切りが良いとされています。体重が乗りやすく硬い食材を切りやすいからです。また、包丁を平行にせず斜めに入れることで押し切りがしやすくなり、少ない力で硬い物を切ることが出来ます。※料理の熟練者も行っている切り方です。

※包丁操作の熟練者と非熟練者の筋活動を調べた研究で、熟練者の方が筋活動少なく包丁を操作できていた結果が出ています。

反応: この前かぼちゃの煮つけを作りました。切り方だけで変わるなんてびっくりです。

【おわりに】

 訪問リハビリをしていると病院の中では思いもよらない悩みや問題点が出ることが多々あります。しかし、それを少しの工夫で解決することができれば患者様や家族の負担が減り、生活に余裕が生まれます。QOLが高くなるのです。

機能訓練で動きをよくすることやできることを増やすのもリハビリですが、速さが足りません。例をあげてみましたがまだまだ自分も修業が足りていないと感じており、解決できていない悩みも多いです。

今後も私は訪問リハビリに携わっていきます。今以上に成長し、それを患者様に還元できるように日々邁進していく所存です。訪問リハビリに少しでも興味が出ましたら、下記のリンクより流れを拝読していただき当院へご相談ください。ご拝読ありがとうございました。

【リンク先】

訪問リハビリテーションの利用までの流れについて | 医療法人社団豊正会 大垣中央病院

作業療法士ってなぁに?? | 医療法人社団豊正会 大垣中央病院

【参考文献】

  • 斉藤和夫ら 「手指筋力測定に関する研究~つまみ力測定における指間距離について~」
  • 大阪隆介ら 「包丁操作の熟練度の違いが上肢筋活動に与える影響」
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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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