スポーツ担当の秋田です。オリンピックが日本で開催され、毎日テレビで日本の応援をしていますが、どんな競技でも応援に力が入りますね(^^)/同時にコロナがどこまで影響してくるのか心配ですが、無事に開催されて一先ずよかったと思っています(^^♪
さて、今回紹介するのは、当院外来通院中の、某高校のやり投げの選手です。
競技歴は3年目で、高校総体県予選間近で肘頭疲労骨折を受傷しました。
肘頭骨折とは?
肘の裏にある肘頭という部分の骨折です。
肘頭骨折は直接肘をぶつけて骨折したり、肘の裏の筋肉に強く引っ張られることで骨折することが多いとされています。スポーツでは肘頭が疲労骨折することもあり、繰り返しストレスがかかることで骨折する場合もあります。
骨の治りが悪いと予想される時や、スポーツに早期復帰を望む時に、手術療法を選択されることもあります。治癒には一般的に3~4ヶ月かかるといわれています。
やり投げの特徴
重量は男子の場合800g、女子の場合600gの比較的軽い棒状の投てき物をいかに遠くに飛ばすかを競う競技です。障害部位は、肘、肩、腰に多いと言われており、肘に関しては、内側側副靱帯損傷、上腕骨の上顆炎が多いとされています。
一連のやり投げ動作はスティックピクチャーのようになり、脚から最終的に腕へと力を伝えるため、下半身の影響も受けやすいとされています。赤丸が肘にストレスがかかるタイミングです。
症例紹介
やり投げの練習中に右肘に痛みが出現し、当院でレントゲンを撮ったところ、肘頭の疲労骨折が見つかりました。早期復帰を望み、肘の手術を受けて、リハビリが開始となりました。
術後間もなく、痛みがある中で、高校総体県予選を目前に控えていることもあり、なるべく骨折部にストレスをかけないように配慮しつつ、積極的な可能域訓練や筋力強化訓練、フォームチェックを実施しました。術後1ヵ月で大会本番があったため、術後3週間目からテーピングを巻いて少しずつやり投げを開始していきました。
万全な状態ではないため、当日まで本人も不安だったと思いますが、結果としては見事県予選を1位で優勝し、その後東海大会を通過する事ができ、高校総体本戦に挑むことができるので、本当に良かったと思います!
骨折線が残存する中、東海大会では自身最高記録を出すほど、強心臓の持ち主なので、高校総体本番が楽しみです(‘ω’)
まだ本番まで少し時間があるので、可動域や筋力改善、痛みの除去に努めて、100%の力が発揮できるようにサポートできたらと思います。
リハビリ内容
①、②は肘でタオルを潰すトレーニング(初期~中期)
③腕立て伏せ(中期~後期)