こんにちは(^^♪ 理学療法士の長野です。
オリンピックは来年に延期となりましたが、IOC(国際オリンピック委員会)のコーツ調整委員長は『東京五輪は新型コロナに打ち勝った大会に』と前向きな発言をされていましたね。この調子でスポーツ界が盛り上がっていくことに期待しましょう。
今回のスポーツ選手のグッとくる名言は・・・
『努力できることが才能』
(´;ω;`)ウゥゥ グッときますね
これは元プロ野球選手の松井秀喜選手が父に送られた言葉です。芸術家、硲伊之助(はざま いのすけ)の言葉らしいです。『才能』とは生まれもったものという印象がありますが、自分は才能がないと勘違いしている選手にとってすごく救われる言葉だと思います。私自身も仕事をしている時に大切にしている言葉です。
さて、今回の患者様を紹介します。
薙刀(なぎなた)選手 Cさん
診断名:腰痛症 担当セラピスト:長野
Q. 腰痛症とは
A. 腰に痛みが発生する症状の事です。スポーツ選手の腰痛症の原因として椎間関節障害、椎間板ヘルニア、腰椎分離症、筋・筋膜性腰痛などが代表的な病態です。
Q. どうやってケガをしましたか?
A.練習中、特にきっかけなく腰が痛くなるようになってきた。立っているだけで痛い時もある。(写真①)
リハビリ内容・セラピストの感想
Cさんの立位姿勢や構えは反り腰でした。(写真②)また多裂筋(図1)はとても硬く、立位体前屈(写真③)を見ても腰部のまるみがわからないほどの硬さがみられました。
さらにクラウスウェーバーテスト(図2)という体幹筋のテストでは腹筋の持久性に弱さがみられました。
反り腰は女性選手の特徴として多く見られますが、1つの要因として腹筋の弱さがあります。
Cさんはテスト結果から、背筋と腹筋の筋力バランスが悪く、構えの姿勢において背筋が優位に働きがちでした。腹筋があまり働いておらず、反り腰の状態が続くことで、腰椎や多裂筋に圧縮ストレスが加わり、痛みが生じていると考えました。腰痛症の中でも、腰椎椎間板障害や筋・筋膜性腰痛に相当する痛みです。
さらに、Cさんは薙刀用の防具をはめている間は特に痛いと訴えており、防具を含めた上半身の重みを支える体幹の筋力は、想像以上に必要であると感じました。
リハビリでは主に腰部のストレッチ(写真④)や腹筋群の筋トレ(写真⑤)、立位や構え姿勢で腹筋を働かせるトレーニングなどを行い、症状は軽くなりました。写真はトレーニングの一部です。
腰や足裏に痛みをかかえた選手が同時期に3人リハビリ通院されていましたが、最近、高校生活最後の大会があり、3人とも痛みがありながらもまずまずのパフォーマンスは発揮できたみたいなので安心しました。(*^_^*)
今回のリハビリを通じて感じたのは、競技特性を選手が理解することが大事ということです。薙刀(なぎなた)は防具をつけて行うスポーツで、その防具は約10Kgあります。その重みと上半身の体重を腰や下肢で支えて行うスポーツでもあり、負担が大きいことは容易に想像できます。
そのため、腰を支える体幹筋や下肢の筋力は、十分に強化しておく必要があるのです。このような競技特性を理解している選手と理解していない選手では、ケガを起こす頻度も違ってくるので、今回のリハビリを通じてそのことを理解してもらい、トレーニングに励んで頂いたことはすごくよかったと思います。
今回紹介したクラウスウェーバーテストを、みなさんも試してみてはいかがでしょうか。ご自宅で、簡単にできるのでぜひやってみてください(^^)/
このテストが満点でなければ、スポーツ活動時に腰痛を引き起こす可能性が高くなってしまいますよ。
Q. 当院のスポーツリハビリはいかがでしたか?
A. しんどいけど痛みを軽減できた。