太り過ぎや肥満で膝が痛い原因は?体重増加が関節軟骨に与える深刻な影響

太り過ぎで膝の痛みを気にする人と、体重の負担ですり減った膝の軟骨を対比した医療イラスト

太り過ぎや肥満が続くと、多くの方が膝の痛みに悩まされます。その背景には、増えた体重が膝の関節にかける負担の大きさがあります。

歩くだけでも膝には体重の数倍の力がかかり、体重が増えるほど、その力は少しずつ軟骨をすり減らしていきます。負担は力学的なものだけにとどまりません。

脂肪組織そのものが炎症を起こす物質を出し、膝の内側から軟骨を傷めることも分かってきました。太り過ぎで膝が痛い状態は、力と炎症が重なって進むといえます。

体重増加が関節軟骨に与える影響を、力と炎症の両面から整理し、受診を考える目安までをまとめました。

目次

太り過ぎや肥満で膝が痛いのはなぜ起こるのか

太り過ぎで膝が痛い最も大きな理由は、増えた体重が一歩ごとに膝へのしかかるからです。負担は関節の内側に集まりやすく、痛みが出る前から軟骨の変化が始まっています。

体重が膝にかかる力を何倍にも増やすしくみ

膝は、歩く・立つ・しゃがむといった動きのたびに、体の重さを受け止めています。平らな道を歩くだけでも、膝には体重の二倍から三倍ほどの力がかかると考えられています。

この倍率があるため、わずかな体重の増加でも膝への上乗せは大きくなります。一キロ増えただけでも、歩くたびに数キロ分の負担が余計に膝へ伝わる計算になるのです。

たとえば体重が十キロ増えれば、歩くたびに二十から三十キロ近い力が余分に膝へ加わるとされています。日々くり返されるこの小さな上乗せが、軟骨を少しずつ削っていくのでしょう。

研究でも、太りぎみの人が体重を減らすと、それを上回る割合で膝にかかる力が下がると示されています。体重と膝の負担が、単純な足し算ではなく掛け算の関係にあることがうかがえます。

太り過ぎで膝の内側に負担が集中するのはなぜ?

膝にかかる力は、関節の全体に均等に散らばるわけではありません。多くの人では、体重の多くが膝の内側を通るため、内側の軟骨に負担が偏りやすいといえます。

体重が増えると、この内側への集中はいっそう強まります。がに股ぎみの姿勢や、内側に傾いた脚の形があると、力の偏りはさらに大きくなるでしょう。

いわゆるO脚の人では、内側の軟骨だけが先にすり減り、脚の形がいっそう曲がっていきます。曲がった脚が偏りを強め、その偏りがまた軟骨を削るという巡りに入りやすいのです。

変形性膝関節症の多くが膝の内側から進むのも、こうした力の偏りと無関係ではありません。太り過ぎの人ほど、この一点への集中が早く表面化しやすいと考えられます。

痛みが出る前から進む軟骨のすり減り

膝の軟骨には神経が通っていないため、すり減りが始まっても痛みとして感じにくいのが実際です。太り過ぎで負担が続いていても、初期は自覚のないまま進むことが少なくありません。

痛みという分かりやすい合図が出ないぶん、初期の変化は見すごされがちだといえます。太り過ぎが気になるなら、痛みの有無だけで膝の状態を判断しないほうが安心でしょう。

痛みを覚えるころには、軟骨がある程度うすくなっている場合もあります。だからこそ、体重が膝に与える影響を早く知り、負担を減らす見方が役に立つでしょう。

動作ごとに膝へかかる力の目安を、太り過ぎでの上乗せとあわせて整理します。

動作膝にかかる力の目安太り過ぎでの上乗せ
平らな道を歩く体重の約2〜3倍増えた体重の分だけ増す
階段を下りる体重の約3〜4倍下りで負担がさらに集中する
しゃがんで立ち上がる体重の数倍深く曲げた膝に強く乗る

数字はあくまで目安ですが、動作によって膝への負担が大きく変わることは伝わります。次に、この力が軟骨をどう傷めていくのかを詳しく見ていきます。

太り過ぎによる体重増加が関節軟骨に与える力学的な影響

太り過ぎによる荷重は、膝の軟骨だけでなく、その下の骨や半月板にも及びます。くり返す圧迫が、クッションとしての働きを少しずつ弱めていくのです。

部位かかる負担起きやすい変化
関節軟骨くり返す圧迫すり減りと表面の荒れ
軟骨の下の骨衝撃が直に伝わる硬くなり形が変わる
半月板ねじれと押しつぶし傷みや断裂が起きやすい

それぞれの部位に何が起きるのかを、順番にひもといていきます。

軟骨がクッションとして働くしくみ

膝の骨の表面は、なめらかで弾力のある関節軟骨におおわれています。この層が、着地の衝撃をやわらげ、骨どうしがこすれ合わないように守っています。

軟骨は水分を多く含み、力がかかると縮み、力が抜けると元へ戻る性質をもっています。この伸び縮みが、膝にかかる衝撃を上手に受け流す助けになっているのです。

軟骨には血管が通っておらず、栄養は関節を満たす液から受け取っています。膝を適度に動かすことでこの液が入れ替わるため、動かなさすぎも軟骨には向かないといえます。

ところが、太り過ぎで日々の圧迫が過剰になると、軟骨は休む間もなく押され続けます。回復が追いつかなくなると、クッションとしての力がだんだん落ちていきます。

過剰な荷重が軟骨をすり減らす流れ

強い力がくり返し加わると、軟骨の表面には細かな傷やほつれが生まれます。傷んだ部分から水分やコラーゲンが失われ、弾力が乏しくなっていきます。

弾力を失った軟骨は、次の衝撃をうまく逃がせず、さらに傷つきやすくなります。太り過ぎで負担が続くほど、この悪い循環が回りやすいと考えられています。

すり減って薄くなった部分ほど、同じ力でもより高い圧を受けるようになります。傷んだところに負担が偏って集まり、削れがいっそう早まってしまうことも少なくありません。

一度すり減った軟骨は、皮膚のすり傷のようには元どおりになりません。残った軟骨をどう守るかが、太り過ぎで膝が痛い人にとって大切な分かれ道になるでしょう。

軟骨の下の骨に広がる変化

軟骨がうすくなると、その下にある骨へ衝撃が直に伝わるようになります。骨は負担に耐えようとして硬くなり、少しずつ形を変えていきます。

硬くなった骨は、以前のように衝撃をやわらげてはくれません。膝の奥に鈍く重い痛みを覚えるのは、こうした骨の変化が関わっている場合もあるのでしょう。

関節のふちには、骨棘と呼ばれる骨のとげのような出っぱりができるときもあります。膝の動きがひっかかる感じや、曲げ伸ばしのしにくさにつながる場合があります。

こうした骨の変化は、太り過ぎで荷重が偏った膝ほど進みやすい傾向があります。軟骨だけの問題ではなく、関節全体の作り替えが起きていると受け止めておくとよいでしょう。

半月板や靭帯にかかる余分な負担

膝には、軟骨のほかに半月板という三日月形のクッションもあります。太り過ぎの荷重が続くと、この半月板にもねじれや押しつぶしの力が余分にかかります。

半月板は、膝にかかる力を広い面で受け止め、一点への集中をやわらげています。ここが傷むと衝撃が軟骨へ直に伝わり、すり減りを早める引き金になりかねません。

半月板が傷むと、膝の安定が保ちにくくなり、軟骨のすり減りをさらに早めることがあります。関節を支える靭帯にも負担が回り、膝全体のバランスが崩れやすくなるといえます。

太り過ぎが炎症を通じて膝を痛めるもう一つの道すじ

太り過ぎが膝を痛める理由は、力の負担だけではありません。脂肪組織そのものが炎症を起こす物質を出し、軟骨を内側から傷めることが分かってきました。

関節に関わる主な物質を、脂肪組織から出るものを中心に挙げます。

  • レプチン(食欲や炎症に関わる)
  • アディポネクチン(量が減ると炎症が進みやすい)
  • 腫瘍壊死因子(TNF-α)
  • インターロイキン6などのサイトカイン

これらがどのように膝へ届き、軟骨を傷めるのかを見ていきます。

脂肪組織が出す炎症物質のはたらき

脂肪組織は、体にエネルギーをためるだけの倉庫ではありません。さまざまな物質を出して、体のあちこちに信号を送る器官のように働いています。

太り過ぎで脂肪が増えると、炎症を強める向きの物質が多く出るようになります。こうした物質は血液を通じて全身をめぐり、膝の関節にも届いていきます。

とくにお腹まわりにたまる内臓脂肪は、炎症を起こす物質を活発に出すと知られています。見た目の体格だけでなく、脂肪の付き方も膝の状態に関わってくるといえるでしょう。

その結果、はっきりした腫れがなくても、関節の中で弱い炎症がくすぶることがあります。太り過ぎは、膝を静かに痛めつづける下地を作るといえるでしょう。

レプチンなどが軟骨の細胞に及ぼす作用

脂肪組織から出るレプチンは、食欲の調整だけでなく、関節にも関わることが知られています。膝の関節液の中でレプチンが増えると、軟骨の細胞に負担のかかる信号が伝わります。

この信号は、軟骨を分解する酵素の働きを強め、修復とのつり合いを崩す方向に傾けます。作られる量より壊れる量が上回ると、軟骨は少しずつやせていきます。

一方で、脂肪組織から出るアディポネクチンには、炎症をしずめる働きがあると考えられています。ところが太り過ぎになると、この守り役の物質はかえって減ってしまうのです。

力の負担と炎症の物質が重なると、軟骨へのダメージはいっそう進みやすくなります。太り過ぎで膝が痛い背景には、この二つの要因の絡み合いがあると考えられています。

体重を支えない手の関節も痛むのはなぜ?

太り過ぎの人では、体重がかからないはずの手の指の関節にも変形が増えると報告されています。もし負担が力だけなら、体重を支えない手に差は出にくいはずです。

この事実は、肥満が炎症や代謝の乱れを通じて関節に影響していることを示す手がかりになります。膝の痛みも、単なる重さの問題では説明しきれない面があるのです。

だからこそ、太り過ぎと膝の関わりは、力と炎症の両面から見ておく値打ちがあります。体重を整えることは、この両方の負担を同時に和らげる支えになるでしょう。

太り過ぎで膝が痛い人に現れやすいサインと進み方

太り過ぎで膝が痛い人には、動き始めの痛みや膝の腫れといったサインが現れやすいといえます。軽いうちに気づけるかどうかが、その後の進み方を左右します。

立ち上がりや階段で強まる膝の痛み

初期に気づきやすいのは、椅子から立ち上がる瞬間や歩き始めの一歩で感じる痛みです。動き出してしばらくすると、痛みがやわらいでいくのが早い段階の特徴といえます。

階段の下りで痛みが強まるのも、太り過ぎの人に多いサインです。下りでは着地の衝撃を膝で受け止めるため、体重の重さがそのまま関節にのしかかります。

正座やしゃがみ込む姿勢でも、膝を深く曲げるぶん軟骨に強い力が集まります。和式の暮らしが多い方は、こうした場面でつらさを感じやすいと考えられるでしょう。

強い痛みではないぶん、疲れや年齢のせいと片づけてしまう方も少なくありません。動作のたびに出る違和感こそ、膝からの早い知らせだと受け止めておくと安心です。

膝の腫れや水がたまる炎症のサイン

膝が腫れる、熱っぽい、水がたまってふくらむといった変化は、関節の中で炎症が起きているしるしです。太り過ぎで炎症の下地があると、こうしたサインが出やすくなります。

水がたまるのは、関節が刺激から身を守ろうとして液を多く出すためだといえます。無理に自分でしぼり出そうとせず、続くようなら整形外科で診てもらうほうが安心でしょう。

腫れがあるときは、痛みをともないやすく、膝の曲げ伸ばしもつらくなりがちです。無理に動かし続けると炎症が長引くため、様子を見すぎないほうが安心といえます。

太り過ぎの人に現れやすい膝のサインを、代表的なものにしぼって挙げます。

  • 立ち上がりや歩き始めの痛み
  • 階段の下りでのつらさ
  • 膝の腫れや熱っぽさ
  • 動かしたときの引っかかる感じ

当てはまるものが増えてきたら、膝が次の段階へ進む前の合図と考えて備えると安心です。

放置で進む変形性膝関節症への流れ

初期のサインを見すごして負担を重ねると、軟骨のすり減りは着実に進みます。痛みが強まり、階段や正座がつらくなって、歩ける距離までせばまることがあります。

進行すると、膝がまっすぐ伸びにくくなったり、脚の形が変わってきたりする場合もあります。太り過ぎが続くほど、この流れが早まりやすいと考えられています。

変形が進んだ段階では、運動や体重管理だけでは追いつきにくくなるときもあります。だからこそ、負担を減らせる初期のうちに動くことが、その後を大きく分けるといえます。

一方で、早い段階で負担を減らせば、進み方をゆるやかにできる余地は十分にあります。痛みが軽いうちに手を打つことが、その後の膝を大きく左右するでしょう。

体重の増減と膝が痛い症状の深い関わり

体重と膝の負担は、掛け算の関係で結びついています。わずかな増加が荷重を大きく押し上げ、逆に体重が減れば膝の痛みが和らぎやすくなります。

わずかな体重増加が荷重を大きく押し上げる

膝には歩行のたびに体重の数倍の力がかかるため、増えた体重は何倍にもなって膝へ返ってきます。数キロの増加でも、膝が受ける負担としては見のがせない大きさになります。

しかも、体重が増えると動くのがおっくうになり、運動量が減りがちです。膝を支える筋肉が落ちると、衝撃を受け止める力が弱まり、軟骨への負担がさらに増していきます。

年齢を重ねると基礎代謝が下がり、若いころと同じ食事でも体重は増えやすくなります。増えた体重と運動量の減少が重なると、膝には二重の重荷がのしかかるといえるでしょう。

体重の増加と筋力の低下が重なると、膝はいっそう痛みを起こしやすい状態に傾きます。太り過ぎは、力と炎症に加えて、こうした暮らしの変化も呼び込むといえるでしょう。

体重が減ると膝の負担が軽くなる関係

体重を減らすと、それを上回る割合で膝にかかる力が下がると報告されています。増えるときと同じ倍率が、減るときには膝を助ける向きに働くわけです。

研究では、体重のおよそ五パーセントを減らすと、膝の痛みや動きにくさが和らぎやすいと示されています。急にやせる必要はなく、少しずつ整えていくやり方が膝にも向いています。

体重を少し減らすと、歩行時に膝へかかる力はその何倍にもなって軽くなると報告されています。わずかな減量でも膝が受け取る負担の差は大きく、動きやすさにつながるのです。

体重を落とすことは、力の負担を軽くするだけでなく、炎症の下地をやわらげる意味もあります。膝が痛い状態に対して、内と外の両方から効いてくると考えられます。

BMIと膝の状態の結びつき

体格の目安であるBMIが高いほど、変形性膝関節症を起こしやすいことが多くの研究で示されています。太り過ぎの段階から、膝への影響はすでに始まっているといえます。

体重の変化が膝に及ぼす関わりを、負担と期待できることの面から整理します。

体重の変化歩行時の膝への影響期待できること
1キロ増える一歩ごとに数キロ分の上乗せ負担が積み重なりやすい
体重の5%減る荷重が目に見えて下がる痛みや動きが楽になりやすい
筋肉を保つ衝撃を受け止める力が残る軟骨への負担が和らぐ

数字はあくまで目安ですが、体重の少しの違いが膝に大きく響くことが読み取れます。だからこそ、体重を意識することが膝を守る土台になります。

太り過ぎによる膝が痛いときの受診の目安

膝の違和感が続くなら、早めに整形外科へ相談するのが安心です。太り過ぎで膝が痛い状態は進み方に幅があり、様子を見すぎると打てる手がせまくなることがあります。

膝の様子受診の目安
数日で和らいできたセルフケアを続けて様子をみる
二週間以上続く整形外科で相談する
腫れや強い痛み・水がたまる早めに受診する
急に動かせない・熱をもつその日のうちに受診する

目安はあくまで目安で、体調や持病によっても変わってきます。迷ったときは早めに相談するほうが、結果として遠回りを避けやすくなります。

セルフケアで様子をみてよい範囲

軽い痛みが数日でやわらいでいくうちは、セルフケアで様子をみてよい範囲です。膝を冷やしすぎないよう温め、負担の少ない動きを保ちながら見守るとよいでしょう。

腫れて熱っぽいときは冷やし、こわばって重いときは温めると楽になりやすいといえます。長い正座や深いしゃがみ込みなど、膝に強く負担がかかる姿勢は控えめにしておくと安心です。

ただし、様子見はあくまで症状が軽く、しだいに楽になっている場合に限られます。痛みが強まる、長引くといったときは、自己判断を続けないほうが安心といえます。

早めに整形外科へ相談したい膝の変化

痛みや動きにくさが二週間ほど続くなら、整形外科へ相談する一つの目安になります。立ち上がりや階段の下りがつらい状態が長引くときは、見すごさないほうがよいといえます。

左右の膝で腫れ方や痛み方に大きな差があるときも、一度みてもらう値打ちがあるでしょう。膝のほかに発熱や複数の関節の痛みがある場合は、別の病気が隠れていることもあります。

膝が腫れて熱をもつ、水がたまる、急に強く痛むといった場合は、早めの相談が向いています。放っておくと動くのがつらくなり、暮らしの幅までせばまりかねません。

気になる症状は、いつから、どんなときに痛むかをメモに残して持参すると役立ちます。太り過ぎが気になる場合は、体重の変化もあわせて伝えると診察がスムーズに進むでしょう。

受診で行われる検査と分かること

受診すると、多くの場合はまずレントゲンで膝の状態を調べます。軟骨そのものは写りませんが、骨のあいだの隙間の狭さから、すり減りの程度をおおよそつかめるのです。

必要に応じて、半月板や靭帯の状態を詳しく見るためにMRIを使うときもあります。どこまで調べるかは、症状や暮らしへの影響を見ながら医師が判断していきます。

検査の結果をふまえ、体重の負担を減らす工夫や運動、痛みへの対処を組み合わせて考えていきます。太り過ぎと膝の関わりを整理できると、納得して取り組みやすくなるでしょう。

よくある質問

太り過ぎで膝が痛いのは体重の重さだけが原因ですか?

重さによる力の負担は大きな原因ですが、それだけではありません。太り過ぎで増えた脂肪組織が炎症を起こす物質を出し、膝の軟骨を内側から傷めることも分かっています。

体重を支えない手の指の関節でも、肥満の人は変形が増えると報告されています。膝の痛みは、力と炎症が重なって進むと考えておくとよいでしょう。

太り過ぎによる膝の痛みは体重を減らすと軽くなりますか?

軽くなりやすいと考えられています。膝には歩くたびに体重の数倍の力がかかるため、体重を減らすと、それを上回る割合で膝への負担が下がります。

研究では、体重のおよそ五パーセントを減らすと痛みや動きにくさが和らぎやすいと示されています。急がず少しずつ整えるやり方が、膝にも体にも向いています。

肥満だと変形性膝関節症にどのくらいなりやすいのですか?

体格の目安であるBMIが高いほど、変形性膝関節症を起こしやすいことが多くの研究で示されています。太り過ぎの段階から、膝への影響はすでに始まっています。

体重が膝の内側に負担を集めやすいことも、発症を早める一因といえます。気になる場合は、早めに体重と膝の状態を見直しておくと安心です。

太り過ぎで膝が痛いときは運動を控えたほうがよいですか?

強い痛みや腫れがない時期なら、膝にやさしい運動はむしろ続けたほうがよいでしょう。動かさずにいると膝を支える筋肉が落ち、かえって負担が増えてしまいます。

水中歩行や自転車こぎのように、膝に体重が乗りきらない運動が向いています。痛みが強い日は無理をせず、少ない回数から様子を見て取り入れると安全です。

太り過ぎによる膝の痛みは何科を受診すればよいですか?

膝の痛みやこわばりが続くときは、整形外科で相談すると状態を詳しく調べてもらえます。レントゲンなどで軟骨のすり減りの程度を確かめ、合った対処を一緒に考えていきます。

二週間ほど続く、腫れて熱をもつといったときは、早めの受診が向いています。太り過ぎが気になる場合は、体重の変化もあわせて伝えると話が進めやすくなります。

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この記事を書いた人

臼井 大記のアバター 臼井 大記 大垣中央病院 整形外科・麻酔科 担当医師

日本整形外科学会認定専門医

2009年に帝京大学医学部医学科卒業後、厚生中央病院に勤務。東京医大病院麻酔科に入局後、カンボジアSun International Clinicに従事し、ノースウェスタン大学にて学位取得(修士)。帰国後、岐阜大学附属病院、高山赤十字病院、岐阜総合医療センター、岐阜赤十字病院で整形外科医として勤務。2023年4月より大垣中央病院に入職、整形外科・麻酔科の担当医を務める。

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