Vビームの間隔まとめ！他施術（顔脱毛、フォトフェイシャル、ピーリング、ポテンツァなど）とはどのくらい開ければ良い？

Vビーム（Vbeam）は、肌の赤み改善として世界的に行われている治療法です。

他の施術との併用も可能ですが、間隔を間違ってしまうと副作用が強く出たり肌に負担をかけすぎてしまったりするため注意が必要です。

当ページでは、Vビームの間隔について詳しく解説します。Vビームと他の施術との理想的な間隔もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

Vビームとは

Vビームは、肌の赤みをターゲットにした治療で使用されている医療機器です。パルス色素（ダイ）レーザーの一種で、595nmの波長を用いて施術を行います。

パルス色素レーザーの機器はいくつかありましたが、現在日本では実質Vビームしかないため、パルス色素レーザーといえばVビームを指します。

Vビームの概要・特徴

Vビームでは、血液中のヘモグロビン（赤い色素）によく反応するレーザーを肌に当てて赤みを改善します。

ヘモグロビンにレーザーが吸収されると発熱して、熱によって異常な血管を破壊・収縮させる仕組みです。

皮膚の表面にはダメージを及ぼさないため、安全に治療ができるメリットがあります。

施術の効果と適応症

Vビームの主な効果は、赤みを改善する、肌の生まれ変わりを促す、炎症を鎮める、の3つです。

顔のぼんやりとした赤みが目立つ酒さや赤ら顔、チリチリとした血管が透けて見える毛細血管拡張症、生まれつきある血管腫に良い適応です。

また、炎症後紅斑と呼ばれる赤いニキビ跡や炎症しているニキビにも有効で、顔の赤みのほとんどがVビームの適応症となります。

複数回の施術が必要になるものの、加齢によってできるポツッとした赤いほくろのようなアザ（老人性血管腫）は、ほとんどの人が1回で治療が済みます。

コラーゲン産生を促すリジュビネーション作用もあるので、肌のハリやキメがアップしたり、毛穴や小じわが目立たなくなる効果も期待できます。

Vビームの正しい施術間隔

Vビームはダウンタイムがある治療法ですので、数週間の間隔を空けて施術を重ねます。

ダウンタイムは赤みや腫れ、むくみや内出血（紫斑）が認められ、肌が通常の状態に落ち着いてからが次の施術を受けられるタイミングとなります。

酒さや赤ら顔、ニキビ跡治療の推奨間隔

酒さや赤ら顔、赤いニキビ跡改善やリジュビネーションなどの目的でVビームを受ける際は、最短2週間で次の施術が受けられるようになります。

施術間隔の目安は2～4週間ごとで、通いやすさや継続のしやすさから1カ月おきの照射が推奨されます。

「間隔を空けすぎると効果が減りませんか？」といった質問も受けますが、間隔を空けすぎたからといって効果が減ってしまうことはありません。

Vビームでシミ取り効果を得たい場合の間隔

Vビームで肌の赤みと一緒に薄いシミを目立たなくしたい場合でも、施術間隔は2～4週間ごとです。

ただし、Vビームは赤みに作用する治療法であり、シミ取り効果は他の施術に比べて少ないです。

ターンオーバーの促進によってシミを薄くする効果もある程度は期待できますが、濃いシミに対して効果的に治療したい際にはフォトフェイシャルやフラクショナルレーザーなどを併用していただくと良いかと思います。

Vビームと他の施術を組み合わせる意義とは？

Vビームで赤みの治療と同時に、他の施術との組み合わせを検討している方もいらっしゃいます。

相乗効果の可能性

Vビームと他の施術を組み合わせると、相乗効果で単体施術よりも肌悩みが改善しやすい場合があります。

Vビームで顔の赤みが減ると今度は茶色い色ムラが目立つようになったり、今までは気にならなかった肌の凹凸が気になりだしたりする方も多いです。

また、せっかく赤いニキビ跡が改善しても、新しいニキビができてしまうとモグラ叩きのようにキリがなくなってしまいます。

そういった際には他の施術での治療が必要となりますが、Ｖビームと他の施術の組み合わせで治療期間を短くする、複数の肌悩みを同時に治療する、効果をより高めるなどのメリットがあります。

注意すべき点

Vビームと他の施術を組み合わせる際には、お互いの効果を邪魔しないようにするのが基本です。

別日で施術を行うときには、ダウンタイムが落ち着いてから他の施術を受けるようにしましょう。

また、同じ機器を使用するとしてもモード（例：ピコスポット or ピコトーニング）によっても間隔に違いがあります。

どの施術との組み合わせが効果的なのか、どちらを先に行うのか、推奨される間隔を確認してスケジュールを立てるようにしましょう。

顔脱毛とVビームの間隔

顔脱毛は、頬や鼻下、おでこなどの産毛を脱毛する施術です。

細かな毛がなくなると、お化粧ノリが良くなったり肌トーンがアップしたり、肌トラブルが減る効果が期待できます。

顔脱毛の特性と注意点

顔脱毛には大きく分けてレーザー脱毛とIPL（光）脱毛の2種類があります。どちらもメラニン（黒い色素）に反応して、毛の成長に関わる組織を破壊したり弱らせたりして毛が生えてこないようにします。

必要な回数には個人差がありますが、5～8回程度が目安です。

今までは顔の赤みが気にならなかった人であっても、脱毛で肌のトーンがアップすると赤みが目立つようになる人もいますので、そういった際にもＶビームの併用がおすすめです。

ただし、肌に負担をかけて炎症の原因になる、赤みが悪化する、色素沈着に発展するなどの可能性がありますのでＶビームと顔脱毛の同日施術ができない点には注意が必要です。

Vビームと併用していく場合の間隔の目安

Vビームの2～4週間後に顔脱毛に通う

顔脱毛は毛周期（毛の生え変わるサイクル）に合わせて1～2カ月ごとの照射となりますが、Vビームと併用する際には、「Vビームが先で顔脱毛が後」といった順番で行います。

Vビームを先に行う理由は、顔脱毛が先だと赤みや炎症が生じて、そこへＶビームが反応して内出血リスクが増すからです。

Vビームを受けてから2～4週間後に顔脱毛を行い、さらに3～4週間の間隔を空けてVビームを受けるようにしましょう。

フォトフェイシャルとの併用

フォトフェイシャルは、IPL（光）を使用して肌の生まれ変わりを促す施術です。

酒さや赤ら顔、シミやそばかす、小じわやニキビ跡などを改善する効果があります。

フォトフェイシャル®はルミナス・ビージャパン株式会社の登録商標です。当記事では、IPL光治療のことを便宜上フォトフェイシャルと表記しています。

フォトフェイシャルの作用機序

Vビームは単一の波長を用いますが、フォトフェイシャルで使用する光の波長は400～1200nmととても幅広いです。

シミやそばかすの原因となるメラニン色素、赤みの原因となるヘモグロビンなどをターゲットにしてアプローチする他に、肌の深い部分（真皮層）にある線維芽細胞を活性化させてコラーゲンの産生を促す作用もあります。

フォトフェイシャルの光エネルギーが熱に変換されて、ターゲットにダメージを与えるためさまざまな肌悩みを改善できる仕組みです。

Vビームと同じようにヘモグロビンに吸収される波長も含まれているため、フォトフェイシャルのみでも良いのでは？といった疑問も湧くかと思いますが、赤みへの効果はVビームのほうが実感しやすいです。

そのため、他の肌悩みを改善しながら赤みを効率的に治療したい方には、Vビームとフォトフェイシャルの併用がおすすめです。

ただし、同時施術はできませんので、間隔を空けての併用が基本となります。

Vビームとの間隔設定は？

Vビームから3～4週間後にフォトフェイシャル、さらに4～6週間後にVビームを受ける

まずはVビームで集中的に赤みを改善してから、フォトフェイシャルでシミやニキビ跡、毛穴や小じわなどの肌悩みを改善するのも一つの方法です。

ただ、平行したい場合はVビームからフォトフェイシャルまで3～4週間ほど期間を空けて、さらにフォトフェイシャルからVビームまでは4～6週間ほど間隔を空けるようにします。

ピーリングとVビームのタイミング

ピーリング（ケミカルピーリング）は、皮膚に化学薬剤を塗布して古い角質を剥がして肌の再生を促す治療方法です。

シミやそばかす、肝斑、ニキビやニキビ跡、毛穴の開き、小じわなど肌悩み全般に効果が期待できます。

使用するピーリング剤はいくつかの種類がありますが、よく使われるのがグリコール酸や乳酸（αヒドロキシ酸）、サリチル酸（βヒドロキシ酸）、トリクロロ酢酸（TCA, ハロ酢酸）です。改善したい肌悩みや肌状態に合わせてこれらの薬剤を選択します。

Vビームとピーリングは併用できる？

Vビームとピーリングは併用可能です。

たとえば、ニキビが繰り返しできている方だとVビームで赤みの改善を図っても、新たなニキビからまた赤いニキビ跡ができて、いたちごっこになってしまう可能性があります。

そういった場合は、ピーリングで肌質改善を行って新たなニキビができないようにしながら、Vビームで赤みを改善するのがおすすめ。Vビーム単体で受けるよりもニキビ・ニキビ跡への効果を実感しやすいです。

Vビーム前後のピーリング施術で注意したいこと

Vビーム後のピーリングは最低2週間空ける

ピーリング → Vビームの順番であれば、同日に施術が可能です。

ただ、Vビーム後のピーリングは最低でも2週間の間隔を空けてから行うようにします。Vビームのダウンタイム中は赤みや腫れ、内出血などが認められるため、肌表面の刺激になるピーリングは避けましょう。

また、ふだん自宅でピーリング系のスキンケアを使っている方は、Vビームの3日前からVビームのダウンタイムが落ち着くまではお休みしたほうが無難です。

セルフケア用のピーリング化粧品はクリニックで使用するピーリング剤よりも濃度が低いものとなっていますが、人によってはダウンタイム中の使用で赤みや腫れが長引いてしまう可能性があります。

ポテンツァとの相性と間隔

ポテンツァは、マイクロニードルと高周波（RF）を組み合わせた治療法です。超極細の針で肌に穴を空けながら、高周波エネルギーでコラーゲンの生成を促進していきます。

シミや赤ら顔といった肌の色味の改善から、ニキビ跡の凹みや毛穴の開き、小じわなどの肌の凹凸まで幅広い肌悩みを改善できる施術です。

ポテンツァの特徴と効果

ポテンツァの最大の特徴は、超極細の針（マイクロニードル） + 高周波（RF） + ドラッグデリバリーの3つのアプローチで、ダウンタイムを抑えながら1台で肌悩み全般にアプローチできる点です。

また、血管を増殖させるタンパク質（血管内皮増殖因子）を抑える効果もあります。

一方、Vビームは既に増殖してしまった血管を破壊する効果がある施術です。併用するとVビームで血管を破壊しながらポテンツァで新たに血管が増殖するのを防げるため、効率良く赤み治療ができるメリットがあります¹⁾。

Vビームとの組み合わせ方と推奨間隔

ポテンツァとVビームは同日の施術が可能

レーザーを使用するＶビームと、マイクロニードル・高周波・薬剤を用いるポテンツァはアプローチ方法の異なる施術です。

同じ日にどちらの施術も行えて、肌の赤みを改善したり毛穴悩みを改善したり肌の生まれ変わりを促したりする効果が得られます。

同時施術の場合は、4～6週間間隔での通院が推奨されています。症状によりポテンツァは3～5回、Vビームは5回以上が目安回数ですので、ポテンツァで赤み以外の肌悩みが改善したあとはVビームのみを2～4週間間隔で受けることになるかと思います。

ピコトーニングとVビームの併用

ピコトーニングとはピコレーザーの照射方法の一種で、肌のくすみを改善させる治療です。レーザーを顔全体に当てて、薄いシミや肝斑、くすみが改善するだけでなく肌の質感も良くなります。

ピコ秒（1兆分の1秒）といった極めて短い時間のレーザーを肌に照射していく方法で、従来のレーザーよりも肌へのダメージが少ないメリットがあります。

ピコトーニングの作用と特徴

ピコトーニングではメラニン色素がレーザーに反応して粉砕され、徐々に排出されるのでシミやくすみが薄くなります。シミ取りで使用されるピコスポットに比べて低出力で、薄いシミやそばかす、肌のくすみ改善を得意としています。

また、シミの種類のなかでも肝斑は治療が難しいとされていて受けられない施術がある点に注意が必要ですが、ピコトーニングでは肝斑を薄くする作用もあります。

Vビームも肝斑への照射ができますので、顔の赤みと肝斑が気になる方、ニキビ跡とそばかすを治療したい方、酒さを治療しながらくすみを改善したい方にはVビームとピコトーニングの併用が最適です。

Vビームとの間隔設定について

基本的に同時施術が行える

ピコトーニングはダウンタイムがほぼない治療方法ですので、基本的には間隔を空けずにVビームを行っていただけます。

ピコトーニングは症状によって5～10回、Vビームは5回以上が目安回数となり、3～4週間ごとの照射が理想的です。

どちらも10回程度の照射を4週間空けて行った場合、ざっくりと10カ月ほどで治療が完了します。肌に赤や茶色が混在している人も多いので、ピコトーニングとVビームの根気強い照射を続けていきましょう。

ダーマペンとの併用

ダーマペンは、髪の毛よりも細いマイクロニードルで肌に穴を開けて、創傷治癒の力を利用して美肌へと導く施術です。

ご希望に合わせてドラッグデリバリーも行えて、症状ごとに異なる薬剤を肌の内部に効率的に届けられるのも魅力。スキンケアや外用薬では限界のある肌悩みを改善する効果があり、定期的に受けるとコンディションの良い肌を持続させます。

ダーマペンの効果

ダーマペンはニキビ跡の凸凹や毛穴の開き、肝斑や小じわなどで効果を実感できて、肌のハリや弾力をアップさせながらキメのある肌を目指せます。

肌にわざと細かな穴を開けると、傷を治そうとする力が働いてコラーゲンの産生が促されるので、肌の凹凸がなめらかになったり毛穴がキュッと引き締まったり小じわが目立たなくなったりします。また、肝斑にも有効で、トラネキサム酸を効率的に浸透させるドラッグデリバリーも可能です。

小鼻周りの赤みといちご鼻、肝斑と酒さでお悩みの方も多いですが、両方を効率的に治療しながら肌質を改善したい場合にはVビームとダーマペンの併用がおすすめです。

Vビームとの組み合わせ方

Vビームが先なら同時施術ができる

Vビームが先、ダーマペンが後で施術を行うときは同日でも施術ができます。ただし、ダーマペンを先にして後からVビームをする際には必ず間隔を空けなければなりません。

ダーマペンはダウンタイムで赤みが出る施術のため、ダウンタイム中は赤みに反応するVビームが行えない点に注意が必要です。

既にダーマペンを受けた方でVビームとの併用をお考えの場合は、ダーマペンから3～4週間の間隔を空けてVビームを行い、さらに3～4週間後にダーマペンとVビームを同時施術するサイクルを作ると治療期間を短縮できます。

ハイフ治療とVビームの間隔

ハイフはたるみ治療の一つで、切らないフェイスリフトとも呼ばれています。主な効果は肌の引き締めとシワ改善ですが、コラーゲンの産生を促すためハリや弾力のアップも期待できます。

顔のたるみやもたつき感への効果は、施術直後から実感できるのも大きなメリットです。

ハイフの作用機序と特性

ハイフは超音波で肌の内部に熱を与える施術です。機種によって多少の差がありますが、主に真皮層からSMAS筋膜までの肌悩みに合わせた深さをピンポイントで狙って照射します。

よく使用されるのが皮下組織やSMAS筋膜にアプローチするカートリッジで、熱によって脂肪を溶解したり、緩んだ筋膜がギュッと縮む作用があります。

二重あごや口元のたるみ、フェイスラインのもたつきなどが気になる方に適した治療法で、20代後半からハイフを始める方も少なくありません。

たるみ治療や小顔効果のある施術を行いながら、酒さや赤ら顔、ニキビ跡の赤みを改善したい方にはVビームとの併用も可能です。

Vビームとの併用におけるタイミング

ハイフが先なら同時施術ができる

ハイフを先に照射してからのVビームであれば、どちらも同じ日に施術できます。

逆に、Vビームを先にしたときは、2～4週間の間隔を空けてからハイフを受けるようにしましょう。Vビームとの併用タイミングを誤ってしまうと、赤みや腫れが長引く可能性があります。

ボトックスとVビームの併用

ボトックスは注入系の施術で、A型ボツリヌス毒素を注射して筋肉の緊張によるシワ、汗や皮脂の過剰分泌、血管拡張を改善する効果があります。

“毒素”といった言葉が含まれるので心配になる方もいるかと思いますが、以前から国内外で用いられる安全性の高い製剤です。

ボトックスの作用と持続期間

ボトックスの代表的な効果は、表情ジワの改善です。凝り固まった表情筋の動きを抑制するため、眉間やおでこ、目尻などのシワが目立たなくなります。

また、皮脂腺に働きかけて皮脂分泌を抑制する作用も持っていて、毛穴の開きやテカリにも効果が期待できる施術です。

血管拡張を改善して火照り感を軽減する作用もありますので、酒さや赤ら顔の方はVビームと組み合わせるとさらに効果が高まると言われています。

ボトックスの持続期間は4～5カ月程度です。症状によって注入量を調整していきますが、定期的に行うと少量のボトックスで効果が持続するようになる特徴があります。

Vビームとの理想的な施術間隔

Vビームが先なら間隔を空けずに受けられる

Vビームを照射した後にボトックスを注入する方法であれば、間隔を空けずに受けられます。一方、ボトックス後のVビームは、2週間以上空けなければなりません。

ボトックスは熱に弱い性質があるので、定着するまでにVビームで熱を加えてしまうと効果が減ってしまうケースがあります。また、ボトックスによる内出血や赤みがある際には、Vビームがその部分に過剰に反応してしまう懸念もあります。

まとめ

Ｖビームは顔の赤みを改善できる治療で、他の施術と組み合わせると相乗効果が得られたり、短い期間で美肌を目指せます。

ほとんどの人が複数の肌悩みを抱えていますが、Vビームと他の施術を上手く併用しながら肌悩みを改善していきましょう。

参考文献

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