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ビタミンCの効果的な使い方|7つの疑問(朝の使用・レチノール併用・濃度など)に皮膚科医が答えます

ビタミンCって朝塗ってもいいの?濃度が高い方が効果も高いの?

Dr.小林智子

そんなビタミンCに関する質問に全て答えます!

皆さんこんにちは。皮膚科医の小林智子です。このチャンネルでは国内外の医学論文をもとにスキンケアから美容医療そして皮膚疾患まで肌にまつわる全てのことを発信しています。

公式LINEでは限定情報も配信していますので、是非そちらも登録していただけたらと思います。

今日はビタミンCをテーマにお話ししたいと思うんですけれども、ビタミンCをスキンケアに取り入れてるという方、きっと多いのではないかなと思います。

そんな身近に取り入れやすいビタミンCなんですけれども、スキンケアの質問を募集すると必ずこのビタミンCの質問がいくつかあります。

今回はこれまで視聴者の方からいただいたビタミンCに関する質問に答えたいと思います。早速行ってみましょう。

この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

Q1. ビタミンCは朝塗ってもいい?「朝使うとシミになる」は本当?

まず1つ目の質問です。1つ目は朝ビタミンCを塗っても大丈夫ですかというような質問です。

朝ビタミンCを塗っても大丈夫?

私のチャンネルを以前からご覧いただいている方は、朝ビタミンCは当たり前でしょっていう風に思うかもしれません。

ただ、少し前までは「ビタミンCを朝塗るとかえってシミが濃くなってしまう」というような都市伝説が出回っている時期もありました。

Dr.小林智子

結論から言うと、ビタミンCは朝塗っても問題ありません。

ビタミンCには様々な効果があるんですけれども、その1つが抗酸化作用です。

これはですね、紫外線などによってできる活性酸素を除去してくれる成分のことを言うんですけれども、ビタミンCはそんな抗酸化成分の王様という風に言われています。

ビタミンC=抗酸化成分の王様

この抗酸化成分は、これまでの報告で朝塗ると紫外線から肌を守る効果がより高まるというようなことが分かっています。

そのため、特に紫外線が強い時期に関しては朝ビタミンCを塗るのがおすすめです。

一方、夜塗ってもいいのかという質問に関しては、これももちろん問題ありません。

活性酸素というのは紫外線によって特に多く作られるんですけれども、紫外線以外にもストレスだったりあとはタバコ、睡眠不足など生活習慣にも大きく関係しています。

そういった活性酸素に対して、ビタミンCを夜塗ることで修復効果が高まるという風にも言われています。なので、朝はもちろん夜も取り入れるというのが個人的におすすめです。

活性酸素に対して、ビタミンCを夜塗ることで修復効果が高まる

朝ビタミンCをとるとかえってシミが濃くなってしまうというのは、おそらくソラレンの効果のことを言っているのではないかなと思うんですけれども、ソラレンという物質はキウイなどのフルーツに多く含まれる成分で、このソラレンに関しては摂取した後に紫外線を浴びることでよりシミが増強される可能性があるという風に言われています。

ただ化粧品のビタミンCを塗ることで、そういった(シミが増える)報告はありません。

なので安心して朝も塗っていただけたらと思います。

もちろん紫外線から肌を守る効果に関しては、ビタミンCだけでなく日焼け止めも必須です。

Dr.小林智子

朝はビタミンCと日焼け止めをセットで取り入れるようにしてください。

Q2. ビタミンCは敏感肌でも使える?刺激の少ない種類の選び方

続いて2つ目の質問です。2つ目はビタミンCは敏感肌でも使えますか?というような質問です。

ビタミンCは敏感肌でも使える?
Dr.小林智子

これに関しては、敏感肌でも使えるものもあるというのが正解になってくるのではないかなと思います。

ビタミンCというのは、活性型のビタミンCであるアスコルビン酸と、それ以外のビタミンC誘導体の2種類に大別されます。

活性型のビタミンCであるアスコルビン酸はそのままの形で肌に作用するため、効果が早く高いという特徴があるんですけれども、その一方で刺激になりやすいというデメリットも持ち合わせています。

なのでビタミンCの効果を早く実感したいという方は、アスコルビン酸が1つおすすめにはなるんですけれども、やはり刺激が強いというような方はですね、アスコルビン酸ではなくそれ以外のビタミンC誘導体の方がより取り入れやすい可能性が高いです。

刺激を感じる方はビタミンC誘導体がおすすめ

アスコルビン酸は個人的に非常に好きでよく使ってるんですけれども、例えばこちら、スキンシューティカルズのCEFセラムというアスコルビン酸が15%配合されているビタミンC美容液があります。

こちらはアスコルビン酸だけでなく、ビタミンEとフェルラ酸という抗酸化成分が配合されていて、この抗酸化成分の効果をより高める処方となっているのが特徴です。

あとはこちら、ロレアルのリバイタリフトクリニックというアスコルビン酸が12%配合されてる美容液があります。

こちらはLOOKFANTASTICなど海外のサイトで販売されていることが多いかなと思うんですけれども、比較的お手頃なアイテムなので個人的に好きで使っています。

脂溶性のビタミンC誘導体が配合されているアイテムではこちら、リビジョンのCコレクティングコンプレックス30%があります。

こちらはアスコルビン酸テトラヘキシルデシルが30%配合されているアイテムです。

このアスコルビン酸テトラヘキシルデシルが脂溶性のビタミンC誘導体になるんですけれども、脂溶性のビタミンC誘導体はより肌に浸透しやすいという風に言われていて、アンチエイジング効果などを感じたい方はこういったアイテムが1つ取り入れやすいかなと思います。

一方、刺激になりやすいというような方はビタミンC誘導体がおすすめです。

ビタミンC誘導体でも「水溶性のビタミンC誘導体」と「脂溶性のビタミンC誘導体」があるんですけれども、これに関しては1つ肌質などで選んでいただくといいのではないかなと思います。

例えば皮脂が多く毛穴が目立ちやすいというような方は、水溶性のビタミンC誘導体の方が取り入れやすいかなと思いますし、乾燥しやすく小ジワも目立つというような方は、脂溶性のビタミンC誘導体が個人的におすすめです。

「水溶性のビタミンC誘導体」と「脂溶性のビタミンC誘導体」の使い分け

水溶性のビタミンC誘導体は、ドラッグストアなんかでもたくさん配合されているアイテムを目にすることがあります。

アスコルビン酸とビタミンC誘導体のいいとこ取りをしたいというような方はこちら。メラノCCの薬用シミ集中対策プレミアム美容液が1つおすめです。

こちらですね、なんと言ってもそのプチプラ価格が1つ魅力ではないかなと思うんですけれども、やはり効果も感じやすく、かつどこでも手に入れることができるので個人的に非常に重宝しています。

刺激に関して言うとアスコルビン酸はpHが3から3.5の環境で最も浸透が高いという風に言われていて、やはりpHがそれぐらい低くなると刺激になりやすいことがあります。

一方ビタミンC誘導体に関しては、もう少しpHが弱酸性よりでより浸透が高いという風に言われていますので、そういった意味でもビタミンC誘導体の方が比較的刺激が少ないのではないかなと思います。

pHスケール

Q3. ビタミンCに本当に美白効果はあるの?シミに効くメカニズム

続いての質問です。続いての質問はビタミンCには美白効果が本当にあるんですか?というような質問です。

ビタミンCは本当に美白効果はある?
Dr.小林智子

これに関してはあります!

ビタミンCは医薬部外品の有効成分の1つでもあります。具体的には、チロシナーゼというメラニンを作る際に働く酵素に働きかけメラニンを作らせにくくする効果があったり、あとは還元作用によって美白効果を発揮するというようなことが分かっています。

なのでこういった美白アイテムに取り入れられることも多いです。

ビタミンCは美白アイテムに取り入れられることも多い

特にですね、こちらキールズのクリアリーホワイトブライトニングエッセンスには、3-oエチルアスコルビン酸というビタミンC誘導体が配合されてるんですけれども、3-oエチルアスコルビン酸はビタミンC誘導体の中でも特に美白効果が高いという風に言われています。

あとは個人的に好きで使っているのがこちら、クリニークのイーブンベターイルミネイティングブライトセラムというビタミンC誘導体が配合されたアイテムです。

こちらは水溶性のビタミンC誘導体であるアスコルビルグルコシドが配合されています。

美白のアイテムはビタミンC誘導体だけでなく他の美白成分も一緒に配合されていることが多く、例えばこちらのアイテムですと、ナイアシンアミドなどの成分も一緒に配合されているのが1つ特徴です。

Q4. ビタミンCとレチノールは併用できる?注意点と上手な組み合わせ方

次の質問です。次の質問、非常に多いんですけれども、ビタミンCとレチノール、併用してもいいんですか?というような質問をよくいただきます。

ビタミンCとレチノールは併用できる?
Dr.小林智子

これに関しては、実は問題ありません。ただ、条件によっては刺激になってしまう可能性があり、別々に使った方が無難だというようなこともあります。

これはそれぞれの組み合わせにもよるんですけれども、例えばビタミンCをアスコルビン酸、レチノールを高濃度のレチノールを選んだ場合、それぞれが刺激を感じやすいアイテムになりますので、併用することによってより刺激が増してしまう可能性があります。

刺激が強い成分を併用するとより刺激感が増す可能性

刺激があるような場合は、使うタイミングを別々にしていただくと取り入れやすいです。

例えば朝はビタミンC、夜はレチノールというような塗り方です。あるいはビタミンCとレチノールを使う日をそれぞれ交互にしていただいてもいいかなと思います。

同じく刺激に感じやすい成分としては、ピーリング成分も挙げられます。

具体的にはグリコール酸や乳酸といったようなαヒドロキシ酸と呼ばれるような成分だったり、あとはサリチル酸と呼ばれるβヒドロキシ酸などは刺激に感じやすい可能性があります。

ビタミンCとの併用で刺激を感じる可能性があるもの(グリコール酸や乳酸、サリチル酸など)

もしピーリング成分をビタミンCと一緒に使いたいというような方は、PHAと呼ばれるポリヒドロキシ酸がおすすめです。

ポリヒドロキシ酸は、例えばグルコノラクトンと呼ばれるような成分が1つ挙げられるんですけれども、比較的マイルドに作用し刺激に感じやすい特徴があります。

グルコノラクトンが配合されたアイテムでは例えばこちら、ネオストラータのバイオニックフェイスクリームというPHAが配合されたクリームがあるんですけれども、こちらはクリームになっていますので、例えばこの美容液を使ってクリームを使うというような使い方です。ほとんど刺激に感じにくいかなと思います。

ネオストラータのバイオニックフェイスクリーム

こちらはクリニック専売のアイテムとなりますので、気になる方は是非一度ご相談いただけたらと思います。

Q5. ビタミンCは濃度が高い方が効果も高い?最適な濃度を解説

続いての質問です。ビタミンCは濃度が高い方が効果も高いんですか?という質問です。

ビタミンCは濃度が高いほど効果も高い?
Dr.小林智子

これに関しては、実はそういうわけでもありません。

もちろん5%と10%のビタミンCですと、これまでの報告で濃度が高い10%の方がより効果が高いというな風に言われてるんですけれども、では濃度が上がれば上がるほどその効果も比例するかと言うと実はそうではなく、大体15%ぐらいでその効果は減弱するということが分かっています。

一定濃度で効果は減弱する

そのため肌が強い方は例えば15〜20%と高濃度のものも使えるかなと思うんですけれども、肌が敏感な人などはですね5%から10%程度でも十分かなという風に個人的に思います。

濃度が高ければ高いほどそのアイテムも高額になってくることが多いので。費用的な面からもですね5〜10%でも十分かなという風に個人的には思います。

Q6. 古いビタミンC美容液は使っても平気?使用期限と見分け方

続いての質問です。古いビタミンC美容液を塗っても大丈夫ですか?という質問、たまにいただくんですけれども、これに関してはアイテムによるかなと思います。

先ほどお話ししたように、活性型のビタミンCであるアスコルビン酸は還元作用が非常に高く、どんどんそれ自身が還元されていってしまいます。

そのため少し時間が経ったアスコルビン酸というのは褐色に変色することが多く、もし古い美容液で色を見てみてすごく茶色く変色していたというような場合は、使用を控えた方が無難かなと思います。

基本的にアスコルビン酸の美容液に関しては開封したら2ヶ月を目処に使い切っていただくのを推奨しています。

一方ですね、ビタミンC誘導体に関しては誘導体の形を取ることで構造は非常に安定してはいるんですけれども、やはり何年も経っているものに関しては使用を控えた方がいいのではないかなと思います。

基本的にお化粧品に関しては、未開封のもので大体2〜3年、開封したものですと半年を目度に使い切っていただくのがおすすめです。

Q7. ビタミンCは内服でも肌に効果はある?塗る場合との違い

続いての質問です。続いてはビタミンCは内服でも効果はありますか?というような質問です。

ビタミンCは内服でも効果はある?

これに関してはですね、ビタミンCの主な効果であるコラーゲンの産生作用だったりあとは美白作用、それから抗酸化作用などそれぞれに対して効果があるという論文はあります。

Dr.小林智子

ただ、肌の効果で言うと内服よりも外用の方がより効果が高いという風に言われています。

肌への効果では、内服より外用のほうが効果が高い

先ほどお話ししたように、酸化ストレスは生活習慣なども大きく関係していて、そういった全身の酸化ストレスに関しては内服が有効かなという風に思うんですけれども、やはり肌の効果ですね、美白したい!だったりあとはコラーゲンを作っていきたい!というような方はやはり外用がおすすめです。

ただ、紫外線が強い時期などは内服もうまく取り入れていただくと、よりシミの予防作用が期待できるかなと思います。是非気になる方は、内服と外用両方取り入れていただくことをお勧めします。

私が監修しているこちら、ドクターレシピのセラミドミックスアドバンスドというサプリメントには、セラミドに加えてビタミンCなどの抗酸化成分がたくさん配合されています。

紫外線が強い時期は特に使いやすいアイテムではないかなと思います。

美容医療との相乗効果も!ビタミンCでワンランク上のスキンケアへ

最後にビタミンCを使った症例をお見せしたいと思います。

こちらはIPLという光治療、シミの治療の後に半顔だけアスコルビン酸を塗っていただいたケースなんですけれども、アスコルビン酸を塗っていただいた方がよりシミの改善効果が高いというようなことが分かります。

ビタミンCを使った症例

このように美容医療ともビタミンCは非常に相性が良く、治療後にビタミンCを取り入れていただくとその美白効果はより高まるのではないかなと思います。ビタミンCを是非スキンケアでうまく取り入れていただけたらと思います。

ということで今回はビタミンCに関するよくある質問に答えていきました。今回の動画が少しでも参考になったなと思ったらいいねボタンやチャンネル登録ボタンを押していただけますと嬉しいです。ということで今回の動画は以上です。それでは〜。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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