
先生、化粧水って正直どれ使ってもあんまり効果の違いって感じなくないですか?保湿されるのかどうかもよくわかんなくて…。

もしかしたら使ってる化粧水が肌質に合ってないのかもしれませんね。

え、そんなことあるんですか?

ありますよ。

じゃあ美白とかエイジングケアの成分も肌質によって変えた方がいいってことですか?

その通り。肌質によっておすすめの成分だったり、避けた方がいい成分っていうのも違ってくるんですよね。

やばい。私、それ知らずに選んでました。今日聞いておいてよかった〜。
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この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
そもそも化粧水って本当に必要?

今回は肌質別のおすすめの化粧水の選び方について解説したいと思います。ところで、そもそも化粧水って本当に必要かなって思ったことありません?

あります。水っぽいし意味あるのかなと思っちゃいます。

これよくSNSでもそういう風に言われることがあって、ただの水だから化粧水って意味ないじゃんっていう風に思われる方も多いんですけれども、実は違います。


化粧水というのは水がメインの成分ではあるんですけれども、それ以外にも保湿成分など様々な成分が入っていて、緩やかに水分の蒸発を抑えていて、保湿を高めたりだとか、pHを調整するというような働きがあります。でも絶対に化粧水じゃなきゃいけないっていうわけではないんですね。

じゃあ他のアイテムでもいいってことですか?

実はそうなんです。保湿のアイテムには化粧水以外にも例えばオールインワンジェルというものだったり、入液、クリームというようなアイテムもあります。


こういったのは、あくまでカテゴライズされているもので、実は必ずしもそれを使わなければならないというものではないんです。大切なのは自分の肌質にあった成分を選ぶということが非常に重要です。
失敗しにくい成分は「ナイアシンアミド」

なるほど。じゃあ逆にどの成分を選べば失敗しにくいってあるんですか?

ありますよ。肌質と言っても様々あると思うんですけれども、どういった肌質でも使いやすい成分っていうのがあります。それはナイアシンアミドという成分です。

ナイアシンアミドってよく聞きますけど、具体的に何に聞くんですか?

ナイアシンアミドというのは様々な効果がある成分なんですけれども、まず1つは肌のバリア機能を高めるというような保湿作用があります。それだけではなく皮脂の分泌を抑えたりするのも特徴です。


さらに、ナイアシンアミドというのは一般的に刺激も少なく敏感肌の方にも使いやすいというのがおすすめのポイントです。

知らずにスルーしてたかも。

そうしたら次に、肌質別におすすめの化粧水の選び方を解説していきますね。
オイリー肌におすすめの化粧水

まずは脂性肌いわゆるオイリー肌の方です。こういった方は一般的には皮脂の分泌量が多い方という風に言われています。

べたつきやすいから被膜感が強い化粧水を避けた方がいいってことですね。

そうですね。さっぱりとした化粧水の方が好ばれやすいかなという風に思いますね。あとは過剰な皮脂に対して皮脂の分泌を抑えてくれる成分が配合された化粧水を取り入れるというのもおすすめです。
詳しく解説
具体的にはまず、水溶性のビタミンC誘導体が挙げられます。
ビタミンCは皮脂の分泌を抑える効果以外にも、コラーゲンの産生を促す効果があるので、美白だったりエイジングケアをしたいという方にもお勧めです。

例えばこちら、キールズの美白化粧水があるんですけれども、こちらには3-oエチルアスコルビン酸という水溶性のビタミンC誘導体が配合されています。

それ以外にも皮脂分泌を抑える成分としてはアゼライン酸もあります。
クロノアンドゥーのAZクリスタルローションというアゼライン酸誘導体が配合されている化粧水があるんですけども、こちらはさっぱりとしていて使いやすいかなと思います。
あと、最近注目されている皮脂を抑える成分として、緑茶エキスもあります。
緑茶エキスが配合されているものはイニスフリーのグリーンティーヒアルロンスキンと呼ばれる化粧水があります。

乾燥肌におすすめの化粧水

次に乾燥肌の方なんですけれども、乾燥肌の方はやはり保湿成分が配合されている化粧水がおすすめですね。例えばセラミド、グリセリン、ヒアルロン酸といったような成分が保湿成分に当たります。


アルコールとかスースー系の成分は避けた方がいいですか?

そうですね。やはり刺激を感じやすいかなと思います。
詳しく解説
保湿に加えて透明感も求めたい方は、ナイアシンアミドに加えてトラネキサム酸も1つおすすめです。
トラネキサム酸は抗炎症成分なんですけれども、美白作用もあって、特に肝斑だったり炎症後色素沈着というようなシミに対して有効です。
例えばこちら、白潤の薬用美白化粧水があるんですけれども、こちらにはトラネキサム酸が有効成分として配合されています。

敏感肌におすすめの化粧水

次は敏感肌の方ですね。

敏感肌の友達って、ちょっと合わない化粧水ですぐヒリヒリするって言ってました。

敏感肌の方って、化粧品の中でも特に化粧水でヒリヒリするっていう風におっしゃる方が多いですね。やはり刺激になりやすい成分は敏感肌の方は避けていただいた方がよくて、例えばアルコールだったり香料だったり人によっては防腐剤が刺激になってしまう可能性があります。


ただそういった成分が入っていなくてもヒリヒリするというような方は、化粧水はスキップした方がいいかなと思います。

低刺激って書いてあるものを選べばいいんですか?

そうですね、低刺激なものがいいんですけれども、どうやって探せばいいか分からないというような方は、敏感肌用のブランドから選ぶと無難かなと思います。
詳しく解説
あとは抗炎症成分として例えばアラントインと呼ばれるような成分だったり、グリチルリチン酸ジカリウムと呼ばれるような抗炎症成分が配合されているものも敏感肌の方には使いやすくておすすめです。
肌が敏感な時は、シンプルなケアに徹底していただくといいかなと思います。
敏感肌のブランドって今たくさんあるんですけれども、よく皮膚科の先生がお勧めしているものの中の1つでは、ラロッシュポゼがありますね。

ラロッシュポゼのトレリアンシリーズというのは敏感肌用のラインナップになるんですけれども、トレリアン薬用モンスチャーローションと呼ばれる化粧水にはナイアシンアミドが配合されていて、かつパッチテストだったり低刺激な試験というのもクリアしています。

あとは、当院で人気なのはイニクスと呼ばれるブランドもあるんですけれども、センシティブディープモイストローションと呼ばれる高保湿な化粧水で刺激になりにくいのが特徴かなと思います。
混合肌におすすめの化粧水

次に混合肌ですね。

Tゾーンはテカるのに、頬の辺りは乾燥するっていう私みたいな人は混合肌ですよね。

そうですね。実際患者さんの中にも混合肌の方が多いかなっていう風に思うんですけれども、Tゾーンはテカるのに頬は突っ張るというような方は混合肌かなと思います。混合肌の方は、スキンケアにおいては足し算引き算と言ってバランスをしっかり取っていただくのが1つポイントです。


要は化粧水は、オイリー肌と同じように皮脂を抑えるような成分が配合された化粧水を肌全体に塗っていただいて、その後乳液だったりクリームといったような保湿アイテムに関しては、Tゾーンを避けて頬だけに塗るというような部分使いがいいかなと思います。

なるほど。部分的に保湿するといいんですね。
詳しく解説
成分としては、先ほどご紹介したビタミンC誘導体だったりナイアシンアミドなどが使いやすいかなと思います。
あとTゾーンだけ異様に毛穴が目立つというような方は、サリチル酸が配合された化粧水というのも1つおすすめです。

サリチル酸というのはピーリング成分の1つなんですけれども、脂溶性のピーリング成分で皮脂汚れを効率的に除去できる成分という風に言われています。
私がよく使っているのはこちらなんですけれども、ポーラズチョイスのBHAリキッドエクスフォリエントという化粧水があって、かなりさっぱりとしていて毛穴にもいい感じがします。
赤ら顔におすすめの化粧水

最後に赤ら顔の方ですね。

赤みが続くタイプってどうしたらいいですか?ちょっと運動しただけで真っ赤になっちゃうって患者様も多いですよね。

うん。私のクリニックでも赤ら顔でお悩みの方、すごく多いんですけれども、赤ら顔の方の中にも様々な肌質があるんですけれども、中には肌が非常に敏感になってしまっている方がいらっしゃいます。

なので赤ら顔の方は、基本的に敏感肌の方と同じように低刺激なものを選ぶと無難かなという風に思います。グリチルリチン酸ジカリウムのような抗炎症成分が入ってるものだったり、高保湿なものっていうのが使いやすいかなと思います。


反対に避けた方がいい成分はありますか?

これまでの報告でも酒さの方の中にはエタノールのようなアルコールだったり香料、防腐剤というような成分で刺激になってしまうことが多いという風に言われているので、やはりそういった成分は避けた方がいいかなと思いますね。
詳しく解説
先ほどご紹介したイニクスのセンシティブディープモイストローション。こちらの高保湿な化粧水は、私のクリニックの酒さの患者さんもよく購入される化粧水の1つです。
あとは、最近注目されている韓国の敏感肌用のスキンケアブランドでエストラというのがあるんですけれども、エストラから新しいこちらのシリーズが出てハイドレーティングリリーフトナーというのがあるんですけれども、敏感肌の方にも使いやすく弱酸性でできていて、肌をいたわるような処方設計になっているのが1つ特徴です。
最近、赤みに効果がある成分としてPHAのグルコノラクトンという成分があるんですけれども、こちらの化粧水にはそのグルコノラクトンが配合されていて、少し赤みにもいいんじゃないかなという風に思っています。
まとめ

そんな感じで化粧水を選ぶ時は肌質に合わせて選ぶと失敗は少ないかなという風に思います。合ってないものを選ぶと逆に肌トラブルに繋がってしまう可能性もありますね。

でも正直自分に何が合うのか分からないっていうのが本音なんですよね。

そうですよね。なのでそういった方は先ほどご紹介したどういった肌質の方にも使いやすいナイアシンアミドと呼ばれるような成分だったり、保湿効果の高いセラミドというような成分が配合されたアイテムを選ぶといいんじゃないかなと思います。

私が監修しているHALSKINのスキンローションにはナイアシンアミド、セラミドと両方入っていて、かつ弱酸性で敏感肌の方にも使いやすい低刺激な処方となっています。パッチテストも実施しています。敏感肌の方から美白やエイジングケアもしたいっていう方にも、幅広く取り入れていただきやすい化粧水かなと思います。

その化粧水、とっても人気ですよね。しかもスプレー式で摩擦にもならないし。

そうなんですよ。これスプレー式ですごい使いやすいんですよね。とは言っても、実際使ってみて赤みが出たりヒリヒリするといったような刺激症状がある場合は、使用を中止して皮膚科に相談されることをお勧めします。
おわりに
ということで、今回は肌質別のおすすめの化粧水の選び方について詳しく解説させていただきました。
先ほどお話ししたように、もし使用してみて何か赤みだったり刺激といったような症状を認めた場合は、使用を中止して皮膚科専門医に相談することをお勧めします。
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