多汗症およびワキガとは
多汗症(hyperhidrosis)とは、発汗機能が亢進して通常以上の汗をかく疾患です。過剰な汗によって対人関係や日常生活に支障をきたすことがあります。
また、ワキガ(bromhidrosis)というのは「臭汗症」の一つで、わきの汗が原因で特有の臭いを発する症状です。汗を多くかくと、その分臭いも強くなる傾向があります。
多汗症の種類
多汗症は、発汗原因となる疾患・薬剤の有無や、発汗部位(局所・全身)によりいくつかのタイプに分類されます。
原発性多汗症
原発性多汗症は、既往症や服薬など明らかな原因を認めない多汗症のことで、思春期頃に始まり、遺伝的な要素が関与することも。
原発性多汗症には「全身性」と「局所性」のものがあります。
- 全身性多汗症:全身性多汗症は、からだ全体にわたる過剰な発汗が特徴です。
- 局所性多汗症:局所性多汗症は、からだの特定の部分に過剰な発汗が起こり、原発性腋窩多汗症、原発性手掌多汗症などが代表です。そのほか頭部・顔面、足底などに日常生活に支障をきたすほどの大量の発汗を生じます。
続発性多汗症
続発性多汗症は、さまざまな内科的疾患や神経系の疾患、薬剤の副作用などが原因で引き起こされる多汗症です。
続発性多汗症も全身性と局所性の2種類に分類されます。
当院の多汗症治療
当院では、患者様一人ひとりの症状に合わせて治療方法をご提案いたします。
- 経験豊富な女性皮膚科専門医が患者様のお悩みに寄り添い、丁寧に診察
- 保険診療から美容医療まで幅広く対応
- エビデンスのある医療機器を導入し、効果的な治療を提供
- 副作用やリスクを最小限に抑えるため、慎重な治療計画を立案
- アフターケアも充実し、治療後の肌のケアもサポート
まず、続発性多汗症では基礎疾患に基づいた治療が優先されます。
一方、原発性多汗症では外用薬、内服薬、注入薬、手術などいくつかの治療法があり、外用薬を最初に試し、効果を見ながら内服薬や注入薬などを検討することが一般的です。
保険適用となる治療法は、部位によっても異なります。
ここではご相談の多いわき汗(原発性腋窩多汗症)の治療についてご紹介します。
外用薬
わき汗に対しては、まず外用薬が処方されることが多いです。
ガイドラインにおいて推奨されている外用薬(いずれも推奨度B)
• 抗コリン外用薬:アセチルコリンの働きを阻害し発汗を抑える作用があります。日本においては「エクロックゲル」と「ラピフォートワイプ」が保険適用です(手汗に対しては「アポハイドローション」という保険適用の薬が処方)。
• 塩化アルミニウム製剤:汗腺の出口を一時的に塞ぎ、発汗を抑制。通常10〜20%程度の塩化アルミニウム製剤が処方されます(保険適用外)。
ボツリヌス毒素(ボトックス)注射
外用薬で効果が不十分であるときは、ボツリヌス毒素(ボトックス)製剤の局所注射を検討することも(推奨度B)。
ボツリヌス菌はクロストジウム・ボツリヌスが産生する神経毒素で、神経接合部からアセチルコリンの放出を抑制する作用があります。
効果は高い一方、持続期間は4〜6ヶ月程度で一時的です。
内服薬
緊張やストレスによって発汗が過剰になる方には、抗コリン内服薬(プロバンサイン)が処方されることがあります。
治療のリスク・副作用
- 抗コリン薬には副作用として視覚障害、ドライアイ、口の渇き、排尿困難、頻尿、便秘といった抗コリン作用が出る可能性。
- ボツリヌス毒素注射では、注入時の痛みや内出血などの副作用を認めることも。
多汗症・ワキガの治療でよくある質問
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