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当てはまるという方は、もしかしたら皮脂が多い肌質の方かもしれません。
いわゆる「オイリー肌」「脂性肌」と呼ばれる方と、あとは混合肌の方がそれに当てはまります。
そういった肌質の方は、それ用のスキンケアが必要になってくるんですけれども、実際に世の中にたくさんあるスキンケア製品というのは敏感肌の方だったり、乾燥肌の方に対して作られたものが多いのが現状です。
ただ、誤ったスキンケアをしてしまうとニキビなど肌トラブルにつながってしまう可能性があります。
今回は、そんな皮脂が多い方のためのスキンケアのポイントや実際の製品などを中心に詳しく解説していきたいなと思います。それでは早速いってみましょう。
この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします！
この記事の執筆者
小林 智子（こばやし ともこ）
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
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皮脂が多くなる原因とは？
今回、皮脂をコントロールするスキンケアのポイントについて解説したいと思うんですけれども、そもそもなぜ皮脂が増えてしまうのかというところから少し解説したいと思います。
遺伝的要因・ホルモンバランスの影響
皮脂の分泌量というのは、皆さんご存知のように遺伝的な要素が大きいです。なのでご家族が皮脂が多い場合はやはりその方も皮脂が多い傾向にあります。
では皮脂が多い方は諦めるしかないのかというと、そういうわけではなく、皮脂の分泌量というのは他の要因によっても左右されてきます。
その1つがホルモンです。特に女性の場合は生理周期によって皮脂の分泌量が大きく変動するということが分かっています。具体的には排卵のタイミングが1番分泌量が多くなるということが分かっています。
あとはホルモンは生活習慣の中でも例えば睡眠不足だったり、あとは食生活などによっても変動してきます。
ホルモンが乱れることによって皮脂が増え、場合によっては角化と言って毛穴が詰まりやすくなってニキビになってしまうというようなことも分かっています。
なので皮脂をコントロールするには、後で説明するスキンケアでなく生活習慣の見直しも重要になってきます。
脂性肌・ニキビ肌の方が日常生活で注意すべきこと
では日常生活でどういったことに気をつけたらいいかと言うと、まず1つが食生活です。
食生活のポイント
これまでの報告で、乳製品や血糖値が急激に上昇するような食事は、皮脂の分泌量が高まるということが分かっています。
そのため血糖の上昇を抑えるような食事、例えばGI値といって血糖の上昇具合を見る数値があるんですけれども、このGI値が低い食品を選んだり、食べる順番をご飯から食べるのではなく、前菜を食べて最後にご飯を食べるというように食生活を工夫することによって、皮脂の分泌量は少し変わってくるかなという風に思います。
皮脂分泌抑制に役立つ栄養素
では反対に、皮脂種の分泌を抑制するような要素には何があるかと言うと、例えば1つ亜鉛が挙げられます。
亜鉛
これまでの報告で亜鉛を大量、例えば1日あたり30mgや50mgといったような量を毎日継続的に飲んだ場合、皮脂の分泌量がおさまったというような報告があります。
また別の報告にはなるんですけれどもニキビの方は平均的に亜鉛の量が低下している傾向があるというようなことも指摘されています。
なので、もし皮脂だったり、あとはニキビでお困りの方は亜鉛も1つ意識していただくといいのではないかなと思います。
パントテン酸（ビタミンB5）
またそれ以外の栄養素としてはパントテン酸と呼ばれる栄養素が挙げられます。
パントテン酸というのはビタミンB5のことを言うんですけれども、これまでの報告でパントテン酸は皮脂腺の機能を調節したり、皮脂合成に関する経路を介して皮脂の分泌量を抑制する効果があるというようなことも報告されています。
ビタミンB2、ビタミンB6
またそれ以外の栄要素としてはビタミンB2だったりビタミンB6というような栄要素も皮脂の合成に関与していて、よくニキビの患者さんでこういったビタミンBを処方することがあります。
- ビタミンB2を多く含む食品：レバー、うなぎ、卵、納豆、アーモンドなど
- ビタミンB6を多く含む食品：鶏肉、カツオ、マグロ、バナナなど
なのでテカリが気になるというような方は、まずは最初に生活習慣を見直していただき、特に先ほどお話ししたような栄養素がきちんと取れているかどうかを確認していただくといいのではないかなと思います。
もしご自身の食生活に自信がないというような方は先ほどお話ししたような栄養素が配合されたサプリメントを取ってみるのも有効なのではないかなと思います。
睡眠とストレスの影響
また、睡眠不足だったり過剰な精神的なストレスがかかった状態ですと、皮脂の分泌量が高まる傾向にあります。
なので皮脂の分泌量は遺伝的な要素が大きいとはいえ、まずは生活習慣を見直していただくことが重要かなと思います。
脂性肌・ニキビ肌の方のスキンケアのポイント
続いてスキンケアのポイントについて解説したいと思います。スキンケアの基本は洗顔、保湿、そしてUVケアの3つです。
洗顔のポイント
まず1つ目、洗顔のポイントなんですけれども、皮脂が多い方は1日2回、朝夜と洗顔料を用いて洗顔するようにしてください。
皮脂が多い方の中には混合肌と言って、いわゆるおでこや鼻、顎といったようなTゾーンだけ皮脂が多いという方がいらっしゃいます。
そういった方は、朝に関してはTゾーンのみ洗顔料を用いて洗顔するのもオッケーです。全体的に皮脂が気になるというような方は、全体的に洗顔料を用いて洗顔することをお勧めします。
クレンジングの選び方とおすすめ製品
夜の場合は、特にメイクをされている方はクレンジングを用いる方が多いのではないかなと思います。メイクの濃さにもよるんですけれども、オイリー肌の方はオイル系のクレンジングが使いやすいかなと思います。
クレンジングにもオイル、あとはジェル、クリームなど様々あるんですけれども、最も洗浄力が高いのがオイルです。
クレンジングオイルと言うと、肌の負担になりやすいのではないかと心配される方もいらっしゃるんですけれども、適切に落ちていないことの方が肌にとっては負担になるかなと思いますので、しっかりとメイクされてる方だったり、あとは皮脂が多い方はきちんと油分をオフできるクレンジングオイルが無難です。
今ではクレンジングオイルでも、刺激性の低いものがたくさん出ています。
私がよく使っているのはファンケルのマイルドクレンジングです。
こちらはきちんと皮脂などの汚れを落としながらも低刺激な設計なので、比較的使いやすいクレンジングオイルなのではないかなと思います。
毛穴・ニキビ対策におすすめの洗顔料
また、テカリ以外に毛穴やニキビも気になるというような方はサリチル酸が配合されている洗顔料もおすすめです。
サリチル酸はピーリング成分の1つなんですけれども、脂溶性のピーリング成分で、皮脂汚れを効率的に除去する効果が高い成分となります。
例えばこちらHALSKINのクリアウォッシュにはサリチル酸が配合されてるんですけれども、こちらは泡で出てくるタイプの洗顔料で、忙しい朝でも使いやすいアイテムかなと思います。
保湿のポイント
次に保湿についてです。保湿アイテムと言うと化粧水、乳液、クリームなど様々なタイプがあると思います。中でもほとんどの方が化粧水を使っているのではないかなと思います。
皮脂が多い方におすすめの保湿成分
皮脂が多い方におすすめな成分というのがあるんですけれども、それは皮脂の分泌量を抑える成分です。
具体的にはレチノールなどのレチノイド、アゼライン酸、ビタミンC、緑茶エキス、そしてナイアシンアミドなどが代表的な成分です。
化粧水で取り入れやすい成分とおすすめ製品
この中でも化粧水で取り入れやすい成分というのがあります。それはビタミンC誘導体、緑茶エキス、それからナイアシンアミドです。
これらの成分は化粧水でも比較的配合されやすいのが特徴です。
ビタミンC誘導体でも、水溶性のビタミンC誘導体と脂溶性のビタミンC誘導体があるんですけれども、市販のものですと水用性のビタミンC誘導体の割合の方が圧倒的に多いのではないかなと思います。
私がよく使っているのはこちら。トゥベールの薬用ホワイトニングローションαEXという、アスコルビルリン酸ナトリウムが配合されている化粧水です。
あとはこちら、キールズのクリアリーコレクティブシリーズの化粧水にも、水溶性のビタミンC誘導体の3-oエチルアスコルビン酸が配合されています。
こちらの化粧水は水溶性のビタミンC誘導体だけでなく、先ほどご紹介したピーリング成分のサリチル酸も配合されているのが特徴です。
なのでテカリだったり、あとは毛穴が気になるという方に非常に使いやすいアイテムではないかなと思います。
次に緑茶が配合された化粧水ですとこちら。イニスフリーのグリーンティーヒアルロンスキンと呼ばれる化粧水があります。
こちらもみずみずしくて使いやすいアイテムです。
あとはアゼライン酸とは少し異なるんですけれども、アズライン酸誘導体というアゼライン酸に装飾がついた成分があるんですけれども、このアゼライン誘導体ですと化粧水でも配合されることがあります。
具体的にはこちら、クロノアンドゥのAZクリスタルローションという化粧水です。
こちらには、ナイアシンアミドとグリシルグリシンと呼ばれる毛穴に有効な成分、そしてアゼライン酸誘導体が配合されています。こちらは私のクリニックでも販売している化粧水なんですけれども、皮脂が多い方はよくこちらの化粧水をご購入されます。
最後にナイアシンアミドが配合されたもう1つのアイテムがこちら。HALSKINのスキンローションです。
こちらはノンコメドジェニックの処方で、ナイアシンアミドに加えてセラミドが配合されているのが特徴です。低刺激な設計なので敏感肌の方にも使いやすいのが1つ特徴かなと思います。
こういった成分が配合されている化粧水が、オイリー肌の方だったり混合肌の方に比較的使いやすいアイテムになるのではないかなと思います。
乳液とクリームの選び方と使い方
次に化粧水の後の保湿なんですけれども、乳液とクリームどっちを使ったらいいのかということに対しては個人的には乳液をお勧めしています。
どちらも油分がある程度配合されているアイテムにはなるんですけれども、より油分が多いのはクリームです。なので、元々皮脂が多い方でクリームを足すと、油分が過剰になってニキビなどの肌トラブルになってしまう可能性があります。
一方乳液に関しては、こちらも油分を配合されてはいるんですけれども、クリームと比べると少ないことが多いです。
顔全体が皮脂が多いという方は化粧水だけでも保湿が完結することもあるんですけれども、もし化粧水だけでは物足りない特に、頬などは少し乾燥するというような混合肌の方はですね、この乳液を化粧水の後に乾燥が気になる頬などを中心に、部分的に使っていただくといいのではないかなと思います。
高濃度で効果を発揮する成分とおすすめ製品
先ほど皮脂を抑える成分としてレチノイドやアゼライン酸もご紹介させていただいたんですけれども、この2つの成分に関しては濃度も1つポイントかなと思います。
要は、ちょっとしか配合されていない製品ですとなかなか効果を実感しにくいので、もしこういった成分を取り入れてみたいというような方はある程度きちんと濃度が担保されている製品から選ぶことをお勧めします。
レチノイドですとこちら、HALSKINのLipo-Aセラムというレチナールという成分が0.1%配合されたアイテムがあります。こちらにはそれ以外にナイアシンアミドも一緒に配合されています。
アゼライン酸ですとこちら。DRXのアザクリアにはアゼライン酸が20%配合されています。
これまでの報告で、アゼライン酸の皮脂を抑える効果というのは大体15%から20%のある程度高濃度の濃度の場合であることが多いです。
なので、個人的にはアゼライン酸を、例えばTゾーンなどの部分的に使ってみたいというような方は、こういったアイテムが使いやすいのではないかなと思います。
ノンコメドジェニック製品のすすめ
保湿アイテムに関しては、そういった成分に加えてノンコメドジェニックであることをお勧めします。
ノンコメドジェニックは、毛穴が詰まりにくいということを試験によって実証しているもののことを言います。特に乳液に関しては、ノンコメドジェニックの中から選ぶことをおすすめします。
メイクでテカリをコントロールするポイント
最後にメイクもテカリをコントロールするには非常に重要なのではないかなと思います。
ファンデーションの選び方とメイク崩れ対策
そもそもメイクの際は、皮脂が多い方はリキッドタイプではなくパウダータイプの方がテカリにくくおすすめです。
それでもメイクが崩れやすいというような方は、軽くティッシュオフしてからパウダーなど重ねていただくといいかなと思います。
皮脂吸着成分の活用と注意点
また、皮脂を吸着する成分をうまく取り入れるのもおすすめです。具体的にはシリカだったり、あとは酸化亜鉛というような成分が挙げられます。
最近ではSNSなどを中心に酸化亜鉛は毛穴に詰まりやすいから良くないというような風潮があるんですけれども、個人的には酸化亜鉛はうまく取り入れるとテカリの改善に非常に役に立つ成分かなと思います。
よくいらっしゃる酸化亜鉛で毛穴が悪化してしまうというような方は、もしかしたら酸化亜鉛がうまくクレンジングによって除去できていない可能性があります。
酸化亜鉛は皮脂を吸着する性質があるので、どうしても皮脂に詰まりやすい性質はあるんですけれども、クレンジングによってしっかりとオフすれば問題になることはほとんどないかなと思います。
なのでもしこれまで酸化亜鉛で毛穴が悪化したというようなエピソードがある方は、クレンジングも1度見直していただくことをお勧めします。
UVケアの重要性
最後にUVケアです。紫外線は長期的に皮脂の分泌量を高めることが知られています。そのため、テカリが気になるというような方も、しっかり毎日UVケアをすることが推奨されます。
日焼け止めの選び方のポイント
日焼け止めに関しては季節だったり、あとはその方のライフスタイルによってもおすすめは変わってはくるんですけれども、選ぶ際はSPFだけでなくPAにも1つ着目していただくといいかなと思います。
PAというのはUVAのカット指標を指す値になるんですけれども、＋から＋＋＋＋まであっておすすめは＋＋＋以上のアイテムです。
UVAは肌のより奥まで浸透してそこで活性酸素を作るという性質があります。活性酸素はそこで炎症をもたらして、毛穴目立ちにつながったり、あとは皮脂の分泌を促進してしまいます。
そのためきちんとPAが担保されているものを選ぶということも1つポイントになってくるのではないかなと思います。
【まとめ】正しいケアで皮脂トラブルはコントロール可能
ということでですね、以上がテカリをコントロールするスキンケアのポイントでした。
冒頭でもお話ししたように、皮脂の分泌量というのは遺伝的な要因が大きいんですけれども、スキンケアを見直していただいたり、あとは生活習慣を見直していただくことによってコントロールは可能です。
それでも皮脂が気になるというような方はクリニックでご相談できます。
具体的にはイソトレチノインというようなお薬だったり、あとはPDTと呼ばれるような治療も皮脂のコントロールに有効です。皮脂で気になる方は是非一度ご相談いただけたらと思います。
ということで、私のチャンネルではこのようにスキンケアから美容医療、そして皮膚疾患まで肌にまつわる全てのことを発信しています。公式LINEもありますので是非そちらも登録していただけたらと思います。
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