なかなか治らないニキビにレーザーという選択肢があります!
皆さんこんにちは。皮膚科医の小林智子です。
今日はニキビ治療についてお話ししたいと思うんですけども、ニキビでお悩みの方の中には皮膚科で薬を使ってるけれどなかなか良くならない、繰り返しニキビができていてこのままでいいのかなと心配の方はいらっしゃいませんか?
ニキビがなかなか治らないと問題になってくるのは「ニキビ痕」です。具体的には赤いニキビ痕や茶色いニキビ痕、あとはクレーターなどの凹凸などがあります。
特にクレーターなどに関しては薬や化粧品などでは改善が難しく、将来的に金銭的やあとは時間的な負担が大きくのしかかってきます。
そんな方に是非今日お伝えしたいのが、新しいニキビ治療レーザーです。
今回は渋谷スクランブル皮膚科の院長、下方征先生と新しいレーザー治療「アビクリア」について詳しく解説したいと思います。
この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!
この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
ニキビ治療のレーザー「アビクリア」とは

先生、よろしくお願いします。
(下方)よろしくお願いします。

(小林)早速なんですけれども、アビクリアというレーザー治療、聞いたことがない方も多いと思いますので、どういったレーザーなのか教えていただけますか。
(下方)アビクリアというのは新しくアメリカで開発されたニキビの治療のレーザーです。
今までニキビの治療だとレーザーとか光の機械っていうのもあったんですけれども、何が違うかっていうとアメリカの厚生労働省にあたるFDAっていうところが、これはニキビに効果がありますよというところを承認を得た初めての機械なんですね。
なので我々皮膚科医のドクターもすごく期待を寄せている、そういう治療機器になります。
「アビクリア」のメカニズム

(小林)具体的にはどういったメカニズムのレーザーになるんですか。
(下方)今までにない波長の1726nmっていう波長のレーザーなんですけれども、これは顔全面にニキビができやすいところに当てていくんですが、ニキビの原因の温床の場所である皮脂腺、皮膚の油を分泌する腺ですね。
皮脂腺に熱エネルギーを直接加えていく、選択的に加えていくっていうところですね。
こちらは1726nmという光がこの赤い線の部分で、ちょっとブルーのラインより上に出てますよね。これが皮脂腺、油に特異的に吸収される波長だというところなんですね。
この波長を当てることで皮膚の毛包とかあと表皮ですねこういったものにあまり熱エネルギー影響を与えずに油の腺、皮脂線のみを破壊していくダメージを与えていく、そういったレーザーになります。
じゃあそれを実際に写真で見るとどうなるかというところなんですけれど、このちょっと紫っぽい写真っていうのは皮膚の断面図、これを顕微鏡で見た写真になります。
「病理組織像」と我々は呼びます。けれどもここに紫の構造物がありますよね。これがあの皮脂腺って言って油の腺になります。
通常皮脂腺って、この左上に出てるのが正常な皮脂腺ですけれども、脂腺細胞という油の分泌を行っている細胞が丸く白く抜けている状態が見えると思います。
これは正常な構造なんですが1726nmのレーザーを当てるとそこがダメージを受けて図のようにちょっとピンクっぽい無構造の領域になっているかと思います。
これが皮脂腺のみに熱エネルギーを与えているっていう実際の写真になります。

(小林)実際確かに、表皮とかに全然影響ない感じですね。
(下方)そうですね。

(小林)確かに今までのニキビ治療っていうと保険のお薬とかあると思うんですけれども、毛穴詰まりを良くしたりだとかあとは炎症を抑えたり、あと増えた菌を減らしたりっていうような治療がほとんどだったと思うんですけれども、皮脂腺にアプローチする治療ってなかったですよね。
(下方)そうですね。やっぱりこの皮脂腺のみにダメージ与えるのは難しかった、と開発の方からも伺いました。

(小林)うんうん。あとは最近「イソトレチノイン」っていう飲み薬を出すクリニックが増えてるかなと思うんですけれども、副作用とか、あとは制限もありますもんね。
(下方)そうですね。妊娠をすぐに予定されている方にはちょっと飲んでいただけないお薬になるので妊娠中、授乳中の方っていうのはどうしても飲めないお薬です。
あとはしばらく飲んで良くなったけれどもその後でまた出てきてしまうっていうこともあったので、物理的に皮脂腺にダメージを与えるレーザーでの治療っていうのは、すごく長期的な効果が期待されるので、我々もそれを期待してます。
ニキビ治療のレーザー「アビクリア」の効果は?

(小林)うんうん。実際の効果、すごく興味あるんですけれどもどうですか。
(下方)そうですね。昨年からうちはパイロットクリニックとして1年間16名の方に実際に日本人の方にですね、3回ずつアビクリアを当ててその後1年間にわってフォローしてます。
多くの方がやはり論文通り改善をしていて、まずニキビの数が減ったっていうのが1つありますし、あとは受けた方がやっぱり皮脂の分泌が少なくなったよと。
こう、どうしても脂っぽい肌で化粧崩れたとか多かったっていう方が、そこが改善したのが良かったっていう方もいらっしゃいましたね。

(小林)確かにテカりで悩まれる方ってすごい多いですよね。だからニキビはもちろんなんですけども、肌質も改善できるっていうのはすごく画期的なことじゃないかなと思います。
うちでもイソトレチノインを処方するケースすごい多いんですけど、やっぱり副作用ですごく乾燥したりだとか、乾燥によってこう痒くなったりっていうようなことをおっしゃる方も多いので、そういった副作用がないっていうのは1つ大きなメリットかなと思います。
ニキビ治療のレーザー「アビクリア」のデメリット

いろんなメリットがあると思うんですけれども、逆に副作用だとかデメリットってあるんですか。
(下方)このアビクリアていう治療、ダウンタイムがすごく少ないっていうのが大きな利点なんですね。
なので受けた直後は軽い赤みはありますけれども、翌日から問題なく日常生活を送っていただけます。
そういった意味では非常に受けていただきやすい治療ですね。

(小林)痛みはあるんですかね。
(下方)そうですね、受けていただく時にやっぱりレーザーなのでどうしても痛みっていうのはありますね。
まぁ皆さん我慢していただける、問題なく受けれるレベルですけれども、人によってその痛みの度合いって違いますので、そこはちょっと見ながら調整しながら当てています。

(小林)あとは学生さんだとかで、その痛みさえ問題なければ受けることは可能なんですか。
(下方)そうですね。特に年齢制限はありませんので、当院で去年やった16例の方だと、大体18歳19歳ぐらいの方は多かったですし10代の方、多かったです。
それより若くても高校生でも痛みのところが問題なければ受けることはできます。
適応について

(小林)実際このアビクリアっていうのはどういった方が適応になってくるんですか。
(下方)うんどうしてもなかなか保険診療の治療をしていても効果が見られない方ですね。あとは肌質、油の分泌が多い方ですね。
油の分泌がどうしても多い方って深いニキビがやっぱりできやすいし、深いニキビができた後に今度は跡が強く残ってしまいますね。
赤みだとかへこみが残ってしまうので、そういった方はこのアビクリア早期に受けていただくことで、学生のうちだとか10代のうちに受けていただくことで肌質を改善できる可能性がありますので、ぜひ受けていただきたいなと思ってます。
あと抗生物質を飲むことだとか、イソトレチノインを飲むこと、そういったお薬を飲むっていうことがどうしてもできない方、難しい方っていうのもいらっしゃいますので、そういった方にはこのレーザーの治療っていうのはとてもおすすめですね。
治療費用について

(小林)あとは気になるのはお値段かなと思うんですけれども、費用についてはどうですか。
(下方)アメリカですと大体3,000ドルと言われてるんですね。日本円で言うと3回で45万円程度なんですけれども、日本でリリースされる場合にはもうちょっと価格的には抑えることも、もちろんできると思ってます。
ただ正式な値段についてはホームページで発表しますので、是非ちょっとそちらをご覧いただければと思います。

(小林)はい、気になる方は是非概要欄にホームページのリンクも貼ってありますので、そちらからご覧になっていただけたらと思います。
ではですね、今回はアビクリアの実際の施術風景についても動画で撮影していますのでそちらをご覧になっていただきたいと思います。どうぞ。
背術風景動画
(下方)ではアビクリア、1回受けていただいて1ヶ月後の診察になりますね。肌の調子はどうですか?
(患者様)前よりかは新しいニキビができなくなったと思います。
(下方)うん、そうですね。ビジアっていうこの機械で見ても、前赤く大きくプクっと膨らんでいたようなニキビが今なくなって痕だけになってきてますね。
すごく順調だと思います。あと肌の皮脂、テカりだとか、油の分泌はどうですか。何かちょっと減ってきたなっていう印象があります。
(患者様)減ったと思います。メイク直しする時も油取り紙を使わなくなりました。
(下方)いいですね。だんだん新しいのができにくくなるからじゃ今日2回目の施術、またやっていきましょう。3回受けていただくとしっかり効果出るので、もう少し進めていきますね。
はじめに皮膚の表面の余分な油を取っていきます。ちょっと冷やっとしますよ。
肌の表面に余分の油が残っているとこちらにレーザーが反応してしまったりだとか痛みの原因になるのでしっかりと油を拭き取っていきます。
鼻回りいきますね。ちょっと匂いがするので鼻で呼吸せずに口で呼吸してくださいね。
今度頬やってきますね。ちょっと水で浸していきますね。
結構しっかり水をつけた状態で施術をするっていうのがポイントなので、初めての人が見るとそんなに水浸しにするのっていうぐらいしっかりと水分をですね皮膚にふくませてやっていきますきますね。どうですか。
(患者様)痛いです。
(下方)痛いです?耐えられる痛みですか?
(患者様)大丈夫です。うん頑張ります。
(下方)いくよ、どんどんやってきますね。大丈夫?
(患者様)はい。
(下方)どういう痛みですか?
(患者様)脱毛みたいな感じです。
(下方)はい右側終わりです。(その後左側も照射していきます)
エンディング

(小林)今回は渋谷スクランブル皮膚科の院長下方先生と一緒に新しいレーザー治療「アビクリア」について詳しく解説させていただきました。
ニキビ治療に対して皮脂腺にアプローチするっていうのは今後きっとトレンドになってくるかなと思うんですけど、そうですよね。
(下方)そうですね、いろんなアプローチがありますのでそれのメインのアプローチになるのはもう今後間違いないと思ってます。
それと共にですね、皮脂腺のアプローチ、アビクリアで治療しながら同時に何をやっていくともっと効果が出ていくのかっていうのは、その人のニキビ肌の症状によって違いますので、それを我々は見極めながら追加で例えばこういう治療も一緒にやっていくといいですよっていうのをお勧めしてますので是非相談に来ていただければと思います。

(小林)うんうん。渋谷スクランブル皮膚科は下方先生をはじめ、専門医の先生が常駐していますし、あとは画像診断でもしっかり評価していただけるクリニックなので、お悩みの方は是非一度相談に出していただけたらと思います。
アビクリア/AviClear(渋谷スクランブル皮膚科ホームページ)
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