こんにちは。理学療法士の長野です。
最近、うちの妻が足の指を骨折しました。柵をまたぐときに、足が上がりきらず、柵に足が引っ掛かり転んで骨折しました。妻が家庭内でスムーズに動けないため僕の役割が多くなっています。(笑) 妻の存在の大きさをひしひしと感じながら、育児や家事に励んでいます。(*^_^*)
今回のスポーツ選手のグッとくる名言は・・・
『少しずつ目標を高いところに置いて、徐々に上がって行ければ良いんじゃないかと思います。』
テニスプレーヤーの錦織圭選手の言葉です。これも良い言葉ですね。(^^)/
この少しずつというのがポイントです。成功体験を積むことは大事なことで、目標が高すぎると成功しないためモチベーションも下がり成長は止まってしまう人がいます。目標の立て方で、人の成長の仕方は変わると思っています。
では、今回の選手を紹介します。
陸上短距離選手 Sさん
診断名:アキレス腱周囲炎 担当セラピスト:長野
Q. アキレス腱周囲炎とは
A. アキレス腱に繰り返し負荷がかかることにより、アキレス腱の周りの組織に炎症が生じ、肥厚したり癒着することで痛みを引き起こします。靴の不適合(踵部の高さ不足、柔軟性不足など)も原因となります。軽症であれば1~2か月で治りますが、重症なものは1年経っても治らない場合もあります。このケガは走ることが多い競技に起こりやすいという特徴があります。
Q. どうやってケガをしましたか?
A.練習中にスプリントで痛みが出てきた。アキレス腱がミシミシいうようになった。最近、練習後は歩くだけでもアキレス腱が痛い。
リハビリ内容・セラピストの感想
今回、Sさんがアキレス腱周囲炎を発症した原因として、3つの事が考えられました。まず一つ目にトレーニングメニューの変更です。踵をあげたまま、つま先だけで走る練習を取り入れた時期に重なり、これがアキレス腱の負荷を急に増大させたのではないと考えました。
二つ目に、スパイクシューズの不適合です。Sさんの情報からシューズは踵が低く、硬いという特性があったため、アキレス腱周囲にシューズの踵によって摩擦ストレスが生じたのではないかと考えました。
三つ目にアキレス腱の柔軟性の低下です。Sさんのアキレス腱は触った時に、良い方の足と比べて硬く、足首の可動域も悪い状態でした。(写真②)
部活において、まず痛みの要因の1つとなったつま先だけで走るというトレーニングやアキレス腱周囲に痛みが生じるようなスプリントなどは行わないよう、患部を1週間程度安静にするように伝えました。
その代わりに自転車トレーニングのようなアキレス腱の負荷が少ないトレーニングを増やすなど、部活のトレーニング内容の変更をお願いしました。リハビリとしては、アキレス腱の硬さを改善させる目的で、ふくらはぎを含めたアキレス腱のストレッチ、アキレス腱周囲のマッサージ、筋肉を収縮させてアキレス腱を伸張させるトレーニング(写真③)を行いました。
加えて、アキレス腱周囲の炎症を抑え、回復を促す目的で、超音波治療(写真④⑤)などを同時に行っていきました。
現在、痛みやきしみ音は軽減し、競技を続ける事が出来ています。大会も近いので、痛みなくベストなパフォーマンスで臨めるように今後もケアしていきたいと思います。
今回、Sさんのようにケガは部活中のトレーニングの過負荷によって起こる可能性はあると思います。トレーニングはパフォーマンスUPのために必要なもので最近はどんどん進化してきており、きついものがたくさんあると思いますが、ケガのリスクも伴う可能性があるという事も、頭の片隅においておくことが選手にとって大事ではないかと感じました。