膝蓋骨脱臼(手術例)

こんにちは。理学療法士の長野浩充です。

最近、メジャーリーグの大谷翔平選手や、ゴルフの松山英樹選手、テニスの大阪なおみ選手、バスケットの八村塁選手など、たくさんの日本人選手が世界で活躍されていますね。同じ日本人としてパワーをもらえます(^^♪

さて、今回の私の気に入った名言は・・・

『努力すれば報われる?そうじゃないだろ。報われるまで努力するんだ』

サッカー選手のリオネル・メッシ選手の言葉です。この言葉には、一流の選手ならではのメンタリティーが詰まっている気がします。メッシ選手が歳を重ねた今でも活躍する姿を見せてくれているのは、人一倍の努力をし続けているからだろうと思います。

では今回、紹介する選手ですが、今回はスポーツ選手ではありません。走ることができなくなったBさんを紹介したいと思います。

Bさん 10歳代女性

診断名:反復性膝蓋骨脱臼術後     担当セラピスト:長野

Q. 反復性膝蓋骨脱臼とは?
A. 膝のお皿が通常ある場所から外れて(脱臼)しまうケガを膝蓋骨脱臼といいます。それを何度も繰り返してしまうという状態が反復性膝蓋骨脱臼です。生まれた時から、通常お皿がおさまるはずの大腿骨の溝の部分が浅かったり、X脚だったりすることで、お皿についている筋肉(大腿四頭筋)が強く収縮したときに、お皿が外へ引っ張られる力が強く働き、外れてしまいます。(図1)治療方法としては、ギプス固定などをする保存療法やお皿の動きを制御するための靭帯を修復する手術などがあります。おおよそ復帰には、保存療法で4ヶ月、手術療法で6か月かかります。

レントゲン画像

リハビリ内容・セラピストの感想

Bさんは両足ともお皿(膝蓋骨)の脱臼を繰り返していて、痛みも強く、手術が必要な状態でした。

脱臼しやすい原因として、レントゲン画像(図①)からもわかるように大腿骨の溝が浅いという生まれた時からの骨の構造的な問題がありました。また、偏平足やX脚という脱臼がしやすい特徴もありました。

Bさんは日常生活にも支障があったために手術に踏み切りました。手術は成功しましたが、その後のリハビリは再脱臼しないために重要になってきます。

お皿が脱臼しないためには、主に大腿四頭筋の1つである内側広筋の筋力、X脚を改善させるためのお尻の筋肉、偏平足を改善させるための足首や足指の筋力が必要になってきます。

リハビリではこれらの筋肉を強化しています。図②はお尻と太ももと足首の筋肉を同時に鍛えるチューブスクワットです。図③は太ももの筋肉を鍛える強度の高い、いわゆる空気いすトレーニングになります。

チューブスクワット
空気いすトレーニング

定期的に筋力測定を行っています(図④)が、Bさんの真面目なリハビリ通院により筋力は順調に向上しています。(図⑤)

大腿四頭筋の筋力測定
大腿四頭筋の筋力 9カ月前
現在 四頭筋の筋力

しかし、目標をランニング動作の獲得としており、ランニング動作をみてみると、足を着く位置が重心の真下であり、膝も曲がっていないため、太ももの筋肉をしっかりと使えていません。(図⑥)引き続き、筋力訓練の継続とランニング動作指導を行っていく必要があります。

Bさんはスポーツ選手ではないですが、手術をされ、慣れない筋力訓練を真面目に取り組み、努力されています。Bさんのこれからの人生においてしっかり走れるようになるか、また大人になっても日常生活に支障がない生活を送れるかどうかは今の私たちのリハビリにかかっています。

このリハビリの重大さを感じながらこちらも日々努力し続けていきたいと思っています。また、ダンスが好きで、部活動はダンスをしたいそうなので、ダンスの動きも取り入れて楽しくリハビリできればと思います。

ランニング
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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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