理学療法士 池井龍
こんにちは、大垣中央病院の理学療法士の池井です。
今回は私たちが実際に用いている腹筋の強さを簡易的に検査する方法を紹介したいと思います。
皆さんは日常生活を送っていて腰痛に悩まされていませんか?
当院でも腰椎椎間板症、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症など多くの腰部疾患の方が外来リハビリに通われています。
そんな方たちの多くに共通しているのが腹筋と殿筋(お尻の筋肉)の筋力低下です。
今回は腹筋についてお話します。
腹筋とは
腹筋は体幹を安定させる役割があり、筋力が低下すると脊柱が不安定となり、腰椎(脊柱の腰の部分)の弯曲が強くなったり少なくなったりして背骨の後ろを通る脊柱管(神経の管)が狭くなることで神経由来の痛みが出たり、痺れなどの症状に繋がります。
現在すでに症状のある方はもちろんトレーニングが必要ですが、まだ症状がないそこのあなた、そうですあなたです!
「自分は症状ないし腰も痛くないから大丈夫~♪」なんて思っていませんか?
この先起こりうる腰痛、腰部疾患予防のために自分の腹筋の強さを確認し、弱い方は症状のない今からトレーニングを行いましょう!
腹筋の強さをセルフチェックする方法
私たちが用いる腹筋の検査は強さを5段階で分類します。1が一番弱く、5が一番強いという認識です。
まずは基本姿勢です。仰向けになり、足を伸ばした状態で寝てください。
レベル3は手を伸ばした状態で肩甲骨全体が浮けばOKです。(図1)
このとき伸ばした足が浮いてしまう、もしくは肩甲骨が全部浮かないのはNGです。
このレベル3が基本となり、OKであればレベル4→レベル5と進みます。
レベル4(図2)は胸で手を組み、レベル3と同様に肩甲骨が全部浮くまで体を起こします。
レベル5(図3)は手を頭の後ろで組むような姿勢となります。
レベル3がNGだった方はレベル2(図4)のテストに進みます。
姿勢は両膝を曲げた状態で仰向けに寝てください。
この姿勢で頭が持ち上がるor咳をして胸部に凹みができればレベル2はOKです。
これらでNGだった場合、腹筋の強さはレベル1となります。
どうでしたか?あなたの腹筋の強さはレベルいくつでしたか?
腹筋が弱いからといって必ず腰痛や腰部疾患が発症するとは限りませんが、腹筋を鍛える事で予防をする事が出来ます。
実は僕も「腰椎分離症(腰の骨の剥離骨折)」を発症し、腰痛に悩んでいた時期があったのですが、趣味のジムでの筋トレで腹筋を鍛えることで現在は腰痛に悩むことなく元気に仕事ができています✌️
今回のテストで腹筋が弱かった方も諦めずに腹筋を鍛えて腰部疾患の予防をしましょう!
レベル1~3のような腹筋の弱い方には「ドローイン」という腹筋運動を指導します。
今年4月のリハビリブログ(腹痛とポッコリお腹のお悩みに、ドローイン!)で紹介していますのでぜひ参考にしてみてください♪