052-228-1280 WEB予約 LINE予約

日焼け止めの選び方|SPFだけで選ぶのはNG!皮膚科医が解説

Dr.小林智子

日焼け止めをSPFで選んでる人、それ、もったいないですよ。

皆さんこんにちは。皮膚科医の小林智子です。このチャンネルでは国内外の医学論文をもとにスキンケアから美容医療、そして皮膚疾患まで肌にまつわる全てのことを発信しています。

公式LINEでは限定情報も配信していますので概要欄のリンクから是非そちらも登録していただけたらと思います。

今日は日焼け止めをテーマにお話ししようと思うんですけれども、日差しが強くなってくると気になるのがやはり紫外線ですよね。紫外線対策には日焼け止めが重要です。

ここで皆さんに質問なんですけれども、皆さん日焼け止めはどのように選ばれていますか?あまりこだわりがないという方も多いのではないかなと思います。

中には、日焼け止めに書かれているSPFの数値だけを見て選んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実はそれ、すごくもったいないです。日焼け止めの選び方については、実はSPFの値以上に注目した方がいい点があります。それを知らないとせっかく日焼け止めを塗っていても意味がないということにもなりかねません。

今回はそんな日焼け止めの選び方について詳しく解説していきたいと思います。それでは早速行ってみましょう。

この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

運営ソーシャルメディア(SNSでは「こばとも」と名乗ることもあります)

XYouTubeInstagramLinkedin

著書一覧
経歴・プロフィールページ

こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

なぜ日焼け止めは必要なのか?

まず、そもそもなぜ日焼け止めが必要なのか、というところから少し解説したいと思います。

日焼け止めの目的というのはズバリ肌にダメージを与える紫外線から肌を守る点にあります。

日焼け止めの目的「肌にダメージを与える紫外線から肌を守るため」

紫外線というのは、太陽光線の1つで英語ではUltra Violet、UVという風に言います。この紫外線の中でも、私たちの肌に影響を及ぼす波長というのは2つあります。まず1つがUVBと呼ばれる波長。そしてもう1つがUVAと呼ばれる波長です。

それに対して、カット指標としてUVBに対してはSPF、そしてUVAに対してはPAという値が反映されます。

肌に影響を及ぼす波長とカット指標

「UVB」と「UVA」のちがい

UVBとUVAは波長の違いになってくるんですけれども、それぞれ肌の影響も異なってきます。

まずUVBなんですが、UVBは量としては少ないもののダメージ力が非常に高い波長と言われています。それによって日焼けを起こしたり、あとは直接肌細胞にダメージを与えるのがこのUVBです。

UVBの解説図

UVAはUVBと比較すると肌へのダメージは低いものの、波長が長い分より肌の奥に到達してそこで影響を与えます。具体的には、真皮というところにあるコラーゲンやエラスチンといった線維成分を破壊して、たるみやシワといったようなエイジングサインを引き起こしてしまいます。

UVAの解説図

紫外線はエイジングサイン・皮膚がんのリスクになり得る

こういった、紫外線による肌への老化を「光老化」という風に言うんですけれども、肌の老化のうち、紫外線によってもたらされる老化はおよそ8割というようなことも分かっています。

紫外線によって肌がダメージを受けると、メラノサイトというメラニンを作る細胞が活性化されてメラニンがどんどん作られるようになってきます。

これは肌を守る1つの防御作用になるんですけれども、過剰なメラニンが作られてしまうとそれの排泄が追いつかず、シミとして認めるようになります。

シミがつくられる仕組み

紫外線はただ日焼けをもたらすだけではなく、長期的にはこのようなエイジングサインだったり、皮膚がんのリスクにもなり得ます。

ただ、紫外線にはいい面というのもあって、免疫を調整したりビタミンDを合成する作用も持っています。とは言っても、いい面よりも悪い面の方が圧倒的に多いのは事実です。なので紫外線対策は基本的に1年中行う必要があります。

そのため日焼け止めも、基本的には毎日塗る必要があるわけなんですけれども、ここでその選び方を間違ってしまうと、毎日塗っていてもせっかくのその効果が発揮できない可能性もあります。

Dr.小林智子

先ほどお話ししたように、日焼け止めをSPFの数値だけで選ぶのはもったいないです。

日焼け止めのおすすめの選び方

ではどのような点に着目したらいいかと言うと、まず1つはカット波長です。

先ほどお話ししたようにSPFはUVBのカット指標となり、PAというのはUVAのカット指標となります。

ただ、太陽光線の中には紫外線以外にも可視光線などの波長も含まれます。この可視光線が、近年注目されてるんですけれども、可視光線は紫外線と同じように肌にダメージを与えてしまうというようなことが分かっています。

可視光線は、太陽光線のうち約44%を占める

この可視光線というのは実は太陽光線の多くを占めていて、紫外線がおよそ太陽光線の3%から7%程度であるのに対し、可視光線は約44%を占めます。かなり大きな割合を占めますよね。

この可視光線が具体的にどのように肌に影響を及ぼすかと言うと、まず1つが色素沈着です。

要はシミやくすみになるわけなんですけれども、可視光線というのはおよそ400から700nmの波長のことを言うんですけれども、この可視光線の波長の中でも特に、短い波長の400から450nmに関してがこの色素沈着への影響が高い波長だというようなことが分かってきています。

可視光線の波長

具体的な研究というのもあって、415nmの波長を、アジア人のような、肌タイプが3から4程度の方に当てた場合、色素沈着が強く起こってそれが3ヶ月以上も継続したというようなことも報告されています。

さらに、可視光線はこういった色素沈着だけではなく酸化ストレスも引き起こすことが分かっています。

こういった変化というのは肝斑がある方だったりあとは肌タイプが3以上の、アジア人だったり黒人のような肌の色が濃い方ほど起こりやすいというようなことも分かっています。

一方で、可視光線の波長全てがそのような肌へのダメージを与えるわけではなく、長い波長の可視光線というのはほとんどそういった影響はないということも分かっています。

なので私たちが注意すべきなのは、可視光線の中でも特に波長の短い400から450nmの可視光線ということになります。

ではどういった日焼け止めを具体的に選んだらいいのか皆さん気になると思います。これに関しては、実は色付きの日焼け止めがいいということが分かっています。

色つきの日焼け止めが良いことがわかっている

これまでの報告で、色付きの日焼け止めを用いた場合、色のついていない日焼け止めと比べて可視光線をよりブロックして肝斑の再燃を抑えることができたというような報告があります。

色をもたらすのは顔料と呼ばれる化粧品の原料になるわけなんですけれども、その中でも特に注目されているのが「酸化鉄」と呼ばれる顔料です。

酸化鉄は顔料の粒子成分にあたる原料になるんですけれども、この粒子が鏡のように紫外線を反射してくれる、いわゆる散乱剤としての効果を果たしてくれます。

散乱剤の仕組み解説図

この酸化鉄は、大きさによってもそのカットしてくれる波長が変わってくるんですけども、大体400から500nmの波長をカットしてくれるという風に考えられています。そのため可視光線をカットするのに非常に適した原料です。

色付きの日焼け止めには、いくつかあるとは思うんですけれども、例えばBBクリームと呼ばれるようなものは基本的にこの酸化鉄が配合されていると思います。

あとは、日焼け止めの中では例えばこちら、アクセーヌのスーパーサンシールド ブライトヴェールというSPF50+、PA++++の日焼け止めがあります。

アクセーヌのスーパーサンシールド ブライトヴェール

こちらは、吸収剤が配合されていないタイプの日焼け止めなんですけれども、色が付いていてこのように、比較的肌に馴染みやすい色かなと思います。

あと、海外ではこの色付きの日焼け止めのことを「Tinted Sunscreen」という風に言うんですけれども、最近出たこちらラロッシュポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップという色付きのタイプの日焼け止めでSPF50+、PA++++のアイテムとなります。

トーンアップシリーズは、こちらのローズタイプなどが人気かなと思うんですけれども、ローズタイプと比べるとやはりこちらのティントタイプは色がかなり濃く出ます。こちらがローズタイプなんですけれども、ティントタイプは、このようにかなりベージュ感が強いです。

ローズタイプとティントタイプの比較

ただ、塗り広げていくとそこまで濃いというような印象はなく、肌に馴染みやすい色となっています。

塗り拡げたところの写真

ただ、このティントタイプをたっぷりと塗ってしまうとかなり色が濃くなってしまう方もいらっしゃるかと思います。

私も以前こちらを、指2本分塗ったらかなり色が濃くなってしまったんですけれども、今は、こちらのHALSKINのデイリーサンスクリーンとこちらのティントタイプの日焼け止めを重ねることが多いです。

HALSKINのデイリーサンスクリーン

こちらは、SPF50+、PA++++の吸収剤フリーの日焼け止めで、水に馴染みにくい処方となっています。

こちらは酸化亜鉛を中心に配合されている日焼け止めなんですけれども、酸化亜鉛というのは実は非常に優秀な成分で、そのカット波長が非常に幅広いのが特徴です。具体的には紫外線のUVBからUVA、そして可視光線の一部まで幅広い波長をカットしてくれます。

なのでこちら(HALSKINのデイリーサンスクリーン)で酸化亜鉛、そしてこちら(ラロッシュポゼ UVイデア XL プロテクショントーンアップ)で酸化鉄というように組み合わせていただくと、よりそのカット波長は幅広くカバーできるかなと思います。

また、どうしても色付きのものを使いたくないというような方は、可視光線がカットされているという風に謳っている日焼け止めを使うのもいいかと思います。

例えばこちらクリニークのEven Better City Block Multi-Defense 50という日焼け止めがあるんですけれどもこちらはSPF50、PA++++の日焼け止めで色はついていません。ただ、幅広い波長をカットしてくれるのが特徴で、可視光線もその中に含まれています。

手に出してみると、このような感じで色の付いていないタイプの日焼け止めとなります。こちらも、クリームで非常に伸びが良く使いやすいです。こんな感じですぐ馴染んでくれます。白浮きもしません。

クリニークのEven Better City Block Multi-Defense 50を塗り拡げたところの写真

このように日焼け止めを選ぶ際はSPFの値だけを見るのではなく、どの波長をカットしてくれるのかというような視点を持っていただくと、よりその効果は高まると思います。

肌タイプ別の日焼け止めの選び方

また、肌タイプによっても日焼け止めを選んでいただくとよりいいかと思います。

酒さ・アトピーなど肌トラブルが起こりやすい方

例えば肌が敏感な方だったり、あるいは酒さやアトピーなどの肌トラブルが起こりやすいというような方は吸収剤が配合されていないタイプのいわゆるケミカルフリーがよりおすすめです。

酒さ・アトピーの症状写真

もちろん吸収剤が配合された日焼け止めで肌が問題ないのであればそれでいいんですけれども、肌が不安定な時は人によっては吸収剤が刺激になってしまう方がいらっしゃいます。

そういった方は吸収剤の入っていない散乱剤のみのタイプがおすすめです。

オイリー肌の方・ニキビができやすい方

またオイリー肌の方だったりニキビができやすい方は、ノンコメドジェニックと書かれているような日焼け止めから選ぶことをお勧めします。

外によく出る方・汗をかきやすい方

さらに生活環境によっても日焼け止めを選んでいただくのがおすすめです。

冬だったり日中外に出ないというような方は、基本的にどういった日焼け止めのタイプでも問題ないことが多いんですけれども、営業の方だったり外によく出て汗をかきやすいというような方は、ウォータープルーフの日焼け止めを選ぶことをお勧めします。

この耐水性というのは、それこそSPFの値以上に重要なスペックです。なぜならしっかり塗ったとしても汗でその日焼け止めが取れてしまっては意味がなくなってしまうからです。

日焼け止めを塗る際はまず朝、十分な量を塗ることが重要ではあるんですけれども、やはり汗をかいたりプールなどで水に濡れてしまった時というのは塗り直しが重要です。

塗り直しと、かつウォータープルーフの日焼け止めをうまく活用していただくとより紫外線を防御することもできるかなと思いますので是非その点も押さえていただけたらと思います。

ということで今回は日焼け止めの選び方について詳しく解説させていただきました。是非今回の動画を参考に日焼け止めを選んでみてください。今回の動画が少しでも参考になったなと思ったらいいねボタンやチャンネル登録ボタンを押していただけますと嬉しいです。ということで今回の動画は以上です。それでは〜。

免責事項

当院の医療情報について

当記事は、医療に関する知見を提供することを目的としており、当院への診療の勧誘を意図したものではございません。治療についての最終的な決定は、患者様ご自身の責任で慎重になさるようお願いいたします。

掲載情報の信頼性

当記事の内容は、信頼性の高い医学文献やガイドラインを参考にしていますが、医療情報には変動や不確実性が伴うことをご理解ください。また、情報の正確性には万全を期しておりますが、掲載情報の誤りや第三者による改ざん、通信トラブルなどが生じた場合には、当院は一切責任を負いません。

情報の時限性

掲載されている情報は、記載された日付の時点でのものであり、常に最新の状態を保証するものではありません。情報が更新された場合でも、当院がそれを即座に反映させる保証はございません。

ご利用にあたっての注意

医療情報は日々進化しており、専門的な判断が求められることが多いため、当記事はあくまで一つの参考としてご活用いただき、具体的な治療方針については、お近くの医療機関に相談することをお勧めします。

大垣中央病院・こばとも皮膚科

  • URLをコピーしました!
目次