こんにちは。
理学療法士の川森真瑚です。近年は秋が短くなり、冬が長くなってきました。この時期になると足先が冷たくて眠れない、靴下を履いても冷えるという患者様の声を多く聞きます。そこで今回は、冷え性改善!簡単トレーニングを理学療法士の視点から紹介したいと思います。
冷え性の原因として血行不良、自律神経の乱れ、筋肉量の不足、食生活、喫煙、など様々な要因が考えられます。筋肉は体を動かす運動機能、骨や関節、内臓を守る保護機能に加えて体温調節を目的とした熱産生反応機能(体内で熱を作り出す仕組み)があります。筋肉量の低下は熱産生量、基礎代謝量の低下に影響し1)、冷え症につながると考えられています。
一般的に冷え性は男性が女性に比べて少ないのは男性の基礎代謝量や筋肉量の多さに関連していることがわかります。全身の筋肉量の60~70%は下肢の割合で占めており、運動を行うことによって、6割以上の筋肉を鍛えているということになります。今回は下半身の関節ごとに運動の一部を紹介していきたいと思います。
足関節、足趾の運動
カーフレイズ
座っている時間が長いと、ふくらはぎの筋肉が動かず足先の血流が滞ってしまいます。ふくらはぎは第二の心臓を呼ばれるほど血液を全身に戻す働きがあるため運動することで末梢温度が上がります。
【方法】
- 何かにつかまった状態で足を肩幅に広げ立ちます。
- その状態から両足の踵を上げ下げします。この動作を繰り返します。
- 1日に20回ほど2~3セット行いましょう。
デスクワークなどが多い方は椅子に座った状態で行ってもOK。
<ポイント>
前後にぶれることなく、上に伸びあがるようなイメージで行いましょう。

タオルギャザー
足の指には小さな筋肉がたくさんついており、動かすことでその部分の血流を高めることができます。
また、冷え性改善だけでなく外反母趾、偏平足の予防にもつながります。
【方法】
- 椅子に座った姿勢で薄いタオルを足元に置きます。
- 両足の指を曲げてタオルを手前に手繰り寄せていきます。タオルが全部手前に来たら終了です。
- 1日1~2回行いましょう。
<ポイント>
踵はしっかり床についた状態で指を力だけ使って行うよう意識してください。

膝関節の運動
太ももの筋肉は人体最大の筋肉と言われており強化すると基礎代謝向上につながります。また、筋力向上に伴い立ち上がりがスムーズに可能になります。
レッグエクステンション
【方法】
- 背筋を伸ばして椅子に座ります。
- つま先を天井に向け、膝がまっすぐ伸びきるまでゆっくりと片足を上げていきます。
- 1日20回×2セット行いましょう。
<ポイント>
足を振り上げる反動動作や太ももが椅子から浮かないように意識してください。

股関節の運動
足関節、足先だけでなく、股関節、骨盤周りを動かすことで下半身の血流全体が改善されます。
股関節外旋運動
【方法】
- 仰向けになり両膝を立てます。
- 両膝をゆっくり、開いたり閉じたりを繰り返します。
- 1日20回×2セット行いましょう。
<ポイント>
勢いよく足を閉じて、膝をぶつけないようにしてください。

下肢全体の運動
お尻(大殿筋)、前ふともも(大腿四頭筋)、もも裏(ハムストリングス)といった下肢の中でも大きな筋肉を一度に鍛えることで身体全体の筋トレにつながります。
スクワット
【方法】
- 足を肩幅ぐらいに広げて立ちます。
- 何かにつかまった状態で太ももと床が平行に近づけるような意識でお尻を下ろしていきます。
- 1日30回行いましょう。
<ポイント>
股関節、膝関節、足関節の各関節を同時に曲げる意識で行ってください。

上記の運動を無理のない範囲で始めてみてください。何事も継続が大切です。
特に、踵上げやスクワットなどの反復動作の運動では下肢筋血流量が安静時から約2~3倍に増加することが報告されています2)。
今回は冷え性についてフォーカスを当てご紹介しましたが、日常生活の中にはほかにも「これって大丈夫かな?」と感じる困りごとがたくさんあると思います。気になることや相談したいことがあればぜひお気軽にリハビリスタッフへお声がけください。
当院にはさまざまな知識と経験をもつセラピストが在籍しています。体を動かす習慣をつけて寒い季節も元気に過ごしていきましょう。
参考文献
- 河野ら,他:熱産生の観点からみた冷え性の生理学的メカニズム-基礎代謝量および筋肉量を用いた検討-,獨協医科大学看護学部紀要,Vol.13 ,2019
- 比嘉ら,他:大腿四頭筋エクササイズによる下肢静脈血流量の変化,第49回日本理学療法学術大会,vol41,2014
