Dr.小林智子皆さん、こんにちは。皮膚科医の小林智子です。今回は、現役化粧品メーカー研究員のとし君をお招きしてお届けしたいと思います。よろしくお願いします。
としくん:ありがとうございます。
この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!
この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
ゲスト紹介:現役化粧品メーカー研究員「としくん」
Dr.小林智子はい、では簡単に自己紹介をお願いします。
としくん:はい。化粧品メーカーで研究開発をちょうど今10年目なんですけどやらせていただいておりまして。
今は研究しながら化粧品スキンケアの情報だったり、消費者に寄り添ったような内容の情報発信もさせていただいております。

Dr.小林智子私も見てます!
としくん:本当ですか?
Dr.小林智子はい。すごいためになるYouTubeチャンネルなので、まだの方は是非ご覧になっていただきたいなと思うんですけれども、まぁ要は美容のプロの方なんですね。
としくん:いやいや。
Dr.小林智子今日は私たち2人、まぁいわゆる美容のプロが集まったというわけなんですけれども(笑い)
としくん:言っちゃいましたか。
Dr.小林智子はい。言っちゃいました。そんな私たちだからこそ今だから言える美容の黒歴史と言いますか。
そういったところを今日テーマにお話したいかなという風に思うんですけども。ありますか?

美容のプロが告白!「スキンケア黒歴史」
としくん:黒歴史?いや、それはもう正直無限にあるんですけど。
Dr.小林智子無限ですか?
としくんの黒歴史①:みんなやってた「毛穴パック」
としくん:はい(笑)。まぁでもあえてあげるとすれば僕の学生時代ってすごい毛穴パックみたいなものが流行ってて。なぜかあれをやらないといけないというあの圧力がありまして(笑)。
それをもうちょっと年齢的にも、あの、異性を意識しだして少しでもちょっと綺麗になろうみたいなあの、下心が出まして、貼っては剥がしをやってましたね。
でもおかげ様で、今ならやっぱり良くなかったなと。実感をしてるところでございまして。

Dr.小林智子いや、私もやってましたね。
としくん:あ、本当ですか?
Dr.小林智子はい。当時、確かに圧があって、みんなやってたような気はするんですけど、やっぱりあの毛穴パックって、当時は毛穴のアイテムって多分あれしかなかったんですよね。
としくん:いや、ちょっとそんなことないです。あれしかなかった、はわかんないですけど。
まぁ、確かにそれぐらいの僕もイメージではありましたね。
Dr.小林智子毛穴って、いろんな要素があるので、毛穴が目立つ要素ってあれ(毛穴パック)は汚れは確かに取れるんですけれど、成分を押し込んでパックするわけだから、やっぱり毛穴が逆に開いちゃったりとかするかなと思うんですけど、合ってます?
としくん:いやいや、本当おっしゃる通りで、なかなかやっぱり1回開いた穴って本当に文字通り、物理的にこうガッと開いたものを、もう1回閉じにいくって結構時間もコストもかかる状況になってしまうので。
とにかく毛穴は触らない。自分で毛穴は物理的なアクションってのはやらないのが1番かなと。
Dr.小林智子小林:私もそういえばやってたなって思いました。良かったです。多分皆さんもやってたのでは?と思いますが、他にありますか?
としくんの黒歴史②:絶対NG!「ピンセット」での角栓除去
としくん:他は、これも多分毛穴なんですけど。ピンセット引っ張り大作戦やってましたね、僕は。

Dr.小林智子小林:本当ですか?私それはやってなかったんですけど、どうやってやるんですか?
としくん:知りたいですか(笑)?やり方。やっぱりでも同じぐらいの時期に、多分穴パックによって広がった毛穴に、多分汚れとかが蓄積して、より多分その当時目立つようになって。
それが気になってさらにこうピンセットでこう引っ張り上げるみたいな。
鏡と睨めっこやってたイメージはあって、それが良くないなってのが今になってまたこれも実感した理由として、僕右利きなんですけど、この鏡に向き合って。右がやりやすいから右ばっかやってたんです。
今になって自分の鼻の毛穴見てみると、やっぱり右の方が、より汚れがたまりやすい、毛穴開いてるなっていうのを実感するんで。
Dr.小林智子そんな露骨にピンセットが影響するんですね。
としくん:ピンセットが影響するから本当にやめてください。もし、やってる方がいたら、ピンセットはもう絶対やるなって話ですね。
毛を抜くために使ってください。気をつけてください。

毛穴ケアの難しさと間違ったアプローチ
Dr.小林智子なるほど。なんかやっぱり毛穴関連の美容法っていうか色々あるんですかね。
としくん:毛穴ってやっぱり、僕も動画でお話ししてますけど、結構1番難易度高いじゃないですか。
まぁ毛穴だってそもそも必要な肌の器官でありますから、それを完全に消すってのもそもそもできないですし…
どこまで目立たなくするかだけの話だと思うので、気になる人はずっと気になっちゃうし、多分気にない人はあんまりね、別にそもそも気にしてなかったりもするので。
Dr.小林智子美容リテラシーってやはり年齢が若い方の方が低いじゃないですか。
だけど若い方の方が1番毛穴って多分気になってるっていうことが多いので、余計なんか違った方法をやっちゃうのかなっていう風に思うんですけど…。
毛穴もやっぱりいろんなタイプがあってそれによっても適切なアプローチは変わってくるかなという風に思うので、毛穴に関しては私の動画でも色々解説はしてるんですけど、結構話し出すとめちゃくちゃ長くなっちゃうので。
ちょっとこの動画では難しいんですけど、毛穴でお悩みの方はぜひ関連の動画も見ていただけたらと思います。

Dr.小林智子はい。次、私の黒歴史話してもいいですか?
としくん:いいんですか?すいません。
こばとも先生の黒歴史:夜遊び後の「ピーリング(スクラブ)」信者時代
Dr.小林智子私はすごいピーリング(スクラブ)信者だったことが一時期ありまして、特に大学生の時なんですけど、夜遊びが結構多かったんですよ。
としくん:(笑)。大丈夫ですか?
Dr.小林智子夜遊びすると、翌日すごく肌の調子が悪くなるって皆さんも経験したことある方いると思うんですけれど、その時にピーリングさえすればなんとかなると思ってたんですよ。
なのでめちゃくちゃピーリングやってたんですね。

としくん:それ大丈夫ですか?ブランディング的に。
その先生、僕、動画で見る限り先生はすごく、本当にいろんな先生がいる中で、僕はすごい誰よりも誠実性を感じるお医者さんだなと思って見させていただいてたんですけど(笑)。
Dr.小林智子スキンケアだけでなく過去の黒歴史でもあるかもしれないんですけれど(笑)。なのでピーリングをめちゃくちゃやってたんですよ。
確かにその時はなんとなく肌が一時的に良くなるのでいいかなって思ってたんですけど、あと考えるとその時期ってめちゃくちゃ肌乾燥しててこうなんか粉吹いてる感じだったんですね。
なので多分それはピーリングのやりすぎだったんじゃないかなって思いますね。
としくん:なるほど。まぁやりすぎは何でもあんまり良くないですね。
ピーリング自体は別にそんな悪いものではないはずではあると思うんですけど。
【専門家が解説】流行のスキンケア、それ大丈夫?
Dr.小林智子うん。そう。なので、私も今でこそは患者さんとかにもやっぱりシンプルなスキンケアをしてくださいっていう風に言うんですけれど。
SNSとかで、いろんな流行りの成分だったりだとか美容方法が出てくるので、美容に興味がある方ほど「試したいな」っていう風に思うと思うんですね。
Dr.小林智子私も取材とか受けて、最近のこの流行りのこれってどうですか?みたいな話もあるんですけれど…。
流行ケア①:「毎日のシートマスク」は本当に肌に良い?

Dr.小林智子最近ですと本当に去年多かったのがシートマスクなんですよ。
シートマスクを毎日やるっていう美容方法が、あの美容家というか、まぁそういう方が実践されているのをきっかけに結構それが流行って。
それってどうなんですかっていう質問もよく受けるんですけど、とし君はどう思いますか?
としくん:そうですね。ちょっと回答難しいなと思うんですよね。
正直まぁいろんな美容方法ってあっていいと思ってますし、それで効果を実感をされてる方も、幸せになれる方もいるとは思うので、それはそれでいいのかなと思うんですけど。
ただ、そのお肌とシートマスクに含まれる、含浸液って言うんですけど、液体とかその辺りの関係性とかを見ていくと、そもそもそのシートマスクってお肌に効かせるためにどういうプロセスを辿ってるかというと、さっき言った含浸液、液体をこう肌に長時間乗せるわけじゃないですか。
それって普通の美容液塗るとか、薬塗るとかちょっと違う状態ですよね。要は肌がふやけていくわけですよね。
で、角層っていうところのバリア機能をちょっと緩んで、緩んだ隙間に美容を入れていくようなイメージで、パックというのは効果を出すアイテムではあるんですけど。
さっき言った通り、バリア機能って緩めることで中に入っていくのはメリットではあるんですけど、単純にバリア機能って本当に大事な1つのお肌を守る機能としてあって。
それを毎日緩めるっていう作業をすることにもやっぱりなるので、逆に多分、それが負担になって肌荒れに繋がってしまったり、トラブルに繋がってしまうパターンも僕は結構あるのかなと思っていて…
本当に必要な人、合う人は継続していただければいいと思うんですけど、みんながみんな、毎日パックをやるべきだとは、僕はちょっと口が割けても言えないかな、っていうのがちょっと正直なところです。
Dr.小林智子うん。そうですね。皮膚科医の立場からも積極的にお勧めするってことはやっぱりないですね。
肌によっては調子がいいって方もいらっしゃるかもしれないんですけれど、やっぱり人によっては逆に肌荒れしちゃったりとか、肌トラブルに発展してしまうこともあるのかなとは思いますね。
流行ケア②:韓国コスメ・美容液の「重ね付け」は?
Dr.小林智子あと最近韓国コスメがすごく流行ってるじゃないですか。なので美容液、特に成分重視の美容液がたくさん人気になっててたくさんつけてるっていう方結構いらっしゃるんですよ。
私それも、やりすぎるとやっぱり逆に肌にとっては良くないかなっていう風に思っていて、できるだけエビデンスのあるような成分をシンプルに肌に乗せていくのを推奨してるんですけど。
注目成分「ポリヌクレオチド(PDRN)」は塗って効果ある?

Dr.小林智子最近よく聞かれるのが「ポリヌクレオチド(PDRN)」っていうものはどうって聞かれるんですけど、それはどうですか?
としくん:そうですね。文字通り多分流行りの成分の1個ですね。韓国系のアイテムに対応されがちかなと思います。
トレンドのものってやっぱり韓国から最近は来ることがとても多いので、そういう流れになるんですけど、正直に話すと、先生ももちろんご存知だと思うんですけど、PDRN自体は元々美容医療っていうところでちゃんと注射とかで真皮に直接届けてあげて、っていう特性のものなので
これをじゃあ化粧品に応用したかと言って、簡単に表皮から真皮の方にガーっと入っていって、何かポジティブな影響を出すっていうのは、簡単にはちょっと言えないかなっていうのが、まぁ正直なところかなと思います。
やっぱり分子サイズとかもそうですし、明らかに簡単にこの肌のバリアを突破するようなサイズのものではないので。
まぁカプセル化して、ちょっと浸透性上げてますみたいな訴求をしてるものもちらっと見るんですけど、それも正直限界があると思ってるので…
そもそも届かないものに、何も期待しても意味がないかなっていうところで。
Dr.小林智子確かにそうですね。
としくん:僕はあんまり特に扱うことないですね。皆さんにお話する時に。
Dr.小林智子あとちょっと話が外れるかもしれないんですけど、韓国の美容液ってめちゃくちゃいろんな有効成分入ってるように見えるんですよ。
本当に入ってんのかいって。思うときもありますね。
としくん:さすがにどうなんすかね。僕もその裏の裏までわかんないんで、多分そのメーカーさんの中身の人にしかわかんないようにはなってるんですけど、日本メーカーについては間違いなくそういうことはないかなと思います。
ただ入ってはいるけど、入ってる量は言葉にできないぐらいの量しか入ってないよってのは、これはまぁ日本メーカーでも結構正直あるのが現状かなと思います。
Dr.小林智子だからあんまり、やっぱりあれこれ美容もそうなんですけど、やりすぎはやっぱり良くないかなって個人的には思いますね。
結論:プロが推奨するシンプルな「ABCメソッド」とは?
Dr.小林智子としくんのYouTubeでも、シンプルなケア推奨されてますよね。
としくん:はい。そうですね。僕も化粧品メーカーの人間ではあるんですけど、化粧品メーカーの本音は色々使って欲しいっていうのはもちろん、あるはあるんですけど。
やっぱり消費者の皆さんのことを中心に考えるとシンプルなケア、先生の言う通りかなと思ってて、僕なんかはABCメソッドって勝手に名前をつけて、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、レチノール、レチノイドとかナイアシンアミドとか、ビタミンC、ビタミンC誘導体とか。
この辺りをまずは初心者の方も上級者の方もいいと思うんですけど、試して取り上げていただいて、スキンケアをシンプルにもう1回見直していくっていうケアを僕は推奨をしてて、そういった解説の動画も作ってたりします。

コラボのきっかけは「レチナール」と「名古屋」の縁
Dr.小林智子そうそう。それで私のレチナールを紹介してくださったんですよね。
▼ご紹介いただいたレチナール
としくん:そうです。確かにそこがきっかけでしたね。
Dr.小林智子そうそう。だからなんでなんかコラボしてるんだろうっていう風に思われた方もいらっしゃるかもしれないんですけど、とし君が動画で紹介してくださってて。
それですごいありがたいことに、いろんな方が購入してくださって。
としくん:本当に?
Dr.小林智子はい。感謝してます。
としくん:こちらこそです。ありがとうございます。
本当にビタミンAのレチノイドの仲間の、レチナールっていうところの化粧品で先生が出されてるものがあって、本当に忖度くなく、僕は勝手に先生に取り上げさせてくださいっていう形でお話しさせていただいたのがきっかけです。
でも大事なのがやっぱり名古屋、僕の会社の研究所も一応愛知県の名古屋、まぁ正確には名古屋からちょっと外れてるんですけど研究所があって、本社は名古屋なんですけど。
で、先生も名古屋栄で、まさかの開院を。
Dr.小林智子そうですね。ちょうど1年前。
としくん:はい。開業されてたので、その辺りの繋がりもなかなかこういう発信活動してると皆さん東京ばっかりだから。
ありがたいなと思ってお話しさせていただいてます。
Dr.小林智子はい。ABCメソッドって何?って思われた方は是非、としくんのYouTubeチャンネルをご覧になっていただけたらと思います。
まとめ

Dr.小林智子ということで今日は現役化粧品メーカー研究員のとし君をお招きして黒歴史、スキンケアの黒歴史についてお話しさせていただきました。
とし君のYouTubeチャンネルでもコラボ動画を出していますので、是非そちらも。
としくん:ありがとうございます。この後撮ります。
Dr.小林智子はい。ご覧いただけたらと思います。今日はありがとうございました。ということで今回の動画は以上です。それでは〜。
▼公開されたコラボ動画はこちら

