皆さんこんにちは。皮膚科医の小林智子です。今回、緊急で動画を回しています。
私は皮膚科医になって15年ぐらい経つんですけれども、最近だとYouTubeだとかそういったSNSを通じてUVケアの重要性についてたくさん話してきたんですけども、今日ですね、うっかり日焼けをしてしまいました。。
ちょっと分かりにくいかもしれないんですけど、結構頬がほてっていて赤い状況です。
今日はなぜうっかり日焼けしてしまったのか、反省点とあとはこういった対策をした方がいいなという風に思ったことをちょっと動画でお話しできたらなと思います。
この記事は、こばとも皮膚科院長、皮膚科医の小林智子が運営するYoutubeチャンネル「こばとも先生のスキンアカデミー」内の動画内容を書き起こしたものです。Youtubeでは薬の塗り方・副作用、スキンケア方法、美容施術の種類や効果についてなど、お肌のお悩みを持つ方の少しでも助けになれればと思い動画を公開しています。ぜひチャンネル登録をお願いします!
この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
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皮膚科医がうっかり日焼けしてしまった経緯
早速、日焼けしてしまった経緯についてまずお話ししたいと思うんですけど、それはですねこちらです。

はい、今日息子たちとUSJに行ってきました。USJに行くのがも20年ぶりぐらいだったんですけれども、その20年の間で新しくマリオができたりだとか本当に久しぶりに行って楽しい感じになってたんですね。
なので私もつい浮かれてこういった帽子を買ったりだとか、あとはこういったバンドを買ったりだとかして楽しんだんですけれど、やっぱりそれが日焼けしてしまった1つの要因かなという風に思います。
物理的な遮光ができていなかった
要は、物理的な遮光ができてなかったというのがあります。普段私、こちらのサンバイザーを愛用してるんですけども、こちらのサンバイザーはかなり特別で、見てお分かりいただけるようにもう全方位カバーしてくれるんですね。

それに対してこういったキャップ、夏に被られてる方も多いと思うんですけれど、これまだ深い方ではあるんですけどやっぱりこういう日差しによっては直接振り注いでしまうんですね。
なので防御力は結構落ちるかなと思います。物理的な遮光がいかに重要かっていうのを身を持って経験しました。
天気予報の変化への対応不足
次の要因としては天気があります。
天気予報を結構1週間ぐらい前からチェックしてたんですけれど、最初は雨の予報だったんですね。それで行くか迷うレベルだったんですけれど、途中で天気予報が変わって曇りになったんですね。
なので私の中で、USJは曇りの天気で結構快適に過ごせるのかなっていう風に当日挑んだんですね。そうしたらめちゃくちゃ晴れたんですね…。
日焼け止めの選択と塗り直し不足
それもちょっと誤算の1つで、おそらく曇りでそこまで日差しは強くないかなと思ってこういったサンバイザーも持参しませんでしたし、あとは普段私日焼け止めをこのHALSKINのデイリーサンスクリーンというSPFが50+PA4+とカット効果の高いものを使って、かつこちらは水に馴染みにくい性質で汗をかいても落ちにくい処方設計のものにはなるんですけども、これを持っていってなかったんですね。
日焼け止めもたまたまこれを持っていってなくて、今日はご紹介しないんですけども、違うあんまり耐水性の高くないものを持ってきてしまって、それでジュラシックワールドの水をかぶったりだとか、あとはUSJで乗り物によっては帽子を取ってくださいっていう風に言われるんですけども、もう直に日差しを浴びてしまって、それでうっかり日焼けをしてしまったというのもあるのかなと思います。
やはり、水をかぶった後はしっかり日焼け止めを塗り直さなくてはいけないのに、それもしっかりできていなかったというのもうっかり日焼けをしてしまった1つの要因かなと思います。
サンバーンのメカニズム
そもそも、今私のこの赤い肌の状態ではどういったことが起こっているかと言うと、一言で言うと「サンバーン」という状態となります。
私たちが浴びている紫外線というのはUVAとUVBがあるんですけども、このサンバーンに主に影響を与えていると言われているのがUVBです。

UVBによる細胞ダメージ
UVBは細胞のDNAに対するダメージ力が非常に高いという風に言われていて、そこで細胞死「アポトーシス」と言うんですけども、それを導いたりあとは炎症もたらしたりします。
こういったUVBの細胞ダメージをきっかけに、炎症性のサイトカインがどんどん産生されて、それによって血管が拡張して赤く見えているのが今のこの私の肌の状態です。
うっかり日焼け後の正しいケア方法
こういったうっかり日焼けしてしまったというような経験、皆さんも1度はもしかしてあるんじゃないかなという風に思うんですけれども、ではこのうっかり日焼けしてしまったサンバーンに対して、どういったケアが適切なのかということについても触れたいと思います。
まずは冷却が重要
サンバーンに対してはまずしっかり冷却することが重要です。こういった保冷剤だったり、あとは広範囲の場合は冷たいシャワーなどで肌を冷やすといいと思います。

保冷剤を使う際は直接肌にけるのではなく、ペーパータオルでくるんであげるといいと思います。
これを結構今ほてってるのでまずこうやって冷やしていきます。実は動画を撮る前も冷やしてたんですけど、冷やすと結構楽になりますね。なのでちょっと地味なんですけれども冷やすことはすごく重要だと思います。

適切な保湿ケア
次にですね、重要になってくるのが保湿です。
サンバーンというのは、先ほどお話ししたように軽い火傷状態で肌の中から水分がどんどん蒸発しやすい状態になっています。
なので適切な保湿をすることが重要です。
保湿の時に保湿のアイテムって化粧水、乳液、クリームと色々なタイプがあると思うんですけれども、水っぽいアイテムの方が相性はいいかなと思います。
クリームのような油分の多いアイテムですと熱がこもってしまって、より火照り感だとかあとは赤みを感じるケースもあります。
重宝するのは例えばこういったアトバリア365のクリームミスト。

これはセラミドが配合された化粧水なんですけれども、軽いつけ心地なんですけれどもしっとりとします。
抗炎症成分の活用
あとは、抗炎症成分が配合されている保湿アイテムもおすすめです。
サンバーンによって炎症性のサイトカインが引き起こされると、それによって炎症後色素沈着という、要はシミのような茶色っぽい色素沈着が残ってしまうというようなケースがあります。
日焼けした後に茶色くなるっていう現象のことなんですけれども、それに対してはですねメラニンが作られる前に炎症を抑えてあげることが重要です。
トラネキサム酸の効果
具体的にどういった成分があるかと言うと、まずトラネキサム酸が挙げられます。
トラネキサム酸は抗プラスミン作用のある成分なんですけれども、炎症の活動を抑える効果があります。

それによってメラニンを作るメラノサイトの活性化を抑える効果がありますので、うっかり日焼けをしてしまった後の保湿におすすめの成分です。
例えばこちら、白潤の薬用化粧水があります。こちらはトラネキサム酸だけでなくアラントインという別の抗炎症成分も配合されています。
シカ成分配合のシートマスク
あとはこちら、今日これやろうと思うんですけども、ラロッシュポゼのシカプラスリペアマスクB5Proというこちらはシートマスクですね。
ラロッシュポゼの同じくこちらシカプラストB5というクリームがあるんですけれども、それのシートマスクです。
こういう感じでかなりひたひたな状態なんですけども、こういうのを冷蔵庫に冷やしておくと、冷却効果もあって使いやすいかなと思います。乗せていきます。
コンセプト成分としてはシカですね。ツボクサエキスという鎮静効果や抗炎症作用のある成分が入っているのと、あとはパンテノールというこちらもですね、鎮静効果のある成分が配合されているのが特徴です。

これは私のクリニックでもレーザーの後とかに使用していただくこともあるんですけども、結構色々な使い道があるかなと思ってます。
抗酸化成分による内側からのケア
あとサンバーンの状態は、炎症が起こってそれを引き金に活性酸素も作られるようになってきます。
要は酸化ストレスが加速されてしまうんですけども、それを抑えてくれるのは抗酸化成分です。
抗酸化成分の代表的な成分としてはビタミンCがあると思うんですけれども、ビタミンCは物によっては結構サンバーンの時は刺激に感じてしまうかなと思います。
なので個人的におすすめなのがサプリメントのような経口摂取するビタミンCです。
例えばこちら、ワカサプリのビタミンCサプリがあるんですけども、こちらは1包あたり2000mgのビタミンCが配合されています。
あとこれですね、これ本当なぜ持っていてなかったんだろうって思ったんですけれど、ドクターレシピのセラミドミックスアドバンスという、こちらは抗酸化成分に加えてセラミドが配合されているアイテムです。
炎症が起こって水分が蒸発されやすい状態というのは、肌のバリア機能が低下します。
なのでバリア機能の低下を補うという意味では、こういったセラミドが配合されているアイテムもおすすめです。
シートマスクの正しい使用方法
シートマスクは私、普段あんまり使うことないんですけれども、使う時はその使用時間に気をつけていただけたらと思います。
長い時間ずっとこのように置きっぱなしにすると、だんだん皮膚がふやけてバリア機能はかえって低下してしまいます。
なので5分程度つければ十分かなと思います。もう取っちゃいますね。で、余ったマスクのこの液でちょっと体も保湿していきたいと思います。
スペシャルケアアイテムの紹介
あとは、これはスペシャルケア的なアイテムにはなるんですけどもこちら、スキンシューティカルズのフィトコレクティブセラムっていう美容液があって、これはうっかり日焼けをしてしまった後のスキンケアに、非常に使いやすいアイテムかなと思います。

フィトコレクティブセラムの効果
こちらの美容液にはボタニカルエキスが数種類配合されているのと、あとはヒアルロン酸が保湿成分として配合されているのが特徴です。
こちらの美容液は赤みや火照りといったような症状を瞬時に柔らげてくれる効果があるのが1つ特徴で、こちらは塗った前後のサーモグラフィーを比較したものになるんですけども、塗った直後から皮膚温度が下がっているのがお分かりいただけるかと思います。

こちらのセラムは私のクリニックでもいろんな使い道をしてるんですけども、例えば赤ら顔の酒さの患者さんに使っていただくこともありますし、あとはフラクショナルレーザー後のダウンタイムの軽減目的で使っていただくこともよくあります。
こちらも今日塗っていきたいと思うんですけれども、これ私もあのレーザー後に重宝して塗ってるんですけども全然染みたりしないんですね。今も染みない、うん。
なのでうっかり日焼けをしてしまった後に、こちらは非常に重宝するかなと思います。こちらはクリニック専売のアイテムです。
まとめ
ということで、今回は私自身が今回うっかり日焼けしてしまったその原因と対策についてお話しさせていただきました。
今回の失敗を機に、自分自身のUVケアの爪が甘かったことを反省してしっかりとこれからUVケアをしていきたいと思います。
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