病気や障害のあるお子さんが、住み慣れたご家庭で安心して療養生活を送るために、小児の訪問看護は重要な役割を担います。
専門的な知識と技術を持つ看護師がご自宅を訪問し、お子さんの健康管理から医療的ケア、日常生活の支援、ご家族へのサポートまで、幅広くお手伝いします。
この記事では、小児訪問看護の内容や利用するメリット、対象となる疾患、利用開始までの流れ、費用などについて詳しく解説します。
小児訪問看護とは?ご家庭で受ける専門的な看護
小児訪問看護は新生児から思春期までのお子さんを対象に、看護師がご自宅へ訪問して専門的なケアを提供するサービスです。
病院ではなく、お子さんが最も安心できる環境で、一人ひとりの成長発達段階や病状に合わせた看護を行います。
お子さんの成長と発達を支える在宅ケア
在宅でのケアは、お子さんの心身の成長と発達に良い影響を与えます。病院という特別な環境ではなく、自分の部屋、好きなもの、そして何よりご家族の愛情に包まれた日常の中で過ごす時間は、お子さんの情緒の安定につながります。
訪問看護師は日々のケアを通じてお子さんの発達段階を的確に把握し、遊びや生活の中での関わりを通して、持っている力を最大限に引き出すお手伝いをします。
訪問看護師がご家庭で行うこと
訪問看護師の役割は多岐にわたり、単に医療的な処置を行うだけでなく、お子さんのトータルケアを担います。
日々の健康状態のチェックはもちろん、食事や排泄、入浴といった日常生活の援助、ご家族が医療的ケアを行う際の指導や相談も行います。
また、主治医やリハビリテーションの専門職、地域の支援機関などと密に連携を取り、お子さんとご家族にとって必要なサービスを調整する役割も果たします。
訪問看護師の主な役割
支援の分類 | 具体的な内容 | 支援の目的 |
---|---|---|
健康管理 | バイタルサイン測定、全身状態の観察 | 病状の早期発見と悪化防止 |
医療的ケア | 人工呼吸器管理、経管栄養、吸引など | 安全な在宅療養の継続 |
家族支援 | ケア方法の指導、精神的サポート、相談対応 | 介護負担の軽減と安心感の提供 |
対象となるお子さんの状態や疾患
小児訪問看護は、特定の疾患名だけで利用が決まるわけではありません。医師が訪問看護の必要性を認めれば、年齢や疾患、障害の種類にかかわらず、さまざまなお子さんが利用できます。
例えば、生まれつきの病気を持つお子さん、脳性麻痺などにより運動機能に障害のあるお子さん、NICU(新生児集中治療室)を退院した後も医療的ケアが必要なお子さんなどが対象です。
重い病気や障害があっても、ご家庭で過ごしたいと願うすべてのお子さんとご家族を支えます。
医療的ケアが必要なお子さんへの対応
近年、医療の進歩により、人工呼吸器や胃ろうなど、高度な医療的ケアを必要としながら在宅で生活するお子さんが増えています。訪問看護師は、これらの医療機器の管理や操作を安全に行い、ご家族が安心してケアを担えるように指導します。
機器のトラブルや緊急時の対応方法についても、事前にご家族と一緒に確認し、万全の体制を整えます。ご家族だけでケアのすべてを抱え込むのではなく、専門家とチームを組むことで、在宅療養の質を高めることが可能です。
小児訪問看護を利用するメリット
訪問看護を利用することはお子さん自身にとってはもちろん、ご家族にとっても多くの利点があり、住み慣れた環境で専門的なケアを受けられることは、生活の質(QOL)を大きく向上させます。
お子さんが安心して過ごせる環境づくり
お子さんにとって自分の家は世界で一番安心できる場所で、病院のベッドの上ではなく、自分のベッドで眠り、家族の声を聞きながら過ごせる時間は、何物にも代えがたいものです。
訪問看護は、治療やケアが必要であっても、そうした当たり前の日常を可能な限り維持することを目的としています。
ご家族の身体的・精神的な負担軽減
病気や障害のあるお子さんのケアは、24時間体制となり、ご家族の身体的・精神的な負担は計り知れません。訪問看護師がケアの一部を担うことで、ご家族は休息時間を確保したり、自分のための時間を持てます。
また、日々のケアに関する不安や悩みを専門家に相談できる相手がいるというだけで、精神的な支えになります。
訪問看護による家族負担の軽減例
負担の種類 | 軽減される内容 | ご家族のメリット |
---|---|---|
身体的負担 | 入浴介助、体位交換、医療的ケアの代行 | 休息時間の確保、体力の回復 |
精神的負担 | ケアに関する不安の解消、緊急時の相談先 | 孤独感の軽減、安心感の獲得 |
時間的負担 | 通院の付き添い頻度の減少、ケア時間の短縮 | 兄弟姉妹との時間、自分の時間の創出 |
地域社会とのつながりを保つ
訪問看護ステーションは、地域の医療機関や福祉サービス教育機関などと連携し、看護師がハブとなり、お子さんの状態に応じて必要な社会資源へつなぐ手助けをします。
地域のイベントへの参加を検討したり、同じような境遇の家族会を紹介したりすることもあります。お子さんとご家族が孤立することなく、地域社会の一員として生活していけるよう、多角的な視点から支援します。
日常生活の中でのリハビリテーション
訪問看護では、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士といったリハビリテーションの専門職と連携し、日常生活の中にリハビリの要素を取り入れる支援も行います。
食事の姿勢を工夫して嚥下機能を促したり、遊びを通して手先の細かな動きを引き出したりと、生活そのものがリハビリの場となります。
特別な訓練としてではなく、楽しみながら自然に機能の維持・向上を目指せることは、在宅ケアの大きな利点です。
訪問看護で提供される具体的なケア内容
小児訪問看護で提供されるケアは、お子さん一人ひとりの状態やご家族の要望に応じて作成する訪問看護計画書に基づき行います。画一的なサービスではなく、オーダーメイドのケアを提供することが基本です。
健康状態の観察と管理
訪問看護の基本は、お子さんの健康状態を継続的に観察し、小さな変化も見逃さないことです。体温、脈拍、呼吸、血圧などのバイタルサインの測定に加え、皮膚の状態、栄養状態、排泄の状況などを専門的な視点で細かくチェックします。
観察結果を記録し主治医と共有することで、病状の悪化を早期に察知し、迅速な対応につなげ、この日々の丁寧な観察が、安定した在宅療養の基盤を築きます。
医療機器の管理と操作
在宅で使われる医療機器は多岐にわたり、訪問看護師は、これらの機器が安全かつ正常に作動しているかを確認し、必要なメンテナンスを行います。ご家族が機器の操作に慣れるまで丁寧に指導し、緊急時の対処法についても一緒に訓練します。
在宅で用いられる主な医療機器
機器の名称 | 主な目的 | 看護師による管理のポイント |
---|---|---|
人工呼吸器 | 呼吸の補助 | 回路の清潔保持、設定の確認、警報対応 |
経管栄養ポンプ | 栄養剤の注入 | チューブの管理、注入速度の調整、皮膚トラブルの観察 |
喀痰吸引器 | 気道内の分泌物除去 | 適切な吸引圧の設定、カテーテルの衛生管理 |
日常生活の援助と指導
食事、排泄、清潔保持、更衣、体位交換といった日常生活の援助は、ケアの中心的な部分です。単に代行するだけでなく、お子さんの残存機能を活かし、発達を促すような方法を考えながら援助します。
入浴時には皮膚の状態を観察するだけでなく、関節の動きを広げるような働きかけを行ったり、楽しい遊びの時間にしたりします。また、ご家族が安全かつ安楽にケアできるような介助方法や、福祉用具の活用法なども助言します。
- 食事の介助(経口、経管栄養)
- 排泄のケア(おむつ交換、導尿、摘便)
- 清潔のケア(入浴介助、清拭、口腔ケア)
- 体位交換と安楽な姿勢の保持
ご家族への支援と相談対応
訪問看護師はお子さんだけでなく、ご家族も大切なケアの対象です。日々のケアに関する技術的な指導はもちろん、介護による疲れや精神的なストレス、将来への不安など、ご家族が抱えるさまざまな悩みをお聞きします。
誰かに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
小児訪問看護の対象となる主な疾患や障害
小児訪問看護は、特定の疾患に限定されるものではなく、医師がその必要性を認めた場合に利用が可能です。ご自身のお子さんが対象になるか分からない場合は、まずは主治医やかかりつけの医療機関にご相談ください。
先天性疾患や遺伝性疾患
生まれつき心臓や消化器などに病気を持つお子さんや、染色体異常、遺伝子の変異による疾患を持つお子さんが対象となります。手術後のケアや、成長に伴って変化する症状の管理、合併症の予防など、長期的な視点での支援が必要です。
ご家族が病気と向き合い、理解を深めていけるように、情報提供や精神的なサポートも行います。
重症心身障害児へのケア
重度の知的障害と身体障害を併せ持つお子さん(重症心身障害児)は、訪問看護の重要な対象です。
呼吸管理や経管栄養などの医療的ケアに加え、てんかん発作の管理、筋緊張のコントロール、側弯や関節拘縮の予防など、専門的で包括的なケアを要します。お子さんが少しでも快適に過ごせるよう、姿勢の工夫や環境調整なども行います。
重症心身障害児へのケアのポイント
ケア項目 | 具体的な支援内容 | 目的・効果 |
---|---|---|
呼吸ケア | 定期的な吸引、体位ドレナージ、呼吸器管理 | 肺炎の予防、安楽な呼吸の確保 |
姿勢の管理 | クッション等を用いたポジショニング、体位交換 | 褥瘡や変形・拘縮の予防、リラックス |
コミュニケーション | 表情やわずかな動きの読み取り、声かけ | 意思の尊重、安心感の提供 |
脳性麻痺や神経筋疾患
脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの神経筋疾患を持つお子さんも、訪問看護を多く利用します。このような疾患では、身体の動きにくさや筋力の低下がみられ、成長とともに状態が変化することに留意することが必要です。
関節が硬くなるのを防ぐための可動域訓練や、嚥下障害に対する食事の工夫、呼吸機能の維持など、理学療法士や作業療法士と連携しながら、その時々の状態に合わせたケアを提供します。
退院後の継続的なケアが必要な場合
NICUやGCUから退院するお子さんや、大きな手術を受けた後のお子さんなど、退院後もご家庭で医療的な管理やケアが続く場合に、訪問看護が導入されます。
入院中から病院のスタッフと連携を開始し、お子さんの情報を共有し、そしてご家族が退院後の生活をスムーズに始められるように、ケアの練習や物品の準備、自宅環境の調整などを一緒に行います。
小児訪問看護の利用開始までの流れ
実際に小児訪問看護を利用したいと考えたとき、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。ここでは、相談からサービス開始までの一般的な流れを説明します。
まずは主治医や相談支援専門員へ相談
小児訪問看護の利用には医師が発行する訪問看護指示書が必要で、まずはお子さんの主治医(かかりつけ医)に「訪問看護を利用したい」と相談することが第一歩です。
また、障害福祉サービスを利用している場合は、担当の相談支援専門員に相談することもできます。現在の状況や希望を伝え、訪問看護の必要性について一緒に検討します。
- かかりつけの小児科医
- 病院のソーシャルワーカー
- 地域の保健師
- 相談支援事業所の相談支援専門員
訪問看護ステーションの選択
利用する訪問看護ステーションは、ご家族が選べます。小児の対応に力を入れているか、緊急時の体制はどうか、自宅からの距離などを考慮して選択します。
主治医やソーシャルワーカーから情報提供を受けることもできますし、市区町村の窓口やインターネットで探すことも可能です。いくつかのステーションに問い合わせて、話を聞いてみることをお勧めします。
面談と契約手続き
利用したい訪問看護ステーションが決まったら、ステーションの管理者や担当看護師がご自宅などを訪問し、面談を行います。この場で、お子さんの詳しい状態やご家族の要望、不安に思っていることなどを伝えます。
サービス内容や料金、緊急時対応などについて詳しい説明を受け、納得できたら契約を結び、面談は、今後の信頼関係を築く上で非常に重要です。
面談時に確認しておきたいこと
確認事項 | 具体的な質問例 | 確認する理由 |
---|---|---|
小児看護の経験 | 「小児、特に医療的ケア児の訪問経験は豊富ですか?」 | 専門性や対応力を知るため |
緊急時対応 | 「夜間や休日の緊急連絡体制はどうなっていますか?」 | 万が一の際の安心を確保するため |
スタッフ体制 | 「いつも同じ看護師さんが来てくれますか?」 | お子さんとの関係性を築くため |
ケア計画の作成とサービスの開始
契約後、主治医からの訪問看護指示書に基づき、訪問看護ステーションの担当者がお子さんに合わせた訪問看護計画書を作成します。計画書には、ケアの目標や具体的なサービス内容、訪問回数などが盛り込まれます。
計画内容をご家族に説明し同意を得た上で、訪問看護サービスがスタートします。計画は定期的に見直しを行い、お子さんの状態の変化に合わせて柔軟に変更していくことが大切です。
費用と公的制度の活用について
小児訪問看護を利用するにあたり、費用の心配をされるご家族は少なくありませんが、日本ではさまざまな公的制度が用意されており、活用することで自己負担を大きく軽減できます。
医療保険と介護保険の適用
小児訪問看護の費用は、基本的に公的な医療保険(健康保険や国民健康保険など)が適用されます。自己負担は、かかった費用の1割〜3割(年齢や所得による)です。
また、お子さんの状態によっては、医療保険ではなく介護保険が適用される場合もあり、どちらの保険が適用になるかは、年齢や疾患によって定められています。
自立支援医療(育成医療)の活用
身体に障害のあるお子さんや、治療を行わないと将来的に障害を残すと認められる疾患のあるお子さんが、指定された医療機関で治療を受ける場合に、医療費の自己負担を軽減する制度です。
訪問看護もこの制度の対象となる場合があります。
公的医療費助成制度の概要
制度名 | 対象者(例) | 自己負担の軽減内容 |
---|---|---|
育成医療 | 身体に障害のある18歳未満の児童 | 原則1割負担、所得に応じ上限額設定 |
小児慢性特定疾病 | 国が定める特定の慢性疾患のある児童 | 自己負担上限額が設定される |
難病医療費助成 | 国が指定する難病の患者 | 自己負担上限額が設定される |
小児慢性特定疾病医療費助成制度
国が定めた小児慢性特定疾病にかかっているお子さんを対象とした医療費助成制度です。がんや慢性腎疾患、内分泌疾患など、長期にわたる治療が必要な約800の疾患が対象となります。
制度の認定を受けると、訪問看護を含む対象医療の自己負担額に上限が設けられます。
その他の公費負担医療制度
上記のほかにも、お住まいの自治体が独自に行っている子ども医療費助成制度や、重度の障害を持つお子さんを対象とした重度心身障害者医療費助成制度などがあります。
いろいろな制度を併用することで、自己負担がさらに軽減されたり無料になったりする場合もあります。
利用できる制度は多岐にわたるため、まずは市区町村の担当窓口や病院のソーシャルワーカーに相談し、どの制度が利用できるかを確認することが大切です。
- 子ども医療費助成制度
- 重度心身障害者医療費助成制度
- ひとり親家庭等医療費助成制度
訪問看護を上手に活用するためのポイント
訪問看護は、ただ待っているだけではその価値を最大限に発揮できません。ご家族が主体的に関わり、看護師と良好な関係を築くことで、より質の高いケアが実現します。
ここでは、訪問看護を上手に活用し、お子さんとご家族の生活をより豊かにするためのポイントを紹介します。
ご家族の希望や目標を明確に伝える
「こんなことができるようになってほしい」「こんな生活が送りたい」といったご家族の希望や目標は、ケアの方向性を決める上で最も重要な情報です。些細なことでも構いませんので、看護師に伝えてください。
例えば、「一口でもいいから口から食べられるようになってほしい」「お友達と公園で遊びたい」といった具体的な目標を共有することで、看護師は実現するための専門的なアプローチを考えられます。
看護師との情報共有を密にする
訪問時以外のお子さんの様子は、ご家族が最もよく知っています。前回の訪問から変わったこと、気になったこと、嬉しかったことなど、日々の小さな変化を看護師に伝えることが大切で、連絡ノートなどを活用するのも良い方法です。
ご家族からの情報と看護師の専門的な視点を組み合わせることで、お子さんの状態をより深く理解し、的確なケアにつなげます。
情報共有のポイント
共有すべき情報 | 伝えることの重要性 | 共有方法の例 |
---|---|---|
日々の体調変化 | 病状の早期発見につながる | 連絡ノート、訪問時の口頭伝達 |
できたこと・成功体験 | お子さんの意欲や自信を育む | 写真や動画を見せる、具体的に話す |
ご家族の心配事 | 精神的な負担を軽減する | 訪問時に相談時間を設ける |
お子さんの小さな変化にも目を向ける
日々のケアに追われていると、つい大きな変化ばかりに目が行きがちですが、お子さんの成長はほんの小さな変化の積み重ねです。その一つひとつを看護師と共有し、喜び合うことは、ケアを続ける上での大きな励みになります。
レスパイトケアとしての利用も検討
訪問看護は治療的なケアだけでなく、ご家族の休息を目的としたレスパイトケアとしても利用できます。
看護師がお子さんのケアを行っている数時間、ご家族は安心して外出したり、休息したり、他の兄弟姉妹とゆっくり過ごしたりできます。介護者が心身ともに健康でいることは、結果的にお子さんのためにもなります。
よくある質問
ここでは、小児の訪問看護に関して、ご家族からよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
- 夜間や緊急時の対応はどうなりますか?
-
多くの訪問看護ステーションでは、24時間体制で電話相談や緊急訪問に対応しています。契約時に、夜間や休日の連絡先、緊急時の対応フローについて詳しく説明があります。
お子さんの容体が急に変化したとき、医療機器にトラブルがあったときなど、いつでも専門家に相談できる体制があることは、在宅療養における大きな安心材料です。
ステーションによって対応範囲が異なる場合があるため、契約前の面談で必ず確認しましょう。
- 兄弟姉妹への配慮はしてもらえますか?
-
病気や障害のあるお子さんのケアは、どうしてもその子中心になりがちで、他の兄弟姉妹が寂しさを感じてしまうことがあります。私たちは、ケアが必要なお子さんだけでなく、ご家族全員を支援の対象と考えています。
訪問看護師がケアを代行している間に、ご両親が兄弟姉妹と一対一で向き合う時間を作れるようお手伝いしたり、兄弟姉妹の気持ちを聞く役割を担ったりすることも可能です。
- どのくらいの頻度で利用できますか?
-
利用頻度は、お子さんの状態やご家族の希望、主治医の指示によって決まり、週に1回、数時間の訪問から、医療的ケアが多いお子さんの場合は週に複数回、あるいは毎日訪問することもあります。
利用開始後も、お子さんの状態の変化やご家族の状況に応じて、ケアマネージャーや相談支援専門員と相談しながら柔軟に訪問回数を調整することが可能です。
- 幼稚園や学校への付き添いは可能ですか?
-
医療的ケアが必要なお子さんが、地域の幼稚園や学校に通う際に、看護師が付き添って支援を行う医療的ケア児支援という制度があります。これは訪問看護の枠組みとは別に、自治体の事業として行われることが多いです。
訪問看護ステーションがこの事業を受託している場合、通学の支援も可能となります。集団生活への参加は、お子さんの社会性を育む上で非常に大切です。
以上
参考文献
HATAKEYAMA R, HAN I, SAGUCHI K, MASUMITSU M. Current Status of Supporting Children and Families Needing Home Health Care; From the Viewpoint of a Coordinator. Asian Journal of Human Services. 2020;19:73-88.
Wakimizu R, Yamaguchi K, Fujioka H, Numaguchi C, Nishigaki K, Sato N, Kishino M, Ozawa H, Iwasaki N. Assessment of quality of life, family function and family empowerment for families who provide home care for a child with severe motor and intellectual disabilities in Japan. Health. 2016;8(04):304.
Murashima S, Nagata S, Magilvy JK, Fukui S, Kayama M. Home care nursing in Japan: a challenge for providing good care at home. Public health nursing. 2002 Mar;19(2):94-103.
Ohashi R, Sakai M. Staff Support for Family Relationship and Life Story Work for Children at Residential Care Facilities for Children with Disabilities in Japan. Comprehensive Child and Adolescent Nursing. 2024 Jan 2;47(1):7-19.
Wakimizu R, Fujioka H. Social support needs of caregivers rearing children with severe motor and intellectual disabilities at home in Japan. Frontiers in Rehabilitation Sciences. 2024 Jan 24;5:1280278.
Nishigaki K, Yamaji N, Adachi N, Kamei T, Kobayashi K, Kakazu S, Yonekura Y. Telenursing on primary family caregivers and children with disabilities: a scoping review. Frontiers in Pediatrics. 2025 Jan 31;12:1374442.
Yamaoka Y, Tamiya N, Moriyama Y, Sandoval Garrido FA, Sumazaki R, Noguchi H. Mental health of parents as caregivers of children with disabilities: Based on Japanese nationwide survey. PloS one. 2015 Dec 21;10(12):e0145200.
Inoue Y, Umebayashi H, Matsui T, Nishiyama S, Sakurai I, Maru M, Takeda T, Tanigawa K, Miyamae T. Social independence evaluation index for Japanese patients with childhood-onset chronic diseases. Frontiers in Pediatrics. 2022 Dec 6;10:923497.
Arai Y, Kadekaru R, Okanishi T, Tamasaki A, Maegaki Y. Assessing the Subjective Happiness of Parents of Children With Severe Motor and Intellectual Disabilities Receiving Home Care. Cureus. 2024 Jul 15;16(7).
Ishizaki Y, Maru M, Higashino H, Katsumoto S, Egawa K, Yanagimoto Y, Nagahama T. The transition of adult patients with childhood-onset chronic diseases from pediatric to adult healthcare systems: a survey of the perceptions of Japanese pediatricians and child health nurses. BioPsychoSocial Medicine. 2012 Dec;6:1-4.