訪問看護によるストーマケア|装具交換・皮膚管理・トラブル対応

訪問看護によるストーマケア|装具交換・皮膚管理・トラブル対応

自宅での生活を支える訪問看護は、ストーマ管理に不安を感じる方々にとって心強い味方です。専門的な視点で行う装具交換や皮膚の状態に合わせたケアは、漏れや痛みを防ぐだけでなく、日々の安心感に直結します。

本記事では、退院直後の戸惑いから日常生活でのトラブル対応まで、訪問看護が提供するサポート内容を解説します。

専門職の介入により、心理的な障壁を取り除き、在宅療養を可能にするための知識を深めていきましょう。

目次

慣れない自宅でのストーマ管理をプロに任せて心の余裕を取り戻す

病院では看護師が全て行ってくれたストーマケアも、自宅に戻った瞬間にご本人の課題へと変わります。慣れない作業への緊張感は想像以上に大きく、失敗を恐れて外出を控えてしまう方も少なくありません。

退院直後から始まる装具交換の不安を訪問看護師が解消します

病院と自宅では環境が大きく異なるため、退院直後に装具の貼り替えでつまずくケースは非常に多いものです。看護師はご自宅の動線を確認し、最もスムーズにケアができる場所や物品の配置を一緒に考えます。

洗面所でのケアが難しい場合は、居間の椅子やベッド上で完結できる工夫を凝らし、日常生活への定着を支援します。

ストーマの形は退院後も数ヶ月かけて変化するため、常に計測を行い最適な穴のサイズに調整し、プロの目で定期的にチェックすることで、装具が合わなくなることによる漏れを未然に防ぎ、安心を形にします。

また、使用するガーゼや洗浄剤などの消耗品についても、ご家庭の予算や使い勝手に合わせて最適な代用品を提案し、経済的な負担軽減にも配慮します。

さらに、退院時に処方された装具が必ずしも自宅の生活スタイルに合うとは限らないので、複数のメーカーのサンプルを取り寄せ、実際に試用しながら「最も漏れにくく、貼りやすい」一品を共に選定します。

自分で行うケアに自信が持てるまで何度でも優しく伴走します

セルフケアを目指す方にとって、最初は一つ一つの工程が手探り状態です。私たちは無理に自立を急かすのではなく、まずは見守りから始め、できた部分をしっかり評価しながら少しずつ技術を定着させていきます。

「今日は剥がすところまで」「次は洗うところまで」と段階を追うことで、着実に自信を育みます。

指先の動きが不自由な方や視力が低下している方には、あらかじめカットされた装具の活用や、手元を照らすライトの設置など、身体状況に合わせた環境調整を提案します。

また、認知機能に不安がある場合は、手順を大きな写真付きのパネルにして壁面に掲示するなど、視覚的な支援を行うことで自立の可能性を広げることも、大切な役割です。

ケアの途中で排泄物が出てしまった時の対処法など、トラブルへの実践的な対応も指導します。予期せぬ事態が起きても「こうすれば大丈夫」という引き出しを増やすことで、パニックを防ぎ、落ち着いてケアに取り組める精神状態を維持します。

家族だけで抱え込まないための相談相手として寄り添います

ストーマケアをご家族が担う場合、責任感から心身ともに疲弊してしまう場面が多々あります。訪問看護師は単なる作業者ではなく、ご家族の良き相談相手として精神的なフォローも同時に行います。

疲れている時は全て看護師にお任せいただき、余裕がある時は一緒に学ぶといった柔軟な関わりが可能です。専門家に頼ることで家庭内の空気が明るくなり、介護を通じた絆がより深まるような支援を心がけています。

また、ご家族が急な病気や用事でケアができなくなった際のバックアップ体制についても、事前に入念な打ち合わせを行います。

夜間の不安についても、日中の訪問時にじっくりとお話を伺うことで、心の重荷を軽くし、専門家がバックアップしているという事実が、ご家族の休息の質を高め、介護の継続性を確実に向上させます。

漏れない装具交換を確実に実践するためのプロの技術と手順

ストーマ管理における最大のストレスは排泄物の漏れです。訪問看護師は、単に説明書通りに貼るのではなく、お腹のシワや動きを計算に入れた高度な補正技術を用いて、密着性の高い装着を実現します。

皮膚を傷めない愛護的な剥がし方で健やかな肌を守ります

装具を無理に剥がすと皮膚の表面が削られ、炎症の引き金になります。訪問看護師は剥離剤を効果的に使い、皮膚を優しく押さえながら時間をかけて剥がしていく技術を徹底しています。

特に皮膚が薄くなっている高齢者の方には、剥離刺激を最小限に抑えるための工夫が欠かせません。皮膚を引っ張らず、装具の方を倒すように剥がすのがコツです。

剥がした後の地板に残った汚れも、無理にこすらず浮かせて取り除きます。これにより、次回の装着時に密着度を高めるための理想的な肌の状態を作り出し、トラブルの連鎖を未然に防ぎます。

また、剥離剤にもスプレータイプやワイプタイプがあり、患者さんの使いやすさや肌質に合わせて選択します。毎回のケアで皮膚のバリア機能を壊さないことが、長期的な安定管理への第一歩です。

さらに、剥がした直後の皮膚の赤みやテカリを詳細に観察し、「面板の接着力が強すぎないか」「剥がす頻度が適切か」を検討します。

皮膚の状態によっては、皮膚保護剤の成分を変更したり、保護膜を作るスプレーを併用したりして、ダメージを最小化する独自のスキンケアプログラムを構築します。

石鹸の泡で包み込むような洗浄とストーマの精密な観察

洗浄は皮膚トラブルを防ぐ要で、弱酸性の石鹸を十分に泡立て、こすらずに汚れを吸着させるように洗います。この際、ストーマ自体の色やむくみ、出血の有無など、健康状態をリアルタイムで確認します。

水分が残っていると装具の密着力が落ちるため、洗浄後の乾燥も慎重に行い、柔らかいガーゼで押さえるように拭き取ります。

また、ストーマ周囲の毛の処理も適切に行います。毛を巻き込むと剥がす時の痛みや毛嚢炎の原因になるため、安全な方法で除毛を支援し、滑らかな貼り心地を維持します。

洗浄時には、お湯の温度にも注意を払い、皮膚への刺激を最小限に抑えます。熱すぎるお湯は必要な皮脂まで奪ってしまうため、人肌程度のぬるま湯を使用するのが理想的です。

さらに、洗浄中に出る排泄物をコントロールするコツも伝授します。食後すぐの活発な時間を避け、比較的腸の動きが静かな時間帯を選んでケアを行うことで、落ち着いて皮膚の観察ができます。

お腹の凹凸を平坦に整えて漏れのルートを完全に遮断します

手術の痕や加齢によるお腹の窪み、シワは漏れの原因になります。訪問看護師は、ペーストやリング状の補正材を使い、粘土細工のように皮膚の表面を滑らかに整える職人技を駆使して装具を貼ります。

座った時や立った時にできるお腹のシワを計算に入れ、どの姿勢でも隙間ができないよう調整します。この専門的な補正が安心感を生みます。

さらに、排泄物の性状に合わせた装具の向きや、補助テープの貼り方も工夫し、重力による負荷を分散させることで、地板の縁から始まる剥がれを防ぎ、数日間安定して使用できる状態を構築します。

特にお腹に力が入る動作が多い方には、伸縮性の高いテープで補強し、スポーツや家事などの激しい動きにも耐えうる装着方法を提案します。

補正材の量も重要です。多すぎると逆に面板が浮きやすくなるため、必要最小限で最大限の効果を発揮する絶妙な量を見極めます。

また、面板を貼った後に手のひらで全体を数十秒間圧迫し、体温で粘着剤を馴染ませる一工夫を加えることで、密着性が高まります。こうした細かなテクニックの積み重ねが、漏れゼロの生活を実現します。

赤みや痒みを放置しないための訪問看護流スキンケア対策

ストーマ周囲の皮膚は排泄物の刺激にさらされやすく、一度トラブルが起きると悪循環に陥ります。訪問看護ではトラブルの予兆をいち早く捉え、原因を特定した上で、即座に適切な処置へと切り替えます。

ジュクジュクした皮膚を保護パウダーでケアして治癒を促します

皮膚が剥けて湿潤している状態では、通常の装具は貼り付きません。訪問看護師は、吸湿性の高い保護パウダーを散布し、余分な粉を払った上から被膜剤で固めるプロのテクニックで皮膚を保護します。

この処置により、傷んだ皮膚を排泄物から隔離しながら装具を固定することが可能になります。状態に合わせて評価を行い、皮膚の再生を段階的に支援します。

治癒が進むにつれて保護材の種類を変更し、過剰なケアによるムレを防ぐ引き際の判断も重要です。皮膚の再生速度に合わせてケアを最適化し、最短期間での正常化を目指します。

また、浸出液が多い場合には、看護師はより吸収力の高い特殊な面板を選択するなど、製品の特性を熟知しているので、トラブルの深刻化を食い止められます。

さらに、パウダーを使用する際の重ね塗りの技術も重要です。薄く均一に広げることで、面板の粘着力を落とさずに保護効果を発揮させます。

処置後の経過を写真で記録し、主治医やWOCナース(皮膚・排泄ケア認定看護師)と共有することで、在宅にいながら病院と同等の高度な創傷ケアを受けられる体制を整えています。

痒みの原因となる蒸れや接触性皮膚炎に合わせた装具の再選定

夏場や汗をかきやすい季節は、装具の下が蒸れて猛烈な痒みに襲われることがあり、そのような場合は、通気性に優れた素材への変更や、凸面装具から平面装具への切り替えなどを検討します。

特定のメーカーの製品でかぶれが出る場合は、皮膚の状態からアレルギーの原因を推測し、他の製品を提案します。

また、石鹸のすすぎ残しや、強すぎる洗浄剤の使用が痒みの原因になっていることもあるので、日々の洗浄手順を細かくチェックし、トラブルの根本原因を一つずつ潰していきます。

痒みは心理的なストレスも大きく、安眠を妨げる要因にもなるため、迅速な対応が必要です。必要に応じて、ステロイド外用剤の適切な使用方法についても医師の指示のもと指導します。

さらに、面板の周囲を止めるテープの素材も見直し、シリコン系のテープなど、肌に優しい素材を導入することで、テープかぶれを防ぐことができます。

痒みを感じた時に冷やす物理的なケアの助言も行い、無意識に掻きむしって傷を作ってしまう二次被害を最小限に抑える工夫を凝らします。

肉芽の発生や皮膚の食い込みに対する専門的な物理的処置

ストーマの根元にできる赤い盛り上がりである肉芽は、痛みや出血を伴うことがあります。訪問看護師は肉芽を圧迫しないよう装具の切り口を工夫し、必要に応じて主治医と連携して処置を依頼します。

また、お腹の贅肉による食い込みが原因で皮膚が傷んでいる場合は、ベルトなどの補助具を使って装具の角度を調整し、物理的な負荷を取り除きます。

食い込みを緩和するために、腹壁をフラットに保つための体位やクッションの使い方も助言します。単に傷を治すだけでなく、傷ができるメカニズムそのものを改善するための生活習慣の見直しをトータルで支えます。

特にお辞儀をする姿勢や座り仕事が多い方には、その動作時にストーマがどう歪むかを分析し、個別の対策を講じます。

肉芽については、大きくなってからでは処置が難しくなるため、早期発見が何より重要です。毎回の訪問時にミリ単位でサイズを測り、増大傾向にある場合は早めに医療的介入を仰ぎます。

予期せぬストーマの緊急事態に24時間いつでも繋がる安心感

夜中の漏れや急な出血は、在宅療養を続ける上での大きな障壁となります。訪問看護ステーションでは24時間体制の連絡網を完備しており、トラブルが起きたその瞬間に専門家のアドバイスを受けることができます。

夜中の漏れにも慌てないための緊急連絡とオンコール体制

突然装具が剥がれてしまった時は、まず電話で状況を伝えてください。オンコール担当の看護師が「今はこう対処して、明日の朝訪問します」といった的確な指示を出し、緊急性が高い場合は夜間でも訪問します。

電話一本で繋がる安心感は、何物にも代えがたいものです。非常時の対応マニュアルを事前に作成し、迷わず行動できるよう支援します。

もし訪問まで時間がかかる場合でも、代わりの布を当てる方法や、一時的な固定のコツを電話越しにリアルタイムで実況指導します。プロの声を聞くだけで落ち着きを取り戻し、冷静に対応できる方が非常に多いです。

さらに、緊急時用のスピード貼り替えセットをあらかじめ準備しておくよう助言します。必要な物品がワンセットになっていることで、焦っている最中でも探す手間が省けます。

色調の異常や激しい腹痛など身体の変化を迅速に見極めます

ストーマの色が紫や黒に変わった場合は、血流の障害が疑われ、迅速な医療的判断が必要です。訪問看護師はこれらの危険なサインを見逃さず、主治医や救急外来と即座に連携を取る体制を整えています。

ご自身では判断が難しい体調の変化も、看護師が介在することで手遅れになるのを防ぎます。ストーマだけでなく、全身状態を総合的に観察します。

特に術後間もない時期は、腸閉塞などの合併症のリスクもゼロではなく、排便の回数や性状、おならの有無まで細かく記録・確認することで、病状の悪化を早期にキャッチします。

腹痛や吐き気を伴う場合は、緊急性の判断基準(フラッグサイン)を共有し、どのタイミングで病院へ行くべきかを明確にしておくことで、適切な受診が可能です。

また、尿路ストーマの場合は尿の色や濁り、臭いの変化にも注目します。腎盂腎炎などの感染症の兆候を早期に見抜くため、尿検査スティックを用いた定期的なチェックを行うステーションもあります。

災害時でもストーマ管理を継続するための備蓄と防災対策

地震や水害などで物流が止まった際、装具の欠乏は死活問題です。訪問看護では日頃から1ヶ月分程度のストックを確保するローリングストック法を推奨し、非常用持ち出し袋の点検を一緒に行います。

地域の防災ネットワークと情報を共有し、避難所でも適切なケアが受けられるよう、ストーマの種類やケア方法を記したカードの作成も支援します。

断水時の洗浄方法として、ウェットティッシュや清拭剤を使った拭き取り技術も事前に練習しておきます。不測の事態においても、皮膚を清潔に保つ代替案を持っていることが、災害時の二次被害を防ぐ大きな力です。

また、避難所でのプライバシー確保の方法や、周囲への協力依頼の仕方なども含めた個別防災計画を共に作り上げます。

さらに、装具メーカーの災害時対応窓口や、お住まいの自治体の福祉支援制度についても情報を提供します。

災害時には混乱が予想されますが、「このバッグさえ持っていけば1週間はしのげる」という確信があるだけで、避難時の行動が大きく変わります。

ストーマがあっても自分らしく旅行や趣味を楽しむ暮らしの知恵

ストーマは生活を制限するためのものではなく、病気を乗り越えて生きていくための新しい体の一部です。訪問看護では、医学的な管理と同じくらい、どうすれば楽しみを取り戻せるかを大切にしています。

装具をつけたまま温泉や入浴を安心して楽しむための準備

お風呂での装具剥がれを心配される方は多いですが、適切な防水補強を行えば、温泉や公衆浴場も楽しめます。看護師は、目立ちにくいコンパクトな装具や、肌色の保護テープの活用方法を伝授します。

入浴後の乾燥方法や貼り替えのタイミングを工夫することで、皮膚を清潔に保ちながらリラックスした時間を過ごせ、温泉旅行に行けたという成功体験が自信になります。

また、自宅での入浴時も、装具を外してストーマを直接洗うことの快適さを提案します。お湯に浸かっても排泄が止まっている時間を狙うなど、看護師ならではの経験則に基づいた助言が、バスタイムを豊かなものにします。

家族に気を遣わずに入浴するための浴室の整理整頓や、脱衣場での効率的な処置環境の整え方も、訪問看護の得意分野です。

さらに、温泉施設でのマナーについてもアドバイスします。最近では入浴用カバーなどの便利な商品も増えており、周囲の視線を気にせずに湯船に浸かることができます。

乗り物移動や外食を成功させるためのスケジュール管理術

長時間の移動では、トイレの場所や装具のガス溜まりが気になります。看護師は外出前の食事の調整や、ガスを逃がしやすいフィルター付き装具の選定など、移動中のリスクを減らすプランを考えます。

飛行機を利用する際の気圧変化への対策や、海外旅行時の英文診断書の準備など、専門的な知識で旅をサポートします。万全な準備があれば、どこへでも行けます。

さらに、外出先での「もしも」に備えた緊急用ポーチの中身も一緒に選定し、コンパクトにまとめつつ、即座に貼り替えができるセットを常備することで、不慣れな場所での精神的な余裕を確保できるようにすることが重要です。

また、公共交通機関の対応トイレの場所を事前に調べるアプリの紹介など、デジタルツールを駆使した外出術も伝授します。

食事については、消化の良し悪しやガスの発生しやすい食品を把握した上で、外食を楽しむためのメニュー選びを助言するのも、看護師の役割です。

食べたいものを完全に禁止するのではなく、量や食べる時間を工夫することで、友人とのランチやディナーを楽しめるような柔軟なアドバイスを心がけています。

お洒落を諦めないための衣服選びと体型に合わせた装具の固定

装具の膨らみが衣服に響くのを気にされる方には、専用のストーマベルトや、目立ちにくい配置の工夫を提案します。最近ではお洒落なカバーも市販されており、ファッションを楽しむことが可能です。

体型の変化に合わせて装具のカット形状を微調整することで、タイトな服を着ても漏れにくい状態を作ります。鏡を見て笑顔になれるようなケアを実践します。

冠婚葬祭などの礼服着用時でも、腹帯やガードルを適切に組み合わせることで、目立たせずに快適に過ごすコツがあります。人生の大切な場面に自信を持って出席できるよう、個別の装いのアドバイスも積極的に行います。

また、ベルトやストッキングによるストーマへの圧迫を避けるための位置ずらしのテクニックも重要です。装具の装着位置をわずかに調整するだけで、これまで着られなかった服が着られるようになることもあります。

ストーマのセルフケア自立に向けた訪問看護のステップアップ

訪問看護の最終的な願いは、ご本人が自身の体と上手に付き合い、自信を持って毎日を過ごせるようになることです。看護師は、その方の「自分でやりたい」という意欲を尊重し、段階的な指導で自立を後押しします。

まずは簡単な動作から!無理なく覚える技術習得の順番

最初は、溜まった排泄物をトイレに流す、袋の出口をクリップで留める、といった簡単な動作から練習を始めます。この小さな成功の積み重ねが、「自分でもできるかもしれない」という自信に繋がっていきます。

次にストーマ周囲の洗浄、さらに装具の型取りと、工程を細かく分けてマスターしていき、看護師が隣で解説しながら見守ることで、正しい技術を身につけます。

また、ケアに必要な物品の発注管理も、自立の大切な要素です。どのタイミングで注文すべきか、どの製品が今必要かを見極める力を養い、医療者に頼りすぎない自分だけの管理スタイルを確立できるよう導きます。

在庫管理をサポートするためのチェックリストを作成したり、発注先の連絡先を分かりやすくまとめたりして、事務的な負担も軽減します。

技術の習得には個人差があるので、同じ工程を10回繰り返しても構いません。「もう大丈夫」と思えるまで、何度でも同じ目線で指導を繰り返します。

常に進化する最新のストーマ装具から最適な製品を見つけます

ストーマケア製品は年々進化しており、より皮膚に優しく使いやすいものが登場しています。訪問看護師は特定のメーカーに縛られず、幅広い製品知識の中からその方のライフスタイルに合うものを提案します。

経済的な負担や操作のしやすさ、肌との相性を総合的に判断し、定期的な見直しを行い、さらに、福祉用具や公的助成制度(身体障害者手帳による装具給付など)の活用方法についても詳しくアドバイスします。

費用の面で不安を感じることなく、最新の技術や製品を賢く取り入れ、長期的に持続可能なケア体制を家計の面からもサポートすることが可能です。自治体によって申請方法や給付額が異なるため、最新の制度情報を得て提供します。

また、新しい製品を試す際には、必ずメリットとデメリットを公平に伝え、「剥がれにくいが、剥がす時に刺激が強い」といった実用的なデメリットを事前に知っておくことで、納得感のある選択をすることが大切です。

精神的な障壁を乗り越えて社会と繋がるための心のサポート

ストーマを受け入れるまでには、誰しも葛藤や落ち込みを経験します。訪問看護師はその心の痛みに深く寄り添い、決して一人ではないことを伝え続け、精神的な安定こそが、ケアを継続するための土台です。

外の世界に目を向けられるよう、地域のオストメイトの集まりを紹介したり、外出の練習に同行したりすることもあり、職場復帰を目指す方には、就業時間中のケアのタイミングや、同僚への伝え方なども一緒にシュミレーションします。

ストーマが原因で社会から隔絶されることのないよう、多角的な視点であなたの新しい人生を全力で応援します。また、ご家族との関係性についても、ストーマを通じてより良いコミュニケーションが取れるようアドバイスを行います。

よくある質問

訪問看護でストーマ装具の交換を依頼する場合、家族が同席して手順を覚える必要がありますか?

必ずしもご家族が手順を覚える必要はありません。訪問看護では、ご本人がセルフケアを目指すのか、あるいは全てを看護師に任せるのかというご希望を最優先にします。

ご家族がケアに関わるのが不安と感じる場合は、そのお気持ちを尊重し、看護師が全責任を持って対応する計画を立てることも可能です。

ストーマ周囲の皮膚が赤くなって痛みがある時、訪問看護ではどのような対応をしてくれますか?

訪問看護師が直ちに皮膚の状態を評価し、炎症の原因を特定します。その上で、炎症部位を保護するパウダーや皮膜剤を使用した特殊な処置を行い、痛みや不快感を速やかに緩和します。

症状が強い場合には、主治医と連携して適切な軟膏の処方を確認したり、装具の種類をより皮膚に優しいものへ変更したりと、医学的な根拠に基づいたトータルな解決策を講じます。

急にストーマ装具が剥がれて便が漏れてしまった場合、訪問看護は夜間でも助けてくれますか?

24時間対応の体制を整えている訪問看護ステーションであれば、夜間や休日でも電話での相談や緊急訪問が可能です。契約時に緊急時の連絡先をお伝えし、トラブル発生時には看護師が即座に対応を判断します。

電話で応急処置を指示して乗り切れる場合もあれば、看護師がご自宅に伺って装具を貼り直す場合もあります。このようなバックアップ体制があることで、一人で悩むことなく安心して夜を過ごせます。

訪問看護を利用してストーマ管理を頼むと、どのくらいの頻度で来てくれるのでしょうか?

訪問の頻度は、ストーマの状態やご本人の自立度、ご家族のサポート体制に合わせて柔軟に設定できます。例えば、退院直後で不安が強い時期は週に2回から3回、慣れてきたら週に1回、といった形での調整が一般的です。

装具の貼り替えのタイミングに合わせて訪問日を固定することもできますし、皮膚トラブルが起きた時だけ集中的に回数を増やすことも可能です。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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