訪問介護と訪問看護の時間がかぶる場合、算定ルールはどうなる?

訪問介護と訪問看護の時間がかぶる場合、算定ルールはどうなる?

在宅での療養生活を支えるためには、さまざまな専門職の手助けが必要です。特に医療的な処置が必要な方や、介護度が重い方の場合、ヘルパーによる生活支援と、看護師による医療的ケアの両方が必要になる場面が多々あります。

しかし、これら二つのサービスを同じ時間帯に利用しようとすると、介護保険制度や医療保険制度の複雑なルールが壁となることがあり、原則として、訪問介護と訪問看護が同じ時間にサービスを提供することは認められていません。

本記事では、時間が重なる場合の基本的な算定ルールから、例外的に認められる条件、費用負担の仕組み、そしてケアマネジャーとの協議の方法までを解説します。

目次

同時利用における原則的なルールと背景

訪問介護と訪問看護は、在宅ケアにおける二大柱とも言える重要なサービスですが、同じ日時にサービスを提供することについては、制度上非常に厳しい制限が設けられています。

まず、なぜそのような制限があるのか、背景にある考え方と基本的な原則を深く理解することから始めましょう。

介護保険制度におけるサービス提供時間の概念

介護保険制度では、一人の利用者に対して、ひとつの時間帯にはひとつの事業者がサービスを提供することが大前提となっていて、これは、公的な保険料と税金を財源とする制度において、効率的かつ公平な給付を行うためです。

もし、ヘルパーが掃除をしている同じ部屋で、看護師が点滴の管理を行っているとしたらどうでしょうか。それぞれの業務は独立して行うことが可能であり、必ずしも同時に行う必然性がありません。

時間をずらして訪問すれば、それぞれの専門職が十分に役割を果たせると判断される場合、あえて時間を重ねて二重に報酬を発生させることは不適切と考えられます。

単に利用者の都合が良いから、あるいは事業者のスケジュール調整がつかないからといった理由での同時訪問は、算定の対象外となり、その時間は報酬が支払われません。

それぞれの専門職が果たすべき役割と区分

同時利用が原則禁止されている背景には、各専門職の役割分担が明確であることが前提です。

訪問介護員であるヘルパーは、食事や入浴、排泄などの身体介護や、調理、洗濯などの生活援助を担い、訪問看護師は、医師の指示に基づいた医療処置、病状の観察、リハビリテーションなどを担います。

本来、別々の職能であり、それぞれの専門性が発揮される場面も異なります。役割が異なる以上、時間を分けてそれぞれのケアに集中するほうが、サービスの質を担保しやすいという考え方も根底にあります。

訪問介護と訪問看護の業務領域の違い

サービス区分主な担当者業務の中心となる目的想定される具体的な行為
訪問介護ホームヘルパー日常生活の維持と身体機能のサポート食事介助、入浴介助、排泄介助、居室の清掃、衣類の洗濯
訪問看護看護師、理学療法士療養生活の支援と医療的ケアの実施バイタル測定、服薬管理、創傷処置、医療機器管理、リハビリ
ケアプランケアマネジャー生活課題の解決に向けたサービスの調整必要なサービス種類の選定、頻度の決定、時間割の調整

それぞれの業務は明確に区分されていて、通常は、この区分に従って別々の時間枠で訪問計画を立てますが、現場ではこれらが密接に関わり合う場面も少なくありません。

同時算定が否認される具体的な状況と理由

制度を運用する保険者である市町村は、レセプトと呼ばれる請求明細書を厳しく審査し、その際、訪問介護と訪問看護の時間が重複している記録があれば、整合性を確認します。

例えば、ヘルパーが買い物代行に出かけている間に、看護師が訪問して点滴交換を行うようなケースは、互いに協力して行う必要性が全くないため、同時算定は確実に否認されます。

また、単に見守りが必要という理由だけで、ヘルパーと看護師が同時に滞在することも認められにくいです。それぞれのサービスが独立して完結できるとみなされる限り、時間の重複は避けるように指導が入ります。

事業所側も返戻という報酬の支払い拒否を避けるため、慎重にスケジュールを管理します。

例外的に時間が重なることが認められる特別な事情

原則としては禁止されている同時利用ですが、現場にはどうしても二人の専門家が協力しなければ利用者の安全が守れない場面があります。

厚生労働省もそのような実情を考慮し、特定の条件下において、訪問介護と訪問看護が連携して同時にサービスを提供することを許可しています。

安全確保のために同時介入が必要な医学的根拠

同時訪問が認められる最大の理由は、利用者の身体的負担の軽減と安全の確保です。重度の麻痺があり自分では全く動けない方を移動させる際、呼吸状態が不安定で常時吸引が必要な場合などが該当します。

看護師が気道の管理や酸素飽和度のモニターを行いながら、ヘルパーが体位変換や移乗を行うといった連携です。

このように、医療的なリスク管理と身体的な介護動作が不可分な状態にあり、単独での実施が危険であると医師やケアマネジャー、そしてサービス提供責任者が判断した場合に限り、同時算定への道が開かれます。

厚生労働大臣が定める疾病等に該当する利用者

制度上、より手厚いケアが必要であると認められている特定の病気や状態があり、厚生労働大臣が定める疾病等と呼ばれ、医療保険や介護保険の特例適用の基準です。

リストに含まれる疾病を持つ利用者の場合、病状が変化しやすく、医療依存度が高いため、複数の専門職による手厚いサポートが認められやすくなります。

同時訪問が検討されやすい疾病や状態のリスト

  • 末期の悪性腫瘍である
  • 多発性硬化症や筋萎縮性側索硬化症などの指定難病である
  • 人工呼吸器を装着している
  • 頸髄損傷による四肢麻痺がある
  • 重度の褥瘡があり処置が必要である

このような状態にある方は、わずかな体位変換でも血圧が変動したり、呼吸苦が生じたりするリスクがあるため、安全を最優先にする観点から、同時訪問の必要性が認められるケースが多くなります。

緊急時や急性増悪期における柔軟な対応

慢性的な状態だけでなく、突発的な事態においても例外措置は適用されます。

利用者の容態が急変し、家族がパニックになっているような状況で、その際は、看護師が駆けつけて医療的な処置を行い、同時にヘルパーが駆けつけて環境整備や家族のサポートを行うといったケースです。

計画的な同時訪問とは異なり、緊急時訪問として扱われ、また、退院直後で在宅生活の基盤が整っていない時期や、看取りが近い時期など、状態が著しく不安定な時期にも、チーム全体で支えるために一時的に同時訪問を行うことがあります。

2人のスタッフが必要となる2名介助の厳格な要件

訪問介護と訪問看護の同時利用は、広い意味での2名介助に含まれますが、制度上の2名介助加算とは少し意味合いが異なります。ここでは、複数のスタッフが関わることの正当性がどのように判断されるか、詳細な要件について解説します。

身体的な理由による複数名対応の必然性

利用者の体重が重く、一人の介助者では腰痛などの労働災害リスクが高まる場合や、関節の拘縮が強く、無理な姿勢を取らせると骨折の危険がある場合などは、物理的に二人の手が必要です。

一人が上半身を支え、もう一人が下半身を支えることで、安全かつ安楽に移動や更衣を行うことができ、この役割を、訪問介護員二人で行うこともあれば、医療処置を伴う場合は看護師とヘルパーのペアで行うこともあります。

重要なのは、なぜ一人では無理なのかという具体的かつ客観的な理由です。

暴力行為や精神状態による安全管理上の理由

身体的な理由だけでなく、利用者の精神状態や行動障害も2名介助の理由となり得ます。認知症や精神疾患により、介護者に対して激しい抵抗や暴力、暴言がある場合、あるいはセクシャルハラスメントなどの問題行動がある場合です。

スタッフ一人の安全を確保し、かつ利用者自身が興奮して怪我をしないように見守るために、二人体制での訪問が必要となります。

この場合、看護師が精神状態の観察や興奮を鎮めるための対応を行い、ヘルパーが手早くケアを行うという役割分担が効果的です。

2名介助が必要と認められる条件

  • 体重が重く、一人での抱え上げが困難である
  • 著しい拘縮があり、慎重な体位変換が必要である
  • 暴力や暴言が激しく、一人での対応が危険である
  • 徘徊や異食などの予測不能な行動があり、見守りが必要である
  • エレベーターのない高層階など、環境的な要因で搬送に二人が必要である

算定を行うためのプロセスと記録の重要性

例外的に同時算定を行うためには、単に現場で必要だと判断するだけでは不十分で、正式な手順を踏んで、必要性を文書化する必要があります。まず、医師の意見書や指示書に、利用者の状態が詳細に記載されていることが出発点です。

それを基に、ケアマネジャーが居宅サービス計画書(ケアプラン)の原案を作成し、同時訪問の必要性を明記し、サービス担当者会議を開催し、関係者全員でそのプランが妥当であるかを検討し、合意を得ます。

合意形成の過程が記録に残っていないと、後の実地指導などで指摘を受ける可能性があります。

訪問看護と訪問介護の連携が特に必要なシーン

では、実際にどのような場面でヘルパーと看護師の時間が重なるのでしょうか。ここでは、現場で頻繁に見られる連携のパターンをいくつか紹介します。

入浴介助における高度な連携

在宅療養において、入浴は清潔を保つだけでなく、リラックス効果や血行促進など多くのメリットがありますが、同時にリスクも高い行為です。特に全身状態が悪い方や、多くの医療機器を付けている方の入浴は、ヘルパー単独では困難です。

入浴介助時の役割分担例

段階訪問看護師の動きホームヘルパーの動き
入浴前バイタル測定、全身状態の観察、点滴やカテーテルの保護浴室の準備、着替えの準備、移動経路の確保
入浴中顔色や呼吸状態の監視、洗身の補助、創傷部位の洗浄利用者の身体の保持、洗髪や洗身、浴槽への出入りの介助
入浴後バイタル再測定、処置(軟膏塗布やガーゼ交換)、着衣後の観察水分補給の準備、更衣介助、整髪、浴室の片付け

看護師が司令塔となって医学的な管理を行い、ヘルパーが実動部隊として身体介護を行うことで、安全な入浴が可能になります。

排泄ケアと皮膚トラブルへの対応

寝たきりの方にとって、排泄ケアとそれに伴う皮膚トラブルの予防は切実な問題です。重度の褥瘡(床ずれ)がある場合、排泄介助のたびに処置が必要になります。

ヘルパーがオムツを交換し、汚れた部位を洗浄している間に、看護師が褥瘡の状態を観察し、薬を塗ってガーゼを当てるという連携です。

また、便秘がひどく摘便が必要な場合も、看護師が医療行為としての摘便を行い、ヘルパーが排泄物の処理や体位の保持を行うことで、スムーズかつ短時間でケアを終えることができます。

呼吸管理が必要な方へのケア

ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの神経難病や、重度の呼吸器疾患を持つ方の場合、呼吸状態の管理は生命に直結します。体位変換一つをとっても、痰が移動して気道を塞ぐリスクがあるため、慎重に行わなければなりません。

看護師が聴診器で肺の音を聞き、吸引機を操作して気道を確保しながら、ヘルパーがクッションを使って安楽な姿勢を整えるといった連携です。

人工呼吸器のアラームが鳴った際に、原因を特定して対処するのは看護師の役割ですが、その間に身体を支えたり、必要な物品を渡したりするヘルパーの存在は、看護師にとっても大きな助けとなります。

呼吸器ケアにおける連携タスク

ケア項目医療的視点(看護師)生活支援的視点(ヘルパー)
体位変換肺の拡張を促す体位の選定、呼吸苦の有無の確認摩擦やずれを防ぐ丁寧な体位変換、良肢位の保持
喀痰吸引無菌操作による吸引、性状の観察、カニューレ管理口腔内の清拭、吸引瓶の洗浄、ガーゼ等の準備
機材管理回路の緩みや閉塞の確認、設定値の確認電源の確保、機材周りの清掃、加湿水の補充

医療保険と介護保険の適用によるルールの違い

訪問看護は、利用者の病状や年齢によって、介護保険を使う場合と医療保険を使う場合があります。保険の切り替わりは非常に複雑であり、同時利用のルールにも微妙な影響を与えます。

介護保険が優先される原則と例外

65歳以上の方(または40歳以上で特定疾病の方)は、原則として介護保険を使って訪問看護を利用します。

この場合、訪問介護と同じくケアプランの中に位置づけられ、支給限度基準額(利用できる点数の上限)の枠内でやりくりしなければなりません。

したがって、訪問介護と訪問看護を同時に使うと、その分だけ点数を多く消費し、他のサービスを削らなければならない事態になりがちです。

医療保険が適用される条件とメリット

特定の条件を満たす場合には、介護保険ではなく医療保険が適用されます。医療保険が適用されると、介護保険の支給限度基準額とは別枠で計算されるため、点数を気にせずに訪問看護を利用できるという大きなメリットがあります。

医療保険適用となる主なトリガー

  • 厚生労働大臣が定める疾病等(がん末期や難病など)に該当する場合
  • 精神科訪問看護指示書が交付されている場合
  • 急性増悪期などで医師から特別訪問看護指示書が交付された場合

「特別訪問看護指示書」が出ると、14日間などの期間限定で毎日、あるいは1日に複数回の訪問看護が可能になります。

この期間は病状が不安定なため、ヘルパーとの連携も密になりますが、保険制度が異なる(ヘルパーは介護、ナースは医療)ため、制度上の同時算定禁止の縛りが直接的には適用されにくい側面があります。

ただし、無駄な重複は許されないという基本原則は変わりません。

保険が異なるときの調整実務

訪問介護は介護保険、訪問看護は医療保険というねじれの状態になったとき、ケアマネジャーの役割が重要です。制度が違うからといってバラバラに動くのではなく、一つのチームとして機能させる必要があります。

医療保険での訪問看護は、訪問看護ステーションと医師が直接やり取りをして回数を決めることも多いですが、生活全体をコーディネートするのはケアマネジャーです。

ヘルパーが入る時間に、医療的な処置が必要なタイミングを合わせるのか、あえてずらすのか、保険の種類にかかわらず利用者にとってベストなタイミングを模索します。

費用負担と経済的な影響について

利用者や家族にとって最も現実的な悩みは、やはり費用です。二つの専門職が同時に動くということは、それだけコストがかかることを意味します。

利用者負担額の計算の仕組み

介護保険サービスを利用する場合、かかった費用の1割から3割(所得による)を利用者が負担します。訪問介護と訪問看護を同時に利用し、それが正当なものとして算定された場合、それぞれのサービスコードに基づいて費用が計算されます。

30分の身体介護と30分の訪問看護を同時に受けた場合、それぞれの30分ぶんの料金が発生し、合計額の1割等を支払うことになり、セット割引のようなものはありません。

区分支給限度基準額との兼ね合い

介護保険には、要介護度ごとに使える月額の上限が決まっていて、これを区分支給限度基準額といい、訪問介護と訪問看護を頻繁に同時利用すると、あっという間にこの上限に達してしまいます。

上限を超えた分は、保険が効かず全額自己負担(10割負担)となってしまいます。これは家計にとって莫大な負担となるため、ケアマネジャーは限度額を超えないように、本当に必要な時だけ同時利用を行うようにプランを調整します。

費用が増加する要因の整理

要因内容負担増のイメージ
ダブル利用ヘルパーとナースの正規料金が両方発生通常の約2倍の単位数消化
時間外加算早朝(6-8時)や夜間(18-22時)の利用基本料金の25%増し
緊急時加算計画外の緊急訪問を行った場合1回につき所定の単位数が加算
2人介助加算ヘルパーが2名体制で入る場合単位数が100%加算(2倍)

高額介護サービス費による救済

負担が大きくなりすぎた場合、高額介護サービス費という制度が利用でき、世帯の所得に応じて決められた月々の上限額を超えた分が、申請により払い戻される制度です。

同時利用によって一時的に支払いが増えたとしても、この制度を活用することで、最終的な実質負担額を一定の範囲内に抑えることができます。

医療保険と介護保険の両方の負担が高額になった場合には、高額医療・高額介護合算制度という仕組みもあります。

ケアマネジャーとの相談と手続きの流れ

訪問介護と訪問看護の同時利用を実現するためには、ケアマネジャーを中心とした関係機関との調整が不可欠で、利用者や家族が勝手に決めて呼ぶことはできません。

具体的な困りごとを明確に伝える

相談の第一歩は、現状の何に困っているかを具体的に言語化することです。

「大変だから誰か来て」という抽象的な訴えではなく、「入浴時に私(家族)一人では支えきれず、転倒しそうになった」「呼吸器のアラームが鳴るとパニックになり、オムツ交換どころではない」といった具体的なエピソードを伝えます。

ケアマネジャーは「それは医学的な管理下での介助が必要だ」という判断材料を得ることができます。

サービス担当者会議での合意形成

ケアプランを変更する際には、必ずサービス担当者会議が開かれ、ここでは、医師(または医師の指示を受けた看護師)、ケアマネジャー、ヘルパーの責任者、そして本人と家族が集まります。

担当者会議で確認すべき重要事項

  • 同時訪問を行う具体的な目的と目標(何を解決したいのか)
  • どの時間帯に、週何回行うか
  • いつまで継続するか(期間の設定)
  • 緊急時の連絡体制と役割分担
  • 費用負担の見込み額と家族の同意

会議で全員が「必要である」と認め、内容が議事録に残されることで、初めて正式なプランとして動き出します。

医師の指示書の重要性

訪問看護が動くためには、必ず主治医からの訪問看護指示書が必要です。同時利用が必要なほど状態が重い場合、医師もその状況を理解しているはずです。

ケアマネジャーから医師に対して、現場の状況(ヘルパーだけでは対応困難であること)を伝えてもらい、医師から医学的な見地での必要性を認めてもらうことが、算定を確実にするための鍵となります。

医師が必要性を認めれば、指示書にその旨が記載されたり、より頻回な訪問を許可する指示が出たりします。

家族が準備できることと心構え

専門職の連携に任せるだけでなく、家族の協力もスムーズなケアのためには重要です。限られた時間の中で最大限の効果を出すために、家族側で準備できることがあります。

情報共有ノートの活用

複数の事業所が出入りする場合、情報の行き違いが起こりやすくなります。大学ノートなどを1冊用意し、連携ノートとして活用することをお勧めします。

ヘルパーが気づいた皮膚の赤みを記入し、それを見た看護師が処置をして経過を記入する、といったリレー形式の記録です。家族も、夜間の様子などをそこに記入することで、チーム全体で利用者の状態を把握できます。

ケア環境の整備

二人のスタッフと利用者が一つの部屋に入ると、スペースが狭くなります。

処置や介助がしやすいように、ベッド周りの物を片付けておく、必要な物品(オムツ、ガーゼ、着替えなど)をすぐに取り出せる場所にまとめておくといった準備をしておくと、ケア時間を有効に使えます。

訪問前に家族が確認しておきたいチェックリスト

  • 部屋の温度は適切か(入浴時などは特に)
  • 処置に必要な照明は十分か
  • スタッフが手を洗う場所(洗面所など)は確保されているか
  • 駐車スペースは確保されているか(2台分必要な場合など)
  • ペットはケージに入れているか(安全確保のため)

よくある質問(FAQ)

ここでは、訪問介護と訪問看護の同時利用について、患者さんやご家族からよく寄せられる質問にお答えします。

訪問看護と訪問介護が同時に来ると、料金は単純に2倍になりますか?

基本的には、それぞれのサービス料金が発生するため、費用は合算されて高くなりますが、単純に2倍というわけではありません。それぞれのサービスには固有の単位数が設定されており、利用時間や内容によって異なります。

また、医療保険が適用される訪問看護の場合は計算方法が全く異なります。高額介護サービス費などの負担軽減制度が適用される場合もあるため、正確な自己負担額については、必ずケアマネジャーに試算を依頼してください。

家族の希望だけで、時間を重ねて来てもらうことはできますか?

ご家族の希望だけでは認められず、客観的な必要性が証明されなければなりません。

介護保険は公的な制度であるため、「家族が留守にするから」「一度で済ませたいから」といった個人的な都合だけでは、同時算定は認められません。

医師やケアマネジャーが「利用者の安全確保や療養上の必要性から、二つのサービスが同時に連携しなければならない」と判断した場合にのみ、例外的に認められます。まずは困っている具体的な状況を相談してください。

訪問看護師にお願いすれば、ついでに部屋の掃除もしてもらえますか?

訪問看護師は医療ケアを行う専門職であり、掃除や洗濯などの家事援助は行いません。訪問看護の役割は、病状の観察や医療処置、リハビリテーションなどです。

日常生活の援助は訪問介護(ヘルパー)の役割と法律で明確に分けられています。同時訪問している場合でも、看護師は医療的な管理に集中し、ヘルパーが環境整備を行うというように、役割を分担してケアにあたります。

状態が急変したとき、ヘルパーさんと看護師さんに同時に来てもらうことは可能ですか?

緊急時においては、事前の計画になくても同時に対応することが可能です。利用者の生命に関わるような緊急事態が発生した場合は、制度の原則よりも人命救助が最優先されます。

ヘルパーが発見して看護師を呼び、到着までの間に救急対応を連携して行うといったケースでは、緊急時訪問として適切に処理されます。このような事態に備えて、緊急時の連絡網を日頃から確認しておくことが大切です。

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以上

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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