厚生労働大臣が定める疾病等とは?訪問看護が医療保険になるケース

厚生労働大臣が定める疾病等とは?訪問看護が医療保険になるケース

特定の重い病気や末期の状態にある方は、介護保険ではなく医療保険で訪問看護を利用することになり、切り替えの基準となるのが厚生労働大臣が定める疾病等です。がん末期やALS、難病など20種類の疾患が指定されています。

医療保険が適用されると、介護保険の限度額を気にせず毎日訪問を受けることが可能になり、家族の介護負担を大幅に軽減できる道が開けます。

この記事では、対象となる疾患のリストや、医師が発行する特別指示書による一時的な切り替えルールまで詳しく解説します。


目次

介護保険ではなく医療保険で訪問看護を利用できる対象者の条件を整理しました

訪問看護の利用において、要介護認定を受けている方は原則として介護保険が優先されますが、病状が非常に重い場合に限り、例外的に医療保険が適用されます。

これは、介護保険の限度額内ではカバーできないほど頻繁な看護が必要な患者さんを守るための救済措置です。

年齢や要介護認定の有無にかかわらず医療保険が優先される決断の基準を確認してください

40歳未満の方は本来、介護保険の対象外であるため、訪問看護を利用する際は自動的に医療保険の枠組みを使うことになります。この世代の方々にとっては、病気の種類を問わず医療的なサポートを直接受ける権利が保障されている状態です。

65歳以上の方や特定の持病を持つ40歳から64歳の方は、通常は要介護認定を受けて介護保険のサービスを利用しますが、特定の重症疾患に該当した場合は、年齢にかかわらず医療保険が最優先されるルールへと切り替わります。

優先順位の変更は、医療的な必要性が福祉的なケアを上回ったと国が判断した結果です。そのため、本人の希望やケアマネジャーの判断でどちらかを選ぶことはできず、疾患名や状態によって自動的に請求先が決定される仕組みとなっています。

制度の切り替えが発生すると、介護保険で利用していた他のサービスに予算を回せるようになります。波及効果として、福祉用具のレンタルやヘルパーの回数を増やすなど、生活の基盤をより強固に整えることが可能になるのです。

ケアマネジャーのプランとは別枠で訪問看護が必要な理由を紐解きます

介護保険を利用している場合、訪問看護の回数は他のデイサービスや福祉用具のレンタル費用との兼ね合いで決まります。一ヶ月に使える単位数には上限があるため、どうしても週に数回の訪問で妥協せざるを得ないケースが少なくありません。

しかし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する患者さんの場合、その容体は一刻を争うこともあります。こうした方々に対して、介護保険の予算枠を理由に看護の回数を制限することは、生命の安全を守る上で大きなリスクとなります。

こうした背景から、特定の疾患については介護保険の枠外として扱うことが定められました。医療保険の適用になれば、ケアマネジャーが作成するケアプランの単位数を一切消費せずに、必要な分だけ看護師を呼べるという恩恵を受けられます。

この仕組みは、在宅での終末期ケアや高度な医療管理を継続するために不可欠なものです。医療保険に切り替わることで、予算の心配をすることなく、医師の指示に基づいた最適な看護スケジュールを組み立てることが可能になります。

制度の優先順位が逆転するタイミングを逃さず把握してください

医療保険への移行が確定するのは、主治医が特定の病名を診断し、訪問看護ステーションに対して医療保険用の指示書を発行した時点です。このタイミングを正確に把握しておくことで、介護保険のプラン変更もスムーズに進めることができます。

例えば、がんの診断を受けて介護保険で生活を支えていた方が、症状の進行により末期状態であると医師に判断された時です。その診断が下された日から、訪問看護の費用は医療保険へと即座に切り替わり、手厚い体制へと移行します。

また、急激な体調の悪化により、一時的に医療保険での頻回な介入が必要になる場合もあり、この際も、医師の判断一つで保険の優先順位が動くため、利用者や家族は常に最新の診断状況を確認しておくことが推奨されます。

切り替えのタイミングを逃さないためには、ステーションの看護師やケアマネジャーとの情報共有が欠かせません。制度の変更を迅速に反映させることで、経済的な自己負担の計算ミスを防ぎ、安定した療養環境を維持することにつながります。

保険適用の基本ルールをまとめた指標

利用者の状態適用される保険優先度の考え方
40歳未満の一般疾患医療保険介護保険の対象外
65歳以上で一般疾患介護保険介護保険優先の原則
別表第7に該当する方医療保険疾患の重症度を優先

別表第7に記載されている厚生労働大臣が定める疾病等の内容を詳しく紹介します

医療保険が適用されるための基準となるリストは、厚生労働省によって別表第7として公表されています。ここには末期がんから難病まで20種類の項目が並んでおり、これらに合致することが医療保険適用の絶対条件となります。

末期の悪性腫瘍や難病など特定の病名がこのリストに含まれています

別表第7の筆頭に記載されているのが末期の悪性腫瘍です。これはがんの進行により、治癒を目指す治療から苦痛の緩和を主眼に置く段階へ移行した状態を指します。この段階では、毎日の疼痛管理や精神的ケアが欠かせません。

医療保険の適用を受けることで、看護師は毎日訪問して麻薬の管理や体調の確認を行うことができます。患者さんが最期まで自分らしく家で過ごすためには、この頻回な看護介入が生命線となります。

また、リストには多くの指定難病も名を連ねています。多発性硬化症や重症筋無力症など、長期にわたり専門的な医療管理を必要とする疾患が対象です。病気は進行のスピードや症状が人によって大きく異なるため、個別のケアが重視されます。

こうした難病の方は、体調が安定している時期であっても、急な悪化に備えて看護師の定期的な観察が必要です。医療保険の枠組みであれば、介護保険の予算を圧迫することなく、何年にもわたって継続的なサポートを受けることが可能になります。

神経難病の患者さんが在宅で安心して過ごすための疾患リストです

神経難病と呼ばれる疾患群は、別表第7において非常に重要な位置を占めています。筋萎縮性側索硬化症、いわゆるALSを筆頭に、脊髄小脳変性症や多系統萎縮症などが具体的に指定されています。

これらの疾患は脳や脊髄の神経が変性し、徐々に身体の自由が奪われていく特性を持っています。特に呼吸筋が弱まるケースでは、在宅での人工呼吸器管理が必要となるため、看護師による24時間の見守り体制が求められるのです。

医療保険による訪問看護では、リハビリ専門職による呼吸リハビリや、看護師による痰の吸引を頻繁に実施できます。これにより、入院中と同等の安全性を確保しながら、住み慣れた家での生活を維持する道が拓かれます。

さらに、進行性筋ジストロフィー症やハンチントン病なども対象となっており、幅広い神経疾患を網羅しています。こうした病気と向き合う家族にとって、医療保険による手厚い介入は、精神的な孤立を防ぐための大きな支えとなるはずです。

医療機器への依存度が高い方の生活を支えるための特別な規定です

リストには特定の病名だけでなく、人工呼吸器を使用している状態や、気管切開を行っている状態なども含まれ、病名にかかわらず、高度な医療機器を扱っていること自体を重症とみなす考え方に基づいています。

人工呼吸器のトラブルは数分間の停止が命に関わるため、専門知識を持った看護師のチェックが不可欠です。医療保険が適用されることで、機器の設定確認や回路の交換、周囲の皮膚ケアなどを丁寧に行えるようになります。

また、中心静脈栄養を実施している状態や、重度の褥瘡がある場合も、この枠組みでの看護が認められます。高カロリーの点滴を管理する際、感染症のリスクを最小限に抑えるためには、プロによる清潔操作と観察が欠かせません。

別表第7に該当する主要な疾患リスト

疾患の分類疾患名の具体例看護で重視されるケア
がん関連末期の悪性腫瘍緩和ケアと痛みの管理
神経難病筋萎縮性側索硬化症(ALS)呼吸管理と吸引対応
進行性疾患多系統萎縮症動作維持と合併症予防

難病や特定の状態にある方が医療保険での訪問看護を選ぶべきメリットは何ですか?

医療保険での訪問看護に移行することは、単なる手続きの変更以上の価値を利用者に提供します。特に重症の方にとって、医療保険の適用は在宅介護を続けられるかどうかを左右するほど、質的な変化をもたらすものです。

支給限度額の枠を一切気にせず毎日でも看護師のサポートを受けられます

介護保険には、要介護度ごとに定められた一ヶ月に使えるお金の上限額があります。デイサービスやヘルパーを組み合わせていくと、訪問看護に回せる予算が足りなくなり、回数を減らさざるを得ないケースが多々あります。

医療保険に切り替われば、訪問看護の費用はこの介護保険の枠から完全に切り離され、限度額を一切気にすることなく、医師が必要と判断した回数分だけ看護師を呼べるようになるのです。

毎日訪問してもらうことも、一日に複数回訪問してもらうことも、制度上の制限はありません。この経済的・制度的な自由度は、家族の介護負担を劇的に減らし、患者さん本人にとっても安全な療養生活を約束する大きな強みです。

複数のステーションが連携して24時間の安心を届ける体制が整います

通常、介護保険では一つの訪問看護ステーションのみと契約してサービスを受けますが、医療保険では例外が認められます。厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方に限り、最大で3つのステーションを併用することが可能です。

例えば、平日はリハビリに特化した事業所、夜間や休日の対応は24時間体制の事業所といった使い分けができます。それぞれのステーションが持つ得意分野を組み合わせることで、隙のない完璧な看護チームを作れるのが利点です。

複数の事業所が関わることで、一人の看護師が急病で来られないといったリスクも分散できます。常に複数の専門職が自分を見守ってくれているという状況は、病院のナースコールがそばにあるような安心感を家庭内にもたらします。

事業所間で情報を共有しながら、多角的な視点で状態を観察できるのも大きなメリットです。

寝たきりを防ぐためにリハビリの回数を確保する秘訣をお伝えします

訪問看護ステーションからは、看護師だけでなく理学療法士や作業療法士も派遣されます。難病の方は筋肉や関節が固まりやすいため、継続的なリハビリが身体機能の維持には絶対的な条件です。

医療保険での利用であれば、リハビリの回数も疾患の管理という目的のもとで、柔軟に設定できます。介護保険の回数制限に縛られず、本人の体力や意向に合わせた訓練を、必要な頻度で継続できます。

専門職による適切な指導を頻繁に受けることで、床ずれの予防や飲み込み機能の維持が期待できます。単に身体を動かすだけでなく、家の中の環境を整えるアドバイスを受けることで、自立した生活を長く楽しむことが可能になります。

また、言葉が出にくくなった方のための言語訓練なども、医療保険の枠組みでしっかりと実施できます。


医療保険が適用される訪問看護の回数や利用時間のルールを正しく把握しましょう

医療保険で訪問看護を利用する場合、介護保険とは異なる独自の運用ルールが適用されます。訪問回数や滞在時間の考え方を理解しておくことで、より現実的で無理のない療養計画を立てることが可能です。

週3回の制限を越えて密接なケアを実現できる特別な運用ルールです

通常の医療保険による訪問看護は、原則として週に3回までという上限が設けられていますが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方については、この回数制限が完全に撤廃されることになっています。

土日を含む週7日の訪問も、月30回の訪問も、医師が必要と認めればすべて保険の範囲内で認められます。末期がんや人工呼吸器を使用している方にとって、この柔軟な回数設定は命を守るためのセーフティネットです。

毎日看護師が顔を出してくれる体制ができれば、家族の不安は大幅に軽減され、体調のわずかな変化もその場で相談できるため、不安が大きくなる夜間を迎える前に適切な対処を済ませておくことができます。

1回の滞在時間を有効に活用して高度な処置を完結させる方法です

医療保険での訪問看護時間は、基本的には30分から90分程度が標準的な枠組みとされています。この時間の中で、全身状態の確認から点滴の管理、清拭や排泄ケアといった一連の処置をスムーズに行います。

難病の方でケアの項目が多い場合は、時間をフルに活用して丁寧な看護が提供されます。もし処置の内容が非常に複雑で、90分を超える長時間の滞在が必要な場合は、特別な指示のもとで時間を延長することも可能です。

時間は限られていますが、熟練した看護師は効率的に動きながら、家族への技術指導も同時に進めてくれます。滞在時間中に何をしてほしいか、優先順位を決めて伝えておくことで、より中身の濃い看護を受けられるようになります。

短時間であっても毎日専門家の目が入ることは、在宅療養の質を決定づける重要な要素です。時間の長さそのものにこだわるのではなく、必要な処置が正確に行われ、不安が解消されているかという質的な側面を重視しましょう。

家族の不安に寄り添うための夜間や早朝の緊急対応体制について

重症患者さんの在宅生活において、最も大きな不安は夜間の急変です。医療保険の訪問看護では、24時間365日いつでも電話連絡がつく緊急対応体制を整えているステーションが多く存在します。

夜中に熱が出たり、カテーテルが抜けたりといった緊急事態に直面した際、電話一本で看護師のアドバイスを受けられます。さらに、電話だけで解決しないと判断されれば、看護師が即座に自宅まで駆けつけてくれる仕組みです。

この緊急訪問は通常の定期訪問とは別枠で計算されるため、回数を気にする必要はありません。深夜や早朝であっても、プロが駆けつけてくれるという安心感があるからこそ、家族は安心して夜を越せます。

ステーションを選ぶ際は、この24時間対応の実績や、夜間の緊急訪問体制がどれほど充実しているかを確認してください。

訪問頻度と時間の違いを比較

項目一般的な医療保険利用厚生労働大臣が定める疾病等
基本的な訪問回数週3回まで制限なし(毎日可能)
1日の訪問回数原則1回必要に応じて2~3回
緊急時の対応契約により可能強く推奨される(ほぼ必須)

医師が発行する特別訪問看護指示書が医療保険の切り替えに果たす役割に注目します

特定の疾患リストに載っていなくても、一時的に医療保険での訪問看護を受けられる救済策があります。それが医師の発行する特別訪問看護指示書であり、病状の悪化というピンチの時に手厚い看護を届けるための切り札です。

急な病状の変化や退院直後の最も不安定な時期を乗り越えるための対策は?

特別訪問看護指示書は、急性増悪と呼ばれる急な病状悪化時や、退院直後の不安定な時期に発行されます。この指示書が出されると、介護保険の認定を受けている方でも、その期間だけ医療保険での看護が可能になります。

例えば、自宅で肺炎を起こして連日の点滴が必要になった時や、手術後の傷の処置が毎日必要な時などが該当します。退院したばかりで、家族が痰の吸引や経管栄養の手技に慣れていない時期にも、この指示書が大きな助けとなります。

医師が医学的な判断に基づいて緊急性を認めた場合にのみ発行されるため、非常に高い信頼性を持つ書類で、一時的に回数制限をなくして、集中的に看護師が介入することで、再入院のリスクを最小限に抑えることが目的です。

この仕組みは、在宅での集中治療室のような役割を果たしています。容体が急変した際に、速やかに指示書を検討してくれる主治医との関係性を築いておくことが、在宅療養の安全性を高めることにつながります。

14日間という限られた期間を最大限に活用して体調を整えます

特別訪問看護指示書の効力は、発行日から数えて最大14日間と決められています。この2週間という短い期間の中で、看護師は毎日訪問して集中的なケアを行い、病状の安定と家族のスキルアップを強力にサポートします。

通常、この指示書は月に1回しか発行できませんが、特定の重い状態にある方は月に2回まで発行可能です。合計28日間の集中ケアが受けられることで、重度の褥瘡や難治性の感染症であっても、じっくりと腰を据えて治療に取り組めます。

短期間だからこそ、14日間で何を解決するのかという目標設定が非常に重要となります。例えば「点滴なしで栄養が取れるようになるまで」や「家族が一人で吸引できるようになるまで」といった具体的なゴールを共有しましょう。

褥瘡やカテーテル管理といった専門的な処置が急増したときの判断基準

目に見える病状の変化だけでなく、処置の難易度が上がった際にも特別指示書は発行されます。代表的な例が、真皮を超える深い褥瘡、いわゆる床ずれの処置です。毎日患部を洗浄して薬を塗らなければ、悪化の一途を辿ってしまいます。

また、尿道カテーテルや人工肛門の周囲が荒れてしまい、頻繁な皮膚ケアが必要になった場合なども対象です。こうした専門的な清潔操作は、家族だけで行うと感染症を引き起こすリスクがあるため、プロの介入が強く求められます。

医師が必要性を認めれば、指示書によって毎日看護師が自宅を訪れ、患部の処置と経過観察を行います。適切なケアを継続することで、悪化を食い止めるだけでなく、治癒に向けた前向きな変化を引き出すことが可能になります。

こうした困りごとがある際は、遠慮なくステーションや医師に相談してください。


訪問看護を医療保険で利用する際にかかる費用と自己負担割合を解説します

医療保険での利用において、家計への負担がどの程度になるかは非常に重要な問題です。介護保険とは計算の仕組みが異なりますが、公費助成制度を賢く組み合わせることで、支払額を大幅に抑えることが可能になります。

所得や年齢によって決まる負担額を事前にシミュレーションしましょう

医療保険の自己負担割合は、基本的には病院の窓口で支払う割合と同じルールに基づいています。75歳以上の方は原則1割、70歳から74歳の方は2割、それ以下の方は3割となります。ただし、所得によっては負担割合が上がることもあります。

訪問看護の料金は、基本となる療養費に加えて、早朝・夜間訪問や難病管理などの加算を合算して計算されます。一見すると複雑に見えますが、ステーションの事務スタッフが事前に丁寧な概算見積もりを作成してくれるのが一般的です。

例えば、週に3回訪問を受ける場合の一ヶ月の目安や、毎日訪問になった場合の最大負担額などを確認しておきましょう。あらかじめ支払いのイメージを持っておくことで、経済的な不安に振り回されることなく、治療に専念できるようになります。

負担割合が3割の方であっても、後述する高額療養費制度などのセーフティネットが用意されています。まずは自分の保険証を確認し、どの割合に該当するかを把握することから始めてみてください。

高額療養費制度や公費助成を組み合わせて家計の負担を大幅に減らします

医療保険には高額療養費制度があり、一ヶ月の支払額が一定の上限を超えた場合には、その差額が後で払い戻され、毎日訪問看護を利用したとしても、家計が破綻するような多額の支払いを続ける必要はありません。

さらに、別表第7に該当する方の多くは、指定難病の受給者証を取得できる可能性が高いです。これを利用すれば、一ヶ月の自己負担額に数千円から数万円という低い上限が設定され、それ以上の支払いは原則として発生しなくなります。

自治体によっては、重度の障害者に対する医療費助成制度もあり、窓口での支払いが実質無料になるケースもあります。制度の有無や申請方法は、地域の役所やソーシャルワーカーが詳しく教えてくれます。

使える制度を漏れなく活用することは、長期にわたる在宅療養を成功させるための重要な戦略です。手続きには多少の手間がかかりますが、波及効果として得られる経済的な安心感は、何物にも代えがたいものとなるでしょう。

難病管理や緊急対応に伴う加算費用の内訳を透明化しました

訪問看護の料金明細には、基本料金のほかに「加算」という項目がいくつか記載されています。これは、難病患者さんへの専門的なケアや、24時間の待機体制を維持するための経費として認められているものです。

例えば、難病等特別訪問看護管理加算は、複雑な病態を持つ方を管理するための技術料として毎月算定されます。また、緊急時に駆けつけられる体制を整えているステーションでは、その維持費としての加算も発生します。

加算は、利用者にとって「質の高い看護と安心」を担保するための保険のようなものです。夜中に何かあった時にすぐに連絡がつく体制を維持するためには、どうしても一定のコストが必要になるという背景があります。

契約時にどのような加算が発生し、それぞれどのような意味があるのかを、ステーションから詳しく説明してもらいましょう。費用の内訳を正しく理解しておくことが、医療チームとの信頼関係を深める第一歩となります。

医療保険費用の構造的な特徴

項目の種類具体的な内容発生する頻度
基本療養費看護師の訪問に対する基本報酬訪問のたびに発生
管理加算難病管理や24時間体制の維持費月に1回発生
特別指示加算急性増悪時の集中ケアに対する加算指示書が出た際に発生

Q&A

末期がん以外の疾患でも対象になりますか?

はい、末期がん以外の多くの疾患も対象に含まれます。

筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、多発性硬化症、重症筋無力症、進行性筋ジストロフィー症、ハンチントン病などの神経難病が数多く指定されています。

また、人工呼吸器を使用している状態や、気管切開を行っている状態など、高度な医療管理が必要な場合も、病名にかかわらず医療保険での訪問看護を受けることができます。

週に何回まで訪問看護師に来てもらえますか?

このケースに該当する場合、訪問回数に制限はありません。

通常の医療保険では原則週3回までと決まっていますが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する患者さんは、必要に応じて毎日訪問を受けることが可能です。

さらに病状が不安定な場合には、1日に2回や3回の訪問も認められており、24時間体制で手厚い看護を受けることができる仕組みになっています。

複数の訪問看護ステーションを医療保険で同時に利用することは可能ですか?

厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方に限り、最大3箇所までのステーションを併用できます。

通常、訪問看護は1つの事業所のみの利用が原則ですが、医療的な必要性が高いこのケースでは、複数の事業所が連携してケアに当たることが認められています。

例えば「日中はリハビリ専門のステーション」「夜間や緊急時は24時間対応のステーション」といった形で、それぞれの強みを活かしたチームを組むことで、24時間365日の安心を実現できます。

特別訪問看護指示書による医療保険への切り替えは何度でも行えますか?

原則として月に1回(14日間)ですが、特定の条件を満たせば月に2回まで発行が可能です。

特別訪問看護指示書は急性増悪時や退院直後などに発行されるもので、基本的には1回につき14日間の有効期限があります。

ただし、気管カニューレを使用している状態や、真皮を越える重度の褥瘡(床ずれ)があるなど、継続的な集中ケアが必要な特定の状態にある方の場合は、同一月内に2回まで発行でき、最大28日間の医療保険利用が可能となります。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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