訪問看護は毎日来てもらえる?毎日訪問の条件と費用

訪問看護は毎日来てもらえる?毎日訪問の条件と費用

訪問看護は、条件を満たせば毎日利用できます。医療保険を使う場合と介護保険を使う場合で利用回数の上限やかかる費用が異なるため、ご自身やご家族の状況に合わせた制度選びが大切です。

毎日の訪問が必要になる場面としては、がん末期の痛みのコントロール、退院直後の不安定な時期、人工呼吸器の管理などが挙げられます。主治医から「特別訪問看護指示書」が出れば、医療保険で最長14日間の連日訪問が可能になります。

この記事では、毎日訪問を実現するための条件や手続き、費用の目安、受けられるケアの内容まで、訪問看護を検討中の方が知りたい情報を幅広くまとめています。

目次

訪問看護を毎日利用できるかは保険制度で変わる

結論として、訪問看護は毎日受けることが可能です。ただし、利用する保険が医療保険か介護保険かによって、訪問できる回数の上限や手続きが大きく異なります。どちらの保険が適用されるかは年齢や疾患によって決まるため、まずその仕組みを整理しておきましょう。

医療保険の訪問看護は原則週3回まで

医療保険を使った訪問看護では、通常は週3日が上限です。1回の訪問時間は30分から90分程度が一般的で、主治医が発行する「訪問看護指示書」に基づいてサービスを提供する仕組みです。

ただし、厚生労働大臣が定める疾病(末期の悪性腫瘍、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症など)に該当する場合は、週4日以上の訪問が認められます。こうした特定の疾患をお持ちの方は、毎日の訪問看護を医療保険で受けられる可能性があるでしょう。

対象となる疾病はおよそ20種類にのぼり、パーキンソン病関連疾患や人工呼吸器を使用している状態なども含まれます。ご自身の疾患が該当するかどうかは、主治医に確認するのが確実です。

特別訪問看護指示書が出れば毎日訪問が可能に

病状が急性に悪化した場合や退院直後で頻回な観察が必要な場合、主治医は「特別訪問看護指示書」を交付できます。この指示書が出ると、最長14日間にわたり毎日の訪問看護を医療保険で受けることが可能です。

特別訪問看護指示書は原則として月に1回の交付とされていますが、気管カニューレを使用している方や真皮を越える褥瘡(じょくそう=床ずれ)がある方は、月に2回まで交付を受けられます。つまり最大で月28日間の毎日訪問が実現するケースもあります。

介護保険の訪問看護で週何回まで利用できるか

要介護認定を受けている65歳以上の方(または特定疾病に該当する40歳以上の方)は、原則として介護保険を優先的に使います。介護保険には「週◯回まで」という回数制限がありません。

そのかわり、要介護度ごとに設定された区分支給限度基準額の範囲内でサービスを組み合わせる仕組みです。訪問看護だけに限度額を使えば、毎日の利用も理論上は可能ですが、ほかのサービスとバランスよく配分するのが現実的になります。

保険の種類回数の上限毎日利用する条件
医療保険(通常)原則 週3回厚労大臣が定める疾病に該当
医療保険(特別指示)14日間連日可特別訪問看護指示書の交付
介護保険回数制限なし限度額の範囲内で計画

毎日の訪問看護が必要と判断される代表的なケース

「毎日来てほしい」と感じる状況には、医療的に毎日の看護を要する背景があります。主治医が連日の訪問を必要と認め、指示書を交付した場合に毎日の訪問看護を計画します。代表的なケースを知っておくと、ご自身の状況に当てはまるかどうか判断しやすくなるでしょう。

がん末期やターミナル期の痛みを自宅で管理するとき

がん末期では痛みや呼吸苦など、日々変化する症状への対応が欠かせません。麻薬性鎮痛薬(医療用麻薬)の量を微調整しながら、その日その日の体調に合わせたケアを行うため、毎日の訪問看護が大きな支えとなります。

在宅でのターミナルケアを選択するご家庭は年々増えています。厚生労働省の調査でも、約44%の方が「最期は自宅で過ごしたい」と回答しており、訪問看護師は本人と家族の意思を尊重しながら、穏やかな療養生活を支えています。

人工呼吸器や在宅酸素などの医療機器を使っているとき

人工呼吸器を装着している場合や、気管カニューレを留置している場合は、毎日の観察と管理が生命維持に直結します。機器のトラブルや痰の吸引といった医療処置は家族だけで担うには負担が大きく、訪問看護師による定期的な確認が安心につながるでしょう。

在宅酸素療法を行っている方も、酸素流量の調整や機器のメンテナンス確認を日常的に必要とします。看護師が毎日訪問することで、呼吸状態の小さな変化にも早く気づける体制が整います。

退院直後に状態が不安定な時期

入院中は24時間体制で医療スタッフが見守っていた状態から、自宅へ戻った途端にその環境がなくなります。退院直後は体力が十分に回復していないことが多く、点滴の管理や創部の処置、急変の兆候チェックなど集中的な看護を要する時期です。

主治医が特別訪問看護指示書を出すことで、退院後14日間は毎日の訪問看護が可能になります。退院前から病院の看護師と訪問看護ステーションが連携し、スムーズな引き継ぎを行えるよう退院前カンファレンスが開かれることもあります。

褥瘡や感染症で集中的なケアが求められるとき

真皮を越える深い褥瘡が生じた場合、毎日のガーゼ交換や洗浄が治癒を早めるために重要です。感染症を合併しているケースでは、抗菌薬の点滴管理を含めた頻回な訪問も必要になります。

こうしたケースでは特別訪問看護指示書を月2回交付できる規定が適用されるため、最長で28日間の連日訪問が認められることもあります。

  • 末期がん・神経難病など厚労大臣が定める疾病
  • 人工呼吸器や気管カニューレの管理
  • 退院直後の集中観察期間
  • 真皮を越える褥瘡・感染症の治療

訪問看護を毎日受けた場合の費用はどのくらいかかるか

毎日訪問看護を受けると費用が高額になるのでは、と心配される方は少なくありません。実際にかかる自己負担額は保険の種類・年齢・所得によって異なりますが、高額療養費制度をはじめとする公的な負担軽減策を活用すれば、想像よりも抑えられるケースが多くあります。

医療保険で毎日訪問を受けたときの自己負担額

医療保険による訪問看護の自己負担は、70歳未満の方で3割、70〜74歳の方で2割、75歳以上の方で1割が基本です(現役並み所得の方は3割負担)。1回あたりの訪問看護基本療養費は約5,550円(30分以上90分未満の場合)で、3割負担であれば1回あたり約1,665円となります。

毎日14日間利用した場合、単純計算では3割負担の方で約23,000円前後です。ただし加算や管理療養費なども加わるため、事前に訪問看護ステーションに見積もりを依頼するとよいでしょう。

介護保険で訪問看護を利用するときの費用と限度額

介護保険の訪問看護では、1回30分未満で約470単位、30分以上60分未満で約821単位がかかります(1単位=約10円、地域によって異なります)。自己負担は原則1割ですが、一定以上の所得がある方は2割または3割です。

たとえば要介護3(限度額 約27万480円)の方が訪問看護のみを毎日利用するのは制度上は可能ですが、他のサービスとの兼ね合いで限度額に達してしまう場合があります。限度額を超えた分は全額自己負担です。

項目医療保険(3割)介護保険(1割)
1回あたりの目安約1,665円約821円
月14日利用時約23,000円約11,500円
高額になった場合高額療養費制度で軽減高額介護サービス費で軽減

高額療養費制度や高額介護サービス費で負担を抑える

月々の医療費が一定額を超えた場合、高額療養費制度により超過分の払い戻しを受けられます。70歳未満・年収約370万〜770万円の方であれば、自己負担の上限は月額約80,100円+αで、それを超えた分は申請すると返還してもらえます。

介護保険にも「高額介護サービス費」という同様の仕組みがあり、世帯の所得に応じた上限額が設定されています。さらに、医療費と介護費を合算して限度額を超えた場合に適用される「高額医療・高額介護合算療養費制度」もあります。

申請の手続きは加入している保険組合や市区町村によって異なりますが、一度申請すれば次回以降は自動的に適用される場合もあります。制度を知らずに全額を負担し続けている方もいるので、早めに確認しておくことをおすすめします。

訪問看護を毎日受けるために踏む手続きの流れ

毎日の訪問看護を始めるには、主治医の指示書取得からケアプランへの組み込みまで、いくつかの段階を踏みます。手続き自体は複雑ではなく、訪問看護ステーションやケアマネジャーが一つひとつ案内してくれるため、流れを事前に把握しておけば落ち着いて進められるはずです。

まず主治医に相談して指示書を取得する

訪問看護はすべて主治医の指示のもとで行われるため、最初に主治医への相談が出発点です。通常の訪問看護指示書に加え、毎日の訪問が必要な場合は「特別訪問看護指示書」の交付を依頼しましょう。

主治医が病状を総合的に判断し、連日の訪問が妥当と認めれば指示書を出してもらえます。入院中であれば、退院前の段階で主治医に相談しておくと、退院日からすぐに毎日訪問を開始できるように調整してもらえるでしょう。

ケアマネジャーとケアプランに訪問看護を組み込む

介護保険の利用者は、担当のケアマネジャーにケアプランの作成・変更を依頼します。訪問看護の頻度や時間帯、他のサービスとの組み合わせを含めた計画をケアマネジャーが立案し、本人・家族と合意のうえで実行に移します。

医療保険で訪問看護を受ける場合は、ケアマネジャーを通さなくても利用できます。ただし、介護保険の他サービスも併用している場合は、情報共有のためにケアマネジャーに連絡しておくのが望ましいです。

訪問看護ステーションとの契約と相談のポイント

ステーションを選ぶ際は、24時間対応の体制があるか、自宅からの距離などを確認しましょう。また、緊急時の連絡体制も大切です。契約時にはサービス内容・費用・キャンセル規定などの説明を受けるので、わからないことはその場で質問し、納得のうえで契約を結びましょう。

ステーションによっては看取りの経験が豊富なところ、小児に強いところなど得意分野が異なります。毎日の訪問となれば看護師との相性も大切ですので、見学や体験訪問を受け付けているか聞いてみるのもよいでしょう。

手順やること
1主治医に相談し訪問看護指示書を依頼
2ケアマネジャーとケアプランに組み込む
3訪問看護ステーションを選んで契約
4初回訪問で健康状態を確認し計画を調整

毎日の訪問看護で受けられるケアの具体的な内容

訪問看護で提供されるケアは、点滴や注射といった医療処置だけではありません。バイタルチェックから在宅リハビリ、ご家族への介護指導まで幅広いサービスが含まれており、生活全体を支える存在として頼ることができます。

バイタルサインの確認と全身の観察

毎日の訪問では、体温・血圧・脈拍・酸素飽和度(SpO2)などのバイタルサインを測定し、前日からの変化を丁寧にチェックします。顔色や皮膚の状態、むくみの有無、食欲の変化なども観察項目に含まれます。

こうした細やかな観察を毎日行うことで、病状の悪化や合併症の兆候を早期に発見し、主治医への迅速な報告と対応につなげることができます。

点滴・服薬管理・医療処置の実施

在宅で点滴や中心静脈栄養(IVH)を受けている方には、ルートの管理や輸液の交換、刺入部の消毒などを看護師が行います。内服薬が多い方には、飲み忘れ防止のための服薬カレンダー作成やセット、残薬の確認も訪問看護師の大切な仕事です。

複数の診療科から処方が出ている場合は、薬の飲み合わせや副作用の兆候にも注意を払います。気になる変化があれば看護師がすぐに主治医へ連絡し、処方の見直しにつなげることもあります。

リハビリテーションと日常動作の支援

訪問看護ステーションには理学療法士や作業療法士が所属している場合もあり、看護師と連携しながら在宅リハビリを行えます。ベッドから車いすへの移乗動作やトイレ動作の練習、関節の拘縮予防など、日々の積み重ねが生活の質を左右します。

毎日の訪問があると、前日に行った運動の効果を翌日に確認しながら負荷を調整できることが利点です。無理のないペースで機能維持を図り、自宅での生活をできるだけ長く続けることを目標にしたプログラムを組んでもらえます。

家族への介護指導と精神的なサポート

訪問看護師は家族に対して、体位変換の方法や吸引の手技、緊急時の対処法を丁寧に指導します。介護を続ける家族の疲労や不安に耳を傾け、必要に応じてレスパイト(休息)目的のショートステイや相談窓口を提案するのも、訪問看護師が果たす役割の一つです。

毎日の訪問があると、看護師が家族の表情や体調の変化にも気づきやすくなります。介護者自身が体調を崩してしまうと在宅療養の継続が難しくなるため、家族の健康を見守ることも訪問看護の大切な側面です。

  • バイタルサイン測定と全身状態の観察
  • 点滴管理・創傷処置・カテーテル管理
  • 服薬管理と薬剤調整の主治医への報告
  • 在宅リハビリテーション
  • ご家族への技術指導と心理的支援

訪問看護の毎日利用で事前に確認しておきたいこと

毎日の訪問看護を円滑に続けるには、費用面の上限だけでなく、複数ステーションの併用ルールや夜間対応の可否も把握しておくと安心です。事前に確認しておくことで、サービスを利用しはじめてからの戸惑いを減らせます。

限度額を超えた場合どうなるか

介護保険では、区分支給限度基準額を超えた分が全額自己負担になります。毎日の訪問看護に加えて訪問介護やデイサービスも利用していると、限度額に達しやすくなるため注意してください。

あらかじめケアマネジャーと残りの限度額を確認しながらサービスを調整することで、想定外の出費を防げます。医療保険の適用に切り替えたほうが負担が軽くなる場合もあるため、両方の保険で試算を出してもらうのも一つの方法です。

複数の訪問看護ステーションを併用する条件

通常、訪問看護ステーションは1か所からの利用が原則です。しかし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する方や、特別訪問看護指示書が交付されている方は、2か所、場合によっては3か所のステーションを同時に利用できます。

複数のステーションを利用するメリットは、対応できる看護師の数が増えることで、急な体調変化にも柔軟にスケジュールを組める点です。ただしステーション間の情報共有が重要になるため、主治医やケアマネジャーを中心とした連携体制の構築が欠かせません。

夜間や休日の訪問は対応してもらえるか

24時間対応体制加算を届け出ている訪問看護ステーションであれば、夜間や休日であっても緊急時に訪問を受けることが可能です。2024年時点で、全国の訪問看護ステーションの約8割がこの加算を届け出ています。

夜間や早朝の訪問には加算料金がかかりますが、急変時にすぐ駆けつけてもらえる安心感は大きいでしょう。契約時に「24時間対応をしているか」「夜間の電話相談は可能か」を必ず確認してください。

確認事項ポイント
限度額の管理ケアマネジャーと残額を随時確認
複数ステーション特定疾病等に該当すれば併用可能
夜間・休日対応24時間体制の届出の有無を確認

よくある質問

訪問看護の毎日訪問は最長で何日間続けられますか?

医療保険の特別訪問看護指示書による毎日訪問は、1回の指示書につき最長14日間です。通常は月に1回の交付ですが、気管カニューレを使用している方や真皮を越える褥瘡がある方は月2回まで交付を受けられるため、最長で28日間の連日訪問が可能になります。

厚生労働大臣が定める疾病に該当する場合は、特別指示書がなくても週4日以上の訪問が認められるため、主治医の判断で長期的に毎日の訪問を継続できるケースもあります。

訪問看護を毎日利用すると1か月の費用はいくらになりますか?

医療保険で毎日14日間利用した場合、3割負担の方で約23,000円前後が目安です。ただし管理療養費や加算が追加されるため、実際の負担額はこれより高くなることがあります。高額療養費制度を利用すれば、月の上限を超えた分は払い戻しを受けられます。

介護保険で毎日利用する場合は、他のサービスとの組み合わせで限度額に達することが多いため、ケアマネジャーと費用のシミュレーションを行うことをおすすめします。

訪問看護の毎日訪問を受けるには主治医以外にどこに相談すればよいですか?

まず主治医に相談するのが基本ですが、それ以外にも頼れる窓口はいくつかあります。介護保険を利用中であれば担当のケアマネジャーがプランの調整や制度の説明を行いますし、地域の訪問看護ステーションに直接問い合わせることも可能です。

お住まいの市区町村にある地域包括支援センターでは、介護や医療に関する総合的な相談を無料で受け付けています。

訪問看護の毎日訪問と訪問介護(ホームヘルパー)は同時に利用できますか?

訪問看護と訪問介護は別のサービスであり、同じ日に両方を利用することができます。訪問看護師が医療処置や健康観察を担い、ホームヘルパーが入浴介助や家事援助を行うという役割分担がよくあるパターンです。

ただし介護保険の限度額は訪問看護と訪問介護を合算して管理されるため、両方を毎日利用すると限度額を超える場合があります。どのサービスをどの程度組み合わせるかは、ケアマネジャーと検討することが大切です。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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