膝の内側だけが痛い初期症状|変形性膝関節症で内側型が多い理由とは

膝の内側だけが痛い初期症状|変形性膝関節症で内側型が多い理由とは

膝の内側に限定された痛みは、変形性膝関節症が進行し始めている重大なサインです。

日本人の膝トラブルの約9割がこの内側型に該当し、その理由は骨格の特性や日常の動作に深く根ざしています。

初期段階では歩き始めの違和感から始まりますが、適切な対策を講じない限り軟骨の摩耗は止まりません。

本記事では、なぜ内側ばかりが痛むのかという物理的な背景を解明し、早期に実践すべき負担軽減の方法を詳しく解説します。将来の自由な歩行を守るための知識を身につけましょう。

目次

膝の内側が痛む初期症状の特徴

膝の内側に現れる違和感は、関節内の軟骨がわずかにすり減り始めている証拠です。この段階では骨に大きな変形はありませんが、組織の微細な損傷が炎症を招いています。

初期症状を見逃さないことが、その後の関節寿命を延ばすために非常に大切です。痛みは一時的に消えるときもありますが、原因自体が解消されたわけではありません。

動き始めに感じる特有の違和感

朝起きて布団から立ち上がる瞬間や、椅子から腰を上げた直後の一歩目に膝の内側が痛みます。この痛みは不思議なことに、しばらく歩き続けると和らぐ傾向があります。

関節を動かすと内部の潤滑油である滑液が行き渡り、摩擦が一時的に軽減されるためです。

しかし、この「動けば楽になる」という特徴こそが、初期症状の典型的なパターンと言えます。違和感を放置すると、次第に痛みが引くまでの時間が長くなっていきます。

最終的には、歩き始めだけでなく、歩行中ずっと内側が疼くような状態へと移行します。

階段の下りで生じる内側の痛み

階段を下りる動作は、平地歩行に比べて膝へ加わる衝撃が3倍から4倍に跳ね上がります。特に足が地面に着く瞬間の衝撃は、関節の内側に鋭い負担をかけます。

初期の方は、膝の内側の奥が「ズキン」とする感覚を覚えるケースが多いです。これは大腿骨と脛骨が、クッション不足の状態で衝突しかけているサインです。

下りる時に膝を少し曲げた状態で体重を支える際、内側の軟骨へ圧縮力が集中します。この負担が繰り返されると炎症が慢性化し、熱感を持つようになります。

長時間の歩行後に現れる重だるさ

買い物を終えた後や、いつもより長く散歩した日の夕方に、膝の内側が重く感じる場合があります。この重だるさは、関節を包む膜である滑膜が軽度の炎症を起こしている状態です。

一晩休むと回復する場合が多いため、多くの方は単なる疲れと判断してしまいがちです。

しかし、翌日に疲れが残る頻度が増えてきたら、注意が必要です。内側の組織が絶え間ないストレスに晒されて、修復が追いつかなくなっています。

膝の裏側まで張るような感覚が出る状態も、初期変形の進行を疑う材料となります。

初期段階で見られる典型的な症状推移

症状の種類具体的な自覚症状重症度の目安
スターティング・ペイン立ち上がりの一瞬だけ痛む超初期
階段降下時の衝撃痛一段ずつ慎重に下りたくなる初期
夜間の重だるさ寝る前に膝の内側が疼く初期〜中期移行

日本人に内側型の変形性膝関節症が多い背景

変形性膝関節症には内側が削れるタイプと外側が削れるタイプがありますが、日本人は圧倒的に内側型です。これには日本固有の骨格構造や、歴史的な生活習慣が大きく関わっています。

自分の体質を知ることは、効果的な予防策を立てるための第一歩となります。なぜ自分の膝が内側から傷みやすいのか、その理由を正しく理解しましょう。

骨格的な要因としてのO脚傾向

多くの日本人は、解剖学的に膝が外側に開いた「内反膝(O脚)」の傾向を持っています。この形状により、体重を支える軸が膝の関節面よりも内側を通ります。

真っ直ぐ立った時、太ももの骨とすねの骨が作る角度が内側に傾きやすいのです。その結果、歩くたびに内側の軟骨だけを押し潰すような力が働きます。

若いうちは筋肉がこの歪みをカバーしてくれますが、筋力が低下すると骨格の歪みが直接関節への負担となります。これが内側型の発症を早める大きな要因です。

生活文化が膝に与える影響

畳や床に直接座る「和式生活」は、膝を深く曲げる動作を日常的に強いてきました。正座やあぐらは膝の内側に非常に強い捻れのストレスを加えます。

床から立ち上がる動作は、膝に対して自分の体重の数倍もの負荷を瞬時にかけます。椅子から立ち上がるよりも、内側の軟骨を摩耗させる力が強いのです。

現代では椅子での生活が増えましたが、長年培われた動作の癖は残っています。床生活で蓄積されたダメージが、年齢を重ねてから痛みとして現れるケースが目立ちます。

肥満と加齢による負担の増大

体重が1キロ増加すると、歩行時に膝にかかる負担は3キロ増えると言われています。蓄積された過剰な脂肪は、常に膝の内側をプレスするように圧迫し続けます。

加齢に伴い軟骨の水分量が減少すると、クッション機能そのものが低下します。脆くなった軟骨に重い体重がかかると、内側の損耗速度が急激に加速します。

特に閉経後の女性は、骨を丈夫に保つホルモンが減少するため、さらにリスクが高まります。筋力の低下と体重増加が重なる時期は、最も内側の痛みが悪化しやすいタイミングです。

日本人の発症に関わる共通要素

  • 遺伝的な要因による軽度のO脚形状
  • 床に座る動作による膝の過度な屈曲
  • 内側を支える筋力の早期低下

軟骨の摩耗が内側に集中する物理的な要因

膝関節の内側には、全体の荷重の約6割から7割が集中するように構造化されています。正常な膝であっても内側の負担は大きいため、少しのアライメントの狂いが致命傷になります。

この物理的な偏りが、なぜ内側から壊れていくのかという具体的な仕組みを説明します。関節内部で起きている変化は、目に見えないところで静かに進んでいます。

重心の位置と荷重のバランス

足が地面に着くとき、体全体の重心は膝の内側を通過しようとします。このエネルギーの流れを「ローディング・レスポンス」と呼び、衝撃を吸収する過程で内側が真っ先に狙われます。

外側の軟骨に比べて、内側は常に過重な労働を強いられている状態です。このバランスの悪さが、数十年の歩行によって軟骨の表面を少しずつ削り取っていきます。

軟骨が薄くなればなるほど、重心はさらに内側へとズレていきます。この物理的な偏りこそが、一度始まった摩耗が止まらなくなる最大の原因と言えるでしょう。

半月板の損傷が引き起こす連鎖

軟骨の間にあるクッション材「半月板」も、内側の方が外側よりも強固に固定されています。可動域が狭いため、強い圧力がかかると逃げ場を失い、裂けやすくなります。

内側半月板が傷つくと、軟骨への荷重分散機能が失われます。むき出しになった骨と骨が直接ぶつかり合うようになり、軟骨の消失スピードは数倍に跳ね上がります。

半月板の変性は、痛みを引き起こすだけでなく、関節全体の安定性を損なわせます。安定を失った膝はさらに内側へ傾き、変形をより複雑なものへと変化させていきます。

関節内の潤滑機能の変化

軟骨の破片が関節内の組織を刺激すると、防衛反応として「水」が溜まり始めます。この液体は本来関節を保護するものですが、炎症物質が混じると軟骨を攻撃する性質に変わります。

潤滑性能が落ちた関節は、油の切れた機械のように摩擦熱を生じさせます。その熱と化学的な刺激が、最も荷重のかかる内側部分の細胞をさらに痛めつけます。

この潤滑システムの不全が起きると、安静にしていても痛みが出るようになります。軟骨が削れるだけでなく、周囲の膜までもが過敏になり、内側の不快感が取れなくなります。

膝関節内の荷重配分構造

区画負担の割合損傷のしやすさ
内側コンパートメント約60%〜75%非常に高い
外側コンパートメント約25%〜40%比較的低い
お皿(膝蓋骨)周辺動作による曲げ伸ばし時に増加

日常生活で膝の内側に負担をかける動作

日常の何気ない動きが、実は膝の内側を傷つける凶器になっているケースがあります。動作の癖を修正することは、高価な治療を受けるのと同じくらい価値がある取り組みです。

膝を守るためには、どのような動きがリスクになるのかを具体的に知る必要があります。普段の自分の動作を振り返りながら、改善できる点を探してみましょう。

椅子からの立ち上がり動作

椅子から立つとき、膝が内側にカクンと入ってしまう動きは非常に危険です。この「ニーイン」と呼ばれる動作は、内側の軟骨を無理やり引き絞るような力を生みます。

足先の向きに対して膝が内側を向いた状態で踏ん張ると、内側の靭帯も過度に伸ばされます。その結果、関節の隙間が内側だけ極端に狭まってしまいます。

立ち上がる際は、つま先と膝を同じ方向に向けるように強く意識してください。手すりがある場合は必ず活用し、膝だけに体重を預けないようにすることが重要です。

重い荷物を持っての移動

買い物袋を片手だけで持つ習慣は、体の重心を大きく左右に揺さぶります。揺れを抑えるために、着地のたびに膝の内側へ不自然な踏ん張る力が必要になります。

片側の膝にだけ体重以上の衝撃が加わり続けると、内側の軟骨は悲鳴を上げます。荷物は左右均等に分けるか、背負うタイプのバッグを使うのが賢明な判断です。

重いものを持ち上げる際も、背中を丸めずにしっかりと腰を落としてください。一瞬の油断が、内側の組織に癒えないダメージを与えてしまう可能性があるためです。

段差を越える際の足の使い方

高い段差を下りるとき、ドスンと着地をしている方も見受けられます。膝をピンと伸ばした状態での着地は、内側の関節面にハンマーで叩くような衝撃を直接伝えてしまいます。

着地の瞬間は膝をわずかに柔軟に保ち、筋肉で衝撃を逃がすことが必要です。また、常に「痛くない方の足」から下りる習慣をつけると、負担軽減に役立ちます。

急いで行動すると、正確な体のコントロールを失わせ、不適切な荷重を招きます。一歩一歩を丁寧に着地させる動作が、結果として膝を長く持たせることにつながります。

日常生活における動作改善案

動作の種類避けたい動き推奨される動き
椅子の起立膝を内側に寄せるつま先と同じ向きに開く
歩行踵から強く叩きつける足裏全体で静かに着地
荷物移動片手で重く持つリュック等で分散させる

早期発見のためにチェックすべき体の変化

痛みが出るよりも先に、体は構造的な限界を知らせるサインを発しています。これらの変化を客観的に捉えると、変形性膝関節症の深刻化を防げます。

自分では気づきにくい変化も多いため、鏡を使ったり身近な人に確認してもらったりしましょう。早期に見つけられれば、保存療法での回復が期待できます。

膝の曲げ伸ばしに生じる制限

「最近、正座ができなくなった」という声は、初期の代表的な警告です。関節内の隙間が狭まると、深く曲げた時に内側の組織が挟み込まれ、強い抵抗を感じます。

また、膝が完全に真っ直ぐ伸びきらなくなることも重要な指標です。仰向けに寝て、膝の裏が床から浮いているようなら、関節が硬くなり始めている証拠です。

膝を伸ばせないと歩幅が狭くなり、効率的な歩行ができなくなります。その結果、さらに膝の内側へ負担が集中するという負の循環に陥ってしまうのです。

関節周辺に現れる腫れや熱感

左右の膝をじっくり観察した際、内側だけが「ふっくら」として見える方もいるでしょう。これは炎症によって関節内の液体が増え、腫れが生じている状態です。

お風呂上がりに膝を触ってみて、反対側に比べて明らかに熱いと感じる場合も危険信号です。内部で炎症の火が燃え盛っており、軟骨が破壊されやすい環境になっています。

腫れや熱を放置すると、関節を支える靭帯まで緩んでしまう場合があります。関節の輪郭がぼやけてきたと感じたら、早めに専門家のチェックを受ける必要があります。

足の形の変化と靴の減り方

自分の足を鏡で見て、くるぶしをつけた時に膝の間に指が3本以上入るならO脚が進行しています。骨の変形は、ミリ単位の変化が膝の内側に大きな圧力を加えます。

普段履いている靴の底を確認するのも有効です。外側だけが極端に斜めに削れている場合、重心が大きく外に逃げ、膝を内側に押し潰すストレスがかかっています。

靴の変形は歩き方の癖をそのまま映し出します。新しい靴に変えてもすぐに外側が削れてしまう場合は、足元の環境だけでなく膝そのもののケアを優先すべきです。

自宅で行う簡易チェック項目

  • 両足を揃えて立ち膝の間に大きな隙間がないか
  • 床に座った時に膝の裏がしっかり床に着くか
  • 歩行中に膝がガクッとなる「膝崩れ」がないか

膝の内側の痛みを軽減するための生活習慣

膝の痛みを管理するためには、医療機関での処置に加えて自分自身の生活を整える櫃量があります。日常の些細な習慣が、10年後の歩行能力に大きな差を生み出します。

無理な努力を短期間行うよりも、継続可能な良い習慣を積み重ねることが何よりの近道です。膝に優しい生活を今日から取り入れていきましょう。

太ももの筋肉を維持する重要性

膝の関節を正しい位置に保つためには、太ももの前側の筋肉が欠かせません。この筋肉が天然のサポーターとして働き、膝の内側にかかる衝撃を大幅に和らげてくれます。

特に「内側広筋」と呼ばれる内側の筋肉を鍛えると、膝のグラつきを抑えられます。座ったまま足を伸ばして5秒間キープする程度の運動でも、効果は確実に現れます。

筋肉は使わないとすぐに細くなり、関節の負担を増やします。激しいトレーニングではなく、毎日少しずつ「筋肉を動かす習慣」をつけることが、痛みへの最強の対策です。

適切な体重管理による効果

現在の体重をわずか3パーセント減らすだけでも、膝の痛みは驚くほど軽くなります。減量は、軟骨にかかる物理的な圧縮エネルギーを直接減らす唯一の方法です。

食事制限だけで急激に落とすと筋肉まで減ってしまうため、タンパク質を摂取しながら緩やかに管理しましょう。膝を守るためには「軽い体」が最高の武器になります。

お腹周りの脂肪が減ると重心も安定し、歩きやすさが向上します。その結果として活動量が増え、さらに膝が健康になるという正の循環を作り出せます。

膝に優しい住環境の構築

家の中の段差をなくしたり、手すりを設置したりする工夫は、突発的な事故と過重負担を防ぎます。

特にトイレや浴室などは、立ち上がりの負担が集中する場所です。なるべく床での生活を避け、椅子とテーブル、ベッドを活用した洋式生活に切り替えることを推奨します。

これにより、一日に何度も行う「立ち座り」の負荷が激減します。

また、冬場の冷えは関節周辺の血流を悪くし、痛みを強く感じさせます。膝を冷やさないようにサポーターやレッグウォーマーを活用するのも、重要な保護習慣です。

膝を保護するための生活のコツ

項目具体的なアクション得られるメリット
運動膝を伸ばす体操を毎日30回関節の安定性が向上する
食事腹八分目を心がける膝への物理的な荷重が減る
環境布団からベッドへ変更起床時の鋭い痛みを防ぐ

症状を悪化させないための歩き方と靴選び

健康のために歩くことは推奨されますが、間違った装備や姿勢での歩行は逆効果です。膝の内側を保護するための歩き方と、それを支える靴選びの基準を整理しましょう。

足元を整えることは、膝への衝撃を入り口で遮断することを意味します。投資すべきは高価なサプリメントではなく、まずは自分の足に合った適切な靴と言えます。

衝撃を吸収する履物の重要性

底が薄く硬い靴は、路面からの衝撃をそのまま膝に伝えてしまいます。靴を選ぶ際は、適度な厚みと弾力があり、踵をしっかりと包み込んでくれるものを選びましょう。

踵がグラグラする靴は、歩くたびに膝を左右に揺さぶり、結果として内側の軟骨を削る力を生みます。紐やマジックテープで足の甲を固定できるタイプが理想的です。

また、古くなって踵が斜めにすり減った靴を履き続けるのは禁物です。靴そのものが膝を内側に傾かせる原因になるため、定期的な買い替えや修理が必要です。

足底のバランスを整えるインソール

O脚が強い方には、足の外側を少し高くする「外側ウェッジインソール」が非常に効果的です。これにより、重心の通り道を内側から中央へと強制的に戻せます。

自分の体重を外側に逃がす工夫をすると、内側の軟骨にかかるストレスを2割から3割程度軽減できる場合もあります。これは保存療法の中でも科学的に認められた方法です。

ただし、自分の足に合わないインソールは逆に腰痛などの原因になります。まずは専門家に相談し、自分の膝の変形度合いに適した傾斜のものを選びましょう。

正しい歩行姿勢の基本

下を向いて歩くと背中が丸まり、膝が曲がったままの不安定な歩き方になります。視線を真っ直ぐ前に向け、頭のてっぺんが吊り下げられているようなイメージで立ちましょう。

着地は踵から静かに行い、つま先で地面を軽く押し出すように歩きます。歩幅を少し広げるように意識すると、股関節が大きく動き、膝だけに頼らない歩行が可能になります。

痛みが強い日は無理に歩かず、痛みが引いてから再開する柔軟性も必要です。杖を一本使うだけでも、膝にかかる体重を肩や腕に分散できるため、将来の歩行を守る助けになります。

膝を守るウォーキングのポイント

  • 踵をしっかり固定できる紐靴を履く
  • 背筋を伸ばし、踵から静かに着地する
  • 必要に応じて外側が高いインソールを活用する

よくある質問

膝の内側だけが痛いのですが、湿布を貼れば治りますか?

湿布には痛みや炎症を抑える成分が含まれているため、一時的に楽に感じる場合はあります。

しかし、湿布自体がすり減った軟骨を再生させたり、O脚などの骨格的な原因を解消したりすることはありません。

あくまで補助的な手段として考え、根本的な原因である筋力の低下や動作の改善に目を向ける必要があります。

痛みをごまかして無理を続けると、変形がさらに進む恐れがあるため注意してください。

正座ができないのは変形性膝関節症が原因でしょうか?

正座ができなくなるのは、変形性膝関節症の初期から中期によく見られる症状の一つです。

膝の関節液が溜まって内圧が上がっていたり、関節を包む袋が硬くなっていたりすると、深く曲げた時に強い痛みや抵抗を感じます。

また、関節の隙間が狭くなっているために物理的に曲がらないケースもあります。

無理に曲げようとすると組織をさらに痛めるため、現在は椅子に座る生活に切り替えて、無理な負荷を避けると良いでしょう。

ウォーキングをすれば膝の痛みは良くなりますか?

ウォーキングは全身の血流を改善し、筋力を維持するために有効な手段です。しかし、痛みが強い時期に無理に歩くと、炎症を悪化させてしまう可能性があります。

まずは太ももの筋肉を家で鍛えるなどの「準備運動」を行い、痛みが落ち着いてから短い距離から始めるのが理想的です。

また、間違った歩き方では逆に膝を壊す場合もあるため、靴の選び方や着地の仕方に気を配るのが条件となります。

膝の水を抜くと癖になると聞いたのですが本当ですか?

「水を抜くと癖になる」というのは医学的な根拠のない迷信です。

水が溜まるのは関節内で炎症が起きているからであり、抜いたから溜まるのではなく、炎症が続いているからまた溜まるのです。

大量に水が溜まると圧迫感で痛みが強くなり、筋肉も動きにくくなります。

必要に応じて水を抜き、炎症を鎮める処置を行うことは、症状の改善にとって重要です。同時に、なぜ炎症が起きているのかという根本的な対策を立てましょう。

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この記事を書いた人

臼井 大記のアバター 臼井 大記 大垣中央病院 整形外科・麻酔科 担当医師

日本整形外科学会認定専門医

2009年に帝京大学医学部医学科卒業後、厚生中央病院に勤務。東京医大病院麻酔科に入局後、カンボジアSun International Clinicに従事し、ノースウェスタン大学にて学位取得(修士)。帰国後、岐阜大学附属病院、高山赤十字病院、岐阜総合医療センター、岐阜赤十字病院で整形外科医として勤務。2023年4月より大垣中央病院に入職、整形外科・麻酔科の担当医を務める。

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