変形性膝関節症で膝から「ミシミシ」音がする原因|軟骨摩耗が進んだサイン

膝を深く曲げた時に響くミシミシという音は、関節を守る軟骨が著しく減少している証拠です。
本来、健康な軟骨は鏡のように滑らかな表面を持ち、関節液の助けを借りて無音で動きます。しかし、変形性膝関節症が進行すると軟骨表面に毛羽立ちが生じ、摩擦が急増します。
この物理的な抵抗が振動となって周囲の組織に伝わり、独特な音を発生させているのです。このような変化を放置すると、骨同士が衝突して激しい痛みや歩行困難を招く恐れがあります。
本記事では、異音が発生する詳細な仕組みから、将来の歩行を守るための対策までを徹底的に解説します。
膝から聞こえるミシミシ音の正体
膝の動作に伴って発生するミシミシという不快な音は、関節内部の構造的な劣化を象徴しています。正常な膝では、大腿骨と脛骨の末端を覆う軟骨がクッションの役割を果たし、驚くほど低い摩擦で動いています。
この滑らかさが失われた時、関節内では物理的な抵抗が生じます。その摩擦が生み出す微細な振動が、膝を包む組織を通じて耳に届く音や指に伝わる感触として現れます。
関節表面の平滑性の喪失
健康な軟骨は、プロテオグリカンやコラーゲンが網目構造を作り、多量の水分を保持しています。変形性膝関節症が進むと、この網目構造が壊れ、軟骨内部の水分が減少して表面が脆くなります。
水分を失った軟骨は柔軟性を欠き、表面に細かなささくれや亀裂が生じ始めます。このザラついた面同士が擦れ合うことで、ミシミシやギシギシといった軋轢音が発生するのです。
ツルツルとした氷同士を滑らせるのと、粗いアスファルトをこすり合わせるのとの違いをイメージすると分かりやすいでしょう。音が出ている箇所では、確実に摩耗が進行しています。
骨膜や滑膜への刺激
軟骨には痛みを感じる神経が存在しません。そのため、表面が多少削れても痛みを感じることはありません。しかし、削れた軟骨の破片が関節内を漂い、滑膜を刺激し始めます。
滑膜が刺激を受けると、身体は異物を排除しようとして炎症反応を起こします。この炎症によって関節液が過剰に分泌される、いわゆる「水が溜まる」状態が引き起こされます。
炎症の影響で関節液の質が低下すると、潤滑機能がさらに損なわれます。滑りが悪くなることが摩擦を増大させ、音がより鮮明に聞こえるようになる悪循環を形成します。
骨同士の直接的な接触
軟骨の摩耗が深層まで達すると、その下にある骨の表面、つまり軟骨下骨が露出します。この段階では、もはやクッションは存在せず、硬い骨と骨が直接向き合うことになります。
骨同士がぶつかり合う音は、初期のミシミシ音よりも重く低い響きに変わります。歩くたびに関節内で「ゴリッ」という衝撃を感じる場合、骨が変形している可能性が極めて高いです。
骨同士の衝突は、軟骨下骨にある神経を直接刺激するため、強烈な痛みを伴います。音が重低音に変化してきたときは、病状が最終段階へ近づいている警戒が必要です。
関節内の状態と音の特性
| 音の種類 | 主な原因 | 予測される状態 |
|---|---|---|
| ポキッ | 窒素気泡の破裂 | 生理的な現象 |
| ミシミシ | 軟骨表面の粗造化 | 軟骨摩耗の開始 |
| ゴリゴリ | 骨同士の直接接触 | 末期の変形 |
軟骨摩耗を引き起こす膝の異変
軟骨が徐々に失われていく過程には、加齢による生理的な変化と、日常生活における物理的な負担が複雑に絡み合っています。膝関節は常に自重の数倍の圧力を受け止めている過酷な部位です。
特に、軟骨への栄養供給は関節液を介した拡散のみで行われています。この繊細な供給システムが崩れると、軟骨細胞の修復が追いつかなくなり、組織の崩壊が始まります。
加齢による軟骨成分の変化
加齢とともに、軟骨の主要成分であるヒアルロン酸の合成能力は低下します。ヒアルロン酸が減少した関節内は潤滑性能が落ちるだけでなく、軟骨そのものの弾力性も奪われます。
弾力を失った軟骨は歩行時の衝撃を分散できず、組織内部に微細な断裂を作り出します。これらが蓄積すると、最終的に目に見えるレベルの摩耗へと繋がっていきます。
また、軟骨細胞自体の数も年齢とともに減少し、自己修復機能が弱まります。古い組織がそのまま残り続け、劣化が進むことが、ミシミシ音を招く大きな要因となっています。
体重増加による過剰な圧縮負荷
膝にかかる重量負荷は、平地を歩く際でも体重の約3倍に達します。例えば体重が5キロ増えるだけで、膝には一歩ごとに15キロ分の余分な圧力が加わり続ける計算になります。
この過剰な圧縮力は、軟骨を支えるコラーゲン繊維を物理的に引きちぎり、組織を平坦化させます。押し潰された軟骨は摩擦に弱くなり、表面の剥離が加速する結果を招きます。
脂肪細胞から放出される炎症物質が、軟骨の分解酵素を活性化させる事実も見逃せません。肥満は物理的な破壊と化学的な分解の両面から、膝を追い詰めていくのです。
関節の不安定性とアライメントの乱れ
膝の向きや脚の形状が正常な位置からずれると、関節内の圧力分布が偏ります。これをアライメントの乱れと呼び、特定の箇所だけに集中的なダメージを与える原因となります。
日本人に多いO脚は、膝の内側の軟骨に極端な負荷を集中させます。その結果、内側の軟骨ばかりが先に削り取られ、内側からミシミシという異音が発生しやすくなります。
この偏った摩耗は、さらに関節の変形を助長し、より強いアライメントの崩れを生むという連鎖を引き起こします。姿勢の歪みが音の発生源を強固に作り上げているのです。
軟骨摩耗を早めるリスク因子
- 長期間にわたる重い荷物の運搬作業
- 膝を深く折り曲げる頻度の高い生活
- 大腿四頭筋の急激な筋力低下
- 過去に負った膝のケガや手術の経験
変形性膝関節症の進行度と音の関係
膝から聞こえる音の質や頻度は、病状のステージを映し出す鏡のような役割を果たします。初期から末期へと進行するにつれ関節内の景色が激変し、それに伴って異音も変化します。
自分の膝から出る音がどのようなサインであるかを見極めることは、適切な対策を打つタイミングを知る上で大切です。進行度ごとの典型的なパターンを詳しく確認しましょう。
初期段階における音の特徴
変形性膝関節症の初期では、音が常に鳴るわけではありません。朝起きて動き出す瞬間の第一歩や、椅子から急に立ち上がった時に「ミシッ」と一度だけ鳴る程度が一般的です。
この段階では、軟骨表面にごく浅い傷がついている状態です。夜間の休息によって炎症が落ち着くと音も一時的に消えるため、多くの方が「疲れだろう」と見過ごしてしまいます。
しかし、この小さな音こそが重要な警告灯です。痛みが出る前にこのサインを察知し、膝を休める習慣や軽いストレッチを取り入れる工夫が、将来の健康を左右します。
中期段階での継続的な軋轢音
中期に進むと、階段の上り下りや長距離の歩行中、膝を動かすたびに音が鳴り続けるようになります。軟骨の欠損が広がり、関節の隙間が目で見て分かるほど狭まっている時期です。
「ジャリジャリ」という砂を噛むような音や、持続的なミシミシ音が特徴となります。この時期は関節内の炎症も頻発し、膝の腫れや熱感を伴うときが多くなります。
音が鳴るのと同時に膝に重だるさを感じるようであれば、関節液の循環が相当悪化しています。日常生活で活動を制限せざるを得ない場面が増えてくる、重要な局面と言えます。
末期段階の重い骨伝導音
末期に達すると軟骨が完全に消失し、骨の硬い面同士がこすれ合います。音は高く乾いた音から、低く鈍い「ゴリゴリ」という振動を伴うものへと質感が変化します。
耳で聞く音よりも、身体の中心に響くような衝撃として認識される場合が多くなります。骨の変形によって関節の形が変わり、膝を真っ直ぐに伸ばし切る動作すら困難になります。
この段階では歩行そのものが関節を壊す作業となり、激しい苦痛を強います。音の変化を無視し続けた結果として、骨が直接衝突する過酷な状況が作り出されているのです。
進行度別の関節状態と症状
| 進行度 | 軟骨の残存量 | 音と感触の変化 |
|---|---|---|
| 初期 | 80%以上 | 一瞬だけ鳴る軽い音 |
| 中期 | 30〜60% | 持続するザラザラした音 |
| 末期 | ほぼ消失 | 衝撃を伴う重い骨音 |
ミシミシ音を放置するリスク
膝が鳴っているものの痛みがないという状況は、実は最も注意が必要な状態です。音が出ているということは、現在進行形で関節内の組織が壊されていることを意味します。
身体の警告を無視して適切な処置を怠ると、取り返しのつかない機能喪失への道を進むことになります。放置によって失われるものの大きさを、ここで再認識してください。
不可逆的な軟骨破壊の進行
成人の軟骨は、一度破壊されると自然に元の品質で再生することはありません。ミシミシ音が聞こえている瞬間は、いわば「軟骨の削り出し」がリアルタイムで行われています。
この破壊プロセスを放置すれば、摩耗範囲は深部へと広がり続けます。最終的に骨の露出を招けば、もはや薬物療法や運動療法だけで元の生活を取り戻すのは難しくなります。
手遅れになる前に、今残っている軟骨をいかに守り抜くかという視点を持つことが必要です。音が出始めた初期段階での介入こそが、一生自分の足で歩くための唯一の方法です。
代償動作による他部位への負担増
片方の膝に異音や違和感がある場合、人間は無意識のうちに健康な方の足へ荷重を逃がそうとします。この偏った歩き方が全身の骨格バランスを根本から崩していきます。
その影響は腰痛や股関節痛、あるいは反対側の膝の急激な悪化として現れます。一箇所の不調を庇う動きが新たな痛みを生むという負の連鎖は、高齢期の生活を困難にします。
膝の問題を放置した結果、全身の関節が次々と悲鳴を上げ、寝たきり予備軍とされるロコモティブシンドロームへ至るケースは少なくありません。問題は膝だけに留まらないのです。
心理的な活動制限とQOLの低下
膝が鳴るという事実は、読者の皆様が思っている以上に精神的なストレスを与えます。「外で鳴ったら恥ずかしい」「動くたびに壊れる気がする」といった不安が芽生えます。
この心理的ストレスが外出機会を奪い、友人との交流や趣味の時間を制限させます。社会的な孤立を招き、生活の質(QOL)は目に見えて低下していくことになります。
さらに、動かさないと筋肉が衰え、関節がより不安定になるという皮肉な循環を招きます。心と体の健康を維持するためにも、異音のサインには早期に向き合うことが大切です。
放置した場合の二次的トラブル
- 骨盤の歪みによる慢的な腰痛の発症
- 健康な方の膝への過重による両膝の悪化
- 歩行速度の低下による心肺機能の衰え
- 姿勢の崩れからくる首や肩の慢性的な凝り
痛みがなくても注意が必要なケース
変形性膝関節症の恐ろしい側面は、病状の進行と痛みの強さが必ずしも比例しない点にあります。音が鳴っているにもかかわらず無痛である状態は、関節のSOSを見逃す原因となります。
神経が存在しない組織の損傷は静かに、しかし確実に進行します。痛みの有無を判断基準にするのではなく、物理的な「音」という変化を科学的な根拠として捉えてください。
神経のない軟骨が削れているサイン
膝関節を構成する軟骨組織には、痛みを感じる受容体も血管も存在しません。この特徴があるため、軟骨が表面から削れていっても、当の本人は全く異変に気づけません。
痛みの代わりに身体が発している信号が、ミシミシという軋轢音です。この段階で対策を講じることができれば、神経のある骨膜にダメージが及ぶのを未然に防げます。
「痛くないから大丈夫」という考えは、火災報知器が鳴っているのに火が見えないからと放置するのと同様の危うさがあります。音は構造の綻びを伝える確かな事実です。
炎症が一時的に治まっているだけの状態
過去に強い痛みがあり、現在は音だけが残っているケースも注意が必要です。これは治療や休息によって炎症物質が減っただけで、軟骨の摩耗自体は解決していません。
関節内部の構造はもろいまま維持されており、少し強い負荷がかかれば、いつでも炎症が再燃するリスクを孕んでいます。火種がくすぶっている状態であると認識すべきです。
この状態で無理な活動を再開すると、以前よりもさらに深い層まで摩耗が進んでしまいます。痛みが引いた後のケアこそが、関節の寿命を決定づけると言っても過言ではありません。
関節液の潤滑不全が起きている可能性
膝を動かした際に音が響く場合、関節を滑らかにする関節液が質の悪い「水」に変わっている可能性があります。サラサラとした良質な油が、水っぽく粘り気のない状態に変化します。
潤滑機能が低下した関節内では、軟骨同士が直接こすれ合い、本来受けるはずのない摩擦熱が発生します。この影響で軟骨のタンパク質が変性し、より脆くなってしまいます。
膝がこわばる感じや、曲げ伸ばしがスムーズにいかない感覚は潤滑不全の典型的な症状です。音はこの油切れを知らせるサインであり、速やかな環境改善が求められます。
注意すべき痛くない異音のサイン
| 場面 | 感じ方 | 疑われる原因 |
|---|---|---|
| 階段の降り | ミシッという重い響き | 軟骨への強い圧縮 |
| 正座の動作 | 連続するキシキシ音 | 可動域限界での摩擦 |
| 長時間の歩行 | 次第に音が大きくなる | 潤滑液の機能低下 |
膝の健康を守るための日常生活の工夫
ミシミシ音を軽減し、軟骨の保護を図るためには、日々の何気ない動作の中に「膝を労わる知恵」を取り入れる必要があります。関節への物理的ストレスを分散させることが重要です。
特別な治療だけでなく、自分で行うセルフケアが進行を左右する最大の要因となります。無理のない範囲で、生活の一部として定着させたい具体的な方法を紹介します。
大腿四頭筋の強化による関節の安定化
膝関節の最大の守護神は、太ももの前面にある大腿四頭筋です。この筋肉がバネのように働くことで、歩行時に地面から受ける強い衝撃を吸収し、関節内の軟骨を守ります。
筋肉が衰えると、衝撃がダイレクトに軟骨へ伝わるようになり、摩耗が加速します。椅子に座りながら膝をゆっくり伸ばすような、低負荷の運動からコツコツと始めましょう。
筋肉による支えが強固になれば、関節内の無駄な揺れが抑えられ、摩擦による音も自然と落ち着いてきます。自分の脚を最強のサポーターに育て上げることが、最も安上がりで確実な投資です。
適切な減量と食生活の改善
体重管理は、膝の負担を減らす上で最も効果が高い対策です。1キロの減量は、階段を降りる際の膝への衝撃を約7キロ分も軽減させるという報告もあります。
膝の負担を減らすためには、筋肉の材料となる良質なタンパク質の摂取を欠かさないようにしましょう。同時に、軟骨の構成成分となる抗酸化物質を含む食材も有効です。
急激なダイエットは筋肉を落としてしまうため、膝には逆効果となります。長期的な視点で、少しずつ膝への重圧を解いていくことが、ミシミシ音とお別れする近道となります。
履物の選択と動作の意識改革
私たちが毎日履いている靴は、膝にとっての衝撃吸収材です。底が硬く薄い靴は避け、クッション性に優れたウォーキングシューズや、適切なインソールの使用を検討してください。
日常生活の中での立ち居振る舞いも、膝の寿命に関わります。椅子から立ち上がる際は手すりを利用し、床からの立ち上がりは避け、椅子中心の生活に切り替えることを推奨します。
ちょっとした動作の工夫を積み重ねることが、膝へのダメージを蓄積させないコツです。自分の膝を宝物のように丁寧に扱う意識が、将来の歩行機能を守り抜く力となります。
膝を労わる生活習慣のポイント
- 和式トイレの使用を避け、洋式に統一する
- 寝起きは布団ではなくベッドを使用する
- 階段よりもエスカレーターを積極的に使う
- お風呂で膝周りを温め血行を改善させる
専門機関を受診するタイミングと判断基準
膝の音に気づいたとき、いつ整形外科などの専門機関へ行くべきか迷う方は多いはずです。結論から言えば、ミシミシ音が習慣的に聞こえ始めたら、一度は受診すべき時期です。
初期の段階で正しい診断を受けられれば、その後の治療選択肢は格段に広がります。受診を検討すべき具体的な目安と、専門機関で行われる診断の意味を確認しましょう。
受診を推奨する具体的な症状
音だけでなく、以下の症状が一つでもあれば、もはやセルフケアだけで対応できる限界を超えているかもしれません。
まず、膝に熱感がある、あるいは明らかに左右で太さが違う場合です。これらは関節内で強い炎症が起きている証拠です。
また、長時間歩いた後に膝が固まったように動かなくなる、あるいは夜中に膝が疼いて目が覚めるといった症状も、重篤なサインです。
さらに、膝が急にガクンと崩れるような感覚がある場合は、半月板や靭帯まで損傷が及んでいる疑いがあります。これらの兆候は、専門家による医療的な介入が急務であることを示しています。
整形外科での診断の重要性
整形外科での受診は、単に痛みを取るためだけのものではありません。レントゲンやMRIを用いると、肉眼では見ることのできない軟骨の磨り減り具合を精密に判定できます。
自分の膝の状態を画像で確認すると、今後の生活習慣を改める上での強い動機付けになります。また、現在の進行度に応じた具体的な「やって良いこと・ダメなこと」を明確に示してくれます。
初期であればあるほど、ヒアルロン酸の注入や適切な運動指導によって、進行を劇的に遅らせられます。正確な「現在地」を知ることが、将来への不安を解消する第一歩となります。
自分に合った相談先の見極め
変形性膝関節症は、数ヶ月や数年といった長い単位で付き合っていく病気です。そのため、自身の生活スタイルを尊重し、親身に相談に乗ってくれる医師との出会いが重要です。
最新の再生医療や手術療法だけでなく、リハビリテーションの体制が整っているかも確認してください。理学療法士による歩き方の修正指導は、根本的な解決に大きく貢献します。
一度の診察で全てが決まるわけではありません。いくつかの医療機関の意見を聞くセカンドオピニオンも、納得のいく治療を選択するためには有効な手段です。信頼できるパートナーを見つけましょう。
受診時に伝えるべき情報
| 項目 | 内容の例 | 医師への伝え方 |
|---|---|---|
| 発生時期 | 3ヶ月前から毎日 | いつから始まったか |
| 悪化シーン | 駅の階段を降りる時 | どんな時に音が鳴るか |
| 日常生活 | 散歩が10分で辛い | 何ができなくなったか |
よくある質問
- 膝のミシミシ音は運動で治りますか?
-
運動のみで削れてしまった軟骨を元通りに再生させることは、残念ながら現代の医学では困難です。しかし、適切な運動は膝の健康を劇的に変えます。
太ももの筋力を高めると、関節にかかる重圧を筋肉が肩代わりしてくれるようになります。その結果として、関節内の摩擦が減り、ミシミシ音が小さくなる効果は十分に期待できます。
ただし、膝を強くひねる運動や、痛みを押して行う無理なウォーキングは、かえって摩耗を加速させます。まずは専門家の指導を受け、膝を労わる正しい運動法を学びましょう。
- 市販のサプリメントで音は消えますか?
-
グルコサミンなどのサプリメントが、関節の異音を直接的に解消するという科学的な根拠は、現在のところ十分に確立されていません。
サプリメントはあくまで食品であり、軟骨を物理的に修復する魔法の薬ではないと理解しましょう。健康維持の補助として取り入れるのは自由ですが、過度な期待は禁物です。
音が出るほど進行している場合はサプリメントに頼り切るのではなく、医療機関での診断や適切な体重管理、運動療法を優先することが、結果として最も効果的に音を抑える道となります。
- ミシミシ音が鳴る時は安静にすべきですか?
-
激しい痛みや膝の腫れがある急性の時期を除き、単に音が鳴るだけであれば、過度な安静はかえって膝の寿命を縮めることになりかねません。
関節を全く動かさないでいると、周囲の筋肉は急速に衰え、関節を包む袋である関節包が硬く縮まってしまいます。これが、さらなる可動域の制限と痛みを引き起こす原因となります。
痛みが出ない程度のゆっくりとした曲げ伸ばしや水中歩行などは、関節液の循環を促し、軟骨へ栄養を届ける助けとなります。無理のない範囲で、関節を優しく使い続けることが大切です。
- 音が鳴り始めたら必ず手術が必要になりますか?
-
膝から音が鳴り始めたからといって、すぐに手術の宣告をされるわけではありません。実際には、手術を行わずに生活を維持している方が大多数を占めます。
医療機関では、まずは保存療法と呼ばれる方法から開始します。これは、薬や注射、リハビリテーション、装具の使用などを通じて、痛みと進行をコントロールする方法です。
手術が検討されるのは、これらのあらゆる努力を続けても痛みがコントロールできず、歩行が困難になった場合のみです。早い時期に対策を始めれば、手術を生涯回避できる可能性は高まります。
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