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ビダラビン(アラセナ)

ビダラビン(アラセナ)

ビダラビン(アラセナ)とは、帯状疱疹や単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペスなど)の原因となるウイルスの増殖を抑えるための抗ウイルス薬です。

主に軟膏として皮膚の患部に直接塗って使用しますが、重症の場合には点滴で用いることもあります。ウイルスの活動を初期段階で抑制することにより、症状の悪化を防ぎ治癒までの期間を短縮する効果が期待できます。

この記事では、ビダラビン(アラセナ)がどのようにして効果を発揮するのか、正しい使い方や注意すべき副作用、治療期間や費用について、分かりやすく解説します。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

ビダラビン(アラセナ)の有効成分と効果、作用機序

有効成分であるビダラビンが、ウイルスの増殖という生命活動をいかにして妨げるのか、具体的な働きと効果の範囲について掘り下げていきます。

有効成分ビダラビンの特徴

ビダラビンは、ヘルペスウイルスの増殖に必要な遺伝子(DNA)の合成を阻害する作用を持つ抗ウイルス成分です。

この成分はもともと放線菌から発見された物質で、初期に開発された抗ヘルペスウイルス薬の一つとして、長年の使用実績があります。特に、皮膚や粘膜の表面で増殖するウイルスに対して、軟膏として直接塗布することで効果を発揮します。

ヘルペスウイルス増殖抑制の仕組み

ビダラビンは、ヘルペスウイルスに感染した細胞の中に取り込まれると、細胞内の酵素によってリン酸化という変化を受け、活性型のビダラビン三リン酸になり、ウイルスのDNAを複製する際に働くDNAポリメラーゼという酵素の働きを妨げます。

正常なDNAの材料と競合しウイルスのDNA鎖に取り込まれることで、それ以上の鎖の伸長を不可能にし、ウイルスの増殖を停止させます。この作用は、ウイルスに感染した細胞内で特異的に起こるため、正常な細胞への影響が少ないです。

ウイルスの増殖を抑える流れ

  • 患部への塗布(または点滴)により、感染細胞へ薬が到達する。
  • 細胞内でリン酸化され、活性型に変化する。
  • ウイルスのDNAポリメラーゼの働きを阻害する。
  • ウイルスのDNA複製を停止させ、増殖を抑制する。

対象となるウイルスの種類

ビダラビンが効果を示すのは、ヘルペスウイルス科に属する特定のウイルスです。

主に、帯状疱疹や水痘(みずぼうそう)の原因となる水痘・帯状疱疹ウイルスと、口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス1型・2型が対象になります。

このようなウイルスはDNAウイルスであり増殖の仕組みが似ているため、ビダラビンが有効に作用します。

他の抗ヘルペスウイルス薬との比較

ヘルペスの治療には、ビダラビンの他にアシクロビルやバラシクロビルといった薬も広く使われ、作用する仕組みは似ていますが、それぞれに特徴があります。ビダラビンは初期に開発された薬であり、軟膏は長年の実績があります。

アシクロビルはより選択的にウイルスに作用するとされ、内服薬や外用薬、注射剤など様々な剤形があり、治療の選択は、症状の重さや部位、患者さんの状態などを総合的に判断して行うことが大切です。

主な抗ヘルペスウイルス外用薬の比較

有効成分主な商品名特徴
ビダラビンアラセナA軟膏初期に開発された抗ウイルス薬。長年の使用実績がある。
アシクロビルゾビラックス軟膏ウイルスへの選択性が高いとされる。世界的に広く使用。

使用方法と注意点

薬の効果を最大限に引き出し安全に治療を進めるためには、定められた使用方法を正しく守ることが極めて重要です。外用薬(塗り薬)は、塗る量や回数、範囲などが治療効果を左右します。

軟膏の正しい塗り方と回数

ビダラビン軟膏(アラセナA軟膏)を使用する場合、1日数回(医師の指示に従う)患部に適量を塗布します。塗る際にはまず手を清潔にし、綿棒などを使うと衛生的です。

薬を塗る範囲は水ぶくれや赤みがある部分だけでなく、周囲にも少し広めに塗るのがポイントです。症状が出ている部分だけでなく、その周辺にもウイルスが潜んでいる可能性があるためです。

自己判断で塗る回数を減らしたり、中止しないようにしましょう。

軟膏を塗る際のポイント

  • 塗る前と後に、石けんで手をよく洗う。
  • 綿棒などを使用し、患部に優しく塗布する。
  • 水ぶくれは破らないように注意する。
  • 症状のある部分より、少し広めに塗る。
  • 指示された回数と期間、忘れずに使用する。

点滴静注の場合の使用法

帯状疱疹や単純ヘルペスの症状が非常に重い場合や、免疫力が著しく低下している患者さんには、点滴による治療を行うことがあります。

点滴は通常1日1回、1時間以上かけてゆっくりと静脈内に投与し、投与量や期間は、患者さんの年齢や体重、腎機能の状態などを考慮して、医師が慎重に決定します。

点滴治療中は、副作用の有無などを確認するため、定期的な観察や検査が必要です。

治療を開始するタイミングの重要性

ビダラビンのような抗ウイルス薬は、ウイルスが活発に増殖しているごく初期の段階で治療を開始することで、最も高い効果を発揮します。

帯状疱疹やヘルペスの特徴である、ピリピリとした痛みや違和感、赤みなどの前駆症状が現れたら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。

一般的に、皮疹(水ぶくれなど)が出現してから72時間(3日)以内に治療を開始することが望ましいとされています。

目や口の中には使用しない

ビダラビン軟膏は皮膚用の外用薬で、目やその周辺の粘膜、あるいは口の中や唇には使用できません。角膜などに障害を起こす可能性があるため、誤って目に入らないように十分注意しましょう。

もし目に入ってしまった場合はすぐに水またはぬるま湯で洗い流し、異常を感じる場合は眼科医の診察を受けてください。口唇ヘルペスの場合でも、唇の粘膜部分ではなく周りの皮膚に塗るようにします。

ビダラビン(アラセナ)の適応対象となる患者さん

ビダラビンは、特定のウイルス感染症に対して有効ですが、誰にでもどのような状態でも使用できるわけではありません。

帯状疱疹の患者さん

体の片側に痛みを伴う赤い発疹や水ぶくれが帯状に広がる帯状疱疹は、ビダラビンの主な適応疾患です。早期に治療を開始することで、ウイルスの増殖を抑え皮膚症状の悪化を防ぎ、痛みを軽減します。

また、治療が遅れると残りやすい帯状疱疹後神経痛(PHN)という後遺症のリスクを低減させる効果も期待できます。特に顔面や頭部にできた帯状疱疹は、重篤な合併症を起こす可能性があるため、速やかな治療が必要です。

単純疱疹(口唇ヘルペス・性器ヘルペス)の患者さん

唇の周りに水ぶくれができる口唇ヘルペスや、性器周辺に症状が出る性器ヘルペスなどの単純疱疹の治療にもビダラビン軟膏が用いられます。

単純疱疹は再発を繰り返しやすい特徴がありますが、再発の初期のムズムズとした違和感やかゆみを感じた段階で塗り始めることで、症状を軽く済ませたり治癒を早めたりできます。

ビダラビンの主な適応疾患

  • 帯状疱疹
  • 単純疱疹(口唇ヘルペス、性器ヘルペス、カポジ水痘様発疹症など)
  • 水痘(みずぼうそう) – 点滴の場合

小児(水痘)や高齢者の使用について

小児、特に水痘(みずぼうそう)の治療では、重症化するリスクがある場合に点滴でビダラビンを使用することがあります。

高齢者の場合は、一般的に腎機能が低下していることが多く、特に点滴で治療する際には副作用が出やすくなる可能性があるため、患者さんの状態を慎重に評価し、必要に応じて投与量を減らすなどの調整を行います。

軟膏の使用については、高齢者でも大きな問題となることは少ないですが、医師の指示に従って正しく使用することが大切です。

免疫力が低下している患者さん

悪性腫瘍の治療中の方や、臓器移植後の方、あるいはHIV感染症などで免疫力が著しく低下している患者さんがヘルペスウイルスに感染すると、症状が全身に広がったり重症化するリスクが高まります。

ハイリスクの患者さんに対しては、予防的な投与や発症した場合の積極的な治療として、ビダラビンの点滴静注が重要な選択肢です。

特に注意が必要な患者さんの状態

対象注意点
腎機能障害のある方点滴の場合、薬の排泄が遅れ副作用のリスクが高まるため、減量が必要。
高齢者腎機能が低下していることが多く、点滴では慎重な投与が求められる。
免疫不全状態の方重症化しやすいため、積極的な点滴治療を検討する。

治療期間

処方された薬をいつまで使い続ければよいのかは、多くの患者さんが抱く疑問の一つです。治療期間は、対象となる疾患や重症度によって異なります。

帯状疱疹の場合の治療期間

帯状疱疹の治療でビダラビン軟膏を使用する場合、一般的にはすべての水ぶくれがかさぶたになるまで、およそ7日から10日間程度塗布を継続します。点滴で治療を行う場合も、通常5日から7日間程度、連日投与します。

この期間治療を継続することで、ウイルスの活動をしっかりと抑え込み、皮膚症状の治癒を促し痛みを和らげます。途中でやめずに、医師の指示通り最後まで治療を完了することが重要です。

単純ヘルペスの場合の治療期間

口唇ヘルペスや性器ヘルペスなどの単純疱疹では、通常5日から10日間程度、軟膏の使用を続けます。

再発性のヘルペスの場合、症状が軽いからといってすぐに塗るのをやめてしまうと、ウイルスの活動がぶり返し再び症状が悪化することがあります。

水ぶくれが乾いてかさぶたになり自然に剥がれ落ちるまで、根気よく治療を続けることが、きれいに治すためのポイントです。

疾患別の標準的な治療期間の目安

疾患名剤形標準的な治療期間
帯状疱疹軟膏7~10日間
帯状疱疹点滴5~7日間
単純疱疹軟膏5~10日間

症状改善後の継続の必要性

多くの場合治療を開始して数日経つと、痛みやかゆみが和らぎ水ぶくれも乾燥してくるため、治ったように感じることがありますが、目に見える症状が改善しても、皮膚の中ではまだウイルスが活動している可能性があります。

ここで治療を中断してしまうと潜んでいたウイルスが再び増殖を始め、症状が再燃したり治癒が長引いたりする原因となります。医師から指示された期間は、必ず薬を使用し続けてください。

自己判断で治療を中止するリスク

指示された期間よりも前に治療を中止した場合、いくつかのリスクが考えられます。第一に症状が再燃・悪化する可能性があり、第二に、不十分な治療は、帯状疱疹後神経痛のような辛い後遺症が残るリスクを高めることがあります。

そして、中途半半端な薬の使用は、薬が効きにくい薬剤耐性ウイルスの出現を促すことにもつながりかねません。確実な治療効果を得て、合併症を防ぐためにも、自己判断での中止は絶対に避けるべきです。

ビダラビン(アラセナ)の副作用やデメリット

どのような薬にも期待される効果だけでなく、副作用が現れる可能性があります。

軟膏の主な副作用

ビダラビン軟膏の副作用として最も多いのは、塗った部分の局所的な皮膚症状です。

ヒリヒリとした刺激感、かゆみ、赤み、かぶれ(接触皮膚炎)などが報告されていて、症状は薬そのものによる刺激や、軟膏の基剤に対するアレルギー反応などが原因で起こります。

多くは軽度で一時的ですが、症状が強い場合や塗るたびに悪化するような場合は、使用を中止して医師に相談してください。

主な副作用(軟膏)

  • 接触皮膚炎(かぶれ)
  • 刺激感、ヒリヒリ感
  • そう痒感(かゆみ)
  • 発赤(赤み)
  • 丘疹(ぶつぶつ)

点滴注射の主な副作用

点滴でビダラビンを投与した場合、全身的な副作用が現れる可能性があります。報告されているものとしては、発疹、吐き気・嘔吐、食欲不振、下痢といった消化器症状、そして肝機能検査値(AST, ALT)の上昇などがあります。

また、まれに頭痛やめまい、眠気といった精神神経系の症状が見られることもあり、症状が現れた場合はすぐに医師や看護師に伝えてください。

重大な副作用と初期症状

頻度は極めてまれですが、注意すべき重大な副作用も報告されています。特に点滴治療の場合、骨髄抑制(白血球や血小板の減少)や、意識障害、けいれんといった重篤な精神神経症状、急性腎障害などが起こる可能性があります。

万が一、以下のような症状が現れた場合は、直ちに医師に知らせる必要があります。

注意すべき重大な副作用(主に点滴)

副作用主な初期症状
骨髄抑制突然の高熱、のどの痛み、あおあざができる、出血しやすい。
精神神経症状意識がもうろうとする、幻覚が見える、手足の震え、けいれん。
急性腎障害尿量が減る、むくみ、身体がだるい。

副作用が現れた場合の対処法

薬を使用していて何らかのいつもと違う症状に気づいた場合は、自己判断で様子を見たりせず、まずは処方を受けた医師または薬剤師に相談してください。

軟膏でかぶれの症状がひどくなったり点滴中に気分が悪くなった場合は、すぐに医療スタッフに伝えることが大切です。

ビダラビン(アラセナ)で効果がなかった場合

指示通りに薬を使用しているにもかかわらず期待した効果が得られないと、患者さんは大きな不安を感じるでしょう。薬が効かないと感じる背景には、いくつかの原因が考えられます。

効果を判定するタイミング

ビダラビンの効果は、使用してすぐに劇的に現れるわけではありません。通常、治療を開始してから2~3日経つと、新たな水ぶくれの出現が止まり、痛みなどの自覚症状が和らぎ始めます。

この時期を過ぎても症状が全く改善しない、あるいは水ぶくれが増え続けるなど悪化の一途をたどる場合は、効果が不十分であると判断し、治療方針の見直しを検討することが必要です。

効果が見られない主な原因

治療効果が得られない場合、いくつかの原因が考えられ、最も多いのは、治療開始のタイミングが遅れたことです。ウイルスが大量に増殖してしまった後では、薬の効果が相対的に弱まります。

次に考えられるのは、診断が異なるケースで、ヘルペスウイルス以外の原因による皮膚症状(例えば、接触皮膚炎や虫刺されなど)に、抗ウイルス薬は効果がありません。

その他、非常にまれですが、薬の効かない耐性ウイルスである可能性も考慮します。

効果不十分の際に考えられる要因

  • 治療開始の遅れ
  • 不適切な使用法(回数や量が不十分)
  • ヘルペス以外の疾患の可能性
  • 薬剤耐性ウイルスの出現(まれ)
  • 免疫力の著しい低下

他の治療薬への変更の検討

ビダラビンで十分な効果が得られないと医師が判断した場合、他の治療薬への変更を検討します。

外用薬であればアシクロビルなど他の抗ウイルス薬へ、あるいは内服薬(アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルなど)の併用や切り替えを行います。

症状が重いかったり内臓への播種が疑われるような場合は、入院の上で点滴による強力な治療が必要です。

代替治療の選択肢

剤形代替薬の例
外用薬アシクロビル軟膏、アメナメビル軟膏
内服薬アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビル
注射薬アシクロビル点滴静注、ビダラビン点滴静注

他の治療薬との併用禁忌

複数の薬を同時に使用すると、薬同士が互いに影響を及ぼし合い相互作用が現れることがあり、ビダラビンを使用する際にも、注意が必要な飲み合わせや塗り合わせがあります。

併用禁忌薬について

現在、ビダラビンの軟膏と併用することが絶対に禁止されている併用禁忌薬は特にありませんが、点滴でビダラビンを使用する場合には、ペントスタチン(商品名:コホリン)という抗がん剤との併用が禁忌とされています。

両者を併用すると、腎不全や肝・肺・神経系の重篤な副作用が発現し、死に至る危険性が高まるため、絶対に併用してはいけません。

併用に注意が必要な薬剤(点滴の場合)

ビダラビンの点滴治療を行う際、他にも注意が必要な薬があり、腎臓に影響を与える可能性のある薬剤や、免疫抑制剤などとの併用には慎重な管理が求められます。

併用することでビダラビンの副作用が強く出たり、薬の作用に影響を与えたりする可能性があるためです。

入院治療の場合は医師や薬剤師がすべての使用薬を管理しますが、他の医療機関で薬を処方されている場合は、必ず申し出る必要があります。

他の外用薬(塗り薬)との併用

ビダラビン軟膏を使用している患部に、自己判断で他の塗り薬(市販のかゆみ止めやステロイド軟膏など)を重ねて塗ることは避けてください。薬の吸収に影響を与えたり、予期せぬ皮膚トラブルを起こしたりする可能性があります。

もし、かゆみや痛みが強く他の薬を使いたい場合は、必ず処方医に相談し指示を受けてから使用しましょう。通常は、同じ場所に複数の薬を塗る場合、塗る順番や時間をあけるなどの指導があります。

薬の併用で医師に伝えるべきこと

  • 他の病院で処方されている全ての薬(飲み薬、塗り薬、貼り薬、目薬など)
  • 薬局やドラッグストアで購入した市販薬
  • 日常的に摂取しているサプリメントや健康食品
  • 過去に薬でアレルギーや副作用が出た経験

ビダラビン(アラセナ)の保険適用と薬価について

お読みください

以下に記載している治療費(医療費)は目安であり、実際の費用は症状や治療内容、保険適用否により大幅に上回ることがございます。当院では料金に関する以下説明の不備や相違について、一切の責任を負いかねますので、予めご了承ください。

保険適用の対象となる疾患

ビダラビンは、帯状疱疹および単純疱疹の治療に対して健康保険の適用が認められていて、患者さんの窓口での自己負担額は、医療費総額の1割から3割(年齢や所得による)に軽減されます。

薬価と自己負担額の目安

アラセナA軟膏3%は、1gあたり約40円で、単純ヘルペスの治療で軟膏が5g処方された場合、薬剤費は「約40円 × 5g = 200円」となります。健康保険の自己負担割合が3割の方であれば、窓口で支払う薬剤費の目安は「200円 × 0.3 = 60円」です。

自己負担額の計算例(3割負担の場合)

薬剤名規格・量薬剤費(目安)自己負担額(目安)
アラセナA軟膏3%5g 1本約200円約60円
アラセナA軟膏3%10g 1本約400円約120円

以上

参考文献

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