イソトレチノインとは
イソトレチノインはビタミンA誘導体で、新陳代謝を促したり、皮脂の過剰な分泌を抑える作用など、さまざまな生理活性を有しています。
- 肌の新陳代謝を促すことで毛穴詰まりを改善する効果。
- 皮脂腺を強力に収縮することで皮脂の分泌を減少。
- 抗炎症作用。
- 上記作用により、重症のニキビや酒さ、脂腺増殖症、脂漏性皮膚炎などの疾患の改善効果が期待。
イソトレチノインはこんな方におすすめ
- 保険のニキビ治療薬でもなかなか改善しない
- 皮脂の分泌が多くニキビができやすい
- 鼻に凹凸感のある毛穴の開きがある(腫瘤型酒さ)
- 脂漏性皮膚炎がなかなかよくならない
- 顔に白い凹凸のある小さな盛り上がりがたくさんある(脂腺増殖症)
イソトレチノインの作用・効果
イソトレチノインは、重症のニキビ、酒さ、脂漏性皮膚炎、脂腺増殖症、毛穴開きなど、さまざまな肌悩みに効果が期待できる内服薬です。
重症のニキビ
- 皮脂腺を強力に縮小することで、ニキビの改善効果をもたらします。
- 従来の保険治療でなかなか改善を認めない場合は、イソトレチノインの適応となります。
- 他にもしこりが目立つようなケースや、過剰な皮脂によってニキビができやすいケースにも適応となります。
- 厳密にはニキビではありませんが、集簇性ざ瘡や膿皮症の方はイソトレチノインが適応となります。
酒さ(腫瘤型)・毛穴開き
- 腫瘤型の酒さでは鼻が軽度凹凸するようになり、毛穴が目立つようになります。
- 腫瘤型の酒さの場合、保険の外用薬(ロゼックスゲル)では改善が難しい場合が多く、イソトレチノインの内服やCO2レーザーなどによる外科的アプローチが必要となります。
脂漏性皮膚炎
- 脂漏性皮膚炎では皮脂をエサにマラセチアというカビが増殖し、炎症をもたらします。
- イソトレチノインによって皮脂量を抑えることで症状の改善効果が期待できます。
- 従来の保険治療でなかなか改善が難しい場合に適応となります。
脂腺増殖症
- 皮脂の分泌量を減らすことで症状の改善をもたらします。
- 完治が難しい場合にはCO2レーザーなど外科的なアプローチが必要となることがあります。
治療の流れ
- イソトレチノインの適応かどうかを専門医が判断。
- 内服開始前に血液検査を行う。
- 通常50kgの方の場合、20mg/日から開始し、症状によって内服量を調整。吸収を高めるためにイソトレチノインは食後に服用。
- 内服開始1ヶ月後に再度、血液検査を行う。
イソトレチノインの副作用・リスク
副作用
- 顔や唇などの乾燥症状
- 頭痛・めまいなど
- 視覚異常
- 光線過敏症
- 関節痛や筋肉痛
リスク
- 高用量を内服した場合に骨の成長に支障をきたすリスクがある
- 妊娠中に内服した場合、胎児奇形を認めることがある(必ず避妊が必要)
- 内服終了後に再発する可能性がある
イソトレチノインが内服できない方
- 妊娠中や授乳中の方は、イソトレチノインは禁忌(胎児奇形のリスク)。
- 通常内服終了後最低1ヶ月は避妊が必要。
- 肝機能障害がある方は事前に申し出る。
- 12歳未満の方は内服できない。
- イソトレチノインでアレルギーの既往がある方は内服できない。
イソトレチノインでよくある質問
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