女性の薄毛、特にホルモンバランスの乱れが原因となる内分泌性脱毛症(FAGAやびまん性脱毛症など)は、多くの方が悩む問題です。

この記事では、皮膚科や専門クリニックで行われる治療法と、ご自身でできる予防策について詳しく解説します。原因を理解し、適切なケアを行うことで、健やかな髪を取り戻しましょう。
内服療法 – ホルモン補充・抗アンドロゲン薬の正しい知識

内分泌性脱毛症の治療において、内服薬は体の内側からホルモンバランスを整え、発毛を促す重要な役割を担います。
特に更年期や産後のホルモン変動による薄毛に対して、皮膚科専門医の診断のもとで適切な内服薬を選択することが効果への第一歩です。

ホルモン補充療法(HRT)の理解
女性ホルモンであるエストロゲンの減少は、FAGA(女性男性型脱毛症)の要因の一つと考えられています。ホルモン補充療法は、減少したエストロゲンを補うことで、毛髪の成長期を延長し、薄毛の進行を遅らせる効果が期待できます。
特に更年期における薄毛の悩みを持つ方に選択肢の一つとなります。
HRTの種類と特徴
HRTにはいくつかの種類があり、患者さんの状態や希望に応じて使い分けます。
薬剤の種類 | 主な成分 | 期待される効果 |
---|---|---|
エストロゲン製剤 | エストラジオールなど | 毛髪の成長期維持、頭皮環境改善 |
プロゲステロン併用製剤 | エストロゲン+黄体ホルモン | 子宮内膜保護、ホルモンバランス調整 |
ただし、HRTには副作用のリスクも伴うため、専門クリニックの医師と十分に相談し、定期的な検査を受けながら治療を進めることが大切です。甲状腺疾患など、他の内分泌系の問題がないか確認することも重要です。
抗アンドロゲン薬の役割と注意点
アンドロゲン(男性ホルモン)は、女性の体内にも少量存在し、毛髪の成長に影響を与えます。抗アンドロゲン薬は、このアンドロゲンの作用を抑制することで、薄毛の進行を抑える治療法です。
FAGAの治療において、特に男性ホルモンの影響が強いと考えられる場合に用いられます。
代表的な抗アンドロゲン薬
スピロノラクトンなどが代表的な薬剤です。元々は利尿薬や高血圧治療薬として開発されましたが、抗アンドロゲン作用も持つため、女性の薄毛治療に応用されています。
この内服薬は、毛包でのアンドロゲンの働きをブロックし、毛髪が細くなるのを防ぎます。
副作用としては、カリウム値の上昇、血圧低下、生理不順などが報告されています。そのため、定期的な血液検査と医師による慎重な経過観察が必要です。産後の薄毛で悩む方や、これから妊娠を希望する方には使用できない場合があります。
内服薬の副作用と管理
内服薬による治療は効果が期待できる一方、副作用の可能性も考慮しなければなりません。皮膚科医は、治療開始前に十分な説明を行い、治療中も定期的な診察を通じて副作用の早期発見と適切な対処に努めます。
薬剤系統 | 主な副作用の例 | 管理・対処法 |
---|---|---|
ホルモン製剤 | 不正出血、乳房の張り、吐き気 | 用量調整、薬剤変更、対症療法 |
抗アンドロゲン薬 | 高カリウム血症、低血圧、生理不順 | 定期的な血液検査、用量調整 |
外用療法 – 頭皮に直接届ける有効成分の活用術
外用薬は、有効成分を頭皮に直接塗布することで、毛根に働きかけ発毛を促進する治療法です。内服薬との併用で、より高い効果が期待できる場合もあります。

ミノキシジルなどが代表的な成分で、びまん性脱毛症を含む多くの薄毛タイプに使用されます。
ミノキシジル外用薬の効果と正しい使い方
ミノキシジルは、もともと高血圧治療薬として開発されましたが、その副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として転用されました。血管拡張作用により頭皮の血流を改善し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促すと考えられています。
女性向けのミノキシジル外用薬は、濃度が調整されており、皮膚科や専門クリニックで処方されます。
ミノキシジル濃度の選択
女性の場合、一般的に1%や2%濃度のミノキシジル外用薬が推奨されます。高濃度のものは男性向けであり、女性が使用すると多毛症などの副作用のリスクが高まるため注意が必要です。
医師の指示に従い、適切な濃度の製品を選びましょう。
効果的な塗布方法
ミノキシジル外用薬の効果を最大限に引き出すためには、正しい塗布方法が重要です。
- 洗髪後、頭皮が清潔な状態で使用する。
- 髪ではなく、頭皮に直接塗布する。
- 指の腹で優しくマッサージするように馴染ませる。
- 塗布後は自然乾燥させる。
1日2回、継続して使用することが推奨されます。効果を実感するまでには通常3ヶ月から6ヶ月程度かかるため、根気強く続けることが大切です。
その他の育毛成分と外用薬
ミノキシジル以外にも、様々な育毛成分が配合された外用薬があります。これらは、頭皮環境を整えたり、毛髪の成長をサポートしたりする目的で使用されます。
主な育毛サポート成分
成分カテゴリー | 代表的な成分 | 期待される作用 |
---|---|---|
血行促進成分 | センブリエキス、ニコチン酸アミド | 頭皮の血流改善 |
抗炎症成分 | グリチルリチン酸ジカリウム | 頭皮の炎症抑制 |
保湿成分 | ヒアルロン酸、セラミド | 頭皮の乾燥防止 |
これらの成分は、単独で劇的な発毛効果をもたらすわけではありませんが、ミノキシジルなどの主要な治療薬の効果を高めたり、頭皮環境を健やかに保つことで薄毛の進行を遅らせるのに役立ちます。
原因や症状に合わせて、皮膚科医が適切な外用薬を提案します。
医療処置 – レーザー照射・注入治療など薬以外の選択肢
内服薬や外用薬による治療で十分な効果が得られない場合や、より積極的な治療を希望する場合には、医療機関で行われる専門的な処置が選択肢となります。

これらの治療は、毛母細胞の活性化や頭皮環境の改善を目的としています。
低出力レーザー治療(LLLT)
低出力レーザー治療は、特定の波長の光を頭皮に照射することで、毛母細胞を刺激し、発毛を促進する治療法です。痛みや副作用が少なく、自宅用の機器も市販されていますが、専門クリニックではより効果の高い医療用機器を使用します。
FAGAやびまん性脱毛症に対して、他の治療と組み合わせて行われることが多いです。
LLLTの作用と期待される効果
レーザー光が細胞内のミトコンドリアに作用し、ATP(アデノシン三リン酸)の産生を促進することで細胞活性が高まると考えられています。
これにより、毛髪の成長期が延長され、休止期にある毛根が成長期へ移行するのを助ける効果が期待できます。
成長因子注入療法(メソセラピー)
成長因子注入療法は、発毛促進効果のある成長因子やビタミン、ミネラルなどをブレンドした薬剤を、頭皮に直接注入する治療法です。細い針や特殊な注入機器を使用し、有効成分を毛根の深部まで届けます。
薄毛の原因が多岐にわたる場合や、早期の効果を求める方に適しています。
注入する主な成分と効果
成分の種類 | 期待される効果 | 備考 |
---|---|---|
成長因子 (IGF, KGF, VEGFなど) | 毛母細胞活性化、血管新生促進 | FAGA治療で注目 |
ビタミン類 (B群など) | 頭皮環境改善、代謝促進 | 栄養補給 |
ミノキシジル (注入用) | 発毛促進、血流改善 | 外用薬より高濃度の場合あり |
注入療法は、数回の治療を継続することで効果が現れることが一般的です。治療間隔や回数は、個人の状態や使用する薬剤によって異なりますので、専門クリニックの医師とよく相談してください。
自毛植毛
自毛植毛は、後頭部などのAGAの影響を受けにくい部位から自身の毛髪を毛包ごと採取し、薄毛が気になる部分に移植する外科的な治療法です。他の治療法で効果が限定的だった場合や、永続的な効果を求める場合に検討されます。
ただし、これは専門的な技術を要する治療であり、実施できる医療機関は限られます。
食事と栄養サポート – タンパク質とミネラルで発毛環境を整える
健康な髪を育むためには、体の内側からの栄養サポートが重要です。特に、髪の主成分であるタンパク質や、髪の成長に必要なビタミン、ミネラルをバランス良く摂取することが、発毛環境を整える上で大切です。

ホルモンバランスを整える食事も意識しましょう。
髪の成長に必要な栄養素
髪は主にケラチンというタンパク質でできています。そのため、良質なタンパク質の摂取は必須です。また、亜鉛や鉄分などのミネラル、ビタミンB群なども髪の健康維持に深く関わっています。
主要な栄養素とその役割
栄養素 | 主な役割 | 多く含む食品例 |
---|---|---|
タンパク質 | 髪の主成分ケラチンの材料 | 肉、魚、卵、大豆製品 |
亜鉛 | ケラチン合成の補助、細胞分裂促進 | 牡蠣、レバー、牛肉、ナッツ類 |
鉄分 | 頭皮への酸素供給 | レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき |
ビタミンB群 | 頭皮の代謝促進、皮脂バランス調整 | 豚肉、魚介類、穀物、緑黄色野菜 |
これらの栄養素をバランス良く摂取することで、頭皮環境が整い、健康な髪が育ちやすくなります。特に産後や更年期は栄養が偏りがちになるため、意識的な摂取が求められます。
ホルモンバランスをサポートする食事
特定の食品が直接的にホルモンバランスを劇的に変えるわけではありませんが、全体的な食生活の改善は、ホルモンバランスの安定に寄与します。特に大豆製品に含まれるイソフラボンは、女性ホルモン様の作用を持つことで知られています。
食事で心がけたいこと
- 大豆製品(豆腐、納豆、豆乳など)を積極的に摂る。
- 抗酸化作用のある緑黄色野菜や果物を十分に摂る。
- 良質な脂質(青魚、ナッツ類、アボカドなど)を適度に摂る。
- 過度なダイエットや偏食を避ける。
バランスの取れた食事は、甲状腺疾患など他の内分泌系の健康維持にも繋がり、間接的に薄毛の予防・改善に貢献します。皮膚科や専門クリニックでは、栄養指導を行うこともあります。
ストレス管理と睡眠改善 – 自律神経を整えホルモンを守る
過度なストレスや睡眠不足は、自律神経の乱れを引き起こし、ホルモンバランスに悪影響を与える可能性があります。これが、薄毛や抜け毛の原因となることも少なくありません。
心身の健康を保つことは、健やかな髪を育むための土台となります。
ストレスが髪に与える影響
ストレスを感じると、体内でコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールが過剰になると、血管収縮を引き起こし頭皮の血行不良を招いたり、ホルモンバランスを崩したりして、毛髪の成長サイクルを乱すことがあります。
これが、びまん性脱毛症の一因となることもあります。
ストレス対処法
日常生活でストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に付き合っていく方法を見つけることが大切です。

ストレス対処法の種類 | 具体例 | 期待される効果 |
---|---|---|
リラクゼーション | 深呼吸、瞑想、ヨガ、アロマテラピー | 心身の緊張緩和、自律神経調整 |
趣味・気晴らし | 好きな音楽を聴く、散歩、読書 | 気分転換、ポジティブな感情の促進 |
適度な運動 | ウォーキング、ジョギング、水泳 | 血行促進、ストレスホルモン低減 |
質の高い睡眠の重要性
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や再生が行われます。毛母細胞もこの恩恵を受け、髪の成長が促されます。
睡眠不足や質の低い睡眠は、成長ホルモンの分泌を妨げ、ホルモンバランスを不安定にし、薄毛を悪化させる原因になり得ます。
睡眠の質を高める工夫
質の高い睡眠を確保するためには、生活習慣の見直しが必要です。
- 毎日同じ時間に寝起きする。
- 寝る前にカフェインやアルコールの摂取を避ける。
- 寝る1~2時間前に入浴し、リラックスする。
- 寝室の環境(温度、湿度、明るさ、音)を整える。
- 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控える。
これらの工夫を実践し、十分な睡眠時間を確保することで、自律神経が整い、ホルモンバランスの安定、ひいては薄毛の予防・改善に繋がります。
ホームケア習慣 – 洗髪・ドライ・スタイリングの見直し

毎日のヘアケア習慣も、頭皮環境や髪の状態に大きく影響します。間違ったケアは頭皮にダメージを与え、薄毛を進行させる原因になることもあります。正しい知識を身につけ、優しいケアを心がけましょう。
正しいシャンプーの選び方と洗髪方法
シャンプーは、頭皮の汚れを落とし清潔に保つために重要ですが、洗浄力が強すぎるものは頭皮に必要な皮脂まで奪い、乾燥や炎症を引き起こすことがあります。ご自身の頭皮タイプに合ったシャンプーを選びましょう。
シャンプー選びのポイント
頭皮タイプ | シャンプーの選び方 | 注意点 |
---|---|---|
乾燥肌・敏感肌 | アミノ酸系、弱酸性、保湿成分配合 | 洗浄力の強い高級アルコール系は避ける |
脂性肌 | 適度な洗浄力、皮脂コントロール成分配合 | 洗いすぎによる乾燥に注意 |
正しい洗髪の手順
洗髪は、髪よりも頭皮を洗うことを意識します。
- 洗髪前にブラッシングし、髪の絡まりやホコリを取る。
- ぬるま湯で頭皮と髪を十分に予洗いする。
- シャンプーを手のひらで泡立て、頭皮を指の腹でマッサージするように優しく洗う。
- すすぎ残しがないよう、時間をかけて丁寧に洗い流す。
爪を立ててゴシゴシ洗うのは頭皮を傷つける原因になるため避けましょう。
髪と頭皮に優しいドライヤーの使い方
洗髪後の濡れた髪はキューティクルが開いており、非常にデリケートな状態です。自然乾燥は雑菌の繁殖や頭皮の冷えに繋がるため、ドライヤーで素早く乾かすことが大切です。
ただし、高温の風を長時間当て続けると、髪や頭皮の乾燥を招きます。
ドライヤーのポイント
- タオルドライで髪の水分をしっかり吸い取る(ゴシゴシ擦らない)。
- ドライヤーは髪から15~20cm程度離して使う。
- 同じ場所に長時間温風を当てないように、ドライヤーを振りながら乾かす。
- 根元から乾かし、毛先は最後に乾かす。
- 8割程度乾いたら、冷風に切り替えて仕上げるとキューティクルが引き締まる。
スタイリング剤の選び方と注意点
スタイリング剤は、髪型を整えるのに役立ちますが、頭皮に直接付着すると毛穴を詰まらせたり、炎症を引き起こしたりする可能性があります。できるだけ頭皮に付かないように使用し、その日のうちにしっかり洗い流すことが重要です。
また、頻繁なパーマやカラーリング、きつく髪を縛るヘアスタイルは、髪や頭皮に負担をかけ、薄毛の原因となることがあります。特にホルモンバランスが不安定な時期(産後や更年期など)は、これらの刺激を避けるよう心がけましょう。
フォローアップと再発予防 – 定期チェックで長期的な発毛維持
内分泌性脱毛症の治療は、効果が現れるまでに時間がかかることが多く、また、治療を中断すると再発する可能性もあります。
そのため、皮膚科や専門クリニックでの定期的なフォローアップと、継続的な予防策が、長期的な発毛維持には必要です。
定期的な診察の重要性
治療効果の確認、副作用のチェック、治療計画の見直しなどのために、医師による定期的な診察が大切です。

診察時には、髪や頭皮の状態だけでなく、体調の変化や生活習慣についても相談し、総合的なアドバイスを受けましょう。
フォローアップの頻度と内容
治療段階 | 診察頻度の目安 | 主なチェック項目 |
---|---|---|
治療初期 | 1~2ヶ月に1回 | 効果の発現、副作用の有無、薬剤の調整 |
効果安定期 | 3~6ヶ月に1回 | 効果の維持、生活習慣の確認、予防策の指導 |
これはあくまで目安であり、個人の状態によって頻度は異なります。医師の指示に従い、定期的な受診を心がけてください。
生活習慣の見直しと継続
治療によって薄毛が改善された後も、再発を予防するためには、健康的な生活習慣を維持することが重要です。
バランスの取れた食事、質の高い睡眠、適度な運動、ストレス管理などを継続的に行うことで、ホルモンバランスを整え、健やかな頭皮環境を保つことができます。
特に、原因が更年期や産後のホルモン変動、甲状腺疾患など、体質的な要因と関連が深い場合は、生活習慣の管理が再発予防の鍵となります。自己判断で治療薬を中断せず、医師と相談しながら長期的な視点でケアを続けましょう。
遺伝子検査が導く内分泌性脱毛症の治療薬選定
内分泌性脱毛症の治療において、適切な薬剤選定は成功への鍵です。治療前の遺伝子検査は効果的な治療計画立案に欠かせない情報を提供し、薬剤選定ミスを大幅に減らすことができます。
遺伝子検査による治療薬選定の最適化

内分泌性脱毛症の患者さんは、ホルモン感受性や薬剤代謝能力に個人差があります。遺伝子検査を行うことで、これらの個人差を事前に把握し、最適な治療薬を選定することが可能になります。
薬剤選定精度を高める遺伝子マーカー
遺伝子タイプ | 関連する治療薬 | 選定への影響 |
---|---|---|
AR遺伝子多型 | 抗アンドロゲン薬 | 感受性の高い変異型には低用量から開始 |
CYP19A1変異 | アロマターゼ阻害剤 | 特定変異では効果減弱の可能性あり |
5α-リダクターゼ変異 | フィナステリド系 | 変異パターンにより効果予測可能 |
治療薬選定ミスを防ぐメリット
遺伝子検査によって薬剤反応性を事前に予測することで、無効な治療薬の投与を避け、副作用リスクを最小限に抑えることができます。また、最適な治療薬を最初から選定できることで、治療期間の短縮と患者満足度の向上にもつながります。
内分泌性脱毛症は複雑な病態ですが、遺伝子検査を活用することで、「試行錯誤」ではなく「科学的根拠」に基づいた治療薬選定が可能になります。
費用対効果の観点からも、治療前の遺伝子検査は長期的な治療成功への賢明な投資と言えるでしょう。

よくある質問
- 女性の薄毛(FAGAやびまん性脱毛症)の治療は、どのくらいの期間で効果が出始めますか?
-
治療法や個人差がありますが、一般的に内服薬やミノキシジルなどの外用薬の場合、効果を実感し始めるまでに3ヶ月から6ヶ月程度かかることが多いです。
治療開始初期は効果が見えにくくても、根気強く継続することが大切です。専門クリニックの医師と相談しながら、焦らず治療を進めましょう。
- 内服薬(ホルモン剤やスピロノラクトンなど)の副作用が心配です。
-
どのような薬にも副作用のリスクはありますが、皮膚科医は治療開始前に考えられる副作用について詳しく説明し、治療中も定期的な診察や検査を通じて安全性を確認します。
何か気になる症状が現れた場合は、すぐに医師に相談してください。自己判断で服用を中止したり、量を変更したりすることは避けてください。
- 産後の抜け毛がひどいのですが、これも内分泌性脱毛症ですか?治療は必要ですか?
-
産後の抜け毛は「分娩後脱毛症」と呼ばれ、妊娠中に増加していた女性ホルモンが出産後に急激に減少することで起こる一時的な現象です。
多くの場合、産後半年から1年程度で自然に回復しますが、長引く場合や不安が強い場合は、皮膚科や専門クリニックにご相談ください。生活習慣の改善や、場合によっては適切な治療を行うことで回復をサポートできます。
- 遺伝子検査は行ったほうが良いでしょうか?
-
遺伝子検査は必ずしも必須ではありませんが、治療薬選定の参考になる重要な情報を得られることがあります。
特に内分泌性脱毛症の場合、ホルモン感受性や薬剤反応性に個人差があるため、遺伝子情報に基づいた治療計画が効果的なケースが多いです。
検査費用はかかりますが、効果の低い薬剤による無駄な治療期間や副作用リスクを減らせる可能性を考えると、やっておいて損はないと思います。
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来院予約
当院(こばとも皮膚科:愛知県名古屋市栄)では、内分泌性脱毛症の治療を行っております。
以下のページで現地住所(アクセス)や診療時間および来院予約をいただけます。院長は女医(皮膚科専門医)ですのでご安心して治療いただけると思います。
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