円形脱毛症は、ある日突然、髪が円形や楕円形に抜け落ちる疾患です。
性別や年齢を問わず誰にでも起こり得ますが、特に女性にとっては外見上の変化が大きく、深い悩みにつながることが少なくありません。しかし、円形脱毛症は適切な治療と根気強いケアによって改善が期待できる疾患です。

この記事では、皮膚科専門医の視点から、女性の円形脱毛症の様々な治療法と、再発を防ぐための予防策について詳しく解説します。
ご自身の症状と照らし合わせながら、前向きな治療への一歩を踏み出すための情報としてお役立てください。
早期受診で治療チャンスを逃さないファーストステップ

円形脱毛症は、初期の段階で適切な対応を始めることが治療効果を高め、回復までの期間を短縮する上で非常に重要です。脱毛斑を見つけたら、自己判断せずに速やかに皮膚科を受診しましょう。
特に、症状が急速に進行する場合や、広範囲に及ぶ場合は、早期の専門的な介入が求められます。
脱毛に気づいたら皮膚科へ相談
「これくらいなら自然に治るかも」と放置してしまうと、症状が悪化したり、慢性化したりする可能性があります。
皮膚科では、視診やダーモスコピー(拡大鏡)を用いた検査で脱毛の状態を正確に把握し、個々の症状や原因に応じた治療計画を立てます。

特に女性の場合、ホルモンバランスの乱れや甲状腺疾患など、他の病気が隠れている可能性も考慮し、必要に応じて血液検査などを行うこともあります。
専門クリニックの役割
一般的な皮膚科でも円形脱毛症の治療は可能ですが、難治性の場合や、より専門的な治療を希望する場合は、脱毛症専門クリニックを受診することも選択肢の一つです。
専門クリニックでは、最新の治療法や豊富な症例経験に基づいた、より高度な医療を提供する体制が整っています。
自己判断のリスクと専門医の診断の重要性
インターネット上には様々な情報があふれていますが、円形脱毛症の原因や症状の程度は一人ひとり異なります。自己判断で市販薬を使用したり、医学的根拠のない民間療法を試したりすることは、かえって症状を悪化させるリスクがあります。
専門医は、脱毛の状態だけでなく、患者さんの既往歴、生活習慣、ストレスの状況などを総合的に判断し、最適な治療法を提案します。
アトピー性皮膚炎などの自己免疫疾患を合併している場合もあり、その場合は基礎疾患のコントロールも治療計画に含める必要があります。
初診時の問診と検査
初診時には、いつから脱毛が始まったか、範囲、進行の速さ、かゆみや痛みなどの自覚症状、過去の病歴、家族歴、生活習慣、ストレスの有無などを詳しく伺います。
これらの情報は、診断と治療方針を決定する上で大切な手がかりとなります。
主な検査項目
検査の種類 | 目的 | 備考 |
---|---|---|
視診・触診 | 脱毛斑の形状、範囲、頭皮の状態を確認 | 基本的な検査 |
ダーモスコピー検査 | 毛穴の状態、切れ毛の有無などを詳細に観察 | 非侵襲的な検査 |
血液検査 | 甲状腺機能、自己抗体、鉄欠乏などを確認 | 必要に応じて実施 |
内服療法 – ステロイドパルスやJAK阻害薬の活用ポイント
円形脱毛症の範囲が広い場合や、進行が速い場合には、内服薬による治療を検討します。主に免疫の働きを調整する薬剤が用いられ、医師の指導のもと、効果と副作用のバランスを考慮しながら慎重に進めます。

ステロイド内服薬の適応と注意点
ステロイド内服薬は、急速に進行する重症の円形脱毛症に対して、炎症や免疫反応を強力に抑える目的で使用します。高い治療効果が期待できる一方で、副作用のリスクもあるため、短期間での使用が原則です。
特に女性の場合、ホルモンバランスへの影響も考慮し、慎重な判断が求められます。
ステロイドパルス療法とは
ステロイドパルス療法は、短期間に大量のステロイドを点滴または内服する治療法です。入院が必要となる場合もありますが、脱毛範囲が頭全体の50%以上に及ぶような重症例で検討されます。
治療期間や効果には個人差があります。
内服ステロイドの主な副作用
副作用の種類 | 主な症状 | 対策・注意点 |
---|---|---|
易感染性 | 感染症にかかりやすくなる | 手洗い、うがい、人混みを避ける |
消化性潰瘍 | 胃痛、胸やけ | 胃薬の併用、空腹時を避けて服用 |
ムーンフェイス | 顔が丸くなる | 減量・中止により改善 |
ステロイド内服薬は、医師の指示通りに服用し、自己判断で量を変えたり中止したりしないでください。副作用が疑われる場合は、速やかに医師に相談しましょう。
JAK阻害薬(内服)の新しい選択肢
近年、円形脱毛症の治療薬として注目されているのがJAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬です。これは、免疫細胞の活性化に関わるJAKという酵素の働きを阻害することで、毛包への攻撃を抑え、発毛を促す薬剤です。
従来の治療で効果が不十分だった重症の患者さんにとって、新たな希望となる可能性があります。ただし、保険適用には条件があり、専門医による適切な診断と管理のもとで使用する必要があります。
JAK阻害薬の作用と期待される効果
JAK阻害薬は、毛根を攻撃するリンパ球の働きを抑えることで、脱毛の進行を止め、発毛を促します。特に広範囲型や全頭型、汎発型の円形脱毛症に対する効果が期待されています。
治療期間は症状によって異なりますが、数ヶ月から1年以上の継続が必要となることもあります。
JAK阻害薬の副作用と費用
JAK阻害薬の主な副作用としては、感染症のリスク増加、ニキビ、頭痛、吐き気などがあります。また、比較的新しい薬剤であるため、長期的な安全性についてはまだデータが蓄積されている段階です。
費用は保険適用となる場合でも、他の治療法と比較して高額になることがあります。治療を開始する前に、医師から十分な説明を受け、納得した上で進めることが大切です。
外用療法 – ステロイド軟膏・ミノキシジルなど局所治療
円形脱毛症の治療において、まず検討されるのが外用薬による局所治療です。脱毛範囲が限られている場合や、内服薬の副作用が懸念される場合に選択されます。根気強く継続することが、効果を実感するための鍵となります。

ステロイド外用薬の種類と強さ
ステロイド外用薬は、脱毛部の炎症を抑え、免疫反応を調整する目的で使用します。症状の程度や部位に応じて、様々な強さ(ランク)の薬剤を使い分けます。
医師は、効果と副作用のバランスを考慮し、適切なランクのステロイド外用薬を選択します。自己判断で市販のステロイド薬を使用することは避け、必ず医師の指示に従ってください。
ステロイド外用薬のランク
- ストロンゲスト(最も強い)
- ベリーストロング(かなり強い)
- ストロング(強い)
- ミディアム(中間)
- ウィーク(弱い)
顔面や頭皮など、部位によって吸収率が異なるため、適切なランクの選択が重要です。
ミノキシジル外用薬の発毛効果と使い方
ミノキシジルは、もともと高血圧の治療薬として開発されましたが、副作用として多毛が見られたことから、発毛剤として利用されるようになりました。血管を拡張し、毛母細胞を活性化させることで発毛を促すと考えられています。
市販薬としても入手可能ですが、皮膚科で処方されるミノキシジル外用薬は濃度が高い場合があり、より効果が期待できます。効果が現れるまでには数ヶ月単位の期間が必要で、根気強く継続することが大切です。
副作用として、初期脱毛やかゆみ、かぶれなどが現れることがあります。
ミノキシジル外用薬の正しい塗布方法
1日1~2回、乾いた頭皮の脱毛部分に直接塗布します。塗布後はマッサージを軽く行い、薬剤を浸透させます。使用量や回数は、製品の指示または医師の指導に従ってください。
その他の外用薬(塩化カルプロニウムなど)
塩化カルプロニウム外用薬も、血行を促進し、毛根に栄養を供給することで発毛を促す効果が期待される薬剤です。比較的副作用が少なく、長期間使用しやすいという特徴があります。
ステロイド外用薬やミノキシジル外用薬と併用されることもあります。
外用薬治療のポイント
薬剤の種類 | 主な作用 | 使用期間の目安 |
---|---|---|
ステロイド外用薬 | 抗炎症作用、免疫抑制作用 | 数週間~数ヶ月 |
ミノキシジル外用薬 | 血行促進、毛母細胞活性化 | 3ヶ月~6ヶ月以上 |
塩化カルプロニウム外用薬 | 血行促進 | 数ヶ月以上 |
局所注射・光線療法—ステロイド注射とエキシマライトの選択
外用薬だけでは効果が不十分な場合や脱毛斑が限局している場合に、局所注射療法や光線療法が検討されます。これらの治療は、皮膚科で専門的な手技や機器を用いて行います。

ステロイド局所注射の有効性と限界
ステロイド局所注射は、脱毛斑に直接ステロイドを注射することで、局所的に高い濃度の薬剤を作用させ、炎症や免疫反応を抑える治療法です。比較的狭い範囲の脱毛斑に対して有効性が高く、数回の治療で発毛が見られることもあります。
ただし、注射時の痛みや、頻回な注射による皮膚の萎縮、陥凹などの副作用のリスクがあります。広範囲の脱毛には不向きです。
注射の頻度と治療期間
通常、2週間から1ヶ月に1回程度の頻度で、数ヶ月間治療を継続します。効果の現れ方には個人差があり、医師と相談しながら治療計画を調整します。治るまでの期間も症状により異なります。
エキシマライト・ナローバンドUVBなどの光線療法
光線療法は、特定の波長の紫外線を脱毛部に照射することで、免疫細胞の働きを調整し、発毛を促す治療法です。エキシマライトやナローバンドUVBといった種類があり、比較的副作用が少なく、広範囲の治療にも対応できます。
週に1~2回程度の通院が必要で、効果が現れるまでには数ヶ月かかることが一般的です。アトピー性皮膚炎など、他の皮膚疾患の治療にも用いられることがあります。
光線療法のメリット・デメリット
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
効果 | 免疫調整、発毛促進 | 効果に個人差、即効性は低い |
副作用 | 比較的少ない(日焼け様の赤み、色素沈着など) | 長期照射による皮膚への影響(まれ) |
通院 | 広範囲の治療が可能 | 定期的な通院が必要 |
光線療法は、保険適用となる場合があります。詳細は医師にご確認ください。
免疫調整・再生医療—DPCP外用やPRP療法の可能性
従来の治療法で十分な効果が得られない難治性の円形脱毛症に対しては、免疫調整療法や再生医療といった、より専門的なアプローチが検討されることがあります。
ただし実施できる医療機関が限られており、多くは自費診療となります。
局所免疫療法(DPCP、SADBE)の仕組みと効果

局所免疫療法は、かぶれを起こす特殊な化学物質(DPCPやSADBEなど)を脱毛部に塗布し、人為的に軽い接触皮膚炎を起こすことで、毛包への免疫反応を別の方向へ向けさせ、発毛を促す治療法です。
自己免疫疾患である円形脱毛症の病態に働きかける治療として、有効性が報告されています。治療には専門的な知識と経験が必要で、かぶれの強さを適切にコントロールしながら進めます。
治療の流れと注意点
まず、感作といって、ごく少量の化学物質を腕などに塗布し、アレルギー反応を起こしやすい状態にします。その後、脱毛部に低濃度の化学物質を塗布し、徐々に濃度を上げていきます。
治療中はかゆみや赤みなどの症状が出ますが、これらが治療効果の指標ともなります。副作用として、強いかぶれやリンパ節の腫れなどが起こることがあります。
PRP(多血小板血漿)療法などの再生医療
PRP療法は、患者さん自身の血液から血小板を多く含む成分(PRP)を抽出し、脱毛部に注入することで、毛母細胞の活性化や毛包の再生を促す再生医療の一種です。血小板に含まれる成長因子が、発毛シグナルを刺激すると考えられています。
まだ新しい治療法であり、効果や安全性についてはさらなる研究が待たれますが、副作用のリスクが比較的低いとされています。専門クリニックで提供されることが多い治療法です。
PRP療法の期待と現状
自身の血液を用いるため、アレルギー反応などのリスクが低い点がメリットです。しかし、効果には個人差があり、全ての人に有効とは限りません。また、保険適用外のため、治療費は全額自己負担となります。
主な先進的治療法の比較
治療法 | 主な作用機序 | 保険適用 |
---|---|---|
局所免疫療法(DPCPなど) | 免疫反応の変調 | 一部保険適用の場合あり(施設による) |
JAK阻害薬(内服) | 免疫細胞の活性化抑制 | あり(条件付き) |
PRP療法 | 成長因子による毛包活性化 | なし(自費診療) |
カバーリングとメンタルケア—ウィッグ活用と心理支援
円形脱毛症の治療には時間がかかることもあり、その間のQOL(生活の質)を維持するためには、脱毛部をカバーする方法や精神的なサポートが重要になります。
特に女性にとって、外見の変化は大きなストレスとなり得るため、積極的にケアを行いましょう。
医療用ウィッグ(かつら)の種類と選び方
医療用ウィッグは、脱毛や薄毛に悩む方のために作られた、自然な見た目と快適な装着感を追求したかつらです。素材(人毛、人工毛、ミックス毛)、髪型、サイズなど様々な種類があり、専門のサロンで相談しながら選ぶことができます。

治療中のデリケートな頭皮に配慮した製品も多く、精神的な負担を軽減する助けとなります。
ウィッグ選びのポイント
- 通気性や肌触りの良い素材を選ぶ
- 自分の髪色や髪質に近いものを選ぶ
- 試着してフィット感を確認する
自治体によっては、医療用ウィッグの購入費用の一部を助成する制度がある場合もあります。お住まいの地域の情報を確認してみましょう。
ヘアピースやスカーフ、帽子の活用
脱毛範囲が限られている場合や、ウィッグに抵抗がある場合は、ヘアピース(部分ウィッグ)やスカーフ、帽子なども有効なカバー方法です。おしゃれを楽しみながら、気になる部分を自然に隠すことができます。

様々なデザインや素材のものがあるので、気分や服装に合わせて使い分けるのも良いでしょう。
ストレスとの向き合い方と心理的サポート
円形脱毛症は、ストレスが原因の一つとも考えられており、また脱毛自体が大きなストレスとなる悪循環に陥りやすい疾患です。一人で抱え込まず、家族や友人、医師に相談することが大切です。
必要に応じて、カウンセリングや心理療法を受けることも有効な手段です。専門クリニックでは、心理的なサポート体制を整えているところもあります。
ストレス軽減のためのヒント
アプローチ | 具体的な方法 | 期待される効果 |
---|---|---|
リラクゼーション | 深呼吸、瞑想、ヨガ、アロマテラピー | 心身の緊張緩和 |
趣味・娯楽 | 好きな音楽を聴く、映画を見る、散歩する | 気分転換、ポジティブな感情の促進 |
相談 | 家族、友人、医師、カウンセラーに話す | 孤独感の軽減、問題解決の糸口 |
生活習慣改善で再発リスクを抑える – 睡眠・栄養・頭皮ケア
円形脱毛症の治療効果を高め、再発リスクを低減するためには、日々の生活習慣を見直すことが重要です。バランスの取れた食事、質の高い睡眠、適切な頭皮ケアは、健やかな髪を育むための土台となります。

質の高い睡眠の確保
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、免疫機能の低下やホルモンバランスの乱れにつながる可能性があります。これらは円形脱毛症の悪化要因となり得るため、毎日同じ時間に寝起きするなど、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。
寝る前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用を控えることも、質の高い睡眠を得るために役立ちます。
バランスの取れた食事と栄養
髪の主成分であるタンパク質(特にケラチン)をはじめ、ビタミンやミネラルは健康な髪の成長に必要です。特定の食品だけを摂取するのではなく、肉、魚、大豆製品、緑黄色野菜、海藻類などをバランス良く摂ることが大切です。
特に亜鉛や鉄分は、髪の成長に関わる重要なミネラルです。
髪の健康に役立つ栄養素
- タンパク質(肉、魚、卵、大豆製品)
- 亜鉛(牡蠣、レバー、牛肉)
- 鉄分(レバー、赤身の肉、ほうれん草)
- ビタミンB群(豚肉、マグロ、ナッツ類)
- ビタミンC(果物、野菜)
正しい頭皮ケアとマッサージ
頭皮を清潔に保つことは重要ですが、洗いすぎや刺激の強いシャンプーは、かえって頭皮環境を悪化させる可能性があります。低刺激性のシャンプーを選び、指の腹で優しくマッサージするように洗いましょう。
頭皮マッサージは血行を促進し、毛根に栄養を届けやすくする効果が期待できます。ただし、炎症が強い時期は刺激を避けるようにしてください。
頭皮ケアの注意点
ポイント | 具体的な内容 | 理由 |
---|---|---|
シャンプー選び | アミノ酸系など低刺激性のもの | 頭皮への負担軽減 |
洗い方 | 指の腹で優しく、爪を立てない | 頭皮の保護、血行促進 |
乾燥 | ドライヤーでしっかり乾かす(熱すぎない温風で) | 雑菌の繁殖防止 |
ストレスマネジメントと定期フォロー – 長期管理の要
円形脱毛症は、一度治っても再発することがある疾患です。そのため、症状が改善した後も、ストレスを上手にコントロールし、定期的な皮膚科でのフォローアップを続けることが、長期的な健康状態を維持するために大切です。
ストレス要因の特定と対処法
日常生活におけるストレスの原因を特定し、可能な範囲でそれを避けるか、上手に対処する方法を見つけることが重要です。仕事、人間関係、家庭環境など、ストレスの原因は様々です。
自分なりのリフレッシュ方法を見つけ、心身のバランスを保つよう努めましょう。ストレスが原因で症状が悪化することもあるため、早期の対処が求められます。
リラクゼーション法の習得

深呼吸、瞑想、ヨガ、アロマテラピー、音楽鑑賞など、自分に合ったリラクゼーション法を見つけて日常に取り入れることで、ストレスに対する抵抗力を高めることができます。
これらの方法は、心身の緊張を和らげ、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
定期的な皮膚科受診の意義
症状が改善した後も、定期的に皮膚科を受診し、頭皮の状態をチェックしてもらうことが推奨されます。再発の兆候を早期に発見できれば、迅速な対応が可能となり、症状の悪化を防ぐことができます。
また、医師との継続的な関係は、不安や疑問が生じた際に気軽に相談できる安心感にもつながります。治療期間が終了しても、医師の指示に従い、必要な場合はフォローアップを受けましょう。
定期フォローアップのメリット
- 再発の早期発見・早期対応
- 頭皮状態の継続的なチェック
- 生活習慣に関するアドバイス
- 精神的な安心感
よくある質問
- 円形脱毛症は必ず治りますか? 治療期間はどれくらいですか?
-
円形脱毛症の多くは、適切な治療を行うことで改善が期待できます。しかし、症状の範囲や重症度、個人の体質、原因などによって、治るまでの期間や治療効果には個人差があります。
数ヶ月で軽快することもあれば、1年以上の治療期間を要する場合や、残念ながら難治性となるケースもあります。まずは皮膚科専門医に相談し、ご自身の状態に合った治療計画を立てることが大切です。
- 女性の円形脱毛症の原因として、ホルモンバランスの乱れは関係ありますか?
-
はい、女性の場合、ホルモンバランスの乱れが円形脱毛症の発症や悪化に関与することがあります。妊娠・出産、更年期など、ライフステージの変化に伴うホルモン変動が影響する可能性が指摘されています。
また、甲状腺疾患など、ホルモンに関連する他の病気が背景にあることもありますので、皮膚科での詳しい問診や検査が重要になります。
- 市販の育毛剤やシャンプーは効果がありますか?
-
市販の育毛剤やシャンプーの中には、頭皮環境を整えたり、血行を促進したりする成分が含まれているものがあります。
軽度の脱毛や予防には一定の効果が期待できるかもしれませんが、円形脱毛症の根本的な原因である免疫異常に直接作用するものではありません。
症状がある場合は、まず皮膚科を受診し、医師の診断と指示に基づいて適切な治療を受けることをお勧めします。ミノキシジル配合の発毛剤など、医学的根拠のある製品もありますが、使用前に専門医に相談するのが賢明です。
- 円形脱毛症の治療は保険適用されますか?
-
円形脱毛症の治療の多くは保険適用となります。例えば、ステロイド外用薬、一部の内服薬(抗ヒスタミン薬など)、光線療法(エキシマライト、ナローバンドUVB)などは保険診療の範囲内です。
ただし、JAK阻害薬のような新しい治療薬や、局所免疫療法、PRP療法などの一部の専門的な治療は、保険適用に条件があったり、自費診療となったりする場合があります。
治療を開始する前に、費用や保険適用について医師や医療機関に確認することが大切です。
- アトピー体質だと円形脱毛症になりやすいですか?
-
A5. アトピー性皮膚炎をお持ちの方は、円形脱毛症を合併しやすい傾向があると言われています。アトピー性皮膚炎も円形脱毛症も、免疫系の異常が関与する自己免疫疾患の一種と考えられているためです。
アトピー体質の方が円形脱毛症を発症した場合、皮膚科専門医による総合的な診断と、両方の疾患を考慮した治療計画が重要になります。
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