目の下の皮膚は体の中でも特に薄く、わずかな刺激で炎症を起こしやすいデリケートな部位です。なかなか治らない湿疹の背景には、不適切なスキンケアやアレルギー、隠れた内臓疾患などが関係しています。
早期の適切なアプローチこそが、健やかな目元を取り戻す唯一の方法です。
この記事では、原因の特定から正しい塗り薬の使い方、再発を防ぐ保湿ケアまで詳しく解説します。
この記事の執筆者

小林 智子(こばやし ともこ)
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長
2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。
こばとも皮膚科関連医療機関
目の下のかぶれや湿疹が長引く背景にある主な原因を特定する
目の下のトラブルが慢性化する理由は、外部刺激とバリア機能の低下による悪循環が止まらないためです。多くの場合、原因物質を排除しきれていないか、誤った自己ケアが皮膚の再生を妨げています。
毎日のメイクやクレンジングによる物理的な刺激と成分の反応
アイメイクに使用する化粧品には、発色を良くするための顔料や防腐剤などの化学成分が豊富に含まれています。成分が肌に合わない場合、特定の部位に一致した赤みや小さなぶつぶつが出現します。
ウォータープルーフの化粧品を落とす際の摩擦は、角質層を著しく削り取り、クレンジングで強く擦る行為は、健康な肌ですら炎症を誘発する大きな要因となります。
クレンジング剤の脱脂力が強すぎるケースも少なくありません。目の下は皮脂腺が少ないため、必要な脂分まで奪われると乾燥が進行し、刺激に極端に弱い肌へと変化します。
日々の些細な刺激が積み重なると、慢性的な接触皮膚炎へと移行します。炎症が起きている期間は、化粧品そのものの使用を見直す勇気を持つことが大切です。
特に、アイシャドウに含まれるラメ成分や酸化鉄などの金属成分は、アレルギーの引き金になりやすいです。まぶたの境界線に沿って赤みが出る場合は、特定の製品に対する感作を疑いましょう。
さらに、クレンジング後に肌がつっぱる感覚があるなら、それはバリア機能崩壊のサインです。洗浄成分である界面活性剤が肌に残り、持続的な刺激となっている可能性も考慮してください。
季節の変わり目や花粉などが引き起こすアレルギー性皮膚炎
春や秋にだけ目元の痒みが強まるのであれば、空中を舞う花粉が影響している可能性が高いです。花粉が皮膚に付着すると、体はそれを敵と見なし、過剰な免疫反応を引き起こします。
バリア機能が低下した肌は、花粉の侵入を許してしまい、目の周り全体が腫れぼったくなり、激しい痒みや熱感を伴う湿疹が出やすくなります。
ハウスダストやペットの毛も同様のアレルギー反応を誘発します。寝具のホコリや動物のフケが、就寝中に目元へ接触することで、朝起きた時の炎症を招きます。
アレルギー性の湿疹は、放置すると皮膚を厚くし、ゴワつきの原因になるので、早めに抗原を特定し、物理的な接触を避ける環境作りを優先してください。
花粉が原因の場合、外出から戻った直後に症状が悪化し、衣服に付着した微細な粉末が室内に持ち込まれ、就寝中も絶え間なく肌を刺激し続けます。
また、黄砂やPM2.5といった大気汚染物質も、目元のデリケートな皮膚には致命的な刺激です。これらが花粉と組み合わさることで、さらに炎症反応が複雑化し、治りにくくなります。
最近では、スマホの長時間利用によるドライアイが、無意識の瞬き回数を増やし、それが摩擦となってアレルギー反応を助長するケースも増えています。
眼球そのものの痒みがある場合は、目を擦る動作が皮膚を直接破壊します。目薬を適切に使用し、皮膚だけでなく粘膜側のアプローチも同時に行うことが再発防止の鍵です。
アトピー性皮膚炎の素因とバリア機能の著しい低下
もともとアトピー素因を持つ方は、全身の中でも特に皮膚が薄い目元に症状が出やすいです。遺伝的にセラミドなどの保湿因子が不足しており、常に乾燥状態にあります。
痒みを我慢できずに目を擦ると、さらにバリア機能が破壊されます。この悪循環が繰り返されることで、皮膚が慢性的に赤黒く変色し、治りにくい状態が定着します。
精神的なストレスや疲労も、バリア機能を一時的に著しく低下させ、体調不良のタイミングで目元のトラブルが悪化するのは、肌の防衛力が弱まっている証拠です。
アトピー素因による湿疹は、単なる一時的なかぶれとは治療のアプローチが異なります。保湿を徹底しながら、消炎薬を適切に使うプロアクティブな姿勢が重要です。
特に、冬場の乾燥時期は空気が肌から水分を奪い去ります。アトピーの方は健常な方に比べて水分の蒸散スピードが速いため、目元は常に砂漠のような状態に陥ります。
さらに、アトピー肌は黄色ブドウ球菌などの雑菌が繁殖しやすい土壌を持っています。掻き壊した傷口から菌が入り込むと、二次感染を引き起こし、浸出液が出るほどの悪化を招きます。
目元の皮膚がカサカサして粉を吹いているなら、それは深刻な油分不足のサインです。皮脂の代わりとなる保護膜を作らない限り、外気との接触は全て攻撃として受け取られます。
主な原因物質と現れやすい症状
| 原因物質 | 代表的な症状 | 注意すべき時期 |
|---|---|---|
| 化粧品成分 | 特定の範囲の赤み | 新製品の使用時 |
| 花粉 | 腫れと強い痒み | 春・秋の飛散期 |
| 物理的摩擦 | ヒリつき・乾燥 | 洗顔・就寝中 |
放置は危険な目の下の湿疹に効果的な市販薬と処方薬の使い分け
目元に使用する薬は、皮膚の薄さを考慮して慎重に選ぶ必要があります。強い薬は副作用のリスクを高めるため、症状の重さに合わせて適切なランクを選択してください。自己判断を過信せず、薬の特徴を理解することが治癒への第一歩です。
市販の塗り薬を選ぶ際に確認すべき成分と注意点
ドラッグストアで購入できる薬には、非ステロイド性とステロイド性の2種類があり、軽度の赤みやヒリつきには、ウフェナマートなどの抗炎症成分が適しています。
ステロイド配合の市販薬を使用する場合は、必ずランクを確認してください。目元にはもっとも弱いランクの薬を選択し、長期間の使用は絶対に避けるべきです。
眼軟膏として販売されているタイプは、万が一目に入っても安全な成分で作られています。目の際まで症状がある場合は、通常の皮膚用ではなく眼科用の軟膏が安心です。
数日間使用しても改善の兆しがない場合は、薬が合っていない可能性があります。そのまま使い続けると皮膚を傷めるため、速やかに専門医へ相談してください。
市販薬に含まれるメントールやアルコール成分には注意が必要です。清涼感は痒みを紛らわせますが、炎症が強い目元には過剰な刺激となり、かえって赤みを増長させます。
また、複数の成分が配合された市販薬は、どの成分が自分に合っていないかを特定しにくいデメリットがあります。なるべくシンプルな構成の薬を選ぶのが賢明な選択です。
塗り方も重要です。薬を直接チューブから出すのではなく、清潔な指先に少量取り、トントンと置くように馴染ませてください。塗り広げる際の摩擦すらも抑えましょう。
皮膚科で処方されるプロトピック軟膏やステロイドの役割
病院では、炎症の火を消すためにステロイド軟膏が処方され、ロコイドやキンダベートなどのマイルドなランクを用い、短期間で炎症を鎮める手法をとります。
最近では、ステロイドではない免疫抑制剤のプロトピック軟膏も多用されます。皮膚が薄くなる副作用がないため、目元の長期ケアにおいて非常に頼りになる薬です。
プロトピック軟膏は使い始めに熱感やピリつきを感じることがありますが、これは薬が効き始めているサインであり、数日で治まるため、心配せず継続が可能です。炎症が落ち着いた後も、保湿剤と併用して再発を抑える治療を続けます。
ステロイドの使用に関しては、副作用を恐れすぎて必要量を塗らないことが治療を長引かせます。指示された回数を守り、一気に炎症を叩くのが正解です。
さらに、コレクチム軟膏という新しいタイプの外用薬も登場しています。ヤヌスキナーゼ阻害薬と呼ばれ、副作用が少なく、ステロイドが使いにくい目元に適しています。
最も重要なのは、症状が消えた瞬間に自己判断で薬を止めないことです。皮膚の深部にはまだ炎症の種が残っており、ここで止めると数日後に再燃してしまいます。
痒みが止まらない時に処方される抗ヒスタミン薬の内服
塗り薬だけで痒みがコントロールできない時は、内服薬を併用します。抗ヒスタミン薬は体内から痒みの原因物質をブロックし、掻きむしりによる悪化を防ぎます。
眠気が出にくいタイプや、持続時間が長いタイプなど、個人の生活環境に合わせて選べます。痒みが強いと睡眠の質も落ちるため、内側からのケアは大切です。
特に夜間に痒みが強まる方は、就寝前に服用することで朝までの肌の状態を保てます。掻く動作そのものを減らすことが、傷ついた角質層の再生を早めます。
抗アレルギー薬は、花粉症などが原因の場合にも高い効果を発揮し、目元の症状だけでなく、鼻水や目自体の痒みも同時に和らげることが可能です。
最新の第2世代抗ヒスタミン薬は、集中力低下や口の渇きといった従来の副作用が大幅に改善されています。仕事や車の運転への影響を最小限に抑えつつ、痒みを抑制できます。
また、内服薬は皮膚全体に作用するため、目元だけでなく全身の乾燥による痒みもケアしてくれます。乾燥肌がベースにある方には、非常に効率的な補助療法です。
目元に使用される代表的な薬の比較
| 薬の種類 | 主なメリット | 使用上の注意 |
|---|---|---|
| 弱ステロイド | 即効性が高い | 長期使用は避ける |
| プロトピック | 副作用が少ない | 初期の火照り感 |
| 非ステロイド剤 | 刺激が少ない | 強い炎症には力不足 |
デリケートな目元を守る正しいスキンケア方法と洗顔のコツ
毎日の洗顔や保湿の方法を少し変えるだけで、肌のバリア機能は飛躍的に回復します。目の下はとにかく擦らないこと、そして水分を閉じ込めることが重要です。正しい手技を身につけ、刺激に左右されない肌作りを目指しましょう。
摩擦を極限まで減らす泡洗顔の具体的な手順
洗顔の基本は、直接指で肌を触らないほどの弾力ある泡を作ることです。洗顔ネットを使い、レモン1個分くらいの大きさまで泡立てる習慣をつけましょう。
泡を目の下にそっと置くようにし、汚れを吸着させるイメージで洗います。指先で横にスライドさせる動作は、皮膚を傷つける原因となるため禁物です。
すすぎは32度程度のぬるま湯で行い、シャワーを直接顔に当てないでください。手ですくったお湯を優しく顔に当てるようにして、洗浄成分を流し切ります。
タオルで水分を吸い取る時も、ポンポンと軽く当てるだけにとどめます。ゴシゴシ拭く行為は、せっかく整えた角質層を再び乱してしまうため避けましょう。
洗顔時間は、顔全体で1分以内を目安にします。長く時間をかけすぎると、肌に必要な保湿因子までお湯に溶け出してしまい、乾燥を加速させるからです。
また、生え際やフェイスラインに洗顔料が残っていると、そこから目元へと成分が伝わり、遅延性のアレルギーを引き起こすことがあるので、細部まで徹底して流してください。
朝の洗顔は、前夜に塗った油分や酸化した皮脂を落とすために必要ですが、目元が極端に乾燥している場合は、ぬるま湯のみの洗顔に切り替えるなど柔軟な対応も有効です。
セラミドやワセリンを活用した低刺激な保湿ケア
保湿において優先すべき成分は、肌のバリアを担うセラミドです。ヒト型セラミド配合の美容液などは、角質層へ浸透しやすく、乾燥した肌を中から潤します。
炎症が起きている部分は、通常の乳液すら染みることがあり、その場合は、純度の高い白色ワセリンのみを薄く重ねて、物理的に保護を行ってください。
ワセリンは皮膚に浸透せず、表面に強力な膜を張ってくれます。水分蒸散を防ぐだけでなく、外からの刺激が直接触れるのを防ぐ盾として機能します。
アイクリームを塗る際は、もっとも力の入りにくい薬指を使いましょう。トントンと優しく馴染ませるだけで、十分な保湿効果を得ることができます。
保湿のタイミングは、洗顔後お風呂上がりの「5分以内」が鉄則です。浴室を出た直後から肌の水分は急激に失われるため、脱衣所ですぐにケアができる体制を整えましょう。
セラミドケアについては、化粧水よりも美容液タイプを選ぶのが効率的です。分子量が小さいヒト型セラミドは、隙間の空いた角質層をピタッと埋めるセメントのような役割を果たします。
アイメイクを休む勇気と肌に優しいコスメの選び方
かぶれが治らない期間は、思い切ってアイメイクを休止するのが一番の近道です。どうしても必要な日は、お湯で落ちるマスカラなど負担の少ないものを選びます。
紫外線も炎症を悪化させる大きな要因となります。目元に優しいノンケミカルの日焼け止めを使用し、サングラスや帽子で物理的に日光を遮りましょう。
古いアイシャドウや筆が原因で雑菌が繁殖し、湿疹を誘発していることもあるので、道具を清潔に保つか、定期的に買い換えることで、目元の衛生を守ってください。
成分表示を確認し、アルコールや香料が不使用の製品を選び、自分の肌が何に反応しやすいかを知り、リスクを最小限に抑える選択が大切です。
石鹸でオフできるミネラルコスメは、クレンジングによる摩擦を回避できるため非常に有効です。ただし、ミネラル成分そのものが金属アレルギーを起こさないかは事前確認が必要です。
見直すべき目元の習慣リスト
- クレンジングはポイント用を使い、短時間で済ませる
- 洗顔後は3分以内に保湿を行い、乾燥の隙を与えない
- 目元を触る癖や目を擦る習慣を意識して止める
- 基礎化粧品はパッティングせずハンドプレスで行う
アレルギー検査で原因を突き止め再発を防ぐための専門的アプローチ
薬を塗っても症状を繰り返す場合、気づかないアレルゲンに接触し続けている恐れがあります。原因を特定すれば、対策はぐっと容易になります。
パッチテストで判明する金属や防腐剤への接触感作
特定の物質が肌に触れて起きるかぶれを調べるには、パッチテストが有効で、背中などに疑わしい成分を貼り、48時間後の反応を確認する検査です。
自分では低刺激だと思っていた化粧品や、日頃使っているビューラーの金属が原因であることがあります。原因物質がわかれば、それを避けるだけで完治します。
検査結果が出るまでは入浴制限などがありますが、受ける価値は十分にあります。長年の悩みがあっけなく解決することも、珍しいことではありません。
一度陽性と判定された物質は、その後も一生避ける必要があり、自分の弱点を知ることは、将来の肌トラブルを回避するための大きな武器となります。
特筆すべきは、香料やパラベンなどの防腐剤です。これらは多くの化粧品に含まれており、一つ一つをパッチテストで切り分けることで、自分の肌に本当に合う成分リストが作れます。
また、金属アレルギーは汗によって金属がイオン化し、皮膚に溶け出すことで発生します。夏場に悪化する場合は、ビューラーやピアスといった金属製品の関与を疑うべきです。
パッチテストは疑わしい私物を持ち込むことも可能で、普段使っているクリームが原因かどうかを、科学的な根拠を持って証明できます。
結果が出るまでのプロセスは多少面倒に感じるかもしれませんが、暗闇で治療を続けるよりは、はるかに効率的で精神的なストレスも軽減されるでしょう。
血液検査による環境アレルゲンの把握
一度の採血で多くの項目を調べられる血液検査は、花粉やダニの特定に適しています。IgE抗体の数値を測ることで、アレルギーの強さを客観的に把握できます。
自分がどの時期の花粉に反応しているかを知れば、事前に薬を服用するなどの先手管理が可能です。無駄な痒みに悩まされる時間を最小限に抑えられます。
食物アレルギーが皮膚症状として現れている可能性も、この検査で示唆され、意外な食材が目元のトラブルに関係していることも少なくありません。
定期的な検査は、体質の変化を追うためにも役立ちます。生活習慣の改善によって、アレルギー反応が和らいでいく過程を確認できることもあります。
血液検査では、非特異的IgE値を測定することで、体全体のアレルギー体質の強さもわかります。数値が高い場合は、生活全般において慎重なケアが求められる指標となります。
「MAST36」や「View39」といったセット検査が一般的で、一度の採血で日常的に触れる主要な36〜39項目を一気にカバーできるため、非常にコストパフォーマンスが高いです。
検査によって、自分が自覚していなかった犬や猫への反応が判明することもあります。友人宅を訪問した後の肌荒れなど、これまでの謎が解ける瞬間でもあります。
ただし、血液検査の結果が陽性であっても、それが必ずしも現在の皮膚症状の主犯とは限りません。検査結果と日常の症状を医師とともに照らし合わせることが、正しい診断には不可欠です。
医師との二人三脚で進めるリアクティブ療法からプロアクティブ療法へ
症状が出た時だけ薬を塗る後追い治療では、再発を繰り返しやすく、皮膚の奥に潜む炎症を完全に叩くためには、プロアクティブな治療が必要です。
見た目が綺麗になった後も、回数を減らしながら定期的に薬を塗ることで、バリア機能が完璧に戻るまで皮膚を保護し続ける戦略をとります。
この方法をとることで、最終的には薬を塗らなくても平気な健康な肌へと戻せます。焦らずに、医師と相談しながらゆっくりと薬を減らしていきましょう。
自己判断での中止は、もっとも再発を招きやすい危険な行為で、完治の太鼓判をもらうまで、プロの指導に基づいたケアをやり遂げることが大切です。
プロアクティブ療法では、例えば週末だけ塗るといったメンテナンス期を設け、皮膚の薄い目元でもステロイドの総使用量を最小限に抑えつつ、炎症を制圧できます。
さらに、医師は肌の状態を診るだけでなく、適切な薬の量「FTU(フィンガーチップユニット)」を教えてくれ、適切な量を知ることが、治療効率を劇的に高めます。
専門的な治療のメリット
- パッチテストで原因物質を100%近く特定できる
- プロアクティブ療法により再発率を大幅に下げられる
- 自分に合った薬の強さをプロが適宜調整してくれる
- 精神的な不安から解放され治療に専念できる
目の下のかぶれが深刻な病気のサインである可能性と受診の目安
稀に、目元の湿疹が全身疾患の一部として現れていることがあります。放置すると危険な病気を見逃さないために、特異なサインを知っておきましょう。違和感があればすぐに医療機関を頼ることが、自分の身を守る最善策です。
膠原病や内臓疾患が皮膚症状として現れるケース
膠原病の一つである皮膚筋炎では、上まぶたや目の下が紫紅色に腫れるヘリオトロープ疹が見られ、これは単なるかぶれとは性質が大きく異なります。
内臓の悪性腫瘍などが原因で皮膚に症状が出ることもあります。湿疹の他に、手指の関節の赤みや、筋肉の力が入りにくいといった症状がある場合は要注意です。
また、腎機能や甲状腺の異常で目元がむくみ、それが湿疹のように見えることもあります。全身の体調不良が重なっている場合は、内科的な精査も必要です。
たかが肌荒れと軽視せず、体のSOSとして真摯に受け止める冷静さを持ってください。早期発見が、その後の人生を大きく左右することになり得ます。
特に、皮膚の症状だけでなく「階段を登るのが辛い」「ペットボトルの蓋が開けにくい」といった筋力の低下を伴う場合は、至急全身の精査を行うことが必要です。
さらに、シェーグレン症候群のように涙の分泌が極端に減る病気では、目元の皮膚が常に裂けそうなほど乾燥し、湿疹を繰り返す要因となります。
急激な体重減少や、微熱が続くなどの全身症状が併発しているなら、それは皮膚ではなく内臓の悲鳴かもしれません。多角的な視点で自分の体を見つめ直してください。
医療機関での採血では、肝機能や腎機能、血糖値なども併せてチェックしてもらいましょう。目元は全身の状態を映し出す鏡であり、そこを入り口に大きな病気を見つけることもあるのです。
帯状疱疹やヘルペスウイルスによる急激な炎症
目の周りに強い痛みがあり、片側だけに水ぶくれが集まって出てきたら、帯状疱疹を疑ってください。これは非常に緊急性が高いウイルス疾患です。
角膜炎を併発し、視力に影響を及ぼす恐れがあるため、一刻も早い抗ウイルス薬の投与が必要で、放置は重大な後遺症を招くリスクを高めます。
単純ヘルペスも、疲労時に目の周りに再発しやすく、湿疹だと思ってステロイドを塗ると、ウイルスが増殖して悪化するため、正しい診断が不可欠です。
ピリピリ、チクチクといった神経的な痛みがある場合は、通常の湿疹ではありません。迷わず眼科または皮膚科の門を叩くべき緊急事態です。
特に帯状疱疹の場合、発疹が出る数日前から「ズキズキする違和感」が生じることがあります。鏡を見て赤みがないのに痛みだけがあるなら、それは前兆サインです。
ウイルスの増殖を抑える薬は、発症から72時間以内の投与がもっとも効果を発揮します。この時間を逃すと、神経痛が一生残ってしまうリスクも否定できません。
また、顔面の帯状疱疹はラムゼイ・ハント症候群といった顔面神経麻痺に繋がる恐れもあります。目元だけでなく、耳の聞こえや顔の動きに違和感がないか注意してください。
治療中は絶対に患部を触らず、安静に過ごすことが最優先です。
放置してはいけない受診すべき症状のチェックリスト
セルフケアを中止し、専門医に委ねるべきタイミングを把握しましょう。以下の症状がある場合は、自宅での対応は不可能で、医療介入が必須です。
適切な診断を受ければ、治療のゴールが明確になり、不安を抱えたまま過ごすよりも、専門家の意見を聞くことで心の安定も得られます。
具体的な指標として、ステロイド外用薬を2週間使っても再発を繰り返す場合、それは治療法が根本的に間違っているか、原因が排除できていない証拠です。
また、目元の腫れが原因で目が開けにくい、あるいは視野が狭まっている場合も、炎症が眼球深部まで及んでいる危険性を示唆しています。
治療を先延ばしにすると、慢性的な炎症によって皮膚が黒ずむ炎症後色素沈着を起こし、消えるまでに数年を要することになります。
ネット上の情報を盲信するのではなく、医師に患部を診せオーダーメイドの治療を受けてください。
緊急性を判断する症状指標
| 症状の現れ方 | 考えられる事態 | 推奨される行動 |
|---|---|---|
| 片側のみの強い痛み | 帯状疱疹 | 即日受診が必須 |
| 膿が出る・ただれる | 二次的な細菌感染 | 早めの抗生剤治療 |
| 顔全体の腫れ | 重度のアレルギー | 救急外来も検討 |
Q&A
- 目の下のかぶれ・湿疹が治らない原因として、ストレスが関係することはありますか?
-
精神的なストレスは肌の状態を左右する大きな要因です。ストレスが溜まると自律神経が乱れ、肌のバリア機能を支えるセラミドの合成能力が低下してしまいます。
外部刺激に過敏な状態になり、目の下のかぶれ・湿疹が治らないという悩みを深刻化させます。また、ストレスにより無意識に顔を触ったり目を擦ったりする物理的刺激も、完治を妨げる原因の一つです。
- 市販薬を使用して目の下のかぶれ・湿疹が治らない場合、いつまで様子を見てよいでしょうか?
-
市販薬を5日間から1週間程度使用しても、全く改善が見られない、あるいは症状が悪化したと感じる場合は、すぐに使用を中止してください。
目の周りは皮膚が非常に薄いため、薬剤の吸収率が高く、合わない薬を使い続けると皮膚が薄くなるなどの副作用が出やすい部位です。
目の下のかぶれ・湿疹が治らないまま放置せず、早期に皮膚科専門医による診断と適切な処方薬への切り替えを行うことを推奨します。
- 目の下のかぶれ・湿疹が治らない時、クレンジングを控えるべきですか?
-
炎症がひどい時は、クレンジングによる物理的な摩擦が最大の刺激となってしまいます。可能な限りアイメイクを休止し、クレンジング剤を使用しない期間を作ることが理想的な解決策です。
どうしてもメイクが必要な場合は、お湯や石鹸のみで落とせる低刺激な製品を選び、肌を擦る回数を極限まで減らしましょう。
目の下のかぶれ・湿疹が治らない状況では、洗浄力の強さよりも肌の保護を最優先にした選択が求められます。
- 花粉が原因で目の下のかぶれ・湿疹が治らない場合、どのような対策が必要ですか?
-
花粉による炎症を防ぐには、物理的にアレルゲンを遮断することがもっとも効果的です。外出時はメガネやマスクを着用し、目元に花粉が直接付着しないような工夫を徹底してください。
帰宅後は速やかに優しく洗顔を行い、付着した花粉を洗い流した上で、セラミド配合の保湿剤でバリアを補いましょう。
目の下のかぶれ・湿疹が治らない時は、ワセリンを薄く塗ることで花粉の侵入をブロックする膜を作ることも有効な対策となります。
参考文献
Feser A, Mahler V. Periorbital dermatitis: causes, differential diagnoses and therapy. JDDG: Journal der Deutschen Dermatologischen Gesellschaft. 2010 Mar;8(3):159-65.
Chisholm SA, Couch SM, Custer PL. Etiology and management of allergic eyelid dermatitis. Ophthalmic Plastic & Reconstructive Surgery. 2017 Jul 1;33(4):248-50.
Turkiewicz M, Shah A, Yang YW, Mangold A, Shen J. Allergic contact dermatitis of the eyelids: An interdisciplinary review. The ocular surface. 2023 Apr 1;28:124-30.
Huang CX, Yiannias JA, Killian JM, Shen JF. Seven common allergen groups causing eyelid dermatitis: education and avoidance strategies. Clinical Ophthalmology. 2021 Apr 12:1477-90.
Sandler M, Rodriguez I, Adler BL, Yu J. Eyelid Dermatitis: Common Patterns and Contact Allergens. Cutis. 2024 Oct 1;114(4):104-8.
Hine AM, Waldman RA, Grzybowski A, Grant-Kels JM. Allergic disorders of the eyelid. Clinics in Dermatology. 2023 Jul 1;41(4):476-80.
Zirwas MJ. Contact dermatitis to cosmetics. Clinical Reviews in Allergy & Immunology. 2019 Feb 15;56(1):119-28.
Wolf R, Orion E, Tüzün Y. Periorbital (eyelid) dermatides. Clinics in dermatology. 2014 Jan 1;32(1):131-40.
Beltrani VS. Eyelid dermatitis. Current Allergy and Asthma Reports. 2001 Jul;1(4):380-8.
Zug KA, Palay DA, Rock B. Dermatologic diagnosis and treatment of itchy redeyelids. Survey of ophthalmology. 1996 Jan 1;40(4):293-306.
