052-228-1280 WEB予約 LINE予約

繰り返す頬ニキビの原因を徹底解明!生活習慣・スキンケアの見直し方

繰り返す頬ニキビの原因を徹底解明!生活習慣・スキンケアの見直し方

頬に繰り返しできてしまうニキビは、見た目の問題だけでなく、精神的なストレスにもつながることがあります。ファンデーションで隠そうとしてもなかなか隠しきれず、憂鬱な気分になる方も少なくないでしょう。

この記事では、なぜ頬にニキビが繰り返されるのか、その根本的な原因を多角的に探り、具体的な生活習慣やスキンケアの見直し方について詳しく解説します。

正しい知識を身につけ、健やかな肌を取り戻すための一歩を踏み出しましょう。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

運営ソーシャルメディア(SNSでは「こばとも」と名乗ることもあります)

XYouTubeInstagramLinkedin

著書一覧
経歴・プロフィールページ

こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

頬ニキビが繰り返すのはなぜ?その主な原因

頬は顔の中でも皮脂腺が多く、外部からの刺激も受けやすいため、ニキビができやすい部位の一つです。一度治ったと思っても、同じような場所に繰り返しニキビができてしまうのは、根本的な原因が解決されていない可能性があります。

ここでは、頬ニキビが繰り返される主な原因について掘り下げていきます。

ホルモンバランスの乱れと頬ニキビ

ホルモンバランスの変動は、皮脂の分泌量に大きな影響を与えます。特に女性の場合、生理周期やストレス、睡眠不足などによってホルモンバランスが乱れやすく、それが頬ニキビの直接的な原因となることがあります。

男性ホルモンの一種であるアンドロゲンは皮脂腺を刺激し、皮脂の過剰な分泌を促します。このアンドロゲンの影響が相対的に強まると、毛穴が詰まりやすくなり、ニキビが発生しやすくなるのです。

また、ストレスを感じると副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌が増加し、これも男性ホルモンの産生を促すため、結果としてニキビの悪化につながることがあります。

ホルモンバランスを整えるために意識したいこと

項目具体的な行動期待される肌への影響
睡眠質の高い睡眠を7-8時間確保する肌のターンオーバー促進
食事バランスの取れた食事を心がける皮脂分泌の正常化
ストレスケア適度な運動や趣味で発散するホルモンバランスの安定

間違ったスキンケアと肌への刺激

良かれと思って行っているスキンケアが、実は肌に負担をかけ、頬ニキビを悪化させているケースも少なくありません。

例えば、ニキビを気にするあまり、一日に何度も洗顔したり、ゴシゴシと強くこすったりする行為は、肌のバリア機能を低下させ、乾燥を招きます。

肌が乾燥すると、かえって皮脂が過剰に分泌されるようになり、ニキビができやすい状態を作り出してしまいます。

また、洗浄力の強すぎるクレンジング剤や洗顔料の使用、毛穴パックの頻繁な使用なども、肌への刺激となり、炎症を引き起こす原因となります。自分の肌質に合わない化粧品を使い続けることも、肌トラブルを招く要因です。

生活習慣の乱れが招く頬ニキビ

不規則な生活習慣は、体の内側から肌の状態を悪化させます。特に、睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、古い角質が剥がれ落ちずに毛穴を塞いでしまう原因となります。

また、偏った食生活も頬ニキビに大きく関わっています。脂質の多い食事や糖質の過剰摂取は、皮脂の分泌を増やし、ニキビをできやすくします。逆に、ビタミンやミネラルが不足すると、肌の健康を維持する力が弱まります。

喫煙や過度な飲酒も、血行を悪化させたり、体内の活性酸素を増やしたりすることで、肌の老化を早め、ニキビを含む様々な肌トラブルを引き起こす可能性があります。

ストレスと頬ニキビの悪循環

現代社会において、ストレスを完全に避けることは難しいですが、過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下を引き起こします。

これらが複合的に作用し、頬ニキビの発生や悪化につながることがあります。ニキビができること自体がストレスとなり、さらにニキビが悪化するという悪循環に陥ってしまうことも少なくありません。

ストレスを上手にコントロールし、心身ともに健康な状態を保つことが、美肌への近道と言えるでしょう。

頬ニキビの種類と特徴を知ろう

一言でニキビと言っても、その進行度合いや状態によっていくつかの種類に分けられます。それぞれのニキビの特徴を理解することは、適切なケアを行い、悪化を防ぐ上で非常に重要です。

ここでは、代表的なニキビの種類とその特徴について解説します。

白ニキビと黒ニキビの違い

白ニキビは、毛穴に皮脂や古い角質が詰まった初期段階のニキビです。コメドとも呼ばれ、皮膚の表面が小さく盛り上がり、白い点のように見えます。この段階ではまだ炎症は起きていません。

一方、黒ニキビは、白ニキビの毛穴が開き、詰まった皮脂や角質が空気に触れて酸化し、黒く変色した状態を指します。黒ニキビも炎症は伴いませんが、放置すると炎症性のニキビに進行する可能性があります。

初期ニキビの主な特徴

ニキビの種類見た目の特徴主な原因
白ニキビ小さく白い点状の盛り上がり毛穴の詰まり(皮脂・角質)
黒ニキビ毛穴が黒く見える詰まった皮脂の酸化

赤ニキビと黄ニキビの炎症段階

赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビが悪化し、毛穴の中でアクネ菌が増殖して炎症を起こした状態です。皮膚が赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じることがあります。この段階になると、ニキビ跡が残りやすくなるため、早めの対処が求められます。

黄ニキビは、赤ニキビがさらに進行し、炎症が強くなって膿が溜まった状態です。ニキビの中央に黄色い膿が見えるのが特徴で、ここまで進行すると、クレーター状のニキビ跡や色素沈着を残すリスクが非常に高くなります。

自己判断で潰してしまうと、さらに悪化させたり、跡が残ったりする可能性があるので注意が必要です。

頬にできやすいニキビの特徴

頬は顔の中でも面積が広く、皮脂腺も存在しますが、Tゾーンほど多くはありません。しかし、乾燥しやすく、また外部からの刺激を受けやすい部位でもあります。

枕カバーや寝具との摩擦、無意識に頬杖をつく癖、マスクの擦れなどが刺激となり、ニキビを引き起こすことがあります。

また、ホルモンバランスの乱れによる影響も受けやすく、特にUゾーン(フェイスラインから顎にかけて)と合わせて頬にニキビができる場合は、大人ニキビの典型的なパターンと言えます。

これらの要因が複合的に絡み合い、頬に繰り返しニキビができると考えられます。

ニキビ跡にしないための初期対応

ニキビ跡を残さないためには、ニキビができた初期段階での適切な対応が何よりも大切です。炎症が起こる前の白ニキビや黒ニキビの段階で、毛穴の詰まりを解消し、清潔な状態を保つことが重要です。

炎症が起きてしまった赤ニキビや黄ニキビの場合は、むやみに触ったり潰したりせず、炎症を鎮めるケアを優先しましょう。自己流のケアで悪化させてしまう前に、皮膚科医に相談することも有効な手段です。

早期に適切な治療を受けることで、ニキビ跡のリスクを大幅に減らすことができます。

生活習慣を見直して頬ニキビを改善

頬ニキビの改善には、スキンケアだけでなく、日々の生活習慣を見直すことが非常に重要です。

バランスの取れた食事、質の高い睡眠、適度な運動など、体の中から健康な状態を作ることで、肌のバリア機能が高まり、ニキビができにくい肌質へと導くことができます。

睡眠の質と時間の重要性

睡眠は、肌のターンオーバーを正常に保つために欠かせない要素です。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、肌細胞の修復や再生を促し、日中に受けたダメージを回復させる働きがあります。

睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、この成長ホルモンの分泌が減少し、肌のターンオーバーが乱れてしまいます。その結果、古い角質が剥がれ落ちにくくなり、毛穴が詰まりやすくなってニキビの原因となります。

特に、肌のゴールデンタイムと言われる午後10時から午前2時の間は、成長ホルモンの分泌が活発になるため、この時間帯に質の高い睡眠をとることが理想的です。

睡眠不足が肌に与える影響

影響具体的な内容結果
ターンオーバーの乱れ古い角質が蓄積しやすくなる毛穴詰まり、ニキビ発生
バリア機能の低下外部刺激に弱くなる肌荒れ、乾燥、炎症
血行不良肌に栄養が行き渡りにくいくすみ、クマ、肌の活力低下

質の高い睡眠を得るためには、寝る前にカフェインを摂取しない、スマートフォンやパソコンの使用を控える、リラックスできる環境を整えるなどの工夫が大切です。

食生活の改善ポイント

「肌は内臓の鏡」と言われるように、食生活は肌の状態に直接的な影響を与えます。頬ニキビを改善するためには、バランスの取れた食事を心がけることが基本です。

特に、脂質の多い食事や甘いもの、スナック菓子などの過剰摂取は、皮脂の分泌を増やし、ニキビを悪化させる可能性があります。一方で、肌の健康維持に役立つ栄養素を積極的に摂取することも重要です。

例えば、ビタミンB群は皮脂の分泌をコントロールし、ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、抗酸化作用によって肌の老化を防ぎます。また、ビタミンEは血行を促進し、肌のターンオーバーをサポートします。

食物繊維が豊富な野菜や海藻類は、腸内環境を整え、便秘を改善することで、間接的にニキビの予防につながります。

頬ニキビと食事の関連性

特定の食品が直接ニキビの原因となるわけではありませんが、食生活の偏りは肌状態に影響します。以下に、肌のために意識したい食品群を挙げます。

  • 緑黄色野菜(ビタミンA、C、E)
  • 果物(ビタミンC、酵素)
  • 大豆製品(イソフラボン、タンパク質)
  • 青魚(EPA、DHA)

これらの食品をバランス良く取り入れ、ジャンクフードや加工食品の摂取は控えめにすることが、健やかな肌への第一歩です。

適度な運動を取り入れるメリット

適度な運動は、血行を促進し、新陳代謝を高める効果があります。これにより、肌細胞に十分な栄養と酸素が行き渡り、肌のターンオーバーが活性化されます。

また、汗をかくことで毛穴に詰まった汚れや老廃物が排出されやすくなり、ニキビの予防につながります。運動はストレス解消にも効果的であり、ストレスによるホルモンバランスの乱れを防ぐことにも役立ちます。

ウォーキングやジョギング、ヨガなど、自分が楽しめる運動を生活に取り入れ、継続することが大切です。ただし、運動後は汗や皮脂をしっかりと洗い流し、清潔な状態を保つことを忘れないようにしましょう。

腸内環境と肌の健康

腸内環境と肌の状態は密接に関連しています。腸内に悪玉菌が増えると、有害物質が生成され、それが血液を通じて全身に運ばれ、肌荒れやニキビの原因となることがあります。

逆に、善玉菌が優勢な健康な腸内環境では、栄養の吸収がスムーズに行われ、免疫力も高まります。腸内環境を整えるためには、食物繊維や発酵食品を積極的に摂取し、善玉菌を増やすことが重要です。

ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品や、野菜、きのこ類、海藻類などの食物繊維が豊富な食品を日々の食事に取り入れましょう。また、十分な水分補給も便通を促し、腸内環境の改善に役立ちます。

腸内環境改善に役立つ食品例

食品カテゴリ代表的な食品期待される効果
発酵食品ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ善玉菌の補給
水溶性食物繊維海藻類、こんにゃく、果物便通改善、善玉菌のエサ
不溶性食物繊維きのこ類、豆類、野菜便のカサ増し、腸の蠕動運動促進

正しいスキンケアで頬ニキビを防ぐ

毎日のスキンケアは、頬ニキビの予防と改善において非常に重要な役割を果たします。しかし、間違った方法で行うと、かえって肌に負担をかけ、ニキビを悪化させてしまうこともあります。

ここでは、頬ニキビを防ぐための正しいスキンケアのポイントを解説します。

クレンジングと洗顔の基本

スキンケアの基本は、肌を清潔に保つことです。メイクや日焼け止め、余分な皮脂や汚れをしっかりと落とすために、クレンジングと洗顔は丁寧に行いましょう。クレンジング剤は、メイクの濃さや肌質に合わせて選びます。

オイルクレンジングは洗浄力が高いですが、乾燥肌の人はミルクタイプやジェルタイプなど、肌への負担が少ないものを選ぶと良いでしょう。洗顔料は、よく泡立ててから、泡で顔を包み込むように優しく洗います。

ゴシゴシと強くこすると、肌に必要な皮脂まで奪ってしまい、乾燥やバリア機能の低下を招くので注意が必要です。すすぎは、ぬるま湯で、洗顔料が残らないように十分に行いましょう。

熱すぎるお湯は肌の乾燥を招き、冷たすぎる水は毛穴が引き締まりすぎて汚れが落ちにくくなることがあります。

肌タイプ別クレンジング選びのポイント

肌タイプおすすめのクレンジングタイプ注意点
乾燥肌ミルク、クリーム、バーム洗浄力がマイルドなものを選ぶ
脂性肌オイル、ジェル、リキッドさっぱりとした洗い上がりのもの
混合肌ジェル、ミルク(Tゾーンはオイルも可)部位によって使い分けるのも有効

保湿ケアの重要性と方法

洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、乾燥しやすい状態になっています。そのため、洗顔後はすぐに保湿ケアを行うことが重要です。化粧水で肌に水分を与え、その後、乳液やクリームなどの油分を含むアイテムで蓋をして、水分の蒸発を防ぎます。

頬は乾燥しやすい部位なので、特に丁寧に保湿しましょう。ニキビができると、油分を避けたくなるかもしれませんが、肌が乾燥するとバリア機能が低下し、かえって皮脂が過剰に分泌されることがあります。

ニキビ肌向けに開発された、オイルフリーやノンコメドジェニックテスト済みの保湿剤を選ぶと良いでしょう。保湿剤を塗る際は、肌を摩擦しないように、優しくハンドプレスしながらなじませるのがポイントです。

頬の乾燥とニキビの関係

頬は皮脂腺がTゾーンほど多くないため、乾燥しやすい傾向があります。肌が乾燥すると、以下のような影響でニキビができやすくなります。

  • バリア機能の低下:外部刺激を受けやすくなる
  • ターンオーバーの乱れ:古い角質が毛穴を塞ぎやすくなる
  • 過剰な皮脂分泌:乾燥を補おうとして皮脂が多く出る

これらの状態を防ぐためには、適切な保湿が何よりも大切です。

紫外線対策の必要性

紫外線は、肌のバリア機能を低下させ、乾燥や炎症を引き起こすだけでなく、ニキビを悪化させる原因にもなります。紫外線によって皮脂が酸化し、毛穴詰まりを悪化させたり、ニキビの炎症を強めたりすることがあります。

また、ニキビ跡の色素沈着を濃くしてしまう可能性もあります。そのため、季節や天候に関わらず、一年を通して紫外線対策を行うことが重要です。

外出時はもちろん、室内でも窓から紫外線は入ってくるため、日焼け止めを塗る習慣をつけましょう。日焼け止めは、SPF値やPA値を参考に、使用シーンに合わせて選びます。

ニキビ肌の人は、肌に優しいノンケミカル処方(紫外線吸収剤不使用)や、ニキビ肌向けの製品を選ぶと良いでしょう。また、帽子や日傘などを活用するのも効果的です。

メイク用品の選び方と使い方

ニキビができているときは、できるだけ肌に負担をかけないメイクを心がけることが大切です。ファンデーションやコンシーラーは、厚塗りすると毛穴を塞ぎ、ニキビを悪化させる可能性があります。

薄付きで、肌への密着度が低いものを選びましょう。パウダーファンデーションやミネラルファンデーションは、リキッドタイプやクリームタイプに比べて油分が少なく、肌への負担が比較的軽いとされています。

また、ノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶのも一つの方法です。メイクをする際は、清潔なパフやブラシを使用し、こまめに洗浄することも重要です。

メイクを落とす際は、クレンジング剤で丁寧に、かつ優しく洗い流し、肌にメイク汚れが残らないようにしましょう。

頬ニキビを悪化させるNG行動

頬ニキビを早く治したいという思いから、ついやってしまいがちな行動が、実はニキビを悪化させていることがあります。ここでは、頬ニキビを悪化させる可能性のあるNG行動について解説します。

心当たりのある行動がないか、チェックしてみましょう。

ニキビを潰すことのリスク

ニキビ、特に炎症を起こした赤ニキビや膿が溜まった黄ニキビを自分で潰すのは非常に危険です。指や爪で無理に潰すと、毛穴の壁が壊れて炎症が周囲に広がり、ニキビが悪化する可能性があります。

また、雑菌が入り込んでさらに化膿したり、炎症が深部に及んでクレーター状のニキビ跡やしこりを残したりするリスクも高まります。

ニキビが気になっても、自分で潰すのは避け、自然に治癒するのを待つか、皮膚科で適切な処置を受けるようにしましょう。

ニキビを潰した場合の主なリスク

リスク具体的な内容
炎症の悪化周囲の組織に炎症が広がる
細菌感染雑菌が入り込み化膿する
ニキビ跡色素沈着、クレーター、しこり

顔を頻繁に触る癖

無意識のうちに顔を触る癖がある人は注意が必要です。手には目に見えない雑菌や汚れがたくさん付着しており、顔を触ることでそれらが肌に移り、ニキビの炎症を悪化させたり、新たなニキビの原因になったりすることがあります。

特に、頬杖をつく、髪の毛が顔に触れる、マスクを頻繁に触るといった行為は、頬への刺激となりやすいです。できるだけ顔に触れないように意識し、手を清潔に保つことを心がけましょう。

寝具やタオルの不衛生

毎日肌に触れる寝具(枕カバー、シーツなど)やタオルが不衛生だと、雑菌が繁殖しやすく、それがニキビの原因となることがあります。寝ている間にかく汗や皮脂、剥がれ落ちた角質などが寝具に付着し、それをエサに雑菌が増殖します。

枕カバーは特に顔に直接触れるものなので、こまめに洗濯し、清潔な状態を保つことが大切です。タオルも同様に、洗顔後に顔を拭くタオルは毎日清潔なものを使用するようにしましょう。

素材も、肌への刺激が少ない綿などの天然素材を選ぶのがおすすめです。

間違った自己判断とケア

インターネットやSNSには様々なニキビケア情報が溢れていますが、その中には科学的根拠の乏しいものや、自分の肌質に合わないものも含まれています。

間違った情報を鵜呑みにして自己流のケアを行うと、かえってニキビを悪化させたり、肌トラブルを招いたりする可能性があります。例えば、刺激の強い成分が含まれた製品を試したり、効果が実証されていない民間療法に頼ったりするのは避けるべきです。

ニキビの状態が改善しない場合や、悪化している場合は、自己判断せずに皮膚科医に相談し、適切なアドバイスや治療を受けることが重要です。

専門家による頬ニキビ治療とは

セルフケアだけではなかなか改善しない頬ニキビや、炎症が強いニキビ、繰り返しできるニキビに悩んでいる場合は、皮膚科や美容皮膚科などの専門機関に相談することを検討しましょう。

専門家による診断と適切な治療を受けることで、より効果的にニキビを改善し、ニキビ跡のリスクを減らすことができます。

皮膚科での一般的な治療法

皮膚科では、まずニキビの種類や状態、原因などを診断し、それに基づいて治療方針を決定します。一般的な治療法としては、外用薬(塗り薬)や内服薬(飲み薬)による薬物療法が中心となります。

外用薬には、毛穴の詰まりを改善する薬、アクネ菌の増殖を抑える抗菌薬、炎症を抑える薬などがあります。内服薬としては、抗菌薬やビタミン剤、漢方薬などが処方されることがあります。

これらの薬を医師の指示に従って正しく使用することが、治療効果を高める上で重要です。

外用薬の種類と主な効果

薬剤の種類主な作用対象となるニキビ
アダパレン毛穴の詰まり改善白ニキビ、黒ニキビ、軽度の赤ニキビ
過酸化ベンゾイル抗菌作用、角質剥離作用赤ニキビ、黄ニキビ
抗菌薬(クリンダマイシンなど)アクネ菌の増殖抑制赤ニキビ、黄ニキビ

美容皮膚科での治療選択肢

美容皮膚科では、保険診療の範囲を超える、より積極的なニキビ治療やニキビ跡のケアも行っています。代表的な治療法としては、ケミカルピーリング、イオン導入、レーザー治療、光治療などがあります。

ケミカルピーリングは、薬剤を肌に塗布して古い角質や毛穴の詰まりを取り除き、肌のターンオーバーを促す治療法です。イオン導入は、微弱な電流を使ってビタミンC誘導体などの有効成分を肌の深部まで浸透させます。

これらの治療は、ニキビの改善だけでなく、肌質の改善や美白効果も期待できる場合があります。ただし、自由診療となるため、費用やダウンタイムなどを考慮し、医師とよく相談して治療法を選択することが大切です。

ケミカルピーリングについて

ケミカルピーリングは、肌の表面に酸性の薬剤を塗布し、古くなった角質や毛穴の汚れを溶かして取り除く治療法です。これにより、肌のターンオーバーが促進され、ニキビやニキビ跡、くすみ、ごわつきなどの改善が期待できます。

使用する薬剤の種類や濃度によって、効果や肌への刺激の度合いが異なります。一般的には、グリコール酸やサリチル酸などが用いられます。施術後は肌が敏感になるため、保湿と紫外線対策を徹底することが重要です。

治療期間と費用の目安

ニキビ治療にかかる期間や費用は、ニキビの重症度、治療法、医療機関によって大きく異なります。一般的に、皮膚科での保険診療の場合、初診料や再診料、薬剤費などがかかります。

外用薬や内服薬による治療は、数週間から数ヶ月単位で効果を見ていくことが多いです。美容皮膚科での自由診療の場合、ケミカルピーリングは1回あたり数千円から数万円、レーザー治療などはそれ以上の費用がかかることもあります。

治療を開始する前に、予想される治療期間や総費用について、医師から十分な説明を受けるようにしましょう。

医療機関を選ぶ際のポイント

頬ニキビの治療で医療機関を選ぶ際には、いくつかのポイントがあります。まず、皮膚科専門医が在籍しているか、ニキビ治療の実績が豊富かなどを確認すると良いでしょう。

また、カウンセリングが丁寧で、自分の肌の状態や悩みをしっかりと聞き、治療法について分かりやすく説明してくれる医師であることも重要です。

治療の選択肢やそれぞれのメリット・デメリット、費用、ダウンタイムなどについて、納得できるまで説明を求めましょう。通いやすさや院内の雰囲気なども、治療を継続する上で考慮すべき点です。

  • 皮膚科専門医の有無
  • ニキビ治療の実績
  • カウンセリングの丁寧さ
  • 治療法の選択肢と説明

頬ニキビに関するよくある質問 (Q&A)

ここでは、頬ニキビに関して多くの方が疑問に思うことや、よく寄せられる質問について、Q&A形式でお答えします。ニキビケアの参考にしてください。

頬ニキビは治りますか

はい、適切なケアと治療を行えば、多くの頬ニキビは改善し、治癒することが期待できます。ただし、ニキビの種類や重症度、個人の肌質や生活習慣によって、治癒までの期間や方法は異なります。

大切なのは、ニキビの原因を理解し、根気強くケアを続けることです。炎症が強い場合や、セルフケアで改善が見られない場合は、早めに皮膚科医に相談することをおすすめします。

専門家のアドバイスのもと、適切な治療を受けることで、より確実にニキビを改善し、ニキビ跡のリスクを減らすことができます。

食事制限は必要ですか

特定の食品を厳しく制限する必要はありませんが、バランスの取れた食事を心がけることは非常に重要です。脂質の多い食事や糖質の過剰摂取は皮脂の分泌を増やす可能性があるため、控えめにすると良いでしょう。

一方で、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜や果物、海藻類などを積極的に摂取することは、肌の健康を保つ上で役立ちます。

極端な食事制限は栄養バランスを崩し、かえって肌の状態を悪化させることもあるため、無理のない範囲で食生活を見直すことが大切です。

特定の食品を食べた後にニキビが悪化するような場合は、その食品との関連を疑い、摂取を控えてみるのも一つの方法です。

食事で意識したい栄養素

栄養素主な働き多く含む食品例
ビタミンB群皮脂分泌の調整、皮膚の健康維持レバー、魚介類、豆類、緑黄色野菜
ビタミンC抗酸化作用、コラーゲン生成促進果物(柑橘類、イチゴ)、野菜(パプリカ、ブロッコリー)
食物繊維腸内環境改善、便通促進野菜、きのこ類、海藻類、豆類
おすすめの市販薬はありますか

市販薬を選ぶ際は、自分のニキビの状態に合った成分が含まれているかを確認することが大切です。

例えば、初期の白ニキビや黒ニキビには、サリチル酸やイオウなどの角質軟化成分や皮脂吸収成分が配合されたものが適している場合があります。

炎症を起こした赤ニキビには、イブプロフェンピコノールやレゾルシンなどの抗炎症成分や殺菌成分が配合されたものが考えられます。ただし、市販薬はあくまで症状を緩和するためのものであり、根本的な治療にはなりません。

数日間使用しても改善が見られない場合や、症状が悪化する場合は、使用を中止し、皮膚科医に相談しましょう。薬剤師に相談して、自分の症状に合った薬を選んでもらうのも良い方法です。

妊娠中の頬ニキビケアはどうすれば良いですか

妊娠中はホルモンバランスが大きく変動するため、ニキビができやすくなったり、悪化したりすることがあります。

しかし、妊娠中は使用できる薬剤に制限があるため、自己判断で市販薬を使用したり、美容皮膚科での施術を受けたりするのは避けるべきです。

まずは、肌を清潔に保ち、しっかりと保湿するという基本的なスキンケアを丁寧に行うことが大切です。刺激の少ない、無添加やオーガニックのスキンケア製品を選ぶのも良いでしょう。

食生活にも気を配り、バランスの取れた食事を心がけてください。ニキビの症状が気になる場合は、必ず産婦人科医や皮膚科医に相談し、妊娠中でも安全に行えるケア方法についてアドバイスを受けるようにしましょう。

以上

名古屋のニキビ治療なら【こばとも皮膚科】栄駅すぐ|保険診療・美容皮膚科対応

参考文献

PRAKESH, Utter; ABBAS, Mahmood. The Rising Incidence of Acne Vulgaris in Adolescents: Lifestyle Factors and Preventive Strategies in Bangladesh. Scientific Journal of Dermatology and Venereology, 2025, 3.1: 54-66.

RAVISANKAR, P., et al. Acne-causes and amazing remedial measures for acne. J Pharm Res, 2015, 5: 209-301.

FULTON JR, James E. Acne: Its causes and treatments. International Journal of Cosmetic Surgery and Aesthetic Dermatology, 2002, 4.2: 95-105.

GOH, Chee‐Leok, et al. Challenges and real‐world solutions for adoption of holistic skincare routine (cleansing, treatment, moisturization, and photoprotection) in acne, rosacea, atopic dermatitis, and sensitive skin: An expert consensus. Journal of Cosmetic Dermatology, 2024, 23.8: 2516-2523.

MOHIUDDIN, A. K. Acne protection: measures and miseries. Dermatol Clin Res, 2019, 5.1: 272-311.

BHADRA, Preetha. A literature review onacne due to hormonal changes and lifestyle. Indian Journal of Natural Sciences, 2020, 10.59: 18507-18521.

ALSAADOON, Noor Sulaiman Jalood; AL-REFAIE, Asmaa Mohammed; HABASHY, Aml Youssif. Acne Vulgaris in Adolescents: A Comprehensive Review. Benha Journal of Applied Sciences, 2024, 9.12: 5-13.

BARTENJEV, I., et al. Topical effectiveness of a cosmetic skincare treatment for acne-prone skin: a clinical study. Acta Dermatoven APA, 2011, 20.2.

BHAKHAR, Diksha A., et al. Dermatological Disorder Discovery: Unveiling Skin Conditions Through Survey on Herbal Marketed Formulation. 2024.

GALLICO, Melissa. The Hidden Cause of Acne: How Toxic Water Is Affecting Your Health and What You Can Do about It. Simon and Schuster, 2018.

免責事項

当院の医療情報について

当記事は、医療に関する知見を提供することを目的としており、当院への診療の勧誘を意図したものではございません。治療についての最終的な決定は、患者様ご自身の責任で慎重になさるようお願いいたします。

掲載情報の信頼性

当記事の内容は、信頼性の高い医学文献やガイドラインを参考にしていますが、医療情報には変動や不確実性が伴うことをご理解ください。また、情報の正確性には万全を期しておりますが、掲載情報の誤りや第三者による改ざん、通信トラブルなどが生じた場合には、当院は一切責任を負いません。

情報の時限性

掲載されている情報は、記載された日付の時点でのものであり、常に最新の状態を保証するものではありません。情報が更新された場合でも、当院がそれを即座に反映させる保証はございません。

ご利用にあたっての注意

医療情報は日々進化しており、専門的な判断が求められることが多いため、当記事はあくまで一つの参考としてご活用いただき、具体的な治療方針については、お近くの医療機関に相談することをお勧めします。

大垣中央病院・こばとも皮膚科

  • URLをコピーしました!
目次