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【目立つ人中ニキビ】恥ずかしい鼻の下ニキビの原因と跡を残さず早く治す5つの対策

【目立つ人中ニキビ】恥ずかしい鼻の下ニキビの原因と跡を残さず早く治す5つの対策

鼻の下、いわゆる「人中」にできる赤いポツッとしたニキビ。顔の中心にあるため非常に目立ち、鏡を見るたびに気分が落ち込んでしまう方も多いのではないでしょうか。

ファンデーションやコンシーラーで隠そうとしても、かえって悪目立ちしてしまい、マスクで隠すのも限界があります。なぜ人中には、しつこいニキビができやすいのでしょうか。

この記事では、人中ニキビができてしまう根本的な原因を詳しく解説し、ニキビ跡を残さずに、一日でも早く健やかな肌を取り戻すための具体的な5つの対策を提案します。

正しい知識を身につけ、自信の持てる素肌を目指しましょう。

目次

人中ニキビが特に目立ちやすい理由

顔のさまざまな場所にニキビはできますが、中でも人中のニキビはひときわ目立ち、気にする人が多い傾向にあります。その背景には、人中という部位が持ついくつかの特徴が関係しています。

人中とはどこの部分?

人中(じんちゅう、にんちゅう)とは、鼻の真下から上唇の中心に向かって伸びる一本の縦の溝のことを指します。顔のパーツが集中する中心線上にあり、人の印象を左右する重要な部位の一つです。

解剖学的には、口を閉じる役割を持つ口輪筋の一部が皮膚と結合して形成されるくぼみと考えられています。この部分は皮膚が薄く、すぐ下に血管や神経が通っているため、非常にデリケートなエリアです。

顔の中心で視線を集めやすい

人と対面で話すとき、相手の視線は自然と顔の中心、特に目や口元に集まります。人中は、そのちょうど中間地点に位置するため、否が応でも視界に入りやすい場所です。

ここに赤く腫れたニキビがあると、本人が気にしている以上に、相手の注意を引いてしまう可能性があります。「見られているかもしれない」という意識が、さらなるストレスにつながることも少なくありません。

マスクで隠せないこともある

感染症対策としてマスク生活が日常化しましたが、人中はマスクで完全に隠すのが難しい場合があります。

特に、会話や食事でマスクをずらした時や、ウレタンマスクのようにフィット感が緩いものを使用していると、ニキビが不意に見えてしまうことがあります。

隠しているつもりが、かえってマスクとの境界線でニキビが強調されてしまうケースも見られます。

赤みや腫れを伴いやすい特徴

人中周辺は皮脂腺が多く存在する一方で、皮膚が薄く敏感です。そのため、一度炎症が起きると、赤みや腫れが強く出やすい傾向があります。

小さな白ニキビの段階で対処できれば良いのですが、炎症が進んで赤ニキビや黄ニキビになると、痛みを感じることもあり、見た目の上でも深刻な悩みとなります。

人中ニキビの主な原因を徹底解説

目立って治りにくい人中ニキビは、なぜできてしまうのでしょうか。その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。内側からの要因と外側からの要因、両方から見ていきましょう。

皮脂の過剰分泌と毛穴の詰まり

ニキビ発生の基本的な仕組みは、皮脂が毛穴に詰まることから始まります。人中を含む鼻周り(Tゾーン)は、顔の中でも特に皮脂腺が発達しており、皮脂の分泌が活発なエリアです。

過剰に分泌された皮脂が、古い角質などと混ざり合って毛穴を塞ぐ(角栓)と、アクネ菌が増殖し、炎症を引き起こしてニキビとなります。

ホルモンバランスの乱れ

皮脂の分泌量は、ホルモンバランスの影響を大きく受けます。特に、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンや、女性ホルモンの中でも黄体ホルモン(プロゲステロン)は、皮脂腺を刺激して皮脂の分泌を促す働きがあります。

生理前や、ストレス、睡眠不足などでホルモンバランスが乱れると、皮脂が過剰になり、人中ニキビができやすくなります。

食生活の影響

日々の食事内容も、皮脂の分泌量に深く関わっています。特定の食品が直接ニキビを作るわけではありませんが、皮脂の分泌を促進したり、肌の炎症を助長したりする可能性のある食べ物は存在します。

バランスの取れた食生活は、健やかな肌を保つための基本です。

肌の状態に影響を与える可能性のある食品

カテゴリ具体例肌への影響
高GI食品白米、食パン、砂糖、菓子類血糖値を急上昇させ、皮脂分泌を促すホルモンを刺激する可能性があります。
脂質の多い食品揚げ物、スナック菓子、脂身の多い肉過剰摂取は皮脂の材料となり、皮脂の質を悪化させる一因になり得ます。
乳製品牛乳、チーズ、ヨーグルト一部の研究で、インスリン様成長因子(IGF-1)を介して皮脂分泌を増やす可能性が指摘されています。

外部からの刺激と摩擦

人中の皮膚は非常にデリケートなため、物理的な刺激がニキビの引き金になることがよくあります。肌のバリア機能が低下していると、わずかな刺激でも炎症につながりやすくなります。

マスクによる蒸れと擦れ

長時間のマスク着用は、人中ニキビの大きな原因となり得ます。マスク内部は、呼気によって湿度と温度が上昇し、雑菌が繁殖しやすい環境です。

また、マスクの着脱や会話による摩擦が、肌のバリア機能を壊し、角質を厚くさせて毛穴を詰まらせる原因にもなります。

鼻をかむ行為の繰り返し

花粉症や風邪のシーズンに、鼻を頻繁にかむことも人中ニキビを悪化させる要因です。ティッシュペーパーによる摩擦が、皮膚表面の角質層を傷つけます。

ゴシゴシと強くこする行為は、肌にとって大きな負担となります。

鼻をかむ際の肌への影響

行為肌への影響対策
強くこする摩擦により角質層が傷つき、バリア機能が低下する。鼻をかむ際は、優しく押さえるように水分を拭き取る。
乾燥したティッシュの使用硬い繊維が肌を刺激し、乾燥を助長する。保湿成分配合のティッシュや、柔らかい素材を選ぶ。
頻繁な接触物理的な刺激が繰り返され、炎症を誘発しやすくなる。一度でしっかりかみ、回数を減らす工夫をする。

間違ったスキンケア

良かれと思って行っているスキンケアが、実は逆効果になっていることもあります。特に、ニキビができると焦って過剰なケアに走りがちですが、それがさらなる肌トラブルを招くことがあります。

洗いすぎによる乾燥

皮脂が気になるからといって、一日に何度も洗顔したり、洗浄力の強いスクラブ入りの洗顔料を使ったりするのは禁物です。

必要な皮脂まで取り除いてしまうと、肌は潤いを保とうとして、かえって皮脂を過剰に分泌してしまいます。これをインナードライ(乾燥性脂性肌)と呼びます。

保湿不足

「ニキビができるから、乳液やクリームは使わない」という考えも間違いです。洗顔後の肌は水分が蒸発しやすく、非常に乾燥しやすい状態にあります。

化粧水で水分を与えた後は、必ず乳液やクリームなどの油分を含むアイテムで蓋をして、水分の蒸発を防ぐことが重要です。保湿が不十分だと、肌のバリア機能が低下し、外部刺激に弱い状態になります。

生活習慣の乱れ

肌は内臓の鏡とも言われ、日々の生活習慣が肌状態に直接的に現れます。不規則な生活は、ホルモンバランスの乱れや免疫力の低下を招き、ニキビができやすく治りにくい体質を作ります。

睡眠不足とストレス

睡眠中には、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促す成長ホルモンが分泌されます。

睡眠時間が不足したり、眠りの質が低かったりすると、このターンオーバーが正常に行われず、古い角質が剥がれ落ちずに肌表面に溜まり、毛穴を詰まらせる原因となります。

また、慢性的なストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱し、皮脂分泌を増加させ、免疫力を低下させるため、ニキビの悪化に直結します。

睡眠と肌の健康

要因肌への影響改善のポイント
睡眠不足成長ホルモンの分泌が減少し、肌のターンオーバーが乱れる。毎日6〜8時間の睡眠時間を確保するよう心がける。
質の低い睡眠肌の修復機能が十分に働かず、肌荒れやニキビにつながる。就寝前のスマートフォン操作を控え、リラックスできる環境を整える。
慢性的なストレスホルモンバランスが乱れ、皮脂分泌が過剰になる。免疫力も低下する。適度な運動や趣味の時間を作り、ストレスを発散する。

やってはいけないNG行動と悪化のリスク

人中にニキビができた時、焦りからついやってしまいがちな行動があります。しかし、これらの行動はニキビを悪化させ、深刻なニキビ跡を残す原因になるため、絶対に避ける必要があります。

ニキビを潰すことの危険性

目立つニキビを指や爪で無理に潰そうとするのは、最も危険な行為です。不潔な手で触れることで、新たな細菌が侵入し、炎症をさらに悪化させます。

また、無理な圧力をかけることで、毛穴の壁が破壊され、炎症が皮膚の深い部分(真皮層)にまで及ぶ可能性があります。

真皮層がダメージを受けると、クレーターのような凹凸のあるニキビ跡が残ってしまい、セルフケアで改善するのは非常に難しくなります。

コンシーラーの厚塗りが招くこと

ニキビを隠したい一心で、コンシーラーやファンデーションを厚く塗り重ねるのもNGです。メイクアップ料の油分が毛穴を塞ぎ、アクネ菌の栄養源となってしまいます。

これにより、ニキビの治りが遅れるだけでなく、さらに炎症が悪化する恐れがあります。メイクをする場合は、ニキビ専用やノンコメドジェニックテスト済みの製品を選び、必要最低限に留めることが大切です。

頻繁に手で触る習慣

無意識のうちに、ニキビが気になる部分を手で触っていませんか?私たちの手には、目に見えない雑菌が数多く付着しています。ニキビに触れることで、これらの雑菌が肌に移り、炎症を悪化させる原因になります。

また、物理的な刺激そのものが肌のバリア機能を低下させるため、触らないことを徹底するだけでも、ニキビの改善につながります。

刺激の強い洗顔料の使用

早く治したいという気持ちから、殺菌成分やピーリング成分が強く配合された洗顔料や化粧品を多用するのも注意が必要です。

肌質に合わない強い製品は、肌のバリア機能を担う善玉菌まで殺してしまったり、必要な角質まで剥がしすぎてしまったりすることがあります。

その結果、肌が乾燥し、かえってニキビができやすい敏感な状態に傾いてしまいます。

避けたい洗顔料の成分例

成分の種類特徴注意点
スクラブ剤細かい粒子で物理的に角質をこすり落とす。炎症を起こしているニキビには刺激が強すぎ、悪化させる可能性がある。
高濃度のアルコール清涼感があり、皮脂を強力に除去する。肌の水分を奪い、乾燥や刺激の原因となることがある。
強い合成界面活性剤洗浄力が非常に高い。肌に必要な皮脂まで落としすぎ、バリア機能の低下を招くことがある。

跡を残さず早く治すための5つの対策

人中ニキビの原因とNG行動を理解した上で、ここからは具体的な改善策を見ていきましょう。跡を残さずに、できるだけ早く治すための5つの重要な対策を紹介します。

対策1 正しい洗顔と保湿ケア

スキンケアの基本は「優しく洗い、十分に潤す」ことです。この基本に立ち返ることが、ニキビ改善への一番の近道です。

洗顔料の選び方と洗い方

洗顔料は、低刺激で肌の潤いを奪いすぎないアミノ酸系洗浄成分などを主成分としたものがおすすめです。ノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶのも良いでしょう。

洗顔する際は、まず洗顔料をしっかりと泡立て、きめ細かい泡のクッションで肌をなでるように優しく洗います。指が直接肌に触れないくらいの力加減が理想です。

すすぎは、ぬるま湯(32℃程度)で、髪の生え際やフェイスラインに泡が残らないよう、20回以上を目安に丁寧に行います。

化粧水と保湿剤の使い方

洗顔後の肌は、非常にデリケートで乾燥しやすい状態です。タオルで優しく水分を押さえたら、時間を置かずにすぐに保湿ケアを始めましょう。

化粧水をたっぷりと手に取り、肌を優しく包み込むようにハンドプレスでなじませます。

その後、ニキビができやすい肌質でも使いやすい、油分の少ないジェルや乳液、クリームなどで必ず蓋をして、水分が逃げないようにします。

対策2 バランスの取れた食生活

美しい肌は、体の内側から作られます。日々の食生活を見直し、肌の健康をサポートする栄養素を積極的に摂取しましょう。

積極的に摂りたい栄養素

肌のターンオーバーを正常に保ち、炎症を抑え、バリア機能を高めるためには、特定のビタミンやミネラルが重要な役割を果たします。

これらの栄養素をバランス良く食事に取り入れることで、ニキビのできにくい丈夫な肌へと導きます。

肌の健康をサポートする栄養素

栄養素主な働き多く含まれる食品
ビタミンB群皮脂の分泌をコントロールし、肌のターンオーバーを正常化する。豚肉、レバー、うなぎ、納豆、卵
ビタミンC抗酸化作用、コラーゲンの生成を助け、色素沈着を防ぐ。パプリカ、ブロッコリー、キウイ、柑橘類
ビタミンA・E肌の潤いを保ち、抗酸化作用で肌細胞を守る。緑黄色野菜(人参、かぼちゃ)、ナッツ類

控えるべき食べ物

一方で、過剰に摂取すると皮脂分泌を増やしたり、炎症を悪化させたりする可能性のある食品もあります。完全に断つ必要はありませんが、ニキビが気になる時期は少し意識して控えるようにすると良いでしょう。

具体的には、チョコレートやケーキなどの糖分が多いもの、ポテトチップスや揚げ物などの脂質が多いもの、そして人によっては乳製品などが挙げられます。

対策3 質の良い睡眠とストレス管理

心と体の健康が肌に反映されることは、多くの人が経験的に知っています。健やかな肌のためには、十分な休養と心の平穏が大切です。

睡眠環境を整える工夫

質の高い睡眠を得るために、寝室の環境を見直してみましょう。遮光カーテンで光を遮断し、静かな環境を保ちます。寝具は、吸湿性・放湿性に優れた天然素材のものがおすすめです。

また、就寝の1〜2時間前には入浴を済ませ、スマートフォンやパソコンの画面を見るのをやめると、心身がリラックスモードに切り替わり、スムーズな入眠につながります。

リラックスできる時間を作る

ストレスはニキビの大きな敵です。日常生活の中に、意識的にリラックスできる時間を取り入れましょう。特別なことをする必要はありません。

自分の心と体が「気持ちいい」と感じる習慣を見つけることが重要です。

  • 好きな音楽を聴く
  • アロマオイルを焚く
  • 温かいハーブティーを飲む
  • 軽いストレッチやヨガを行う

対策4 外部刺激を最小限に抑える

肌への物理的な負担を減らすことは、人中ニキビの予防と改善に直接つながります。

肌に優しいマスクの選択

毎日使うマスクは、素材にこだわりましょう。肌への摩擦が少ないシルクやコットンなどの天然素材や、肌に触れる面がガーゼになっている製品がおすすめです。

サイズが合わないマスクも摩擦の原因になるため、自分の顔にフィットするものを選びましょう。また、汗をかいたらこまめに取り替える、またはガーゼを挟むなどの工夫も有効です。

肌への負担が少ないマスク素材

素材メリットデメリット
シルク滑らかで摩擦が少ない。保湿性・吸湿性に優れる。価格が高め。手入れに手間がかかる。
コットン(綿)通気性・吸湿性が良い。肌触りが柔らかい。濡れると乾きにくく、雑菌が繁殖しやすい場合がある。
不織布(内側ガーゼ)フィルター性能と肌への優しさを両立できる。製品の種類が限られる場合がある。

鼻をかむ際の注意点

花粉症などで鼻をかむ機会が多い場合は、刺激を最小限に抑える工夫をしましょう。ティッシュは、ローションティッシュや保湿ティッシュと呼ばれる、しっとりとした柔らかいものを選びます。

鼻をかむときは、ゴシゴシこするのではなく、鼻の下にティッシュを当てて、優しく押さえるように鼻水を取り除きます。鼻をかんだ後は、ワセリンなどで軽く保湿するのも効果的です。

対策5 市販薬を上手に活用する

初期段階のニキビや、軽度の炎症であれば、市販のニキビ治療薬も有効な選択肢の一つです。成分をよく理解し、正しく使用することが重要です。

ニキビ薬の成分と選び方

市販のニキビ薬には、様々な有効成分が配合されています。自分のニキビの状態に合わせて適切な成分が配合された製品を選びましょう。

例えば、炎症を抑える成分や、アクネ菌を殺菌する成分、角質を柔らかくして毛穴の詰まりを改善する成分などがあります。

主な市販ニキビ薬の有効成分

有効成分主な作用どのようなニキビに?
イブプロフェンピコノール炎症を鎮める(抗炎症作用)。赤く腫れて痛みのある赤ニキビ。
イソプロピルメチルフェノールアクネ菌を殺菌する。赤ニキビ、膿を持った黄ニキビ。
サリチル酸、イオウ硬くなった角質を柔らかくし、毛穴の詰まりを取り除く。白ニキビ、黒ニキビ(コメド)。

使用上の注意点

市販薬を使用する際は、必ず用法・用量を守りましょう。早く治したいからといって、一度に大量に塗ったり、一日に何度も塗ったりすると、肌への刺激となり、かえって肌荒れを起こす原因になります。

洗顔後、清潔な肌のニキビ部分にのみ、綿棒などを使ってピンポイントで塗りましょう。数日間使用しても改善が見られない、あるいは悪化するような場合は、使用を中止し、専門の医療機関を受診することを検討してください。

人中ニキビと他の肌トラブルとの違い

鼻の下にできるポツッとしたできものは、すべてがニキビ(尋常性痤瘡)とは限りません。見た目が似ていても、原因や対処法が全く異なる病気の可能性もあります。

自己判断でニキビケアを続けても改善しない場合は、他の肌トラブルを疑うことも大切です。

口唇ヘルペスとの見分け方

口唇ヘルペスは、「単純ヘルペスウイルス1型」への感染が原因で起こります。唇やその周りに、ピリピリ、チクチクとした違和感やかゆみを伴った後、小さな水ぶくれ(水疱)がいくつか集まってできるのが特徴です。

ニキビのように芯がある感じではなく、水ぶくれが破れるとじゅくじゅくした状態になります。ストレスや疲労で免疫力が低下した時に再発しやすい傾向があります。

毛嚢炎(毛包炎)の可能性

毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛根を包む部分(毛嚢)に、黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して炎症を起こす病気です。見た目は膿を持った黄ニキビとよく似ていますが、中心に毛が貫いているのが見えることがあります。

カミソリ負けなど、皮膚のバリア機能が低下した際に起こりやすいです。

粉瘤(アテローム)の特徴

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に垢(角質)や皮脂などの老廃物が溜まってできる良性の腫瘍です。ニキビと間違われやすいですが、粉瘤には特徴的な点があります。

  • 中央に黒い点(開口部)が見えることがある
  • 独特の臭いを伴うことがある
  • 一度できると自然に消えることは少ない

ニキビ跡にしないためのアフターケア

ニキビの炎症が治まった後も、油断は禁物です。適切なアフターケアを怠ると、赤みや色素沈着、クレーターといった「ニキビ跡」が残ってしまうことがあります。

ニキビができた時から、跡を残さないためのケアを意識することが重要です。

赤みが残ってしまった場合

ニキビの炎症が続くと、毛穴の周りの毛細血管がダメージを受けたり、新しい血管が増えたりして、肌に赤みが残ることがあります(炎症後紅斑)。

この赤みは、肌のターンオーバーとともに数ヶ月かけて徐々に薄れていくのが一般的ですが、炎症が長引くと消えにくくなることもあります。

引き続き、肌を刺激しない優しいスキンケアと、血行を促進するようなマッサージは避けることが大切です。

色素沈着(シミ)を防ぐ紫外線対策

ニキビの炎症は、肌細胞を守るためにメラニン色素を過剰に生成させます。このメラニンが肌に沈着すると、茶色いシミのようなニキビ跡(炎症後色素沈着)になります。

このタイプのニキビ跡を防ぐ・悪化させないためには、紫外線対策が何よりも重要です。ニキビができている時も、日焼け止めは必ず使用しましょう。

肌への負担が少ない、紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル処方)の製品を選ぶのがおすすめです。

クレーター状の跡を予防する

炎症が真皮層にまで達し、コラーゲン線維などの組織が破壊されると、皮膚が凹んだクレーター状のニキビ跡になります。この状態になると、セルフケアでの改善は極めて困難です。

クレーター跡を予防する最大のポイントは、「ニキビを潰さないこと」と「炎症を長引かせないこと」に尽きます。赤ニキビや黄ニキビの段階で、適切なケアを行い、早期に炎症を鎮めることが重要です。

人中ニキビに関するよくある質問(Q&A)

最後に、人中ニキビに関して多くの方が抱く疑問について、Q&A形式でお答えします。

人中のニキビは恋愛運に影響しますか?

観相学や人相占いなどで、人中の状態を恋愛運や子宝運と結びつける考え方があるのは事実です。しかし、これはあくまで占いの世界の話であり、医学的・科学的な根拠はありません。

ニキビがあることで自信をなくし、人との関わりに消極的になってしまうことが、結果的に対人関係に影響を及ぼす可能性は考えられます。

大切なのは、占いの結果に一喜一憂するのではなく、ニキビを正しくケアして、自分に自信を取り戻すことです。

人相学における人中の意味(参考)

人中の特徴一般的に言われる解釈医学的観点
溝が深い・長い生命力や健康運が良好とされる。個人の骨格や遺伝による形状の違い。
ニキビや傷がある健康上の注意や対人関係のトラブルを示唆するとされる。ホルモンバランスの乱れや外部刺激による皮膚の炎症。
色がくすんでいる体調不良のサインとされることがある。色素沈着や血行不良の可能性。
ニキビパッチは使っても良いですか?

ニキビパッチは、ニキビを物理的な刺激から保護し、有効成分を浸透させやすくする目的で使われます。髪の毛やマスクの摩擦からニキビを守りたい場合や、無意識に触ってしまうのを防ぎたい場合には有効です。

ただし、長時間貼りっぱなしにすると、かえって毛穴を塞ぎ、蒸れてアクネ菌の増殖を助長する可能性もあります。製品の使用時間を守り、清潔な状態で使用することが重要です。

炎症がひどいニキビや、膿を持っているニキビへの使用は避けた方が良い場合もあります。

治るまでどのくらいかかりますか?

ニキビが治るまでの期間は、ニキビの種類や重症度、個人の肌質や生活習慣によって大きく異なります。

毛穴が詰まっただけの白ニキビであれば数日で改善することもありますが、炎症を起こした赤ニキビや黄ニキビの場合、治癒までに1〜2週間以上かかることも珍しくありません。

さらに、ニキビ跡の赤みや色素沈着が完全に消えるまでには、数ヶ月単位の時間が必要です。焦らず、根気強く正しいケアを続けることが大切です。

皮膚科ではどのような治療ができますか?

セルフケアで改善しない場合や、炎症がひどいニキビが多数できている場合は、皮膚科などの専門医療機関に相談することをお勧めします。医療機関では、ニキビの原因や状態に合わせて、様々な治療法を提案します。

一般的には、毛穴の詰まりを改善する外用薬(塗り薬)や、アクネ菌に対する抗菌作用のある外用薬・内服薬(飲み薬)などが処方されます。

このほか、ケミカルピーリングや面皰圧出(めんぽうあっしゅつ)といった処置が行われることもあります。早期に適切な治療を受けることが、ニキビ跡を残さないための最も確実な方法です。

以上

参考文献

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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