腎臓の場所と働き|体の中での重要な役割について

腎臓の場所と働き|体の中での重要な役割について

日々の健康状態を維持するために重要な臓器のひとつが腎臓です。体の老廃物を排泄し、水分やイオンのバランスを整えることで、私たちの体内環境を安定させます。

血圧調整やホルモン分泌などの役割も担っており、その機能が低下すると全身に影響が及びます。体調不良や高血圧、むくみなどが気になり始めた場合には、腎臓の状態を早めに確認することが大切です。

透析の必要が生じる前段階でのケアを意識しながら、腎臓の働きや構造を正しく理解して日常生活に役立てていただければ幸いです。

目次

腎臓とは何か

腎臓とは、背中側の腰より少し上あたりにある左右一対の臓器で、全身の体液バランスを整えるしくみを支えます。ここでは腎臓の基本的な特徴や大きさを把握し、どういった理由で重要とされるのかを確認します。

腎臓の大きさと形状

左右それぞれの腎臓はソラマメのような形をしており、成人の場合は握りこぶし程度の大きさです。縦の長さは約10cmから12cmほどで、厚みは約3cmから4cmほどです。

体格や性別によって多少の差がありますが、大まかにはこの範囲に収まります。右側の腎臓は肝臓が上部にある関係で、左側よりもやや下がった位置になりやすいです。

腎臓を取り巻く周囲には脂肪組織が存在し、外部の衝撃から保護する役割を担います。腎臓内では血液がろ過され、体に不要なものを尿として排出するシステムが備わっています。

腎臓の主な機能と全身との関わり

血液をろ過し、体に必要な成分と不要な成分を選別する働きは腎臓の役目の一端です。老廃物の排泄だけでなく、余分な塩分や水分の調整にも深く関与します。

さらに、血圧を維持するホルモン(レニンなど)を分泌し、赤血球を生成するエリスロポエチンの産生も行います。

腎臓がうまく働かない状態が続くと、血液中に老廃物がたまりやすくなります。結果的に全身の倦怠感やむくみ、高血圧などの症状が表れ、最終的には透析を検討しなければならないケースに至る可能性もあります。

腎臓と血液循環の関係

心臓から送り出された血液のうち、約20%が腎臓へ流れ込むといわれています。腎臓には糸球体と呼ばれる微細なろ過ユニットが多数存在し、血液中の老廃物をフィルタリングします。

ろ過された液体の中から体に必要な成分は再吸収され、不要な成分は尿として排出されます。

血液が効率良くろ過されることで、体内環境は常に良好な状態に保たれやすくなります。しかしながら、高血圧や糖尿病などによってこの機能が損なわれると、老廃物の蓄積が進み、さまざまな合併症を引き起こす原因になります。

腎臓が果たす全身への影響

健康な腎臓は体内の老廃物や余分な水分を速やかに排出するため、むくみや血圧異常が起こりにくくなります。逆に、腎臓の働きが落ちると水分やナトリウムが過剰に体に残り、高血圧や心臓への負担増に繋がりやすいです。

腎臓は骨の健康にも関わっており、ビタミンDを活性化することでカルシウムの吸収を高める仕組みに関わります。

このように腎臓がしっかり機能することは、血液や骨、ホルモン分泌など多方面に影響を及ぼすため健康維持に重要です。

腎臓に関わる主な働き一覧

働きの種類具体的な内容
老廃物の排出血液中の不要物質を尿へ排出する
水分バランス調整余分な水分を尿にして排出し、必要分だけ体内に保つ
塩分調整ナトリウムやカリウムなどの電解質を再吸収または排出してバランスを保つ
血圧調節レニンなどのホルモンを分泌して血圧を調節する
血液細胞生成のサポートエリスロポエチンを産生し、骨髄での赤血球生成を促す
骨代謝への関与活性型ビタミンDを産生してカルシウム吸収をサポートする

腎臓の構造

腎臓内部には複雑な構造が存在し、小さなろ過装置であるネフロンが働きます。ネフロンは糸球体とボウマン嚢、細尿管(尿細管)などから成り立ち、血液のろ過と再吸収を行います。

腎臓は体の恒常性維持に密接に関わるため、構造を理解しておくと腎臓トラブルを起こしたときの症状や治療方針をイメージしやすくなります。

ネフロンの仕組み

腎臓に数十万〜百数十万単位で存在するネフロンは、血液をろ過して尿を生成する単位です。糸球体でろ過された液体はボウマン嚢へ移動し、その後細尿管を通る間に体に必要な成分(水、電解質、ブドウ糖など)を再吸収します。

最終的に不要な成分が尿として集められ、尿管を通って膀胱へ送られます。

ネフロンの数が減少するとろ過能力が低下し、腎不全に近づくリスクが高まります。加齢や糖尿病、高血圧などによってネフロンが損傷を受けることが主な原因の一つです。

血管網と糸球体の役割

糸球体は細い血管が球状にまとまった構造で、血液中の老廃物や余分な水分をこし取ります。糸球体の入り口と出口で血管の太さに差をつけることで圧力を生じさせ、ろ過を促しています。

ろ過が済んだ液体はボウマン嚢に集まり、細尿管へと流れていきます。

高血圧の状態が続くと糸球体の血管に過度な負担がかかり、腎機能が衰えやすくなります。長期にわたる血圧管理が腎臓保護に有効と言われる背景には、糸球体への負荷抑制という面があるのです。

腎髄質と腎皮質

腎臓は外側の腎皮質と内側の腎髄質に分けられます。糸球体やボウマン嚢などが主に存在する腎皮質は、血液ろ過の中心的な場として機能します。

一方、腎髄質にはヘンレ係蹄と呼ばれる細長い管状構造や集合管があり、再吸収と排泄の最終的な調整が行われます。

腎皮質と腎髄質の連携がスムーズに働くことで、無駄なく効率的に不要物を排出して体に必要な成分を取り込むバランスが保たれます。

尿を作る流れ

腎臓で作られた尿は細尿管を通ったあと、集合管で最終的な水分や電解質の調整を受けます。そこから尿管に入り、膀胱に蓄えられ、最終的に尿道を介して体外に排出されます。

この過程がスムーズに運ぶためには、腎臓が正しく働いていることに加え、尿管や膀胱などの下部尿路に異常がないことも大切です。

腎機能低下だけでなく、尿路に詰まりや炎症が起こると尿排泄が滞り、腎臓に逆流するリスクなどが生じる可能性があります。

腎臓内部構造の簡単なまとめ

構造名主な働き
糸球体血液中の老廃物や水分をろ過する
ボウマン嚢ろ過後の液体を受け止める空間
細尿管再吸収と分泌を行い、尿の組成を調整する
集合管最終的な水分調整を行い尿へ導く
腎皮質糸球体やボウマン嚢などを含む外側領域
腎髄質ヘンレ係蹄や集合管などが集まる内側領域

腎臓の場所について

腎臓の場所を正しく把握しておくと、腰痛と腎臓の痛みの違いや体調変化に気づきやすくなります。背中側の肋骨の下あたりに位置し、左右それぞれにありながら、左右で微妙に高さが異なります。

腎臓が腰のあたりに感じられる理由

多くの人が腎臓の痛みを腰痛と混同することが多いです。腎臓は背中側にあり、腰付近に近い位置にあるため、腎機能に問題が発生すると腰痛に似た痛みを引き起こす可能性があります。

実際には腎臓の場所は背中の肋骨下部あたりですが、筋肉や骨格の状態によって痛みが腰へ広がるケースがあります。

左右でわずかに異なる高さ

右側の腎臓は肝臓が上に広がっている影響もあり、左側の腎臓に比べてやや下がった位置にあります。個人差はありますが、2cm前後の差が出ることが一般的です。

これによって右側だけに症状が出る場合や左側だけに症状が出る場合など、腎機能の不調が現れる部位にも若干の偏りが見られる場合があります。

体型との関係

肥満の方や痩せ型の方など、体型によって腎臓の位置がわずかに異なることもあります。腹部や背部の脂肪量が多いほど、腎臓の位置や痛みの感じ方に違いが生じやすいです。

妊娠中の女性は子宮が大きくなることで腎臓への圧迫が増し、腎盂腎炎などのリスクが高まる場合があります。

腎臓周辺を確認する意義

腎臓やその周辺臓器に異常があると、体液バランスが崩れてむくみや疲労感が起こりやすくなります。さらに高血圧が進行するリスクが高まり、最悪の場合には透析治療が視野に入る可能性があります。

腎臓の場所を認識し、違和感や痛みを素早くキャッチして検査を受けることが腎機能低下の早期発見につながります。

腎臓周辺の特徴

部位特徴
右腎肝臓の影響で少し下方に位置しやすい
左腎右腎よりやや上に位置することが多い
脂肪組織衝撃から腎臓を保護する
背筋との距離背中側に近く、腰痛と混同しやすい症状が出る場合がある

腎臓の上にある臓器との関係

腎臓の上には副腎があり、ホルモン分泌を通じて血圧やストレス反応を調整します。また、右側の腎臓の上部には肝臓が、左側の腎臓の上部には胃や脾臓などが近接しており、それぞれが連携しながら消化や代謝を支えています。

腎臓の上にある臓器とホルモン分泌

副腎は腎臓の上にある臓器の代表であり、コルチゾールやアルドステロン、アドレナリンなどのホルモンを分泌します。コルチゾールは糖質やタンパク質、脂質の代謝をコントロールし、ストレス反応にも関わります。

アルドステロンはナトリウムとカリウムの調節を行うホルモンで、腎臓の水分・電解質バランス調整にも影響があります。

このように腎臓と副腎は、血圧や体液バランスを協調してコントロールする仕組みを備えているため、どちらかが不調になるともう一方にも影響が及びやすいです。

右腎と肝臓の位置関係

右側の腎臓は肝臓の下部に位置し、肝臓から流れ出る血液の量や圧力の変化が影響しやすいと考えられています。肝機能低下や肝臓の肥大によって腎臓付近への圧迫が増す場合もあり、腎臓の位置や働きが部分的に影響を受ける可能性があります。

とはいえ、肝臓のトラブルが直接的に腎臓を圧迫して機能を低下させるケースは一般的ではありません。むしろ全身の代謝や血液量の変化を通じて間接的に腎臓へ影響を及ぼす傾向が強いです。

左腎と脾臓や胃との位置関係

左側の腎臓の上部やや前方に脾臓が存在し、その近傍には胃もあります。脾臓は血液の浄化や古くなった赤血球の分解を担い、胃は消化の中心となります。

これらの臓器は大きな血管を共有する部分もあるため、循環血流の変化が腎機能に影響を与えることもあります。

腎臓の上にある臓器の状態が変化すると腎臓への血流が減少する可能性があるため、消化器系や代謝機能に大きな変動があるときは腎臓の状態にも注目が必要です。

相互作用の重要性

腎臓の上にある臓器が正常に働き、血液やホルモンが適切に循環してこそ、腎臓が本来の機能を発揮しやすくなります。特に副腎と腎臓は水分や電解質の調整において密接な連携を取っているため、双方の健康状態は切り離して考えにくいです。

血圧コントロールやストレス耐性、ホルモンバランスなどが安定していると、腎臓が快調に働きやすくなり、将来的に透析を避けるための予防策にも結びつきます。

腎臓の上にある主な臓器と役割

臓器名主な役割
副腎コルチゾールやアルドステロンなどホルモン分泌
肝臓代謝や解毒、胆汁生成、栄養素貯蔵
脾臓古い赤血球の分解、免疫機能のサポート
食物の一次的な消化

腎臓の役目と主な働き

腎臓の役目は多岐にわたります。老廃物の排泄だけでなく、水分調整や血圧維持、ホルモン分泌など、あらゆる角度で体内環境の安定に寄与します。

老廃物や余分な水分の排出

腎臓は血液中の老廃物を尿として体外に排出する主要な器官です。食事や代謝活動から生じるアンモニアや尿素、クレアチニンなどを効率的に取り除き、体内で不必要な成分を蓄積させないように調整します。

さらに、余分な水分も一緒に排出するため、体の水分バランスを保つ働きにも関わります。

高塩分の食事や水分摂取量の過不足が続くと腎臓に負担がかかり、慢性的なむくみや高血圧に陥りやすくなります。適切な水分と塩分の管理が腎臓の働きをサポートします。

血圧調整とホルモン分泌

血圧は心臓や血管だけでなく、腎臓に大きく左右されます。腎臓はレニンというホルモンを分泌し、アンジオテンシンやアルドステロンと連動して血圧の上昇や降下をコントロールします。

水分や電解質の排出量を変化させることで血圧を一定に保ち、全身の血流を安定させます。

さらに、腎臓から分泌されるエリスロポエチンは骨髄に働きかけ、赤血球を作り出す指令を送ります。腎臓の機能が低下すると貧血になりやすい理由として、エリスロポエチンの分泌量が減少することが挙げられます。

電解質バランスの維持

ナトリウムやカリウム、カルシウム、リンなどの電解質は、神経伝達や筋肉の収縮などに欠かせない存在です。腎臓はこれらの電解質を必要に応じて再吸収したり排出したりすることで、血液中の濃度を一定に保ちます。

電解質バランスが崩れると、筋肉のけいれんや不整脈などの症状が起こりやすくなります。慢性的な腎機能低下が進行すると、透析を検討しなければいけない状態に陥る理由として、電解質調整機能が十分に働かなくなる点も大きいです。

骨や免疫との関係

腎臓は骨の健康にも関わっています。体内でビタミンDを活性化させることでカルシウムの吸収を助け、骨を丈夫に保ちます。さらに、腎機能が良好であれば免疫力が維持されやすく、感染症リスクも下がる傾向があります。

逆に、腎機能が落ちると血液中のカルシウムが不足しやすくなり、骨がもろくなる可能性があります。免疫も低下して感染症にかかりやすくなるリスクが高まります。

腎臓が関与する重要な要素

要素具体的な働き
老廃物の排出尿素やクレアチニン、毒素を尿にして体外へ
血圧調整レニン分泌、電解質や水分のコントロール
赤血球生成エリスロポエチン分泌で骨髄に指令
骨健康維持ビタミンDの活性化
免疫力への影響体液バランスの安定が免疫にも影響する

腎機能低下のサインと透析の必要性

腎機能が低下すると、体内に老廃物や水分が蓄積しやすくなり、全身にさまざまな症状が現れます。早期発見と適切な治療を行えば透析を回避できる可能性があるため、腎機能低下のサインを見逃さない意識が重要です。

自覚症状の特徴

初期の腎機能低下は自覚症状が乏しく、検査で偶然発見されることが多いです。進行すると次のような症状が見られる場合があります。

  • 体がだるく疲れやすい
  • 顔や足がむくむ
  • 尿の泡立ちが強い(タンパク質が漏れている可能性)
  • 尿量の変化(多すぎる、あるいは少なすぎる)
  • 血圧が上昇する

これらの症状が強く出てきたときは、腎機能がかなり低下している可能性があります。

尿検査や血液検査での判別

腎機能を判断する材料として、尿中のタンパクや血液中のクレアチニン値、推算糸球体ろ過量(eGFR)などが用いられます。これらの指標が高いあるいは低い値を示すことで、腎機能の低下が分かります。

特にeGFRは腎臓がどのくらいのペースで老廃物をろ過できるかの目安になるため、腎臓が受けている負担をイメージしやすい数値です。

透析に至るプロセス

慢性腎臓病(CKD)の末期まで機能が悪化すると、体内の老廃物を排泄できない状況になります。透析は人工的に血液をろ過し、老廃物や余分な水分を取り除く治療法です。

週に数回の治療を継続しなければいけないことが多く、生活面への影響は大きいです。

生活習慣病を放置したり高血圧をコントロールしないまま放置すると、腎臓へ負担がかかり、透析が必要になるリスクが高まります。

早期発見と予防の重要性

早期の段階で腎機能低下を発見できれば、食事療法や血圧管理、糖尿病のコントロールなどの積極的な介入で透析を回避または遅延させることが期待できます。

定期検診や健康診断での尿検査・血液検査を習慣化し、自覚症状が出る前から腎臓の状態をチェックすることが大切です。

腎機能を判断する主な血液検査値

項目正常範囲(おおよそ)意義
血清クレアチニン男性:0.6〜1.2mg/dL女性:0.5〜1.0mg/dL腎臓のろ過能力の指標
血尿素窒素(BUN)8〜20mg/dLタンパク質代謝産物の排出状態
推算糸球体ろ過量(eGFR)90mL/分/1.73m²以上が正常に近い腎臓の総合的なろ過能力を示す指標
血清カリウム3.5〜5.0mEq/L高カリウム血症は透析適応の可能性を示唆
血清リン2.5〜4.5mg/dL高リン血症は骨や血管障害のリスクを高める

日常生活で気をつけたいこと

腎臓の健康を保つためには、生活習慣全般の見直しが不可欠です。特に食事や運動、睡眠の質などに配慮することで、腎機能への負担軽減が期待できます。

食事の見直し

高タンパクや高塩分の食事を続けると、腎臓が老廃物や塩分を排出するために余計な負担を負いやすくなります。腎機能に不安がある場合は、主治医や管理栄養士と相談しながらタンパク質や塩分の摂取量を制限することが大切です。

カリウムやリンを多く含む食品も、腎機能が低下している場合には注意が必要です。血液中のカリウム値が高くなると、不整脈などのリスクが高まることがあります。

水分補給

普段から適度な水分補給を心がけると、血液の循環がスムーズになり、腎臓が老廃物を排出しやすい環境が整いやすくなります。逆に、水分が不足すると尿量が減り、老廃物が濃縮して腎臓に負担がかかる可能性があります。

ただし、心臓や腎臓に明確な疾患がある場合は、医師の指示に従って水分量を調整してください。むくみが強いときや心不全を抱えているときは、一律に水分摂取を増やすと逆効果になる場合があります。

運動と体重管理

適度な有酸素運動は血圧や血糖値を安定させ、腎臓への負担を減らす助けになります。ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどを継続することで、肥満傾向を改善し筋力を維持できます。

肥満は糖尿病や高血圧のリスクを高め、結果的に腎臓へ負担をかける要因になりやすいです。適正な体重を保つことが、将来的な腎機能の低下を防ぐうえで重要です。

ストレスケアと十分な睡眠

ストレスが強いとホルモン分泌や血圧調節に乱れが生じやすく、腎臓にも影響が及ぶ可能性があります。適度に休息を取り、趣味やリラクゼーション法などを取り入れてストレスを軽減すると、腎臓の負担を和らげる効果が期待できます。

また、睡眠不足は血圧の不安定化や食欲コントロールの乱れなどを招くため、腎臓にもマイナスに働きやすいです。質の良い睡眠をしっかり確保することは、腎機能を健全に保つための基本といえます。

日常生活で意識したいポイント

  • 塩分やタンパク質の過剰摂取を避ける
  • 定期的な水分補給で老廃物をスムーズに排出
  • 体重管理や有酸素運動で血圧や血糖の安定を目指す
  • ストレス対策や十分な睡眠でホルモンバランスを整える

腎機能保護のための生活習慣一覧

習慣効果
減塩食血圧と腎機能への負担を軽減
適正なタンパク質摂取老廃物生成を抑え、腎臓のろ過負担を軽減
適度な運動血糖コントロールと血圧安定、肥満予防
十分な睡眠ホルモンバランスの安定、ストレス軽減
適切な水分摂取尿量を確保して老廃物排出を促進

よくある質問

腎臓や透析に関連して、外来や健診で患者様から多く寄せられる疑問をまとめました。

腎臓の場所や働きを理解すると不安軽減に繋がり、早めの予防や受診行動に踏み出しやすくなります。疑問点があれば医師や専門スタッフに遠慮なくご相談ください。

腎臓の痛みと腰痛はどう区別すればいいですか?

腎臓の痛みは、背中の奥や肋骨の下あたりに鈍痛や違和感として感じる場合が多いです。姿勢を変えても痛みがあまり変化しないなら腎臓のトラブルを疑うことをおすすめします。

一方、筋肉由来の腰痛は動作によって痛みが増減しますが、痛みの性質には個人差があります。気になる場合は医療機関を受診して検査を受けることが大切です。

むくみが出始めたら透析が必要なのでしょうか?

むくみがあるからといってすぐに透析を開始するわけではありません。腎機能の低下や心不全、リンパの流れなど、さまざまな要因がむくみに関係します。

血液検査や尿検査の結果、心機能の評価などを総合的に判断して治療方針を決定しますので、まずは医師に相談して原因を特定することが重要です。

健診でクレアチニンが高めと言われました。どうしたらいいでしょうか?

クレアチニン値が高い場合は腎臓のろ過機能が低下している可能性があります。まずは再検査や詳細な尿検査、画像検査などを受け、腎機能の程度や原因を探ることが必要です。

食事指導や血圧管理、糖尿病の治療など生活習慣の改善とあわせて医師の指示を守ることで、透析を回避できるケースも多々あります。

高血圧の薬を飲むようになりましたが、腎臓に影響はありますか?

高血圧の薬には血圧を安定させ、腎臓への負担を軽減する効果が期待できます。特にACE阻害薬やARBと呼ばれる種類は腎臓を保護する作用があると報告されています。

副作用として腎機能に影響が出るケースもゼロではないため、定期的な血液検査でクレアチニンやカリウムなどの値を確認しながら服用を続けると安心です。

以上

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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