腎臓の機能が低下し、透析治療が必要になった方にとって、治療と日常生活、特に仕事や学業との両立は大きな課題です。日中の時間を治療に充てることが難しいと感じている方も少なくないでしょう。
そのような方々の選択肢となるのが「夜間透析」です。この記事では、夜間透析とは何か、そのメリット・デメリット、病院の選び方、治療の流れ、費用や公的支援制度について詳しく解説します。
夜間透析病院を探している方、治療と生活の両立に悩んでいる方の疑問解消の一助となれば幸いです。
夜間透析とは? 日中の生活を変えずに透析治療を受ける選択肢
透析治療は、腎臓の機能が著しく低下した場合に、体内に溜まった老廃物や余分な水分を取り除くために行う治療法です。夜間透析は、その名の通り、主に夜間の時間帯を利用して透析治療を行います。
これにより、日中の活動時間を確保しやすくなり、仕事や学業、家事など、これまでの生活リズムを大きく変えることなく治療を継続できる可能性があります。
透析治療が必要となる腎臓の機能
腎臓は、血液をろ過して尿を作り、体内の老廃物や余分な塩分・水分を排出する重要な役割を担っています。また、血圧の調整、赤血球を作るホルモンの分泌、骨の健康維持など、生命活動に欠かせない多くの働きをしています。
しかし、糖尿病性腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症などの病気により腎臓の機能が低下し、末期腎不全の状態になると、体内の環境を正常に保つことが困難になります。
この段階で、失われた腎臓の機能を代替する治療法として透析治療が必要となります。
腎臓の主な働き
働き | 内容 | 機能低下時の影響 |
---|---|---|
老廃物の排出 | 血液中の不要物を尿として捨てる | 尿毒症(だるさ、吐き気など) |
水分・電解質の調整 | 体液量やイオンバランスを保つ | むくみ、高血圧、不整脈 |
ホルモン分泌 | 血圧調整、造血、骨代謝に関わる | 高血圧、貧血、骨がもろくなる |
ライフスタイルに合わせた夜間透析の概要
夜間透析は、通常、夕方から夜にかけて病院に入り、睡眠時間を利用して透析を行います。多くの施設では、仕事終わりなどに合わせて治療を開始できるよう、夕方以降の時間帯に設定しています。
治療時間は患者さんの状態によって異なりますが、一般的に6時間から8時間程度かける場合が多く、これにより効率的な老廃物の除去が期待できます。朝には治療が終了し、そのまま出勤や通学することも可能です。
日中の時間を有効活用したい方にとって、有力な治療選択肢の一つと言えるでしょう。
昼間透析との違いと夜間透析の基本的な流れ
昼間透析は、一般的に週3回、1回あたり4時間程度の治療を日中に行います。一方、夜間透析は、週3回、1回あたり6時間から8時間程度と、より長い時間をかけて透析を行うことが多いのが特徴です。
時間をかけてゆっくりと透析を行うことで、体への負担が比較的小さいとされる場合があります。また、夜間の睡眠時間を利用するため、治療中の時間的な制約を感じにくいという利点もあります。
夜間透析の基本的な流れは、まず指定された時間に病院へ行き、体重測定や血圧測定などの準備を行います。その後、透析装置に接続し、治療を開始します。治療中はベッドで睡眠をとることが一般的です。
治療終了後、止血を確認し、体調に問題がなければ帰宅、あるいはそのまま仕事や学校へ向かうという流れになります。
透析方法による時間の比較例
透析方法 | 一般的な治療時間帯 | 1回あたりの治療時間(目安) |
---|---|---|
昼間透析 | 午前・午後 | 4時間程度 |
夜間透析 | 夕方~翌朝 | 6~8時間程度 |
夜間透析が適している方の特徴
夜間透析は、特に以下のような方にとって検討価値のある治療法です。
- 日中に仕事や学業がある方
- 家事や育児などで日中の時間が取れない方
- 治療による日中の活動制限を避けたい方
- 比較的長時間の透析に耐えられる体力のある方
- 自己管理能力があり、規則正しい生活を送れる方
ただし、夜間の睡眠に影響が出やすい方や、緊急時の対応に不安がある方などは、主治医と十分に相談し、慎重に検討することが重要です。
全ての透析患者さんに夜間透析が適しているわけではありません。
夜間透析のメリット 仕事や学業との両立が可能に
夜間透析を選択することには、多くのメリットがあります。特に、社会生活を維持しながら治療を続けたい方にとって、その利点は大きいと言えるでしょう。
日中の時間を有効活用できる
最大のメリットは、日中の時間を治療に束縛されずに済む点です。昼間透析の場合、週に3回、半日近くを治療に費やす必要がありますが、夜間透析であれば、睡眠時間を治療に充てることができます。
これにより、仕事や学業を中断したり、勤務時間を調整したりする必要がなくなり、キャリアや学業の継続がしやすくなります。趣味や家族との時間など、プライベートな活動に時間を充てることも可能です。
安定した社会生活の維持
日中の活動が維持できることは、経済的な安定だけでなく、社会的な繋がりや自己肯定感を保つ上でも重要です。仕事を続けることで収入を確保し、社会保険などの福利厚生も維持できます。
また、職場や学校での人間関係を継続することは、精神的な支えにもなり得ます。透析治療を受けながらも、可能な限り治療開始前と変わらない生活を送りたいと考える方にとって、夜間透析は大きな助けとなります。
夜間透析による生活への影響(想定)
項目 | 昼間透析の場合 | 夜間透析の場合 |
---|---|---|
仕事・学業 | 時間調整や休職・休学の可能性 | 継続しやすい |
日中の活動 | 治療日は制限される | 比較的自由 |
社会との繋がり | 変化が生じる可能性 | 維持しやすい |
身体的・精神的な負担軽減の可能性
夜間透析は、一般的に昼間透析よりも時間をかけてゆっくりと除水・老廃物の除去を行います。これにより、透析中の血圧変動が緩やかになり、体への負担が軽減される可能性があります。
透析後の倦怠感や疲労感が少なくなるという声も聞かれます。また、日中の生活リズムを維持できることは、精神的な安定にも繋がります。
「治療のために生活を犠牲にしている」という感覚が和らぎ、前向きな気持ちで治療に取り組めるようになることも期待できます。
食事制限の緩和が期待できる場合も
透析治療を受けている方は、水分や塩分、カリウム、リンなどの摂取制限が必要となることが一般的です。しかし、夜間透析のように長時間かけて効率よく透析を行うことで、体内の老廃物や余分な水分をより多く除去できる可能性があります。
その結果、一部の患者さんにおいては、昼間透析に比べて食事制限がやや緩和されるケースがあります。ただし、これは個人差が大きく、自己判断は禁物です。必ず主治医や管理栄養士の指導に従う必要があります。
夜間透析のデメリットと注意点 事前に理解しておくべきこと
多くのメリットがある夜間透析ですが、一方でデメリットや注意すべき点も存在します。治療を開始する前に、これらの点を十分に理解しておくことが大切です。
睡眠への影響と対策
夜間に透析を行うため、睡眠の質が低下する可能性があります。透析装置の音や、穿刺部の違和感、体位の制限などが原因で、寝つきが悪くなったり、途中で目が覚めてしまったりすることがあります。
睡眠不足は日中の活動にも影響を及ぼすため、対策が必要です。耳栓やアイマスクを使用する、寝具を工夫する、リラックスできる音楽を聴くなどの方法が考えられます。
また、多くの夜間透析施設では、患者さんが快適に睡眠をとれるよう環境整備に努めています。事前に施設の環境を確認したり、スタッフに相談したりすることも有効です。
睡眠の質を高める工夫例
工夫の種類 | 具体例 | 期待される効果 |
---|---|---|
環境調整 | 耳栓、アイマスク、遮光カーテン | 音や光の刺激を減らす |
寝具 | 自分に合った枕やマットレス | 寝心地の改善 |
リラックス | 軽い読書、ヒーリング音楽 | 入眠を促す |
緊急時の対応体制の確認
夜間は日中に比べてスタッフの人数が少なくなる場合があります。そのため、透析中に急な体調変化やトラブルが発生した場合の対応体制がどのようになっているか、事前に確認しておくことが重要です。
緊急連絡体制、医師や看護師の配置状況、近隣の救急病院との連携などを具体的に質問し、安心して治療を受けられる体制が整っているかを確認しましょう。
実施している医療機関が限られる
夜間透析は、全ての透析施設で実施されているわけではありません。スタッフ体制や設備の関係から、昼間透析のみを行っている施設も多くあります。
そのため、自宅や職場から通いやすい範囲に夜間透析を実施している病院があるかを探す必要があります。希望する地域で夜間透析を行っている病院が見つからない場合や、定員に空きがない場合もあります。
ご家族の理解と協力の重要性
夜間透析を始めるにあたっては、ご家族の理解と協力が大きな支えとなります。夜間に家を空けること、治療による体調の変化の可能性などについて、事前にしっかりと話し合い、理解を得ておくことが大切です。
特に、送迎の協力や、緊急時の連絡体制の共有など、家族のサポートが必要になる場面も考えられます。治療を円滑に進め、精神的な負担を軽減するためにも、家族との良好な関係を築き、協力し合える体制を作ることが望ましいです。
夜間透析病院の選び方 自分に合った病院を見つけるために
夜間透析を継続していくためには、自分に合った病院を選ぶことが非常に重要です。いくつかのポイントを考慮し、慎重に比較検討しましょう。
通いやすさ(立地・アクセス)
夜間透析は週に数回、長期間にわたって通院が必要です。そのため、自宅や職場からの距離、交通手段、所要時間などを考慮し、無理なく通える範囲にある病院を選ぶことが大切です。
公共交通機関を利用する場合は、終電や始発の時間、バスの運行状況なども確認しましょう。自家用車で通院する場合は、駐車場の有無や利用料金も重要なポイントです。仕事帰りに通院する場合は、職場からのアクセスも考慮に入れると良いでしょう。
通院手段の確認ポイント
通院手段 | 確認ポイント | 注意点 |
---|---|---|
公共交通機関 | 駅からの距離、運行時間、乗り換え | 夜間や早朝の便数 |
自家用車 | 駐車場の有無、料金、空き状況 | 夜間の運転負担 |
送迎サービス | 利用条件、範囲、時間帯 | 実施していない施設もある |
診療時間と休診日
夜間透析の開始時間や終了時間は、病院によって異なります。ご自身の仕事や生活リズムに合った時間帯に治療を受けられるかを確認しましょう。また、祝日の診療体制や年末年始などの長期休暇中の対応についても確認が必要です。
急な残業や予定変更があった場合の対応(時間の変更や振替透析の可否など)についても、事前に相談しておくと安心です。
設備と医療スタッフの体制
快適な透析時間を過ごすためには、施設の設備も重要です。ベッドの寝心地、個室やパーテーションの有無、テレビやWi-Fi環境、更衣室やロッカーの使いやすさなどを確認しましょう。
また、夜間のスタッフ体制(医師、看護師、臨床工学技士の人数や経験)や、緊急時の対応、合併症管理の体制なども、安全な治療を受ける上で重要な確認項目です。
可能であれば、事前に施設を見学させてもらい、実際の雰囲気を確認することをお勧めします。
事前の情報収集と比較検討
病院を選ぶ際には、一つの病院だけでなく、複数の候補をリストアップし、比較検討することが大切です。
病院のウェブサイトやパンフレットで情報を集めるだけでなく、かかりつけ医に相談したり、地域の患者会などで情報を得たりするのも良い方法です。
実際に通院している人の評判や口コミも参考になりますが、個人の感じ方には差があるため、最終的には自分自身で情報を確認し、納得のいく病院を選びましょう。
情報収集の方法
- 病院のウェブサイト・パンフレット
- 主治医や医療ソーシャルワーカーへの相談
- 地域の患者会の情報
- インターネット上の情報(信頼性を確認)
夜間透析を受けるまでの流れ スムーズな治療開始のために
夜間透析を希望する場合、いくつかのステップを経て治療が開始されます。一般的な流れを理解しておくと、スムーズに準備を進めることができます。
まずは主治医への相談から
現在、他の医療機関で治療を受けている場合や、これから透析導入となる場合は、まず主治医に夜間透析を希望する旨を相談しましょう。
ご自身の病状や体力、ライフスタイルなどを考慮し、夜間透析が医学的に適しているか、また、どのような点に注意すべきかなどのアドバイスを受けることができます。主治医からの紹介状(診療情報提供書)が必要になる場合がほとんどです。
夜間透析実施病院への問い合わせと見学
主治医と相談の上、夜間透析実施病院の候補が決まったら、電話などで問い合わせを行います。夜間透析の受け入れ状況(空き状況)、治療条件、見学の可否などを確認しましょう。
見学が可能であれば、実際に足を運び、施設の雰囲気や設備、スタッフの対応などを自分の目で確かめることを強くお勧めします。疑問点や不安な点があれば、遠慮せずに質問しましょう。
見学時に確認したいポイント例
カテゴリ | 確認項目 | 質問例 |
---|---|---|
施設・設備 | 透析室の環境、ベッド、更衣室 | 「夜間は静かに眠れますか?」 |
スタッフ体制 | 夜間の人員配置、緊急時対応 | 「急変時の対応はどうなっていますか?」 |
その他 | 食事の提供有無、駐車場の利用 | 「仕事の後、食事をとる場所はありますか?」 |
必要な検査と手続き
夜間透析を受ける病院が決まったら、治療開始に向けて必要な検査や手続きを行います。現在の健康状態を把握するための血液検査やレントゲン検査などが行われるほか、紹介状や保険証、各種医療証などの書類提出が求められます。
病院の指示に従い、必要なものを準備しましょう。医療ソーシャルワーカーがいる病院では、公的支援制度の利用などについても相談できます。
治療開始に向けた準備
治療開始日が決まったら、当日に向けて必要な物品などを準備します。パジャマや着替え、タオル、スリッパ、暇つぶしになる本や音楽プレーヤーなど、病院から指示されたものや、ご自身が必要だと思うものを用意しましょう。
また、生活リズムを夜間透析に合わせて整えていくことも大切です。特に食事や水分の管理については、改めて指導を受ける場合がありますので、しっかりと確認しましょう。
夜間透析中の過ごし方 快適な治療時間のために
週に数回、長い時間を過ごすことになる透析室での時間を、できるだけ快適に、そして有意義に過ごすための工夫についてご紹介します。
透析室でのリラックス方法
透析中はベッドの上で過ごす時間が長くなります。リラックスして過ごすために、自分なりの方法を見つけることが大切です。
好きな音楽を聴く、読書をする、タブレット端末で動画を観るなど、周りの方の迷惑にならない範囲で、心地よいと感じる過ごし方を取り入れましょう。アロマオイルをティッシュに含ませて枕元に置くなど、香りを利用するのも良いかもしれません。
睡眠の質を高める工夫
前述の通り、夜間透析では睡眠の質が重要になります。環境音や光が気になる場合は、耳栓やアイマスクが役立ちます。
寝具が合わないと感じる場合は、クッションやネックピローなどを持ち込むことも検討しましょう(持ち込みが可能か事前に確認が必要です)。
また、透析前にカフェインを摂取しない、スマートフォンなどの画面を長時間見ないといった、睡眠を妨げる可能性のある行動を避けることも有効です。
透析中の快適グッズ例
カテゴリ | グッズ例 | 目的 |
---|---|---|
睡眠サポート | 耳栓、アイマスク、ネックピロー | 安眠促進、首の負担軽減 |
暇つぶし | 本、音楽プレーヤー、タブレット | リラックス、気分転換 |
快適性向上 | クッション、ブランケット | 寝心地改善、温度調整 |
スタッフとの良好な関係づくり
透析治療は長期間にわたるため、医師や看護師、臨床工学技士といった医療スタッフとの良好な関係を築くことも、安心して治療を続ける上で大切です。
日々の挨拶はもちろん、体調の変化や不安なこと、疑問点などを気軽に相談できる関係を目指しましょう。スタッフは患者さんの状態を常に気にかけていますが、自分から積極的に情報を伝えることも重要です。
信頼関係が築ければ、より質の高いケアを受けることに繋がります。
体調変化への注意と報告
透析中や透析後に体調の変化を感じた場合は、些細なことでもすぐにスタッフに報告することが重要です。めまい、吐き気、頭痛、胸の苦しさ、穿刺部の痛みや出血など、いつもと違う症状があれば、我慢せずに伝えましょう。
早期に対応することで、重篤な状態になるのを防ぐことができます。また、自宅での体重管理や食事管理も、体調を安定させる上で欠かせません。日頃から自分の体調に関心を持ち、変化に気づけるように心がけましょう。
夜間透析に関する費用と公的支援制度
透析治療は継続的に行う必要があり、それに伴う医療費も高額になる傾向があります。しかし、日本では透析治療を受ける患者さんの経済的負担を軽減するための様々な公的支援制度が設けられています。
これらの制度を理解し、活用することが大切です。
透析治療にかかる基本的な費用
人工透析は、健康保険が適用される治療です。医療費の自己負担割合は、年齢や所得に応じて通常1割から3割となります。しかし、透析治療は医療費が高額になるため、自己負担額も大きくなりがちです。
例えば、医療費が月額100万円かかった場合、3割負担の方であれば自己負担額は30万円にもなります。この負担を軽減するために、以下のような制度があります。
自己負担額を軽減する制度(特定疾病療養受療証など)
人工透析を必要とする慢性腎不全は、「特定疾病」に指定されています。そのため、「特定疾病療養受療証」の交付を受けることで、同一の医療機関での1ヶ月の自己負担限度額が、原則として1万円(上位所得者は2万円)になります。
この制度を利用するためには、加入している健康保険(国民健康保険、協会けんぽ、組合健保など)への申請が必要です。申請手続きについては、病院の医療ソーシャルワーカーや、加入している健康保険の窓口に相談しましょう。
特定疾病療養受療証による自己負担限度額
所得区分 | 自己負担限度額(月額) |
---|---|
標準報酬月額26万円以下など(一般) | 1万円 |
標準報酬月額28万円以上など(上位所得者) | 2万円 |
※所得区分や制度の詳細は、加入している健康保険にご確認ください。
身体障害者手帳の申請
透析治療を導入すると、多くの場合、身体障害者福祉法に基づく身体障害者手帳(腎臓機能障害)の交付対象となります。
手帳を取得することで、医療費の助成(自治体により異なる)、税金の控除・減免、公共交通機関の割引、福祉サービスの利用など、様々な支援を受けることができます。
申請には医師の診断書が必要となりますので、主治医に相談の上、お住まいの市区町村の福祉担当窓口で手続きを行ってください。
その他利用可能な福祉サービス
身体障害者手帳の等級や自治体によっては、上記以外にも様々な福祉サービスが利用できる場合があります。
- 重度心身障害者医療費助成制度
- タクシー利用料金の助成
- 自動車税・軽自動車税の減免
- 有料道路通行料金の割引
利用できる制度やサービスは、お住まいの地域や個々の状況によって異なります。病院の医療ソーシャルワーカーや市区町村の福祉窓口に相談し、活用できる制度がないか確認してみましょう。
よくある質問
- 夜間透析は何時から始まりますか?
-
病院によって異なりますが、一般的には夕方17時~19時頃に開始するところが多いようです。仕事帰りの時間帯に合わせて設定されている場合がほとんどですが、具体的な開始時間は希望する病院に直接確認することが必要です。
- 夜間透析の時間はどのくらいかかりますか?
-
患者さんの状態や病院の方針によって異なりますが、一般的に1回あたり6時間から8時間程度です。
昼間透析(通常4時間程度)よりも時間をかけてゆっくり行うことで、体への負担軽減や、より効率的な老廃物の除去を目指します。
- 夜間透析中に眠れない場合はどうすればよいですか?
-
まずは、耳栓やアイマスクを使用したり、寝具を工夫したりするなど、ご自身でできる対策を試してみてください。それでも眠れない場合は、我慢せずに看護師やスタッフに相談しましょう。
睡眠導入剤の使用について医師と相談することも可能です。無理せず、スタッフに状況を伝えることが大切です。
- 急に体調が悪くなった場合の対応は?
-
夜間透析を行っている病院では、緊急時の対応体制を整えています。透析中に体調の変化を感じたら、すぐにナースコールなどでスタッフを呼んでください。医師や看護師が迅速に対応します。
事前に病院の緊急時対応体制(スタッフの配置、連絡方法など)を確認しておくと、より安心して治療を受けられます。
以上
透析センター(人工透析) | 大垣中央病院(医療法人社団豊正会 )
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