透析後のふらつき・めまい・気分不良の原因と予防・対処法

透析後のふらつき・めまい・気分不良の原因と予防・対処法

透析治療を終えた直後、立ち上がろうとして急激なふらつきやめまいに襲われた経験はありませんか。こうした症状の多くは、除水による急激な血圧低下や体液バランスの変化が引き金となります。

本記事では、透析後に体調を崩す原因を紐解き、日々の体重管理や食事、そして万が一倒れそうになった時の正しい対処法まで、患者さんの不安を解消するために詳しく解説します。

安全に透析生活を送るための知恵を身につけ、治療後の負担を最小限に抑えましょう。

目次

透析後に血圧が下がってふらつきやめまいが起きる理由

透析終了後のふらつきやめまいの正体は、多くが脳への血流量が一時的に減少することで起きる脳貧血状態です。

透析によって短時間で大量の水分を体から取り除くため、血管内を流れる血液のボリュームが減り、血圧を維持する機能が追いつかなくなることが最大の要因となります。

急激な除水による血管内のボリューム減少

私たちの体は、血液という液体が血管の中を一定の圧力で流れることで、脳や全身の臓器に酸素や栄養を届けています。透析治療では、4時間から5時間という限られた時間の中で、数日間に溜まった水分を取り除きます。

このとき、血管内の水分が急激に抜けると、周囲の組織から水分を血管内に引き戻す、プラズマリフィリングという現象が起きます。

しかし、除水のスピードがこの引き戻すスピードを上回ってしまうと、血管内はスカスカの状態になり、血圧を支える力が失われてしまいます。これが、立ち上がった瞬間に目の前が真っ暗になる、いわゆる起立性低血圧を招く大きな原因です。

ドライウェイトの設定が体調に合っていない可能性

ドライウェイト、いわゆる基本体重の設定が適切でないことも、透析後の気分不良に直結します。

体調の変化や食事量の減少によって実際の筋肉量や脂肪量が減っているにもかかわらず、以前のままのドライウェイトを目指して除水を行うと、体にとっては絞りすぎの状態になります。

必要な水分まで奪われてしまうため、透析後半から終了後にかけて、激しいふらつきや足のつり、吐き気といった脱水に近い症状が出やすくなります。

定期的なレントゲン検査や心胸比の確認、日々の体感をもとに、主治医とドライウェイトの微調整を相談することが非常に重要です。

透析中に飲んだ食事が血圧低下を招く影響

透析中に食事を摂る習慣がある方は、タイミングにも注意が必要で、食べ物を摂取すると、消化を助けるために血液が胃腸に集中します。

本来であれば全身を巡るべき血液が腹部に集まってしまうため、脳や末梢へ送られる血液量が相対的に減り、血圧が下がりやすくなります。

透析というただでさえ血圧が不安定になりやすい環境下で、消化活動という負荷が加わることは、終了後の気分不良を助長する一因です。体調が不安定な時期は、透析中の食事を控えめにするか、タイミングをずらすなどの工夫が求められます。

自律神経の働きが鈍くなり血圧調整が遅れる悩み

長期間の透析療法を受けている方や糖尿病が原因で腎不全になった方は、自律神経に障害が出ているケースが少なくありません。通常、血圧が下がろうとすると自律神経が働き、血管を収縮させて血圧を維持しようとします。

しかし、このスイッチの切り替えがうまくいかないと、透析による血圧低下に対して体が無防備な状態になり、特に透析終了直後にベッドから急に立ち上がる動作は、自律神経に大きな負担をかけます。

ゆっくりと時間をかけて体を起こす習慣が、不意の転倒を防ぐための鍵です。

血圧低下と体調不良の関係

主な症状発生のきっかけ体の中で起きていること
立ちくらみ立ち上がった瞬間重力で血液が下半身に下がる
あくび・生唾透析終了間際脳への血流低下の初期サイン
冷や汗・吐き気歩行開始時血圧が維持できずショック状態に近い

透析後の倒れるリスクを避けるための安全な行動習慣

透析後に倒れてしまう事故は、病院内だけでなく帰宅途中にも多く発生しています。ふらつきを感じたときには、我慢して歩き続けようとせず、その場ですぐに腰を下ろす勇気が大切です。

一度転倒して骨折してしまうと、透析生活の質(QOL)は大きく低下してしまいます。自分を守るためには、透析終了後をいかに慎重に過ごすかが重要です。

終了直後に急いで立ち上がらない習慣の徹底

透析の針を抜き、止血が終わった直後は、最も血圧が不安定な時間帯です。早く帰りたいという気持ちから勢いよく立ち上がると、重力によって血液が一気に下半身へと流れ込み、脳への供給が途絶えます。

まずはベッドの上で上半身を起こし、数分間安静にします。次にベッドの縁に腰をかけ、足がしっかり床についた状態でさらに数分。

そこで頭の重さを感じたり、目の前がチラついたりしないかを確認してから、ゆっくりと立ち上がりましょう。この段階的な動作が、最も確実な転倒予防策となります。

止血ベルトの締め付けすぎが血流に与える影響

シャントを守るための止血は必要ですが、ベルトを過剰に強く締めすぎることも問題です。腕を強く圧迫し続けると、迷走神経反射を引き起こし、急激な血圧低下や脈拍の減少を招くことがあります。

止血中に気分が悪くなる場合は、ベルトの強さが適切かどうかスタッフに確認してもらいましょう。また、止血が終わった後にベルトを外した開放感から、急に動き出してしまうことも危険です。

止血確認後も、血圧を再度測定して安定していることを確かめるまでは、椅子に座って休む余裕を持ってください。

待合室で最低15分は安静に過ごす心の余裕

「病院を出てから気分が悪くなった」というケースを未然に防ぐため、会計を済ませた後も待合室で15分から30分程度は座って様子を見ましょう。

透析室の中は温度管理がされていますが、一歩外に出ると季節によっては寒暖差が激しく、それが血管の伸縮に影響を与えて血圧を変動させます。夏場の脱水気味の時や、冬場の寒い廊下に出る時は注意が必要です。

座って落ち着いてから、「今日はふらつきがないな」と確信してから帰路につく習慣が、あなたの命を守ります。

送迎車やタクシーを利用して移動の負担を減らす判断

自分で運転して帰宅することや、長い距離を歩いて公共交通機関を利用することは、透析後の体には大きな負荷となります。ふらつきを頻繁に感じる方は、無理をせずに家族の送迎や病院の送迎バス、タクシーなどの利用を検討してください。

移動中の車内でも、可能であればリクライニングを倒して頭を低く保つことが推奨されます。もしも一人で歩いている時に強いめまいを感じたら、迷わず近くの壁に寄りかかるか、その場にしゃがみ込んで周囲に助けを求めてください。

透析後の安全確認チェック項目

確認のタイミングチェックすべきポイントOKの目安
起き上がり前生唾、あくび、吐き気の有無不快感が一切ない
座り姿勢(端坐位)視界の明瞭さ、耳鳴りの有無周囲がはっきり見える
立ち上がり後足元の安定感ふらつかずに直立できる

毎日の体重管理を見直して透析中の血圧低下を防ぐ方法

透析後の体調不良を根本から解決するには、透析中の除水量をいかに抑えるかが最大のポイントです。透析の間に増える体重が多ければ多いほど、1時間あたりに抜かなければならない水分の量が増え、心臓や血管への負担は過酷になります。

塩分摂取を控えて喉の渇きを元から断つ工夫

「水分を我慢するのがつらい」という悩みの根底には、実は塩分の摂りすぎが隠れています。塩分を摂取すると、血中のナトリウム濃度を一定に保とうとする体の仕組みにより、脳が強い渇きを感じさせます。

これを我慢するのは困難で、まずは1日の塩分摂取量を6g未満に抑える努力をしましょう。

出汁を効かせる、酸味(レモンや酢)を利用する、香辛料で味にアクセントをつけるなど、塩に頼らない味付けに慣れることが、無理のない水分管理の第一歩となります。

隠れた水分に注意して正確な増加量を把握する意識

コップ一杯の水だけでなく、食事に含まれる水分にも目を向ける必要があり、お粥、麺類のスープ、果物、ゼリーなどは、想像以上に多くの水分を含んでいます。夏場に氷を口に含む習慣も、気づかないうちに総量が増えてしまう要因です。

毎日決まった時間に体重を測り、昨日の食事でどれくらい増えたか、を把握する習慣をつけましょう。自分にとっての適正な増加量(中1日で体重の3%以内、中2日で5%以内が目安)を守ることが、楽な透析への近道です。

外食や加工食品に含まれる目に見えない塩分の罠

コンビニ弁当や外食、レトルト食品は、保存性を高めるために多量の塩分が使われています。例えば、ラーメン1杯にはそれだけで1日分を超える塩分が含まれていることもあります。

外食を楽しむ際は、スープを残す、醤油を直接かけずに小皿でつけるなどの工夫が大切で、また、加工肉(ハムやソーセージ)や練り製品(かまぼこ)も塩分の宝庫です。

これらを控えて、新鮮な素材を自分で調理して食べる時間を増やすことが、透析後の気分不良を劇的に改善させるきっかけになります。

喉が渇いたときに氷やうがいでやり過ごす知恵

どうしても喉が渇いて耐えられないときは、水をゴクゴク飲むのではなく、小さな氷を1個だけ口に含んでゆっくり溶かしてみてください。冷たさが刺激となり、少量の水分で満足感を得やすくなります。

また、口の中を水ですすぐうがいだけでも、粘膜が潤って渇きが和らぐことがあります。レモンを一切れかじるのも、唾液の分泌を促して乾燥を防ぐ良い方法です。

こうした小さな工夫を積み重ねることで、透析日の除水量を劇的に減らし、ふらつきのない状態で帰宅できるようになります。

水分・塩分管理を助ける習慣

  • 調理の際は計量スプーンを使い、感覚ではなく数値で塩分を管理する
  • カリウム制限に配慮しつつ、温かい茶碗一杯の白米を基本にする(パンは塩分が多い)
  • 起床後と就寝前に必ず体重計に乗り、前日との差をメモする
  • 外食時は「塩分控えめ」で注文できるか確認してみる

透析中に気分が悪くなった時の適切な伝え方と対処

透析中に「少し気分が悪いな」と感じたとき、我慢するは非常に危険です。血圧が急落してからでは、処置が遅れ意識を失うリスクもあります。初期症状の段階で早めに医療スタッフに伝えることが、その後の大きなトラブルを防ぐことになります。

生あくびや生唾は血圧低下の重要なサイン

血圧が下がり始めるとき、体はいくつかの予兆を出します。代表的なものが、生あくびや生唾が溜まる感覚で、脳への血流が不足し始めたことを知らせる警告アラームです。

また、急に足がつる(こむら返り)、お腹が張る、生ぬるい汗が出る、といった感覚も無視してはいけません。症状が出た時点でスタッフを呼び、「少しあくびが出てきました」「足が重くなってきました」と伝えてください。

早めの除水停止や生理食塩水の補液により、血圧を回復させることが可能です。

スタッフに状況を具体的に伝える言葉選び

「気分が悪い」という言葉だけでは、スタッフは何が起きているのか判断に迷うことがあります。できるだけ具体的に伝えましょう。

「目の前が暗くなってきた」「耳鳴りがする」「吐き気がする」「胸がドキドキする」といった感覚を言葉にすると、スタッフは血圧低下なのか、不整脈なのか、あるいは別の要因なのかを迅速に判断し、適切な対応をとることができます。

また、普段の自分の血圧推移を把握しておき、「いつもより早く下がっている気がする」と伝えるのも効果的です。

除水速度の変更や昇圧剤の使用を医師と相談する重要性

毎回のように気分不良が起きる場合は、治療方針そのものを見直す時期かもしれません。4時間の透析を4.5時間や5時間に延ばすことで、1時間あたりの除水スピードを緩やかにできる場合があります。

また、透析開始前に血圧を上げる薬(昇圧剤)を服用したり、透析液の温度を少し下げて血管を収縮させやすくしたりする工夫も有効です。これらの対策は、患者さん本人の訴えがあって初めて具体的に検討されることが多いものです。

我慢を美徳とせず、より快適な透析条件を求めて相談する姿勢が大切です。

リクライニングの角度を調整して脳血流を確保する

気分が悪くなってきたら、まずはベッドのリクライニングを倒して、頭を低く、足を高くする姿勢(トレンデレンブルグ位)をとると、下半身に溜まった血液を脳へと戻しやすくなります。

自分で操作できる場合は早めに行い、スタッフにもその旨を伝えてください。また、厚着をしている場合は、衣服を緩めて呼吸を楽にすることも忘れてはいけません。

透析後半は特にこの姿勢調整が重要になるため、気分が悪くなりやすい方はあらかじめ少し低めの角度で治療を受けるのも一つの方法です。

透析中の不快症状と対応アクション

感じている症状まず自分ですることスタッフに伝える内容
足がつる、筋肉が強張る足を伸ばしてリラックス「どのあたりが、いつからつっているか」
生あくび、視界がぼやける頭を低くし、深呼吸「血圧が下がっている感覚がある」
胃がムカムカする、吐き気顔を横に向け、嘔吐に備える「吐き気があるのでバケツを貸してほしい」

自宅に帰ってからふらつきやめまいが出た時の応急処置

病院を出る時は元気でも、帰宅した途端にドッと疲れが出たりふらつきが強くなったりすることは珍しくありません。自宅は病院と違い、すぐに専門家の助けが得られない環境なため、自分で自分の身を守るセルフケアの知識が必要不可欠です。

まずは横になって足を高くして休む姿勢

家に着いて「おかしいな」と思ったら、すぐに横になってください。椅子に座っているだけでは、脳への血流は十分に回復しません。仰向けになり、クッションや布団を丸めたものを足の下に置いて、心臓よりも足が高い位置に来るようにします。

この姿勢で20分から30分程度休むと、多くの場合は血圧が落ち着き、ふらつきも改善されます。このとき、部屋を暗くして静かな環境を作ると、自律神経の緊張がほぐれやすくなり、より早い回復が期待できます。

自宅での血圧測定と数値の記録が判断を助ける

休んでも改善しない場合や、不安を感じる場合は、自宅にある血圧計で数値を測りましょう。上(収縮期)の血圧が90mmHgを切るような状態が続く、あるいは普段の自分の平均値よりも著しく低い場合は、病院への連絡を検討すべきサインです。

測った数値はメモしておき、次の透析日にスタッフに見せるようにしましょう。血圧の推移が分かれば、ドライウェイトの設定変更などの具体的な対策に繋がりやすくなります。

また、脈拍が異常に速い、または遅いといった情報も重要な判断材料となります。

水分補給の是非を慎重に判断する必要性

ふらつきの原因が脱水だと思って、慌てて多量の水を飲むことは避けなければなりません。透析患者さんの場合、水分を摂りすぎると次の透析までの体重増加が過剰になり、また苦しい透析を繰り返すという悪循環に陥ります。

まずは横になって安静にすることが先決です。ただし、医師からあらかじめ「血圧が下がった時はこれくらい飲んでも良い」という指示がある場合や、明らかな脱水症状がある場合は、指示に従ってください。

自己判断でスポーツドリンクなどをガブ飲みすることは、心不全のリスクを高める可能性があるため厳禁です。

家族や同居人に自分の状態を伝えておく備え

一人で我慢している間に意識を失ってしまうのが最も危険です。同居している家族がいる場合は、「今日は透析後にふらつくから、しばらく横になるよ」と一言伝えておきましょう。

万が一、声をかけても返事がない、あるいは顔色が異常に白いといった場合に、家族がすぐに対処できるようにしておくためです。

一人暮らしの方は、緊急通報装置を身につけておくか、信頼できる近隣の人や親戚に連絡を入れられるように携帯電話を手元に置いて休むようにしてください。

自宅での異常事態:病院に連絡すべき目安

  • 横になって30分以上休んでも、立ち上がると激しいめまいがする
  • 血圧が普段より30以上低く、数値が全く上がってこない
  • 激しい頭痛や胸の痛み、動悸が伴っている
  • 意識が遠のく感覚があり、自分で歩くことが困難

食事と睡眠の質を高めて透析に耐えられる体を作る

透析後の気分不良は、水分量の問題だけでなく、全身の栄養状態や疲労度も大きく関係しています。透析は体に大きなエネルギー消費を強いる治療なので、基礎体力を日々の生活で養っておくことが、ふらつきにくい体質作りへとつながります。

良質なタンパク質を適量摂取して筋肉を維持する

「腎臓病=タンパク質制限」というイメージが強いかもしれませんが、透析を始めた後は、むしろしっかりとタンパク質を摂ることが大切です。筋肉が減ると、血管をサポートする力が弱まり、血圧が変動しやすくなります。

肉、魚、卵、大豆製品などをバランスよく食べましょう。もちろん、リンやカリウムの数値には気を配る必要がありますが、制限ばかりを優先して栄養失調(PEW)になってしまっては本末転倒です。

管理栄養士と相談しながら、自分の体格に見合ったタンパク質量をしっかり確保しましょう。

透析前日の睡眠不足が当日の体調に響く理由

透析当日の体調は、前夜の睡眠の質に大きく左右されます。睡眠不足の状態では自律神経が乱れやすく、透析による血流の変化に対応できなくなります。

特に「明日は透析だから早く寝なきゃ」というプレッシャーで眠れない方も多いですが、寝る前のスマホを控えたり、ぬるめのお湯でリラックスしたりして、良質な睡眠を確保する努力をしましょう。

十分な休息が取れていれば、心臓の働きも安定し、透析中の血圧低下を未然に防ぎやすくなります。規則正しい生活リズムこそが、最高の予防薬です。

貧血の改善がめまい予防に直結する事実

透析患者さんは、腎臓から出るエリスロポエチンというホルモンが不足するため、腎性貧血になりやすい傾向があります。

血液中の赤血球が少ないと、一度に運べる酸素の量が減るため、少しの血圧低下でも脳が酸欠状態になり、強いめまいを感じます。定期的な血液検査でヘモグロビン値をチェックし、造血剤の注射や鉄剤の補充を受けましょう。

貧血が改善されるだけで、透析後の「頭が重い」「フラフラする」といった症状が劇的に軽くなるケースは非常に多いです。

適度な運動が血管の柔軟性を保つ助けになる

疲れるから動かないという生活を続けていると、血管の弾力性が失われ、血圧の調整能力がさらに低下します。医師の許可がある範囲で、散歩や椅子に座ってできる足の上げ下げ運動など、無理のない範囲で体を動かしましょう。

特にふくらはぎの筋肉を動かすことは、下半身に溜まった血液を心臓に戻す助けになります。透析中に足首を回したり、グーパー運動をしたりするだけでも効果があります。

日頃から動ける体を作っておくことが、治療後の回復を早めるポイントです。

体力を維持するための生活習慣

項目理想的な取り組み期待できる効果
食事3食バランスよく、タンパク質を確保筋肉量の維持・血管の保護
睡眠毎日決まった時間に就寝自律神経の安定
運動1日15分程度のウォーキング血液循環の改善

透析センター(人工透析) | 大垣中央病院(医療法人社団豊正会 )

Q&A

透析後にふらつきを感じた際、市販の栄養ドリンクを飲んでも大丈夫ですか?

市販の栄養ドリンクの多くには、透析患者さんにとって注意が必要なカリウムやリン、そして多量の糖分が含まれています。

ふらつきの原因が血圧低下である場合、ドリンクを飲むよりもまずは横になって安静にすることが先決です。また、カフェインが含まれているものは利尿作用や心拍数への影響もあるため、自己判断で飲むのは避けましょう。

どうしても飲みたい場合は、必ず成分表を主治医に見せて、許可を得てからにするのが安全です。

透析後にめまいがひどい時、お風呂に入って血行を良くするのは効果的ですか?

透析直後、特にめまいやふらつきがある時の入浴は非常に危険です。お風呂で体が温まると、末梢の血管が広がり、さらに血圧が下がりやすくなります。

浴槽から立ち上がる瞬間に意識を失って溺れるリスクもあるため、体調が不安定な時の入浴は控えましょう。

透析当日はシャワー程度にとどめるか、気分不良がある場合は無理をせず、翌日に体調が回復してから入浴することをお勧めします。安全を第一に考えて行動してください。

透析後の気分不良を予防するために、透析中の除水量を減らすことはできますか?

除水量を減らすためには、透析の間に増える体重(水分量)を抑えることが不可欠です。

しかし、どうしても水分管理が難しい場合や、現在のドライウェイトが適切でない場合は、設定を変更することで気分不良が改善される可能性があります。

また、透析時間を延長してゆっくり除水を行う手法も有効です。まずはスタッフに「毎回透析後に気分が悪くなる」と相談し、除水計画やドライウェイトの見直しを提案してもらうのが良いでしょう。

透析後に気分が悪くて倒れた場合、次の透析まで様子を見ていて良いでしょうか?

実際に意識を失って倒れたり、転倒して体を強く打ったりした場合は、次の透析を待たずにすぐに通院しているクリニックや病院へ連絡してください。

一時的な血圧低下だけでなく、心臓疾患や脳血管障害、あるいは骨折などが隠れている可能性があるからです。また、激しい嘔吐や冷や汗が止まらない場合も、緊急の対応が必要なケースがあります。

「いつものことだから」と過信せず、異常を感じた際は速やかに専門の医療機関に相談し、適切な指示を仰いでください。

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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