人工透析になる原因とリスク要因 – 予防と対策

人工透析になる原因とリスク要因 - 予防と対策

慢性腎臓病を含む腎臓の病気は初期にはわかりにくく、気づいたときには人工透析が必要な状態に近づいているケースがあります。

糖尿病や高血圧などの基礎疾患がきっかけとなり、腎機能が徐々に低下すると、体内の老廃物や水分を十分に排せつできなくなります。

透析が必要な段階まで進まないように、腎臓に負担をかける要因を早期に見つけ、生活習慣を整えることが大切です。腎臓を守るための基礎知識や予防策、病院で行う検査・治療の概要を整理していきます。

目次

腎臓の働きと慢性腎臓病の概要

腎臓は血液をろ過して体内の老廃物を排出し、水分や塩分のバランスを調節する大切な臓器です。その機能が損なわれると、体内に毒素が蓄積して全身の健康に影響が及びます。

慢性腎臓病(CKD)は長期間にわたって腎機能が低下し続ける状態を指し、放置すると人工透析になる原因につながる可能性があります。

腎臓の主な役割

腎臓は体内環境を一定に保つように働きます。血液中の老廃物を尿として排出し、同時に電解質や水分のバランスも調整します。血圧をコントロールするホルモンを産生する点も重要です。

これらの働きが損なわれると、血液中に有害物質がとどまりやすくなり、むくみや高血圧などさまざまな症状を引き起こします。

慢性腎臓病(CKD)の定義

CKDは腎機能が3カ月以上にわたって低下し続ける状態です。主な指標はeGFR(推算糸球体ろ過量)で、健康診断や外来で行う血液検査からおおよその値を把握できます。

eGFRの低下が続く場合や蛋白尿などの腎障害の指標が認められる場合は、CKDが疑われます。自覚症状が出にくいため、定期的な検査で変化を捉えることが大切です。

病期と進行度

CKDは病期を5段階に分けて管理します。eGFRの数値に応じてステージを分類し、治療方針や目指す管理目標を検討します。軽度のうちに適切な対策を行うと、重症化や人工透析が必要となるリスクを下げることができます。

CKDステージとeGFRの目安

ステージeGFR(mL/min/1.73m²)主な状態
G190以上正常〜軽度低下
G260〜89軽度低下
G3a45〜59軽度〜中等度低下
G3b30〜44中等度〜高度低下
G415〜29高度低下
G515未満腎不全(透析の検討が必要)

ステージが進行するほど腎機能が失われ、尿中タンパクやクレアチニンなどの異常値が顕著になります。症状や検査結果を総合的に判断し、食事療法や薬物療法を組み合わせて進行を緩やかにします。

人工透析になる原因と慢性腎臓病の関連

人工透析になる原因のひとつとして、CKDの重症化が挙げられます。高血圧や糖尿病、加齢による腎機能低下が合わさると、腎機能の回復が難しくなります。

早期から高血圧や高血糖を管理し、塩分制限やカロリー調整などの生活習慣改善を続けると、腎臓への負担を軽減できます。

主なリスク要因:糖尿病と高血圧

人工透析が必要になる大きな要因として糖尿病と高血圧が挙げられます。長期間にわたって血糖値や血圧のコントロールが不良な状態が続くと、腎臓の血管に負担がかかり、フィルターである糸球体がダメージを受けます。

生活習慣の改善や薬物療法で腎障害の進行を抑えることが大切です。

糖尿病による腎機能低下のメカニズム

高血糖状態が長く続くと、腎臓の血管壁に糖分が付着しやすくなり、血流障害を起こします。その結果、糸球体が過剰な圧力にさらされ、最終的にはろ過機能が低下します。

糖尿病性腎症を放置すると、慢性的な蛋白尿やむくみが現れて、透析導入の危険性が高まります。

高血圧と腎臓の相互関係

高血圧は腎臓の血管に過度の圧力をかけ、糸球体を損傷させます。一方、腎機能が低下すると体内の水分やナトリウムが排出されにくくなり、高血圧を悪化させるという負の連鎖が生じます。

血圧コントロールが不十分な状態が続くと、透析の導入時期が早まる可能性があります。

生活習慣がもたらす腎臓負荷

過度な塩分摂取や肥満、喫煙などの生活習慣は、糖尿病や高血圧を悪化させ、腎臓への負担を増大させます。十分な睡眠不足やストレスも、血圧を上げたりホルモンバランスを乱したりして悪循環を生む要因になります。

日常的に生活習慣を振り返り、腎臓にかかる負荷を減らすことが予防に直結します。

長期的に血圧を管理するポイント

  • 朝晩に家庭用血圧計で測定を続ける
  • 測定値をメモして医師と共有する
  • 腕や手首ではなく上腕で測定する機種を選ぶ
  • 入浴直後や運動直後は測定を避ける

血圧管理の意識を高めることで、腎臓へのダメージを回避しやすくなります。

日常生活でできる予防のヒント

糖尿病や高血圧をすでに患っている場合は、定期的に血液検査や尿検査を受けることが大切です。生活習慣の見直しも同様に重要で、適度な運動や規則正しい食事を心がけると血糖値や血圧が安定しやすくなります。

早期に予防へ取り組むと、将来的に人工透析を回避できる可能性が高まります。

食習慣の改善に向けたチェック項目

チェック内容意識するとよいこと
塩分の取りすぎ加工食品や外食を減らす
糖分の取りすぎ清涼飲料や菓子類を控える
飲酒量のコントロールアルコール度数や量を考慮する
水分バランス過剰な水分摂取や脱水を防ぐ
不規則な食事時間毎日決まった時間帯に食事をする

これらを日々チェックしながら生活すると、腎機能低下を防ぐうえで役立ちます。

蛋白尿や浮腫に関する基礎知識

腎機能低下の兆候として蛋白尿や浮腫が見られることがあります。これらの症状は初期段階では目立たない場合もありますが、放置すると状態が悪化して人工透析になる原因を増大させる可能性があります。

早い段階で異常に気づけば、進行を遅らせることができます。

蛋白尿が持つサイン

腎臓が血液をろ過する際、本来であれば大きな分子量をもつタンパク質は尿中にほとんど排出されません。糸球体や尿細管にダメージがあると、タンパク質が漏れやすくなり、蛋白尿として現れます。

尿が泡立ちやすくなる、尿検査で蛋白反応が見られるなどのサインを見逃さないことが大切です。

尿に関連したチェック項目

  • 尿の色や濁りを毎日観察する
  • 尿の泡立ちが長く続くか確認する
  • 排尿回数や量の増減を把握する
  • 悪臭や血尿を感じたら早めに受診する

浮腫の原因と重症度

腎機能が低下すると体内に余分な水分や塩分が溜まり、顔や手足、さらに全身にむくみが生じることがあります。浮腫が強い場合は血液中のタンパク質低下も考えられ、腎不全に近づいている可能性があります。

指で押した部分がへこんで戻りにくい場合や、まぶたが腫れぼったい状態が続くときは腎臓の状態を早めに確認することが大切です。

専門的な検査方法

蛋白尿や浮腫の原因を正確に診断するため、腎臓専門医が血液検査や尿検査、超音波検査を組み合わせて検査します。場合によっては腎生検を行い、組織レベルでダメージの有無を判定します。

検査結果を総合的に見ることで、適切な治療方針を立てることができます。

蛋白尿の原因に着目した検査一覧

検査名内容判定のポイント
尿定性・定量検査尿中のタンパク量を測定尿蛋白の有無や程度を把握
尿沈渣検査尿中の成分を顕微鏡で観察円柱や赤血球の有無を確認
血液検査クレアチニン・尿素窒素などを測定腎機能低下や炎症の度合いを評価
腎エコー腎臓の形態や大きさを画像で確認結石や腫瘍の有無を視覚的に把握

腎生検はさらに詳しい情報を得る手段ですが、侵襲を伴うため医師との十分な相談が必要です。

早期発見の重要性

蛋白尿や浮腫などの症状は、日常の観察と定期検診で捉えやすい特徴です。異変に早く気づいて対処すると、腎機能を保つ可能性が高まります。

日頃から生活習慣を整え、すこしでも気になる症状があれば医療機関を受診することが予後を左右します。

血液検査と尿検査でわかること

腎臓の状態を把握するうえで血液検査と尿検査は重要です。これらの検査で異常が見つかると、腎臓や他の臓器の機能低下を早期にキャッチできるため、人工透析を回避する道がひらけるかもしれません。

検査結果を理解し、医師と対策を立てることが次の一歩につながります。

血液検査で見る代表的項目

腎機能評価の代表的な指標として、クレアチニンと血中尿素窒素(BUN)が挙げられます。クレアチニンは筋肉から生じる老廃物で、腎臓がろ過しきれないと血中濃度が上昇します。

BUNはタンパク質代謝の産物であり、こちらも腎機能が低下すると上昇します。これらの数値が高いほど腎機能の低下が疑われ、人工透析になる原因につながる恐れがあります。

血液検査で確認する主な指標

項目意味合い正常値の目安(成人)
クレアチニン腎臓のろ過機能を示す指標男性0.6〜1.2mg/dL程度 女性0.5〜1.0mg/dL程度
BUNタンパク質代謝で生じる老廃物約8〜20mg/dL
eGFR推算糸球体ろ過量60mL/min/1.73m²以上が望ましい
カリウム電解質バランス、心機能にも影響約3.5〜5.0mEq/L
血糖値・HbA1c糖尿病のコントロール状態を評価個人差あり

これらの数値の推移を追うと、腎臓だけでなく糖尿病など全身状態の変化も把握しやすくなります。

尿検査で把握できる腎機能の状態

尿検査では尿蛋白や尿潜血、尿糖を調べます。尿蛋白がプラスに転じている場合は腎機能低下を疑い、慢性腎臓病の進行に注意が必要です。

尿糖が高い場合は血糖コントロールの不良を示している可能性が高く、腎臓にダメージを与える要因となります。尿検査を定期的に行うことで、病気の早期発見と経過観察が容易になります。

定期検診のすすめ

腎臓病は初期には症状が出にくいため、定期検診は重要な手段です。40歳以上の方や糖尿病・高血圧を持つ方は特に頻度を増やして検査を受けることが推奨されます。

健康診断では血液検査と尿検査を同時に実施できるため、全身状態を総合的に評価できます。

定期検診の活用ポイント

  • 年1回程度の健康診断を継続する
  • 異常値が出たら早めに精密検査を受ける
  • 自己判断で放置せず医師のアドバイスを仰ぐ
  • 家族歴がある場合は早めの受診を検討する

こうした検診の活用が、腎疾患の早期発見と悪化防止に役立ちます。

結果の読み解き方

検査結果の数値はあくまで目安ですが、上昇や低下が顕著な場合は医師と相談のうえ追加検査や生活習慣の見直しが必要です。

血液検査の数値と尿検査の結果を照らし合わせることで、腎臓が受けているダメージの大きさをおおまかに把握できます。結果を把握して次の受診につなげる意識が人工透析を回避する糸口になります。

食事と生活習慣の改善策

腎機能を保つには毎日の食事や生活習慣が大きく影響します。塩分やタンパク質、カロリーのバランスを整え、適度な運動を取り入れると腎臓への負担が緩和されます。

禁煙や節酒などの取り組みも効果的であり、全身の健康維持に結びつきます。

塩分制限のコツ

日本人の食事は塩分過多になりがちです。高血圧を引き起こし、腎機能を損なう引き金になるため、塩分制限は欠かせません。加工食品や外食に含まれる塩分量を意識すると摂取量を抑えやすくなります。

味付けを薄味にするために酸味や香辛料、だしなどを活用すると満足感を得やすいです。

減塩レシピに活用できる食材

食材特徴活用のヒント
トマト旨味と酸味が強く、塩分を補う効果が期待できる缶詰やソースもあると便利
きのこうま味成分のグアニル酸が豊富スープや炒め物で風味UP
昆布や鰹節天然のだし成分が塩味を補う煮物や出汁で塩分を減らす
香味野菜ねぎ、生姜、にんにくなど香りで物足りなさをカバー
柑橘類レモンやカボスの酸味ドレッシングや仕上げに活用

塩分を抑える工夫を生活に取り入れると、高血圧やむくみのリスク軽減につながります。

タンパク質とカロリーのバランス

タンパク質は体をつくる重要な栄養素ですが、腎機能が低下している場合は摂りすぎると老廃物処理の負担が増えます。栄養士や主治医と相談しながら、適正なタンパク質摂取量を守ることが大切です。

一方でカロリー不足になると、体が自己の筋肉を分解してエネルギーを得ようとし、かえって腎臓に負担をかけることがあります。

タンパク質制限食のポイント

  • 必要量を医師や栄養士が示した目安に合わせる
  • 良質のタンパク質(魚や大豆製品など)を取り入れる
  • 必要量のエネルギーを確保し、筋肉の分解を防ぐ
  • 間食で野菜や果物をバランスよく摂る

無理な制限ではなく、適量を守る姿勢が腎臓に優しい食事の鍵になります。

運動の影響と水分摂取

適度な運動は血圧を安定させ、体重管理にも役立ちます。ただし腎機能が低下している場合、過度な運動は負担となることもあるため、ウォーキングなど軽い有酸素運動を取り入れるとよいでしょう。水分摂取量は病状によって異なります。

浮腫がひどい場合は水分を控えめにし、脱水傾向がある場合は適宜補給するといった調整が必要です。

生活習慣改善をサポートする取り組み

内容効果と注意点
ウォーキングや軽い体操血圧降下・体重管理に貢献。痛みや疲労が強い場合は中断
適度な水分補給脱水や血液の濃縮を防ぎ、老廃物排出を促進
医師や栄養士との面談食事や運動量を定期的に見直し、客観的な意見を得る
生活リズムの固定起床・就寝時間を整え、ホルモンバランスを安定させる

体調の変化に合わせて取り組みを修正すると、腎機能の悪化を遅らせる効果が期待できます。

禁煙や適度な飲酒の大切さ

タバコは血管を収縮させ、腎臓に行く血流量を減らします。また、飲酒の過多は血圧上昇や代謝の乱れを招き、腎臓にダメージを与えます。

健康的な体重と血圧を保つために、タバコを吸っている方は禁煙に取り組み、アルコールは医師と相談しながら適度に控えることが望ましいです。

人工透析の種類と概要

腎機能が大幅に低下した状態で生活を続けると、体内に毒素や余分な水分が蓄積して命に関わる危険があります。人工透析は腎臓の代わりに血液をろ過して老廃物を排出する治療法です。

大きく分けると血液透析と腹膜透析の2種類があります。

血液透析と腹膜透析

血液透析は腕の血管と透析器をつなぎ、ダイアライザー(ろ過装置)で血液を浄化します。週に数回、数時間かけて病院や透析施設で行うことが一般的です。

一方、腹膜透析は患者さん自身の腹膜をフィルターとして利用し、自宅で透析液の交換をする方法です。それぞれメリット・デメリットがあるため、ライフスタイルや疾患の状態に合わせて選択します。

血液透析と腹膜透析の比較

項目血液透析腹膜透析
場所病院・透析施設自宅や専用の部屋で可能
頻度週に3回程度が一般的毎日または1日数回
透析時間1回あたり4時間前後交換作業は30分〜40分程度
自己管理病院で看護師がサポート自分で交換手技を習得する必要
ライフスタイル外出が制限されやすい日常の自由度が比較的高い

医療スタッフや家族と相談しながら、自分に合った透析方法を選ぶことが重要です。

治療の手順と必要なケア

血液透析の場合はシャント(動脈と静脈をつなぐ血管)を作り、そこから血液を取り出してろ過し、きれいになった血液を体内に戻します。腹膜透析では専用のカテーテルを腹部に挿入し、透析液を注入・排出することで老廃物を取り除きます。

どちらの場合も清潔管理が必須で、感染を防ぐためにケアや手順を正しく守ることが大切です。

検査値を安定させる工夫

透析をしていても高血圧や心不全、電解質異常が起こりやすいため、血圧や体重の管理が欠かせません。透析患者はカリウムやリンが体内に蓄積しやすく、心臓への負担を増やすこともあります。

医師や栄養士の指導を受けながら、食事制限や内服薬の調整を継続し、検査値を安定させる工夫が求められます。

透析中の栄養管理に関するポイント

  • カリウムを含む果物や野菜を摂取しすぎない
  • リンを含む加工食品や乳製品を調整する
  • 血中のタンパク質濃度を維持するために適度な摂取が必要
  • ドライウェイト(目標体重)を意識して水分バランスを保つ

定期検査の結果をもとに、食事指導や薬物療法を組み合わせて管理することが透析患者のQOLを支えます。

透析導入前に考えること

腎機能が極端に低下すると透析導入を検討します。導入前には透析の種類や手順、生活への影響などを家族や医療スタッフと話し合い、自分に合った方法を選びます。

やむを得ず導入することになった場合も、治療に前向きに取り組むことで日常生活の質を保つ道が開けます。

総合病院で受けられるサポート

慢性腎臓病や人工透析に関して、総合病院では多職種のスタッフが連携して治療とサポートを行います。専門的な知識をもつ医師だけでなく、管理栄養士、看護師、薬剤師などがチームを組むことで、より包括的なケアを受けられます。

専門外来の役割

腎臓内科や糖尿病内科などの専門外来では、患者さん一人ひとりの病状に合わせた診療や指導が行われます。血液検査・尿検査だけでなく、血圧や身体計測、場合によっては超音波検査やMRIなどの画像診断を用いて総合的に評価します。

早期発見・早期治療で腎臓病の重症化を防ぎ、透析導入を遅らせる効果が期待できます。

管理栄養士や看護師との連携

食事の見直しや生活習慣改善を行う際、管理栄養士がカロリー・栄養素バランスのアドバイスを提供します。看護師は日常的なケアの疑問点や採血、血圧測定などを通じて患者さんをサポートします。

医師・管理栄養士・看護師が連携することで、患者さんの悩みや困りごとに対して多角的なサポートが可能になります。

多職種連携がもたらすメリット

  • 総合的な病状把握ができる
  • 食事指導や運動指導が細部まで行き届く
  • 治療上の疑問点を気軽に相談しやすい
  • 緊急時の対応体制が整っている

医療スタッフ間で情報を共有し、安心して治療を継続できる環境づくりを目指します。

透析施設の利用方法

透析が必要になった場合、総合病院内にある透析施設を利用できます。専門の看護師や臨床工学技士が常駐し、安全かつ安定した透析を行う体制が整っています。

血圧や血液データをもとに、適切な透析条件の調整や合併症への対応を受けられる点がメリットです。

透析施設における主なサポート内容

サポート内容詳細
透析前後の血圧測定透析による体液変動を見極めるために重要
血液データのモニタリングカリウムやリンの値を随時確認し、食事指導に反映
シャント管理シャントの感染予防や血管トラブルへの対応
合併症のチェック心不全や貧血などを早期に発見し、治療につなげる

透析施設を活用することで、総合的なケアを受けながら治療を継続しやすくなります。

精神的ケアの重要性

慢性疾患の管理や透析治療は長期間に及ぶことが多く、精神的負担が大きくなりがちです。

総合病院ではメンタル面でのサポートを行う取り組みを行い、医療ソーシャルワーカーや臨床心理士と連携して悩みや不安を共有しやすい環境を整えています。心身双方の安定を目指すことで治療継続のモチベーションを高めます。

よくある質問

慢性腎臓病や人工透析に関して患者さんから寄せられる疑問や不安には共通点が多くあります。代表的なものを挙げ、実際の治療や生活を見通すきっかけになれば幸いです。

透析を始める決め手は何か

腎機能が著しく低下し、クレアチニンやBUNが高値を示しているうえに、尿量が減少して体内に余分な水分や老廃物が蓄積し始めると、透析導入を考えます。

むくみや倦怠感、食欲不振などの症状が顕著な場合も検討材料になります。医師や看護師と話し合いながら治療方法を選択することが大切です。

どのような検査で判断するのか

主に血液検査と尿検査の結果で腎機能の程度を判断します。クレアチニンとeGFRの推移が重要な指標になり、蛋白尿や浮腫の有無も総合的に考慮します。

画像検査や腎生検などを加えて最終的な導入時期を決めることが多いです。

手術などは必要か

血液透析を導入する場合、シャントを作る手術が必要になります。腹膜透析でもカテーテルを挿入する処置を行うため、いずれも外科的アプローチが伴います。

医師が手技の内容とリスクを丁寧に説明し、患者さんの理解と合意を得てから実施します。

透析中の日常生活と仕事の両立

透析導入後も適切な時間管理と体調管理を行えば、仕事や趣味を続けることは可能です。血液透析の場合はスケジュールが固定されがちですが、職場や家族の協力を得て調整している方も多くいます。腹膜透析は自宅での作業となるため比較的時間の融通は利きますが、交換作業の習得や清潔管理が必要になります。いずれにしても医療スタッフと相談しながら、自分の生活パターンに合った形を探すことが大切です。

以上

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大垣中央病院・こばとも皮膚科

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