ストレートネックのストレッチでは、首を強く反らしたり、頭を手で押したりする動作を避けます。あごを軽く引き、首の横と胸をやさしく伸ばし、胸椎と肩甲骨を動かす順番なら短時間でも取り組めます。
この記事では5つの運動を各30〜40秒ほど行い、移動や休憩を含めて約5分に収めます。ただし「1日5分で姿勢が治る」とは限らず、痛みを増やさず日常へ動きを戻すための入り口です。
しびれや腕の脱力、強い頭痛やめまいがあるときは、自己流の運動より診察を優先します。安全に始める姿勢や力加減、呼吸、中止の合図を確認し、自分に合う範囲で続けましょう。
この記事の執筆者

臼井 大記(うすい だいき)
日本整形外科学会認定専門医
医療社団法人豊正会大垣中央病院 整形外科・麻酔科 担当医師
2009年に帝京大学医学部医学科卒業後、厚生中央病院に勤務。東京医大病院麻酔科に入局後、カンボジアSun International Clinicに従事し、ノースウェスタン大学にて学位取得(修士)。帰国後、岐阜大学附属病院、高山赤十字病院、岐阜総合医療センター、岐阜赤十字病院で整形外科医として勤務。2023年4月より大垣中央病院に入職、整形外科・麻酔科の担当医を務める。
ストレートネックのストレッチを始める前の安全確認
首の違和感が姿勢による筋肉の疲れだけとは限らないため、最初に症状を確認します。軽い張りで動かすと楽になるなら試せますが、神経症状や外傷後の痛みがあれば受診が先です。
| 始める前の状態 | 対応 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 軽いこり・張り | 小さい動きから試す | 動作後に楽になる |
| 動かすと鋭く痛む | その動きを避ける | 安静でも続けば相談 |
| しびれ・脱力 | 運動を行わない | 早めに医療機関へ |
| 外傷後・発熱 | 自己判断で伸ばさない | 原因の評価を受ける |
運動中に感じてよいのは、筋肉が穏やかに伸びる感覚までです。首の奥に鋭い痛みが走る、腕へ電気が流れるように響く、気分が悪くなるといった反応は、負荷を止める合図です。
ストレートネックは画像だけで症状を決められない
ストレートネックは一般に、横から見た頸椎の前方への緩やかなカーブが小さい状態を指します。撮影時の向きや力の入り方でも姿勢は変わるため、症状と画像所見を合わせて評価します。
長時間の画面作業では、頭が胴体より前へ出て、あごが上がり、肩が内側へ入る姿勢になりがちです。同じ姿勢を保つ負担が続くと、首の後ろや肩周辺の筋肉が疲れ、こりや重さを感じやすくなります。
運動の目的は骨の形を力ずくで変える点ではなく、頭を支える筋肉や胸郭、肩甲骨の動きを整える点です。「まっすぐ」を悪い形と決めつけず、症状と動作の変化を基準にします。
痛みのない範囲は0〜10の2程度を目安にする
伸びる感覚を数値にするなら、0を何も感じない、10を耐えられない痛みとして、2程度の軽い張りから始めます。強く伸ばすほど早く変わるわけではなく、余計な力が入ると狙った筋肉を動かしにくくなります。
息を止めず、自然に話せる程度の負荷が目安です。反動をつける、手で頭を強く引く、限界まで首を回す動作は避け、最終位置の少し手前で止めます。
運動直後に軽くなっても、数時間後や翌日に痛みが増えるなら負荷が強すぎます。次回は動く幅、保つ時間、回数のいずれかを半分にし、反応を比べてください。
椅子と呼吸を整えると首へ力が集まりにくい
背もたれのある安定した椅子へ浅すぎない位置で座り、両足の裏を床につけます。骨盤を無理に立てず、みぞおちを前へ突き出さない姿勢なら、あご引きの際に腰を反らして代償しにくくなります。
- 両足を床へ置く
- 肩をすくめず下ろす
- 視線を水平に保つ
- 息を吐きながら動く
鼻から吸い、口または鼻からゆっくり吐く呼吸を2回行ってから始めます。吐くときに肩が下がる感覚をつかむと、首の表面に力を集めず、小さな動きを行いやすくなるでしょう。
鏡を正面に置くと、顔が傾く、肩が上がるといった代償に気づけます。正しい形を厳密に作るより、左右差や余計な動きを減らす手がかりとして使うのが現実的です。
開始前に首を左右へゆっくり向け、痛みのない範囲を覚えておくと、終了後の変化を比べられます。可動域を角度で測る必要はなく、「後ろを振り向きやすい」「片側だけ詰まる」といった感覚を同じ条件で確認します。
血圧が不安定な方や首の手術後で動作制限がある方には、一般向けメニューより主治医の指示が優先です。許可された方向と範囲を守り、同じ運動名でも個別の内容へ置き換えてください。
ストレートネックのストレッチ5選の前半3メニュー
最初の3つは、頭の位置を整えるあご引き、首の横、肩甲骨の上角につく筋肉を順に動かします。いずれも首を大きく回さず、片側20秒前後から始められる内容です。
1 あごを水平に引く小さなうなずき
椅子に座って視線を水平にし、後頭部を上へ引き上げるつもりで背すじを楽に伸ばします。あごを下へ押し込まず、顔を正面へ向けたまま頭全体を後方へ1〜2センチほど動かすのが基本姿勢です。
その位置から「はい」と答える程度に小さくうなずき、5秒保って力を抜きます。首の前側の奥に穏やかな働きを感じる強さにとどめ、のどの詰まりや歯の食いしばり、後頭部の痛みが出たら力を緩めます。
5回で約30秒です。深頸屈筋と呼ぶ首の前側の深い筋肉を使う練習では、前方頭位の方を対象に姿勢や筋持久力の変化が調べられています。家庭では短時間で無理なく続けられる量に調整します。
あごを胸につける動きになる場合は、指先をあごへ軽く添え、水平な軌道を確認します。後頭部を壁につけようとして腰が反る方は、壁を使わず椅子で小さく行うほうが安全です。
首の前にある大きな筋肉が浮き出る、呼吸が浅くなるといった反応は、力が強すぎる合図です。動く幅を半分にし、息を吐く間だけあごを引いて、吸うときに元へ戻す方法なら余計な緊張を減らせます。
2 首の横を伸ばす側屈ストレッチ
右側を伸ばすときは、右手で椅子の座面を軽く持つか、右手を太ももの下へ置くのが開始姿勢です。肩をすくめないまま、左耳を左肩へ近づけ、右の耳の下から肩にかけて軽い張りが出る位置で止めます。
顔を正面に保ち、左手は頭へ添えずに腕を楽に下ろします。20秒ほど自然に呼吸してから中央へゆっくり戻し、反対側も同じように行うと、左右を合わせて約50秒です。
肩が上がると伸びる位置が曖昧になるため、手で座面を強く押すより、肩甲骨が腰の方向へ下がる感覚を優先します。顎関節に力が入る方は口を軽く閉じ、奥歯を離して行いましょう。
腕や指へしびれが広がるなら中止します。首の横を伸ばしているつもりでも、神経を刺激している可能性があり、角度を小さくしても再現する場合は自己流で繰り返さないでください。
耳を肩へ近づける際に顔が上を向くと、首の前側まで引っ張られて息苦しさが出る場合があります。鼻と胸の中央を正面へ向け、真横へ倒せる小さな範囲が安全に始める目安です。
3 斜め下を向く肩甲挙筋ストレッチ
右側を伸ばすなら、右手で座面を軽く持ち、顔を左へ30〜45度向けます。そのまま左の胸ポケットを見るようにあごを少し引くと、右の首の後ろから肩甲骨の内側上部へ穏やかな張りが生まれます。
頭へ手を置かなくても伸びる位置で20秒保ち、ゆっくり中央へ戻します。反対側も同じ順序で行いますが、顔を下げる途中に痛みやめまいが出たら、すぐに楽な姿勢へ戻してください。
頭の向きと小さなうなずきを組み合わせ、首だけを丸めない点がポイントです。背中全体を丸めると狙いがぼやけるため、胸は楽に起こし、肩を耳から遠ざけます。
デスクワークで肩をすくめる癖がある方は、左右の張りが大きく違う場合があります。両側を同じ時間で行い、硬い側も強く引かずに数日ごとの変化を見るのが基本です。
右を伸ばすときに右の肩甲骨が一緒に上がるなら、座面を握り込まず、手の重さだけを預けます。肩を無理に下げる意識も首へ力を入れやすいため、息を吐いた結果として自然に下がる位置で十分です。
ストレートネックのストレッチ5選の後半2メニュー
後半は、前へ巻き込みやすい肩と、動きが小さくなりやすい胸椎へ働きかけます。首だけを繰り返し伸ばすより、上半身全体で頭を支えやすい状態へ整える2つのメニューです。
| メニュー | 主に動かす場所 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 壁を使った胸のストレッチ | 胸の前と肩 | 左右約50秒 |
| 胸椎伸展と肩甲骨運動 | 背中上部と肩甲骨 | 約40秒 |
後半の対象は首そのものではなく、胸の前と胸椎・肩甲骨です。頭が前へ出る姿勢には胸郭と肩の位置も関わるため、周辺を動かせば首だけへ負荷を集めずに済むでしょう。
4 壁を使った胸の前のストレッチ
壁の横に立ち、右の前腕を壁へ添え、肘を肩より少し低くします。右足を半歩後ろへ引き、体を左へゆっくり向けたとき、胸の前から上腕の付け根にかけて穏やかに伸びれば適切な角度です。
肩の前が詰まる場合は肘を低くし、腕ではなく胸が伸びる位置を探します。腰を反らして体を前へ突き出さず、みぞおちと骨盤をおおむね同じ方向へ向けたまま20秒保ちます。
反対側も行えば約50秒です。肩が前へ巻き込む姿勢をいったん緩めると、続く胸椎伸展と肩甲骨運動へ移りやすくなります。頭の位置を首だけで捉えず、胸椎や肩甲骨を含む全体のバランスとしてみるのが大切です。
肩のけががある方や腕を上げると痛む方は、症状が出ない高さまで腕を下げます。胸ではなく肩関節の奥が痛むときは、この運動を外して残りのメニューを選べます。
壁へ置いた前腕が滑ると姿勢が崩れるため、滑りやすい衣服越しの実施は不向きです。立位が不安定な方は椅子に座り、両手を腰の後ろで軽く開く方法へ変えると、姿勢を保ちやすいでしょう。
5 胸椎を起こして肩甲骨を寄せる運動
椅子へ座り、両手を後頭部ではなく胸の前で軽く組みます。息を吸いながら胸の中央を斜め上へ向け、背もたれの上端を支点に胸椎を小さく伸ばします。この間も首は反らさず、視線は正面です。
息を吐きながら元へ戻り、次に肘を体の横へ引いて肩甲骨を軽く寄せ、3秒保ちます。肩をすくめず5回繰り返すと約40秒で、胸椎の動きと肩甲骨周辺の筋肉を同時に使えます。
肩甲骨安定化と胸椎伸展を組み合わせた試験では、オフィスワーカーの姿勢や痛み、機能などを6週間後に評価しています。この知見を踏まえ、首だけでなく胸椎と肩甲骨も動かす構成です。
背もたれが高く首に当たる椅子では行わず、胸の中央付近を支えられる高さを選びます。骨粗鬆症や圧迫骨折の既往がある方は強く反らさず、担当医や理学療法士に動かし方を確認するほうが安心です。
胸を起こす際にあごが上がるなら、動きの大半が首で起きています。視線を正面の一点へ置き、胸骨だけを斜め上へ動かすつもりで幅を小さくすると、胸椎へ動きを分けやすくなります。
5つを1日5分に収める順番
準備の呼吸に30秒、あご引きに30秒、首の横と肩甲挙筋に各50秒、胸の前に50秒、胸椎と肩甲骨に40秒を割り当てます。動作間の移動と力を抜く時間を加えると、おおむね5分です。
| 順番 | 運動 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 準備 | 座位と呼吸 | 30秒 |
| 1 | あご引き | 30秒 |
| 2・3 | 首の横・斜め後ろ | 各50秒 |
| 4 | 胸の前 | 50秒 |
| 5 | 胸椎・肩甲骨 | 40秒 |
すべて行うと症状が増える日は、あご引きと胸椎・肩甲骨の2つに絞れます。5種類の完遂より、終了後に首が軽く動き、日常作業へ戻れる負荷を守るほうが大切です。
順番は絶対ではないものの、首をほぐそうとして大きく回す動作は加えないでください。首を後ろへ倒しながら回す方法は関節や神経、血管へ負担がかかる場合があり、5分メニューとは目的が異なります。
時間を測るためにスマホを見ると首が下がる方には、音だけのタイマーが便利です。20秒を厳密に守る必要はなく、呼吸を3〜4回続けたら戻る数え方でも、反動を使わない目的は変わらないでしょう。
終わった直後は、開始前と同じように首を左右へ向け、動きや症状を比べます。可動域が少し狭くても痛みが軽いなら強く伸ばし直さず、翌日までの反応を含めて次回の量を決める基準にします。
ストレートネックのストレッチの負荷を調整する方法
負荷を決める要素は伸ばす強さだけでなく、動く幅、保持時間、回数、頻度です。最初からすべてを増やさず一つずつ調整すれば、どの変化が自分に合うか見つけやすくなるでしょう。
初日は半分の時間から試す
初日は各ストレッチを10秒、あご引きと肩甲骨運動を3回に減らし、全体で約3分にします。運動中に加えて30分後と翌朝にも反応を確認し、症状が増えない場合に20秒または5回へ進む流れです。
「少し物足りない」程度で終えると、毎日続けても負担が蓄積しにくくなります。普段ほとんど動かしていない方が急に長く伸ばすと、筋肉痛や防御的なこわばりが起こり、かえって首を動かしにくくなる場合があります。
翌日に張りが増えたときは完全にやめる前に、症状を起こした動作を外し、残りを半分の量で試します。それでも悪化するなら運動を休み、症状が続く場合は医療機関へ相談しましょう。
硬い側だけを強く伸ばさない
左右差があると硬い側を長く伸ばしたくなりますが、強い刺激で一度に差を縮めると負担が増します。まずは左右を同じ時間にそろえ、動きにくい側の角度を小さくする方法が基本です。
片側だけの痛みには、筋肉の硬さだけでなく、関節や神経の刺激が関わる場合があります。伸ばすほど腕へ響く、手のしびれが増える反応があれば、柔軟性不足と決めつけず運動を中止します。
鏡で顔と鎖骨の向きを確認し、体ごと傾いていないかを見ます。左右同じ角度を目標にする必要はなく、軽い張りで呼吸を続けられる位置がそれぞれの適量です。
痛みが落ち着いたら回数より日常動作へつなぐ
5分メニューに慣れた後は、保持時間を延々と増やすより日常動作へつなげます。あごを軽く引いた位置で画面を見る、肩をすくめず腕を動かすなど、運動で得た感覚を作業中へ移す段階です。
前方頭位の方を対象にした研究の多くは、4〜10週間ほど定期的な運動を行っています。1回の変化を固定化するのではなく、痛みを増やさない反復によって筋持久力や動作の癖を整える発想です。
週単位で、首を回せる範囲や作業後の重さ、頭痛の頻度など一つの指標を記録します。変化が乏しいときは回数を増やす前に、作業環境や診断を見直す時期です。
筋力運動を別に行っている方は、同じ日に首と肩へ負荷を重ねすぎない配慮も要ります。強いトレーニング後はストレッチを短くし、疲労が残る日は呼吸とあご引きだけに減らすと調整しやすくなります。
痛みが軽くなった時期ほど、一度に量を増やして再燃する場合があります。5分を上限と決めたまま日常の動作へ広げ、週ごとの症状が安定してから別の運動を一つ追加する順序が安全です。
ストレートネックのストレッチを中止する症状
腕へのしびれや脱力、突然の強い頭痛やめまい、外傷後の痛みがあれば、ストレッチを中止します。その後は楽な姿勢を取り、症状に応じて速やかに医療機関へ相談する対応が必要です。
腕や手へ広がるしびれと力の入りにくさ
首を動かしたときに痛みが肩から腕や指へ走る、手のしびれが強くなる場合は、神経根が刺激されている可能性があります。首の筋肉が伸びる感覚とは分け、その動作を中止します。
ボタンを留めにくい、箸を使いにくい、物を落とす、腕を上げにくいといった変化も受診の手がかりです。両手の細かな動作が悪くなり、歩行のふらつきまで伴うなら、脊髄の障害を含めた評価が必要になります。
しびれが運動をやめても戻らない、日ごとに範囲が広がる場合は早めに整形外科へ相談してください。ストレッチの種類を次々に変えるより、症状が出た動作を記録して診察へ持参するほうが安全です。
突然の頭痛やめまいと視覚の異常
これまでにない強い頭痛、回転するようなめまい、物が二重に見える、ろれつが回らない、顔や手足の片側が動かしにくい症状は緊急性があります。首のこりと自己判断せず、運動を中断します。
軽い立ちくらみでも、首を回すたびに再現するなら同じ動作を避けます。反動をつけて首を回す、強く反らす、他者に勢いよく動かしてもらう行為は、自宅メニューに含めないでください。
デスクワーク後の頭痛にも、姿勢以外の原因が含まれます。頻度や強さが増える、吐き気や発熱を伴う、いつもの頭痛と異なるといった変化があれば、運動の工夫より診察が優先です。
外傷後や安静時にも続く首の痛み
転倒や交通事故、スポーツ中の衝突後に首が痛むときは、可動域を自己流で確かめず安静を保ちます。骨や靱帯の損傷を除外する前に伸ばすと、状態を悪くする可能性があります。
発熱、原因不明の体重減少、がんの治療歴、免疫を抑える薬の使用があり、安静時や夜間にも強く痛む状態は受診を考える合図です。姿勢を変えても軽くならないなら、単なる筋肉疲労とは別の原因も考えるべきでしょう。
安全確認で問題が見つからなければ、どの方向で痛むかを診察で伝えます。原因を確かめたうえで、避ける動きと積極的に行う動きを整理してもらうと安心です。
受診時には、症状が始まった時期、悪化する姿勢、しびれる指、運動後の変化を伝えます。動画で無理に症状を再現する必要はなく、どのメニューの何秒付近で異常を感じたかという情報だけでも評価に役立ちます。
ストレートネックのストレッチを続ける作業環境
5分の運動だけで長時間の前かがみを打ち消すのは難しいため、画面の位置と休憩も一緒に調整します。完璧な姿勢を固定するのではなく、同じ負担を長く続けない環境が目標です。
スマホを目の高さへ近づける
スマホを膝の上に置くと、目線とともに頭が下がり、首の後ろ側へ負担が集まりやすくなります。肘を机やクッションで支え、端末を目の高さへ近づければ、腕の疲れを抑えながら下向きの角度を減らせます。
画面を高くしても、あごを前へ突き出して小さな文字を見るなら効果は限られます。文字サイズを上げ、端末を顔へ近づけ、視線だけを少し下げる組み合わせが使いやすいでしょう。
寝転んで長時間見る姿勢は、首だけでなく肩や手首にも偏った負担の原因です。利用時間を一度に減らせなくても、動画の区切りや返信後に端末を置くなど、姿勢を切り替える合図が役立つでしょう。
パソコン作業は画面と入力機器を分けて考える
モニター上端は目の高さ付近を目安にし、画面中央を見るときに首を大きく曲げない位置へ調整します。ノートパソコンを高くする場合は、外付けキーボードとマウスを使って肩が上がらない入力位置を確保するのが基本です。
| 調整する場所 | 目安 | 避けたい状態 |
|---|---|---|
| 画面 | 正面・腕1本ほど先 | 顔を近づける |
| 肘 | 体の近くで支える | 肩をすくめる |
| 足 | 床または足台につける | 座面から浮く |
| 資料 | 画面の近くへ置く | 左右へ何度もねじる |
椅子や机を理想の寸法へそろえられなくても、タオル、足台、本などで高さを調整できます。特定の姿勢を保ち続けるより、前傾、背もたれ使用、立位を行き来できる配置が役立ちます。
ストレッチ後に整えた頭と肩の位置は、力を入れて固定せず自然に動かします。楽に作業でき、違和感が出る前に姿勢を変えられる状態が、日常で使える調整です。
30〜60分ごとに短く動いて負担を散らす
長いストレッチを1日1回だけ行うより、作業の合間に立つ、数歩歩く、肩を回す機会を作ると同じ姿勢の連続を減らせます。30〜60分ごとを目安に、集中を妨げない仕事の区切りへ合わせます。
- 電話中に立つ
- 飲み物を取りに歩く
- メール送信後に肩を下ろす
- 昼休みに5分メニューを行う
運動を忘れやすい方には、昼食前や仕事終了時など既存の習慣と結びつける方法が実用的です。毎日同じ時刻にできなくても、週の実施回数と症状の変化を見れば、続け方を調整しやすいでしょう。
4〜6週間続けても改善がない、または作業に支障が広がる場合は、フォームだけの問題と考えず医療機関へ相談します。個別評価は、5選から外す運動や追加する筋力運動を判断する材料です。
運動の実施回数だけを目標にすると、症状を無視して続けやすくなります。「作業後も痛みが増えない」「休憩を思い出せた」など行動と反応を一緒に記録すれば、体へ合う習慣かを判断できます。
忙しい日は5種類を一度に行わず、朝にあご引き、昼に首の横、夕方に胸と肩甲骨という分け方も可能です。合計時間より、負担が高まる前に姿勢を変えるきっかけとして使うほうが実生活へなじみます。
よくある質問
- ストレートネックのストレッチは1日5分で改善しますか?
-
1日5分は続けるための目安です。短期間で頸椎の形を変えるより、数週間かけて作業後の痛みや首の動かしやすさ、頭痛の頻度などを確認します。作業環境の調整も同時に行うのが基本です。
- ストレートネックのストレッチは朝と夜のどちらがよいですか?
-
決まった時刻より、無理なく続けられ、症状が増えない時間を選びます。朝にこわばりが強い方は動きを小さくし、デスクワーク後に重さが出る方なら昼休みや仕事終了時が取り組みやすい時間です。
- ストレートネックのストレッチで首を鳴らしてもよいですか?
-
音を出す目的で首を強くひねったり、反動をつけたりすると関節へ負担がかかります。自然に音がしても痛みやしびれがなければ落ち着いて経過を見られますが、音を繰り返し出す動作は避けます。
- ストレートネックのストレッチ中に肩が痛むときはどうしますか?
-
胸のストレッチでは肘を肩より低くし、肩の前が詰まらない位置へ変えます。角度を小さくしても痛む、夜間も痛む、腕を上げにくい場合はその運動を外し、整形外科へ相談してください。
- ストレートネックのストレッチを受診前に控える症状はありますか?
-
腕や手のしびれ、筋力低下、歩行のふらつき、突然の強い頭痛、めまい、外傷後の痛みがあれば控えます。原因の確認を優先し、診察後に安全な運動範囲を教わる方法が適切です。
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