透析治療中の事故やヒヤリハットは、穿刺針の抜けや血圧低下による転倒、カテーテル感染など多岐にわたります。報告されているインシデントの約半数はヒューマンエラーに起因しており、施設側の安全文化の醸成と患者さん自身の意識の向上がともに大切です。
事故を防ぐには、チェックリストの活用やインシデントレポートの蓄積と分析が有効です。根本原因分析をもとに対策を改善し続けることで、同じ事故の再発を大幅に減らせます。
この記事では、透析中に起こりうる事故やヒヤリハットの具体例、原因の分類、そして施設と患者双方が実践できる安全対策を解説します。
透析中の事故やヒヤリハットはどの程度起きているのか?
透析中の事故やヒヤリハットの発生頻度は決して低くありません。海外の大規模調査では、外来血液透析で年間2万件を超えるインシデントが報告されており、その多くはバスキュラーアクセス(血液の出入り口となる血管)に関連しています。
血液透析で報告されている有害事象の種類
血液透析中に起こりうる有害事象には、穿刺針の脱落による出血、急激な血圧低下、透析回路内への空気混入、透析液の組成ミス、カテーテル関連の血流感染症などがあります。いずれも軽微なものから命にかかわる重大なケースまで幅があり、一概にすべてが危険とはいえません。
とはいえ、透析は週に複数回、何時間もかけて行う治療です。そのため、1回あたりのリスクが小さくても年間を通じた累積では無視できない数字になります。施設ごとの報告制度の違いも件数に影響するため、数字だけを見て施設を比較することは避けたほうがよいでしょう。
| 有害事象の分類 | 具体例 | 頻度の目安 |
|---|---|---|
| アクセス関連 | 穿刺針脱落、シャント閉塞 | 比較的多い |
| 循環動態の変動 | 血圧低下、不整脈 | 比較的多い |
| 感染症 | カテーテル血流感染 | 中程度 |
| 機器・薬剤関連 | 空気混入、透析液ミス | まれだが重篤 |
| 転倒・転落 | 治療後の立ちくらみ | 中程度 |
ヒヤリハットと事故を分ける「重大度」の違い
ヒヤリハットとは「事故には至らなかったが、一歩間違えば患者に害が及ぶところだった」出来事を指します。英語ではnear missと呼ばれ、転倒しかけた、薬剤を取り違えそうになった、といった事例が該当します。
一方、実際に患者に影響が出たケースは有害事象として扱います。この二つは重大度の差であり、発生の構造は共通している場合がほとんどです。ヒヤリハットの段階で原因を拾い上げて対策を講じれば、重大な事故を未然に防げる可能性が高まります。
バスキュラーアクセスの違いがリスクを左右する
透析患者が使用するバスキュラーアクセスには、自己血管で作る内シャント(AVF)、人工血管を使うグラフト(AVG)、中心静脈カテーテル(CVC)があります。カテーテル使用者では血流感染症の発生率がほかのアクセスより数倍高くなっています。
内シャントやグラフトでは感染リスクが相対的に低い反面、穿刺針の脱落や血腫(けっしゅ)などのトラブルが起きやすい特徴があります。どのアクセスにも固有のリスクがあるため、自分がどのタイプを使っているかを知っておくことが安全意識の第一歩です。
透析治療中に多い事故の代表的な事例
透析治療中に報告されている事故は、出血・循環不全・感染・空気混入の四つに大別できます。それぞれの事例を知っておくと「自分にも起こりうること」として備えやすくなります。
| 事故の種類 | 主な発生場面 | 想定される影響 |
|---|---|---|
| 穿刺針の脱落・抜去 | 体動時、固定テープのゆるみ | 急速な出血 |
| 急激な血圧低下 | 除水量の過多、食事直後 | 転倒・意識消失 |
| 空気混入 | 回路接続部の外れ | 空気塞栓(重篤) |
| カテーテル感染 | 接続操作時の汚染 | 敗血症のリスク |
穿刺針の自己抜去や脱落で起きる出血事故
穿刺針の脱落は透析中の事故報告で上位に入る事例です。眠ってしまった際に腕を動かしてしまう、固定テープの粘着力が不十分だった、といった原因が多く報告されています。血液ポンプが回り続けている状態で針が抜けると、短時間で大量に出血する可能性があります。
施設によっては、針の抜去を検知するセンサーやアラームを導入しているところもあります。患者さん側ができる対策としては、穿刺部位の腕をなるべく動かさないこと、テープの固定に不安があればすぐにスタッフへ伝えることが大切です。
透析中の急激な血圧低下と転倒リスク
透析中に急に血圧が下がると、めまいや吐き気が起こり、ひどい場合は意識を失うこともあります。血圧低下の主な原因は、体内の水分を除去する除水量が一度に多すぎることや、降圧薬を透析前に服用したことなどです。
高齢の透析患者さんでは、血圧低下に伴う転倒事故が深刻な問題となっています。ある研究では、65歳以上の透析患者さんの転倒率が地域在住高齢者の約2倍に達していました。治療後にベッドから立ち上がる際はゆっくり動作することが転倒予防のポイントです。
空気混入(エアーエンボリズム)はまれだが命に直結する
透析回路の接続部が外れたり、回路に亀裂が入ったりすると、血液中に空気が混入する場合があります。空気塞栓(エアーエンボリズム)と呼ばれるこの事象は発生頻度自体はきわめて低いものの、肺や脳の血管を塞ぐと重篤な障害や死亡につながるリスクがあります。
現代の透析装置には空気検知器が標準で装備されており、空気が検知されると自動的にポンプが停止します。それでもゼロにはできないため、回路の接続確認を複数のスタッフで行うダブルチェック体制が安全の要です。
カテーテル関連感染症が繰り返される背景
中心静脈カテーテルを長期間使用している患者では、カテーテル関連血流感染症(CRBSI)のリスクが高まります。感染経路はカテーテルの接続・切断時の皮膚常在菌の侵入が大半を占めており、手指衛生の徹底や無菌操作の遵守が感染予防の鍵です。
米国CDCの調査では、カテーテル使用者の血流感染率が内シャント使用者の約8倍であったと報告されています。内シャントやグラフトへの変更を検討するのが望ましいですが、血管条件などの理由でカテーテルを使い続けざるをえない場合は、感染対策をより厳格に行うことが重要です。
透析事故の原因はヒューマンエラーだけではない
事故が起きると「誰かのミスが原因だ」と考えがちですが、実際にはヒューマンエラーだけが原因ではありません。機器の設計上の問題や施設全体の情報共有体制が事故を誘発していることも少なくないのです。
確認不足と手順の省略がもたらすミスの連鎖
透析前の体重測定を省略した結果、除水量の設定を誤り、血圧低下を引き起こしてしまう。こうした一つの確認不足が連鎖的に事故へつながるパターンは、インシデント報告の中でも高い割合を占めています。
忙しい現場では手順を飛ばしたくなる場面もあるかもしれません。しかし、確認手順はそれぞれに理由があって設けられたものです。省略した時点でリスクが一段上がることを、スタッフだけでなく患者も認識しておくとよいでしょう。
機器の不具合と設定ミスが隠れた原因になる
透析装置のセンサーが劣化して正確な値を表示しなくなったり、透析液の濃度を手動で設定する際に桁を間違えたりといった機器関連のインシデントもあります。装置自体が直接患者に害を及ぼすケースはまれですが、不具合が見逃されると事故の「隠れた引き金」になりかねません。
定期的な機器点検と始業前のセルフチェックは、機器由来のリスクを減らすうえで欠かせない取り組みです。異常なアラームや聞き慣れない作動音に気づいたら、すぐにスタッフへ報告してください。
スタッフ間の伝達不足が事故につながる場面
シフト交代時の申し送り不足や、医師の指示変更が看護師に正しく伝わらなかった場合などに、思わぬ事故が発生します。透析施設では複数の職種が連携して治療にあたるため、一か所でも情報が途切れるとミスの温床になります。
電子カルテへの記載ルールの統一や口頭指示の復唱確認など、地道な取り組みが伝達ミスを防ぎます。患者さん側も「さっきの先生に言われた薬の変更、看護師さんにも伝わっていますか?」と確認することが安全を後押しします。
| 原因の分類 | 代表例 | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| ヒューマンエラー | 確認忘れ、手順省略 | チェックリスト導入 |
| 機器・設備要因 | センサー劣化、設定ミス | 定期点検・校正 |
| 組織・体制要因 | 申し送り不足、人員不足 | 情報共有の仕組み強化 |
透析施設が取り組む安全対策の具体策
事故を減らすために透析施設が行うべき安全対策は、個人の注意だけに頼らない「仕組み」で防ぐ発想が基本です。安全文化の構築、チェックリストの運用、継続的な研修、この三つが柱となります。
セーフティカルチャー(安全文化)を育てる環境づくり
安全文化とは、スタッフ全員がミスを隠さずに報告し、原因を組織として分析・改善していく風土を指します。ミスを個人の責任として追及する環境では、ヒヤリハットが報告されなくなり、改善の手がかりが失われてしまいます。
「責めない報告体制(ノンパニティブ・レポーティング)」を確立し、報告した人が不利益を受けない仕組みを整えることが出発点です。組織のリーダーが率先して安全文化の大切さを示すことで、現場の意識も変わっていきます。
チェックリストで防ぐ透析中のヒヤリハット
手術室で使用される安全チェックリストを透析用に応用した「Hemo Pause」というツールが開発されています。患者さんの本人確認、透析前の体重測定、透析液処方の確認、バスキュラーアクセスの状態観察など17項目を治療開始前に看護師と一緒に確認するものです。
こうしたチェックリストの導入は、見落としの防止だけでなく、患者さん自身が治療に参加している意識を高める効果もあります。「確認されている」という安心感が治療への信頼にもつながるでしょう。
| チェック項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 本人確認 | 氏名・ID番号の照合 |
| 体重測定 | 透析前体重の記録 |
| 透析液処方 | 濃度・温度の処方との一致 |
| アクセス状態 | 感染兆候・スリルの有無 |
| 新しい指示 | 医師からの変更点の確認 |
研修とシミュレーション訓練の効果
定期的な研修やシミュレーション訓練は、緊急時の対応力を養ううえで非常に有効です。穿刺針が脱落した場面や空気混入が発生した場面を模擬的に再現し、スタッフが実際の手順を体で覚えることで、いざというときに冷静に行動できるようになります。
研修の内容は事故事例の共有にとどまらず、手指衛生のタイミングや感染対策の実技を含めた実践型が効果的です。座学だけでは伝わりにくい「手の感覚」を繰り返し訓練することが、事故予防につながります。
患者自身ができる透析中の事故予防
安全対策は施設側だけの仕事ではなく、患者さん自身が積極的にかかわることで効果が大きく高まります。体調の伝え方やアクセスの観察、治療前後の動作の工夫など、日常的に取り組めるポイントを紹介します。
体調の変化をすぐスタッフに伝える習慣
「少しのどが渇く」「なんとなくだるい」といったささいな体調変化でも、透析中は重要な情報になりえます。透析開始後に気分が悪くなったり、手足がしびれたりした場合は、遠慮せずにすぐナースコールを押してください。
患者が些細な変化を伝えてくれることで、スタッフは除水速度や透析液温度の微調整を早期に行えます。我慢して伝えるのが遅れると、血圧低下や不整脈といった重大な事態に進展する可能性も否定できません。
シャントやカテーテルの自己観察ポイント
バスキュラーアクセスの管理は透析患者さんの生命線です。内シャントの場合は毎日スリル(血管の振動)を手で確認し、いつもと違う感覚があれば施設に連絡しましょう。カテーテルの場合は挿入部位の赤みや腫れ、膿の有無を観察することが感染の早期発見に直結します。
- シャント側の腕で重い荷物を持たない
- シャント側での血圧測定や採血を避ける
- 入浴時にカテーテル挿入部を濡らさないよう保護する
- スリルや拍動に違和感があれば翌日を待たず連絡する
こうした小さな心がけの積み重ねが、アクセストラブルの予防につながります。施設から渡されたケアの手引きがあれば、定期的に見返す習慣もつけてみてください。
治療前後の転倒を防ぐ動作の工夫
透析終了直後はとくに血圧が下がりやすく、急に立ち上がるとめまいや転倒のリスクが高まります。ベッドの端に腰かけてから立つ、手すりを使う、スタッフに声をかけてから歩くなど、一つひとつの動作をゆっくり行うことを心がけてください。
自宅への移動中も注意が必要です。帰宅後すぐに入浴すると血圧がさらに下がる恐れがあるため、しばらく休んでから入浴しましょう。転倒は骨折や頭部外傷など深刻な結果を招く場合があるため、「たかが立ちくらみ」と軽視しないことが大切です。
ヒヤリハット報告と分析で透析事故を減らす
事故を繰り返さないために最も効果が高いとされるのが、ヒヤリハット報告の蓄積とその体系的な分析です。報告がなければ改善の手がかりは得られず、同じ事故が何度も起きてしまいます。
インシデントレポートが安全対策の出発点になる
インシデントレポートとは、事故やヒヤリハットが起きた状況・原因・結果を記録する報告書です。この報告を集めることで、施設全体のリスクの傾向を把握でき、どの場面で対策を強化すべきかが見えてきます。
| 報告のポイント | 記録する内容 |
|---|---|
| 発生日時と場所 | 何月何日の何時頃、どのベッドで起きたか |
| 発見の経緯 | 誰がどのように気づいたか |
| 患者への影響 | 影響の有無と程度 |
| 関連する要因 | 人員配置、使用機器、指示の有無 |
| 初期対応の内容 | その場でどう対処したか |
報告件数が多いこと自体は悪いことではありません。むしろ報告が活発な施設ほど安全文化が根づいている証拠であり、改善のサイクルが回りやすい環境だといえます。
根本原因分析(RCA)で事故の真因をたどる
根本原因分析(Root Cause Analysis:RCA)は、事故の表面的な原因だけでなく、その背後にある組織的・構造的な問題を掘り下げる手法です。
「なぜ穿刺針が脱落したのか?」から始まり、「なぜ固定が甘かったのか?」「なぜダブルチェックが行われなかったのか?」と掘り下げていくことで、個人のミスにとどまらない改善策を見つけ出せます。
RCAを行う際には、特定の個人を責めるのではなく、制度や手順に改善余地がないかという視点で議論することが重要です。結果として業務フローの見直しや人員配置の調整につながり、施設全体の安全レベルを底上げします。
多職種連携で回す安全管理の改善サイクル
透析の安全管理は、医師・看護師・臨床工学技士・薬剤師など複数の職種が協力して進める必要があります。安全管理委員会を設置し、月ごとのインシデント集計、原因分析、改善策の立案、実施後の効果検証というサイクルを継続的に回すことで、対策の精度が上がっていきます。
患者さんの声を安全管理に反映させる仕組みも広がりつつあります。アンケートや意見箱の内容を委員会で取り上げることで、現場スタッフだけでは気づけないリスクが明らかになることもあります。
透析中の薬剤管理ミスを防ぐために
透析患者さんは多くの薬を服用しているため、薬剤に関連するインシデントが起きやすい傾向にあります。投与量の誤りや飲み合わせの問題を防ぐには、施設と患者さんの双方が確認の目を持つことが大切です。
透析患者に多い薬剤の種類と間違いやすい場面
透析患者さんが使用する薬剤には、リン吸着薬、降圧薬、エリスロポエチン製剤(造血ホルモン)、抗凝固薬(ヘパリンなど)、カリウム低下薬などがあります。
透析前に飲むべき薬と飲まないほうがよい薬の区別がつきにくい、複数の医療機関から処方を受けている場合に重複が生じるといった場面で誤りが起こりがちです。
- リン吸着薬:食直後に服用するものと食直前のものがある
- 降圧薬:透析前に服用すると血圧が下がりすぎる場合がある
- 抗凝固薬:透析中に追加投与のタイミングを間違えやすい
お薬手帳と処方リストの照合による確認
薬剤管理ミスを防ぐうえで基本となるのが、お薬手帳の持参と処方リストの照合です。透析施設を受診するたびにお薬手帳を提示し、他院で処方された薬がないかをスタッフと一緒に確認する習慣をつけましょう。
薬の変更があった場合は、透析施設への連絡が遅れないようにすることも重要です。自己判断で薬を中止したり量を変えたりすると、透析中の体調に予期しない影響が出る可能性があるため、必ず主治医やスタッフに相談してください。
多剤併用を整理して安全性を高めるコツ
多剤併用(ポリファーマシー)は、透析患者さんに限らず高齢者全般で問題となっています。飲んでいる薬の種類が増えるほど飲み忘れや飲み間違いが増え、副作用のリスクも高まります。
定期的に主治医と一緒に処方内容を見直し、本当に必要な薬だけに整理する「処方の見直し」を行いましょう。薬をまとめて一回分ずつ包装したり、服薬カレンダーの利用も飲み間違いの防止に役立ちます。どんな薬を何のために飲んでいるかを把握しておくことが大切です。
よくある質問
- 透析治療中のヒヤリハットにはどのような事例がありますか?
-
透析治療中のヒヤリハットには、穿刺針の固定テープがゆるんで抜けかけた事例や、透析液の組成が処方と異なっていたが投与前に気づいた事例、回路の接続部にゆるみがあり空気混入直前に発見された事例などがあります。
いずれも患者さんへの実害には至らなかったものの、発見が遅れていれば重大な事故につながっていた可能性がありました。
- 透析中に血圧が急に下がった場合はどうすればよいですか?
-
透析中にめまいや気分不良を感じたら、すぐ知らせてください。スタッフは除水速度の調整や補液、下肢の挙上、透析液温度の変更などの対応を行います。自己判断で体を動かそうとすると転倒のリスクが高まるため、横になったまま待つことが基本です。
日頃から透析間の体重増加を適切にコントロールし、透析直前の大量の食事を避けることで、血圧低下のリスクを軽減できます。血圧低下が繰り返し起きる場合は主治医に相談し、除水量や薬の見直しを検討してもらいましょう。
- 透析事故を防ぐチェックリストにはどのような項目が含まれていますか?
-
透析用に開発された安全チェックリストには、治療開始前の本人確認、透析前体重の測定、透析液の処方内容との照合、バスキュラーアクセスの状態確認、新たな医師指示の有無の確認といった項目が含まれています。
治療中や終了後にもバイタルサインの記録やアクセス部位の出血確認などが行われます。これらの確認を看護師と患者さんが協力して行うことで、見落としを防ぎ、治療に積極的にかかわれるようになります。
- 透析中の感染リスクを減らすために患者ができることはありますか?
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患者さん自身ができる感染予防策として、治療前の手洗いの徹底、アクセス部位の清潔保持、体調の変化(発熱や挿入部位の赤み・痛み)の速やかな報告が挙げられます。
カテーテルを使用している場合は、入浴時に挿入部を防水フィルムで保護し、濡れた場合はすぐに施設へ連絡することも大切です。感染リスクを根本的に下げるためには、可能であれば内シャントへの変更を主治医と検討しましょう。
- 透析施設の安全文化とはどのような取り組みを指しますか?
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安全文化とは、施設のスタッフ全員がミスやヒヤリハットを隠さず報告でき、報告者を責めずに組織として原因を分析・改善する風土のことです。個人を非難する環境ではインシデント報告が減り、リスクの把握が難しくなるため、「報告しやすい雰囲気づくり」が出発点になります。
ノンパニティブ(非懲罰的)な報告制度の導入、安全管理委員会による定期的な事例検討、スタッフ研修の継続、患者さんの意見を反映する仕組みの整備などが安全文化の構成要素として挙げられます。施設全体でこうした取り組みを続けることが事故の低減につながっています。
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