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プラセンタとは?効果・副作用・使い方

プラセンタは、哺乳類の胎盤から抽出されるエキスで、美白やハリ・保湿といった多方面のスキンケア効果が注目されています。化粧品やサプリメントなど、さまざまな形で私たちの身近に存在する成分です。

一方で「本当に効果があるの?」「副作用は大丈夫?」と疑問を感じている方も少なくないでしょう。プラセンタには成長因子やアミノ酸、ビタミンなど多彩な成分が含まれ、研究論文でも肌への有用性が報告されています。

この記事では、プラセンタの基本情報から期待できる効果、正しい使い方、注意点、他の成分との違いまで、皮膚科専門医の監修のもと網羅的に解説します。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

プラセンタとは|胎盤由来のスキンケア成分を正しく知ろう

プラセンタとは、英語で「胎盤」を意味する言葉であり、スキンケア分野ではこの胎盤から抽出したエキスを指します。胎盤は妊娠中に胎児へ栄養や酸素を届ける臓器で、アミノ酸・ビタミン・ミネラル・成長因子など豊富な栄養素を含んでいます。

胎盤から抽出される天然のマルチ美容成分

プラセンタエキスは、ヒト・ブタ・ウマ・ヒツジなどの胎盤から、酸分解法や酵素分解法といった方法で有効成分を抽出して作られます。原料となる動物の種類や抽出方法によって、含まれる成分のバランスが異なるのが特徴です。

日本では、化粧品に用いられるプラセンタはブタ由来やウマ由来が主流となっています。ヒト由来のプラセンタエキスは医療用の注射製剤として使われており、化粧品には配合されていません。

医薬部外品の有効成分として認可されたプラセンタ

プラセンタエキスは、厚生労働省から医薬部外品の有効成分として「美白」カテゴリーで承認を受けています。正式な効能表現は「メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ」というものです。

項目内容
成分名プラセンタエキス
原料ブタ・ウマなどの胎盤
医薬部外品承認美白有効成分として認可
化粧品表示名称プラセンタエキス
主な効能メラニン生成抑制、保湿、整肌

化粧品の成分表示ではどう書かれている?

化粧品の全成分表示では「プラセンタエキス」と記載されます。医薬部外品の場合は「プラセンタエキス(1)」と表記されるケースもあります。馬由来の場合は「サイタイエキス」(臍帯エキス)が併記されていることもあるため、購入時にはパッケージの成分表示を確認してみてください。

プラセンタに期待できる効果|美白からハリ・保湿まで

プラセンタは、美白・シワ改善・保湿・抗酸化という4つの分野で肌への働きが期待されています。単一の作用だけでなく複数のアプローチで肌にアプローチできる点が、この成分の大きな特徴といえるでしょう。

メラニンの生成を抑える美白効果

プラセンタエキスが医薬部外品の美白有効成分として承認を受けている根拠は、メラニン色素の生成を抑える作用にあります。メラニンは肌のシミやくすみの原因となる色素で、紫外線を浴びるとメラノサイト(色素細胞)の中で活発に作られます。

プラセンタエキスは、メラニンを作る酵素「チロシナーゼ」の働きを直接抑制する作用が報告されています。さらに、ブタ由来のプラセンタを用いた研究では、紫外線照射後のメラニン量を用量依存的に減少させたという結果も示されています。

また、ウマ由来のプラセンタエキスを4週間摂取した臨床試験では、プラセボ群と比較してメラニン指数の上昇が抑えられたと報告されています。こうした結果から、プラセンタは紫外線による色素沈着を予防する働きがあると考えられます。

コラーゲン産生を促してシワ・ハリに働きかける

肌のハリや弾力は、真皮に存在するコラーゲンやエラスチンといった線維状タンパク質によって支えられています。加齢や紫外線ダメージにより、これらの産生量が減少すると、シワやたるみが目立つようになります。

ヒト由来プラセンタエキスを用いた研究では、正常ヒト皮膚線維芽細胞においてCOL1A1(I型コラーゲン)やELN(エラスチン)、HAS2(ヒアルロン酸合成酵素)といった細胞外マトリックス関連遺伝子の発現が上昇することが確認されています。

ウマ由来プラセンタを含むアイクリームを2週間使用した臨床研究でも、目尻のシワの幅と本数が減少したと報告されており、外用での有用性を示唆するデータといえます。

うるおいを保つ保湿効果

プラセンタエキスには、天然保湿因子(NMF)の材料となるアミノ酸が豊富に含まれています。ブタ由来プラセンタの経口摂取試験では、4週間の摂取後に腕の皮膚水分量が有意に改善したという結果が出ています。

角質層のバリア機能が整うと水分蒸散が抑えられ、肌が本来のうるおいを保ちやすくなります。乾燥しやすい冬場のスキンケアとしてもプラセンタは注目される成分です。

活性酸素に対抗する抗酸化作用

紫外線やストレスによって体内で発生する活性酸素は、肌の老化を加速させる要因のひとつです。プラセンタエキスは、SOD(スーパーオキシドディスムターゼ)やカタラーゼといった抗酸化酵素の遺伝子発現を高める作用が報告されています。

ヒト由来プラセンタエキスの研究では、酸化ストレス下でNRF2(抗酸化経路の転写因子)の活性化を通じて細胞の老化を遅らせることが示されました。肌を酸化から守ることは、シミやシワの予防にも間接的につながると考えられています。

  • 美白:チロシナーゼ活性を抑制しメラニン生成を抑える
  • ハリ・シワ:コラーゲンやエラスチン関連遺伝子の発現を促す
  • 保湿:アミノ酸供給により角質層の水分保持力をサポート
  • 抗酸化:SODやカタラーゼなどの抗酸化酵素の発現を高める

プラセンタの使い方とスキンケアへの取り入れ方

プラセンタは化粧水・美容液・クリームなど多彩なアイテムに配合されており、毎日のスキンケアに無理なく取り入れやすい成分です。形態による違いを知り、自分に合った使い方を見つけましょう。

化粧水・美容液・クリーム…配合製品の種類と特徴

プラセンタ配合の化粧品としてもっとも多いのは美容液で、次いで化粧水やクリームが挙げられます。プラセンタ美容液は有効成分の濃度が比較的高い傾向にあり、ピンポイントで気になる部分に使いやすいのが利点です。

化粧水タイプは顔全体に広く塗布できるため、くすみ対策として日常使いに向いているでしょう。クリームやジェルに配合されている場合は、保湿と美白を同時にケアできる点が魅力です。サプリメントやドリンクとして経口摂取する製品もありますが、肌への直接塗布とは作用の出方が異なります。

朝夜どちらも使える!効果的な使い方のコツ

プラセンタは光毒性(紫外線で変質して肌に刺激を与える性質)の報告がなく、朝・夜どちらのスキンケアにも使用できます。洗顔後、化粧水で肌を整えた直後に美容液タイプのプラセンタを塗布し、そのあと乳液やクリームで蓋をするのが基本的な順番です。

タイミング使い方のポイント
化粧水の後に塗布し、日焼け止めを重ねる
洗顔後に化粧水→プラセンタ美容液→クリームの順で
スペシャルケアシートマスクやパックで集中的に浸透させる

一緒に使うと効果が高まる成分・注意が必要な組み合わせ

プラセンタと相性がよい成分として、ビタミンC誘導体が挙げられます。ビタミンC誘導体もメラニン生成を抑える作用を持っているため、プラセンタと併用すると美白ケアの相乗効果が期待できるでしょう。

セラミドやヒアルロン酸といった保湿成分との組み合わせも好相性です。プラセンタのアミノ酸がNMFを補い、セラミドが細胞間脂質を補強することで、バリア機能の多角的なサポートにつながります。

一方、ピーリング系の成分(高濃度グリコール酸やサリチル酸など)と同時に使うと刺激を感じやすくなる可能性があるため、タイミングをずらすか、肌の状態を見ながら慎重に取り入れてください。

レチノールとの併用も刺激が増す場合があるため、初めて組み合わせる際にはパッチテストをおすすめします。

プラセンタを使う際の注意点と副作用

プラセンタは比較的肌へのなじみがよい成分ですが、すべての方にトラブルが起きないわけではありません。化粧品と医療用注射製剤の違いを正しく理解したうえで、安全にスキンケアへ取り入れることが大切です。

かゆみや赤みが出たらすぐに使用を中止する

プラセンタ配合の化粧品でまれに報告される症状として、かゆみ・赤み・ニキビの悪化があります。動物由来のタンパク質を含むため、アレルギー体質の方は反応を起こすケースがゼロとはいえません。

初めて使用する際は、腕の内側など目立たない部分でパッチテストを行い、24時間経過後に異常がないか確認してから顔に使用するのが安心です。万が一、塗布後にかゆみやほてりを感じた場合はすみやかに洗い流し、症状が続くようなら皮膚科を受診してください。

使用を控えた方がよいケース

動物由来タンパク質にアレルギーのある方は、プラセンタ配合化粧品の使用を避けた方がよいでしょう。妊娠中・授乳中の方も、念のためかかりつけ医に相談してから使用することをおすすめします。

また、肌に炎症や傷がある状態で使用すると刺激を感じやすくなります。アトピー性皮膚炎や重度のニキビなどで肌のバリア機能が大きく低下しているときは、症状が落ち着いてから取り入れるのが望ましいといえます。

化粧品のプラセンタと医療用プラセンタ注射は別物

美容目的で話題になることの多い「プラセンタ注射」は、ヒト胎盤から抽出した医療用の注射製剤で、化粧品に配合されるプラセンタエキスとは濃度も成分構成もまったく異なります。注射製剤は医療機関でのみ取り扱われ、医師の判断のもとに投与されるものです。

化粧品に含まれるプラセンタエキスの濃度は注射製剤に比べるとはるかに低く、肌の表面や角質層に作用する範囲にとどまります。注射のような即効性を化粧品に求めるのは現実的ではありません。

種類化粧品医療用注射
原料ブタ・ウマ由来ヒト由来
濃度比較的低濃度高濃度
作用範囲角質層~表皮全身(皮下・筋肉注射)
入手方法市販・通販医療機関のみ

プラセンタと似た成分との違いを比較

美白やエイジングケアの分野では、プラセンタ以外にもさまざまな成分が使われています。混同されやすい成分との違いを整理し、自分の肌悩みに合った成分選びに役立ててください。

プラセンタとコラーゲンは作用がまったく違う

「プラセンタとコラーゲンの違い」は検索でもよく調べられる疑問のひとつです。コラーゲンは肌の真皮を構成するタンパク質そのもので、化粧品に配合される場合は主に保湿剤として角質層にうるおいを与える目的で使われます。

一方、プラセンタは胎盤由来の「複合エキス」で、美白・保湿・整肌など多方面に働きかけます。コラーゲンが”素材”だとすれば、プラセンタはその素材を生み出す力を助ける”サポーター”のような存在です。

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸との使い分け

美白成分として代表的なビタミンC誘導体やトラネキサム酸は、プラセンタと異なる仕組みでメラニンに働きかけます。

ビタミンC誘導体はメラニンの還元(色を薄くする)にも作用し、トラネキサム酸はメラノサイトの活性化を引き起こす情報伝達を抑制するのが特徴です。

成分主な美白の仕組み特徴
プラセンタチロシナーゼ活性抑制美白+保湿+整肌の複合作用
ビタミンC誘導体チロシナーゼ抑制+メラニン還元抗酸化にも優れる
トラネキサム酸情報伝達物質の抑制肝斑ケアに強み
ナイアシンアミドメラノソーム輸送の抑制シワ改善との二刀流

レチノールとの比較|エイジングケアの方向性が異なる

レチノール(ビタミンA誘導体)は、表皮のターンオーバー促進やコラーゲン産生の活性化に優れた成分で、シワ改善の医薬部外品有効成分としても承認されています。

プラセンタもコラーゲン関連の遺伝子発現を高める報告がありますが、レチノールほどの臨床エビデンスの蓄積はまだ途上にあります。

レチノールは刺激を感じやすい成分であるため、敏感肌の方がエイジングケアを始める際には、比較的マイルドなプラセンタから試してみるのもひとつの選択肢です。

まとめ

プラセンタは美白・保湿・ハリ・抗酸化と多面的に肌をサポートできる成分であり、医薬部外品の美白有効成分としても承認されています。この記事の要点を振り返ります。

  • プラセンタエキスは胎盤由来の複合成分で、アミノ酸・成長因子・ビタミンなどを含む
  • 医薬部外品としてメラニン生成を抑える美白効果が認められている
  • コラーゲンやエラスチン関連の遺伝子発現を高め、ハリやシワのケアにも寄与する可能性がある
  • 化粧品のプラセンタと医療用のプラセンタ注射は濃度・原料・作用範囲が異なる別物である
  • 初めて使う際はパッチテストを行い、異常があれば使用を中止して皮膚科を受診する

気になるシミやくすみ、肌荒れなどの症状がある場合は、セルフケアだけで判断せず、皮膚科を受診して専門医に相談してください。

よくある質問

プラセンタは敏感肌でも使える?

プラセンタ配合の化粧品は比較的穏やかな成分とされていますが、動物由来のタンパク質を含むため、すべての方に刺激が出ないとは限りません。敏感肌の方は、まず腕の内側などでパッチテストを行い、赤みやかゆみが出ないか確認してから顔に使用してください。

万が一、塗布後にピリピリ感や赤みを感じた場合は使用を中止し、症状が改善しなければ皮膚科を受診しましょう。低刺激処方やアレルギーテスト済みの製品を選ぶのもひとつの方法です。

プラセンタの美白効果はどのくらいの期間で実感できる?

プラセンタ配合の化粧品による美白効果は、肌のターンオーバー周期を考えると、早くても4週間から8週間程度の継続使用が目安になります。臨床試験でも4週間の使用で肌質パラメータの改善が報告されていますが、効果の感じ方には個人差があります。

大切なのは、紫外線対策を並行して行うことです。日焼け止めを塗らずにプラセンタだけでシミを防ごうとしても十分な効果は得られにくいでしょう。日々のUVケアとセットで続けることで、より満足のいく結果につながると考えられます。

プラセンタのサプリと化粧品、どちらが肌に効果的?

サプリメント(経口摂取)と化粧品(外用)では、肌への届き方が異なります。経口摂取の場合は消化・吸収を経て全身に作用するため、体全体のコンディションを整えるアプローチになります。化粧品は塗った部位の角質層に直接働きかけるため、シミやくすみが気になる箇所へのピンポイントケアに向いています。

どちらか一方だけでなく、内と外の両方から取り入れるのもひとつの考え方でしょう。ただし、サプリメントを選ぶ際は原料や含有量を確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが大切です。

プラセンタにはホルモンに影響する副作用がある?

化粧品に配合されるプラセンタエキスは、製造工程でホルモン類がほぼ除去されているため、外用による女性ホルモンへの影響は極めて低いと考えられています。ネット上では「プラセンタで女性ホルモンが増える」「乳がんのリスクが上がる」といった情報が見られますが、化粧品レベルの使用でそうした影響が生じるという科学的根拠は確認されていません。

ただし、持病がある方やホルモン療法を受けている方は、使用前にかかりつけ医に相談するのが安心です。不確かな情報に振り回されず、疑問があれば医療機関で確認してください。

プラセンタ化粧品に馬由来と豚由来があるが、どちらがよい?

馬由来と豚由来のプラセンタには、含まれるアミノ酸の比率や成長因子のバランスに若干の違いがありますが、「どちらが明確に優れている」と断言できるほどの比較データは現時点では十分ではありません。馬由来はアミノ酸含有量が豊富とされることが多い一方、豚由来はヒトとの生体適合性が比較的高いとされています。

原料の種類よりも、製品全体の処方設計や配合濃度、使用感が自分の肌に合うかどうかの方が大切です。価格帯も異なるため、続けやすさも含めて総合的に判断するとよいでしょう。

参考文献

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