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朝起きたら蕁麻疹が…考えられる原因は?ダニや食物、ストレスとの関係

朝起きたら蕁麻疹が…考えられる原因は?ダニや食物、ストレスとの関係

朝目覚めた瞬間に肌が赤く腫れている原因は、夜間の寝具環境や前夜の食事、蓄積した心理的負荷など多岐にわたります。

寝具に潜むダニの成分に対する過敏反応や、食後数時間を経て現れる食物アレルギーは翌朝の肌に影響を及ぼしやすい要素です。

また、心身の疲労が自律神経を乱し、起床時の体温変化が刺激となって症状を誘発する場合もあります。まずは自身の症状が数時間で消えるかを確認し、環境改善を試みることが大切です。

この記事の執筆者

小林 智子(日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士)

小林 智子(こばやし ともこ)

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・医学博士
こばとも皮膚科院長

2010年に日本医科大学卒業後、名古屋大学医学部皮膚科入局。同大学大学院博士課程修了後、アメリカノースウェスタン大学にて、ポストマスターフェローとして臨床研究に従事。帰国後、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンターにて、糖化と肌について研究を行う。専門は一般皮膚科、アレルギー、抗加齢、美容皮膚科。雑誌を中心にメディアにも多数出演。著書に『皮膚科医が実践している 極上肌のつくり方』(彩図社)など。

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こばとも皮膚科関連医療機関

医療法人社団豊正会大垣中央病院

目次

朝起きたら蕁麻疹が出ているときにまず確認したい肌の状態

朝起きた瞬間に肌が赤く盛り上がっている場合、それが一時的なものか持続的なものかを見極める必要があります。多くの場合、数時間以内に消えるのが蕁麻疹の特徴ですが、朝は体温の変化や寝具との摩擦が重なりやすい時間帯です。

まずは鏡の前で形や広がり、痒みの強さを冷静に確認することが大切で、朝特有の刺激がどのように肌へ作用しているかを知ることで、背後に隠れた本当の原因を特定する手がかりが得られます。

鏡でチェックする赤みの形や盛り上がりの特徴

朝の光の下で自分の肌を観察してください。蕁麻疹の大きな特徴は、地図状に広がる平らな盛り上がりで、これは真皮という皮膚の深い部分で血管から水分が漏れ出すことで起こります。

虫刺されとは異なり、境界がくっきりしているのにつまむと柔らかいのが特徴で、また、数分から数十分の間に形がどんどん変わっていく様子が見られるなら、典型的な蕁麻疹の反応です。

朝の着替えの際に、下着のゴムが当たっていた場所や、枕に触れていた頬などが特に赤くなっていないか見てみましょう。特定の場所だけが腫れているなら、物理的な刺激が引き金になっている可能性があります。

全身のあちこちに飛び火するように出ている場合は、体の中から湧き上がってくるアレルギー反応や全身性の要因を疑うべきでしょう。形や分布を記録しておくことは、その後の判断を助けます。

変化のスピード感こそが蕁麻疹を見分ける最大のポイントとなり、もし数時間経っても形が全く変わらず、固定されている場合は、他の皮膚疾患の可能性も視野に入れる必要があります。

痒みの強さと症状が消えるまでの時間の計測

蕁麻疹の痒みは、非常に強いのが一般的で、ムズムズとした不快感から、刺すような鋭い痒みまで個人差はありますが、共通しているのは痒くて我慢できないという点です。

ここで重要なのは、痒みがいつ始まったか、そしていつ引いたかを計測することです。朝8時に気づいて、仕事に出かける10時には綺麗に消えていた、という経過は診断において貴重な情報になります。

もしも24時間を超えて同じ場所がずっと赤いままだったり、消えたあとに茶色い跡が残ったりする場合は注意が必要です。蕁麻疹ではなく、血管炎など別の病気の可能性が考えられます。

朝起きたときに時計を確認し、その後どのように変化したかをスマートフォンのカメラで撮影しておきましょう。写真という客観的な記録があれば、皮膚科での診察がよりスムーズに進みます。

時間の経過とともに症状が移動していく様子も、蕁麻疹らしさを裏付ける証拠となります。消え方にも注目し、跡形もなく元通りになるかどうかを、自分自身の目でしっかり確かめてください。

昨夜の食事内容や睡眠環境の振り返り

朝の症状は、実は昨夜の行動の結果であることが少なくありません。前日の夕食で初めて食べたもの、あるいは久しぶりに口にしたものはなかったか、食事の内容を思い返してみましょう。

体調が優れないときは、普段は何ともない食品に対しても過敏に反応することがあります。アルコールを摂取したかどうかも重要で、アルコールは血管を拡張させ、痒みの物質の放出を促します。

睡眠環境も振り返ってみましょう。昨夜はよく眠れましたか。室温は適切でしたか。布団に入って体が温まったタイミングで痒みが出始める人も多いですが、朝の冷え込みが刺激になることもあります。

小さな気づきを積み重ねることが、原因特定への第一歩となります。枕カバーを新しくした、柔軟剤を変えたといった些細な変化が、意外な引き金になっているケースも少なくありません。

昨晩の過ごし方が、今の肌の状態にどのようにリンクしているかを探る作業は、再発を防ぐために必要です。

肌の反応を整理するための判断基準

確認ポイント蕁麻疹らしい状態他の疾患の疑い
持続時間数時間以内に消失24時間以上続く
形・分布地図状で移動する固定されて変化なし
痒みの性質強い痒みがある痛みや熱感が強い

寝具に潜むダニが朝の蕁麻疹を引き起こす仕組みと対策

布団に入っている時間が長い朝に症状が出る場合、寝具の衛生状態が直接的な原因になっていることが非常に多いです。特にダニの死骸や糞は強力なアレルゲンとなり、睡眠中に肌へ影響を与えます。

長時間接触することで、起床時の肌に激しい炎症を招くケースが目立ちます。寝室の掃除や布団の手入れを適切に行うことで、この不快な朝の痒みを劇的に軽減できる可能性が極めて高いです。

ダニアレルゲンが皮膚のバリアを通過する理由

私たちの肌は通常、外部の刺激から身を守るバリア機能を持っていますが、睡眠中は発汗によって皮膚がふやけ、防御力が一時的に低下しやすい不安定な状態に陥ります。

そこへ布団の中に蓄積したダニの糞や死骸の微粒子が接触すると、毛穴などの隙間から侵入しやすくなります。免疫細胞が過剰に反応してヒスタミンを放出することが、朝の赤みの正体です。

特に湿度が高くなる季節や、長年使い続けているマットレスなどはダニの温床になりがちで、ダニそのものに刺されることもありますが、蕁麻疹は成分に対するアレルギー反応として現れます。

目に見えない微細な粒子だからこそ、気づかないうちに毎日ダメージを蓄積させている事実に目を向けることが必要です。寝ている間に吸い込んだり触れたりすることが、肌の過敏さを加速させます。

清潔を保っているつもりでも、繊維の奥深くにはアレルゲンが残っているものです。この蓄積が限界を超えたときに、朝起きた瞬間の耐え難い痒みとなります。

効果的な布団乾燥機と掃除機の活用方法

ダニ対策で最も大切なのは、まず熱を加えてダニを死滅させ、その後に死骸を除去することです。天日干しだけではダニは逃げてしまうため、布団乾燥機を高温モードで使用しましょう。

布団乾燥機を使うと、繊維の奥に潜む個体を確実に退治でき、乾燥させた後は、死骸を吸い取るために掃除機をかけます。1平方メートルあたり20秒程度の時間をかけて、ゆっくり丁寧に動かしてください。

シーツだけでなく、枕や毛布、マットレスの表面もしっかりと吸引し、この工程を週に1、2回繰り返すだけで、寝具のアレルゲン濃度を大幅に下げることができ、爽やかな目覚めを助けます。

吸引する際は、力任せに押し付けるのではなく、表面を撫でるようにゆっくり動かすのがコツです。空気の流れを一定に保つことで、微細な塵や死骸を効率よく回収することが可能になります。

防ダニシーツへの買い替えがもたらす安心感

日々の手入れを楽にしたいのであれば、防ダニ加工が施されたシーツの導入を検討してください。高密度に織られた生地を使用しており、ダニの侵入を物理的に防ぐ設計になっています。

薬剤を使わずに繊維の密度だけで防ぐタイプを選べば、肌が敏感な方でも安心して使用できます。シーツの洗濯頻度も重要です。人は寝ている間に多くの汗をかき、その湿気がダニを助けます。

最低でも週に一度はシーツを丸洗いし、清潔な状態を保つことが大切です。物理的なバリアを張ることで、睡眠中の肌への負担を最小限に抑え、朝起きたときの痒みの恐怖から解放されましょう。

一度環境を整えてしまえば、その後の管理はぐっと楽になります。不快な症状に悩まされる時間を減らし、心からリラックスできる寝室作りを目指すことが、完治への近道となるはずです。

寝具のメンテナンスルーチン

  • シーツの洗濯は週1回を最低ラインとする
  • 布団乾燥機は50度以上の設定で1時間以上かける
  • 掃除機のヘッドをゆっくり動かして死骸を吸い出す

前夜の食物アレルギーが時間差で翌朝に現れるパターン

蕁麻疹といえば食後すぐに出るイメージが強いですが、食べてから数時間から半日以上経過した翌朝に発症するケースもあります。これは消化のスピードや、体調によって反応が遅れるためです。

昨夜の食事が、朝の憂鬱な皮膚症状として跳ね返ってきている可能性を考え、食生活との関連性を探ってみましょう。一見関係なさそうな夜の楽しみが、翌朝の肌を刺激しているかもしれません。

即時型ではない遅延反応のような経過に注意

通常、食物アレルギーは食後30分以内に現れる即時型が一般的ですが、特定の加工食品や、脂っこい食事と一緒に摂取した場合、消化が遅れて血中に取り込まれるまでに時間がかかります。

また、夜間に副交感神経が優位になることで、体全体の免疫バランスが変化し、朝の起床タイミングで症状が一気に噴き出す現象も見られます。食後すぐに出ないからといって油断はできません。

心当たりを探すときは、夕食の内容だけでなく、深夜の夜食やサプリメント、服用した薬なども含めてリストアップしてください。特に体調が悪いときは腸のバリア機能が低下しがちなので、注意が必要です。

普段は何ともないはずの食材でも、蓄積した疲労と重なることで、翌朝の肌に牙を剥くことがあります。自分の許容量がその時々で変化しているという事実を、冷静に受け止める姿勢が求められます。

食べたものと発症のタイミングを詳細に記録することで、自分自身のトリガーとなる食品が浮き彫りになります。なんとなくの推測ではなく、事実に基づいた分析を行うことが解決の鍵です。

アルコール摂取が蕁麻疹を誘発・悪化させる理由

お酒を飲んだ翌朝に蕁麻疹が出るという経験はありませんか。アルコールは血管を拡張させ、皮膚の血流を激しく増加させ、本来なら抑え込めていたわずかな刺激が増幅されます。

激しい痒みを伴う反応へと発展しやすくなるため、晩酌の量には注意が必要で、また、おつまみに含まれる添加物や、鮮度の落ちた魚介類が含むヒスタミンを同時に摂取するのも危険です。

アルコールを分解する過程で肝臓がフル回転しているため、アレルギー物質の代謝も疎かになり、朝まで症状を引きずってしまいます。休肝日を設け、飲酒量を控えることで肌の状態を観察しましょう。

お酒を飲むと体温が上がり、神経も過敏になり、相乗効果が、翌朝の目覚めを最悪なものにする原因となります。自分の適量を知り、肌に影響が出ない範囲で楽しむ節制が必要です。

一度、完全にお酒を抜いた日の翌朝と比較してみてください。もし肌の調子が明らかに良いのであれば、アルコールが最大の誘因であったことが確定し、今後の対策も立てやすくなるでしょう。

食事記録をつけることで見えてくる意外な原因食材

朝の蕁麻疹が繰り返される場合は、1週間程度の食事記録をつけてみてください。スマートフォンの写真だけでも構いません。記録を振り返ると、痒みが出た日の前夜に共通する点が見つかります。

特定のスパイスや保存料、あるいは特定の果物など、自分でも思いもよらない食材が引き金になっていることがあります。この記録は、医師が診断を下すための強力な根拠として機能します。

血液検査だけでは特定できない非アレルギー性の刺激反応も多いため、生活習慣に基づいた情報が価値を持ちます。自分の体の癖を知ることで、何を避ければ快適な朝を迎えられるのかが明確になります。

意外な落とし穴は、健康に良いと思って毎日食べているものの中にあるかもしれません。客観的なデータとして書き出すことで、主観では気づけなかった関連性が鮮明に浮かび上がってきます。

原因がわからないという不安は、それ自体がストレスとなり症状を悪化させます。記録をつけるという前向きなアクションは、心の安定にも繋がり、結果として肌を落ち着かせる効果も期待できます。

注意したい食品の特性

食品グループ注意すべき点理由
加工肉・青魚鮮度と保存状態ヒスタミンが増えやすいため
香辛料過剰な摂取血流を促進し痒みを強めるため
アルコール摂取する時間帯代謝を遅らせ炎症を長引かせるため

日々のストレスと自律神経の乱れが招く起床時の肌トラブル

検査をしてもアレルギーが見つからない場合、その蕁麻疹は心が発している悲鳴かもしれません。仕事や家庭でのストレスが蓄積すると、自律神経のバランスが崩れ、些細な刺激で反応が出ます。

特に起床時は、副交感神経から交感神経へとスイッチが切り替わる不安定なタイミングです。内面的な要因が肌に現れやすい時間帯であるため、メンタルケアの重要性が非常に高くなります。

心身の過緊張が皮膚の肥満細胞に与える影響

慢性的なストレスに晒されると、脳は常に警戒モードとなり、ストレスホルモンを分泌し続けます。この影響で、皮膚に存在する免疫細胞の一種である肥満細胞が非常に過敏な状態となります。

物理的な刺激や温度変化、あるいは心理的な動揺だけで爆発的に物質を放出するようになり、これを心因性蕁麻疹と呼ぶことがあります。肌は鏡のように、心の状態を映し出しているのです。

朝起きたときに仕事のことを考えて憂鬱になったり、一日のスケジュールを想像して動悸がしたりする状況では、肌も緊張しています。何も原因がないのに朝だけ痒いのは、休養が必要な合図です。

肌の治療と並行して、心の負荷を軽くする工夫が求められます。自分の頑張りを認め、リラックスする時間を意図的に作ることで、過剰に興奮した免疫システムを落ち着かせることが大切です。

神経質になりすぎることが、さらに痒みを呼び寄せるという悪循環に陥っていませんか。まずは深呼吸をして、自分を追い詰めない環境作りを最優先に考えることから始めてみましょう。

睡眠不足による免疫システムの誤作動と過敏症

質の高い睡眠は、肌の再生と免疫の安定に必要です。睡眠不足が続くと、炎症を抑える役割を持つホルモンの分泌が滞り、普段なら気にならない程度の微細な刺激に対しても皮膚が過剰反応します。

夜遅くまでスマートフォンを見たり、深夜まで仕事をしたりする習慣は、知らぬ間に蕁麻疹を呼び寄せています。睡眠の質が低下すると、体内のゴミが処理されず、アレルギー感受性が高まります。

特に朝起きた瞬間は、体が休息から活動へと移行するデリケートな時間です。ここでエネルギーが枯渇していると、免疫システムが誤作動を起こし、自分自身に対して攻撃的な反応を示します。

十分な睡眠時間を確保し、寝る前のリラックスタイムを設けることが、最強のスキンケアになります。眠りの深さを追求することは、肌のバリア機能を根本から立て直すことに繋がります。

規則正しいリズムを刻むことで、体は予測可能な状態になり、不意の過剰反応を抑えられるようになります。寝不足を解消するだけで、朝の痒みが消えたというケースも少なくありません。

リラックス習慣を取り入れて朝の痒みを和らげる方法

ストレスをゼロにすることは難しいですが、逃がし方を知ることはできます。夜寝る前、ぬるめのお湯にゆっくり浸かり、副交感神経を優位にすることから始めてみましょう。

熱すぎるお湯は逆に痒みを増長させるため注意してください。深呼吸や軽いストレッチを習慣にすることで、全身の血流が安定し、翌朝の免疫過敏を抑える効果が期待できるようになります。

また、朝起きてすぐにカーテンを開け、朝日を浴びることも自律神経の調整に役立ちます。幸せホルモンが分泌されることで、不安感が軽減され、皮膚の神経過敏も落ち着いていくのを感じるはずです。

肌の痒みだけに執着せず、生活全体を心地よいリズムに整えていくことが、頑固な症状を根本から解決する近道となります。自分が心地よいと感じる時間を、1日のうちで少しずつ増やしてください。

心のゆとりが生まれると、肌のバリアも自然と強くなっていきます。まずは完璧主義を捨てて、心身ともに余裕を持たせることを目指しましょう。

自律神経を整えるための習慣

  • 就寝3時間前には食事を済ませて内臓を休める
  • 朝起きたらコップ1杯の白湯を飲み内側から温める
  • 寝る前の15分間はスマートフォンの電源を切る

放置してはいけない危険な蕁麻疹と病院へ行く目安

多くの場合、蕁麻疹は命に関わるものではありませんが、中には一刻を争う危険なケースが隠れています。特に朝、蕁麻疹とともに異常を感じる場合は、速やかな判断が必要となる状況です。

アナフィラキシーショックの前兆である可能性を否定できません。どのような症状が出たときに医療機関へ向かうべきか、その基準を明確に知っておくことが大切です。

呼吸困難や腹痛を伴う場合の緊急性

皮膚の赤みだけでなく、喉が詰まるような感覚や、ゼーゼーという呼吸音が出始めたら非常に危険です。これは喉の粘膜が腫れ上がり、気道を塞ごうとしているサインであり、直ちに対処が必要になります。

また、激しい腹痛や下痢、嘔吐が重なる場合も、内臓の粘膜に反応が起きていると考えられ、重篤な状態へと進展する恐れがあります。このような症状が出たときは、迷わず助けを求めてください。

朝だからもう少し様子を見ようという判断が、命取りになることもあります。特に意識が遠のく感じがある場合は、血圧が低下している証拠です。横になって足を高く上げ、安静にして待機しましょう。

自分の体力を過信せず、普段とは明らかに違う異常を感じたらすぐに専門の医療機関に頼る勇気を持ってください。早期の処置こそが、最悪の事態を回避するための唯一にして最大の方法となります。

特にアレルギーの既往がある方は、エピペンなどの常備薬の確認とともに、周囲の人へ助けを呼ぶ手順を再確認しておくことが重要です。

一ヶ月以上繰り返す慢性蕁麻疹への対処法

もし、朝の蕁麻疹が毎日、あるいは頻繁に起こり、それが一ヶ月以上続いているなら、慢性蕁麻疹の状態です。特定の原因が見つからないことが多く、体質そのものが過敏になっていると考えられます。

この段階では、市販の薬で一時的に抑えるだけでは不十分であり、専門医による適切な治療が大切です。皮膚科では、症状を抑える抗ヒスタミン薬の服用を継続しながら、反応を鎮めていきます。

勝手に薬をやめると再発しやすいため、医師と相談しながら根気強く付き合っていく姿勢が必要です。長く続く痒みは、それ自体が大きなストレスとなり、さらなる悪化を招く負の連鎖を生みます。

自分の体質を受け入れ、専門家のアドバイスに従うことで、少しずつ症状の出ない日を増やしていくことができ、適切なコントロールによって、普通の生活を取り戻すことが可能です。

皮膚科での診察をスムーズに受けるための準備

病院へ行く際は、食事の記録や、実際に症状が出ているときの写真を持参してください。診察室に入ったときには症状が消えていることが多いので、写真があれば、医師は正確な判断を下せます。

また、過去にアレルギーを指摘されたことがあるか、現在他に飲んでいる薬はあるか、といった情報も整理しておきましょう。生活背景が、原因究明のための大きなヒントになるはずです。

医師と一緒に原因を探っていくパートナーシップを築くことが、解決への一番の近道となります。些細だと思えることでも、正直に伝えると、そこから意外な事実が判明することもあります。

問診の際に、どの部分から痒みが始まり、どのように広がったかを具体的に説明できると、診断の精度が上がります。自分の体を観察してきた時間を、医師に伝える重要なチャンスとして活用してください。

受診のタイミング早見表

症状の程度主な状態対応のアクション
緊急事態呼吸が苦しい・意識消失直ちに救急車を要請
要注意強い腹痛・広範囲の腫れ当日中に皮膚科を受診
経過観察軽い痒み・すぐに消える数日続くなら診察を検討

Q&A

朝起きたら蕁麻疹が出ている場合、前夜に食べた特定の食物が原因である可能性はありますか?

通常、食物アレルギーは食後すぐに現れますが、消化に時間がかかるものや、体調によって反応が遅れるケースでは、翌朝になって症状が出ることもあります。

特に脂っこい食事やアルコールを一緒に摂取した場合は、アレルゲンの吸収や代謝が変化し、時間差で朝の起床時に蕁麻疹として現れることがあります。

朝起きたら蕁麻疹がひどいとき、寝具のダニ対策をすることで改善は見込めますか?

寝具に潜むダニの死骸や糞は強力なアレルゲンとなり、就寝中の長時間接触が朝の蕁麻疹を誘発します。

布団乾燥機の使用や掃除機での吸引、防ダニシーツへの交換といった対策を徹底することで、肌への刺激を物理的に減らすことが可能です。

寝室の衛生環境を整えることは、朝の肌トラブルを防ぐ上で極めて重要です。

仕事のストレスが原因で朝起きたら蕁麻疹が出るという現象は医学的に起こり得ますか?

過度なストレスは自律神経のバランスを崩し、皮膚の肥満細胞を過敏にします。

特に起床時は自律神経の切り替わりの時期で不安定なため、内面的な緊張が肌の痒みや腫れとして現れやすいのです。

リラックスできる習慣を持ち、心身の負荷を軽減させることは、アレルギー検査で異常がない場合の蕁麻疹治療において大切な視点となります。

朝起きたら蕁麻疹が出た場合、すぐに皮膚科を受診すべきでしょうか?

症状が数時間で消え、呼吸困難や強い痛みがない場合は緊急性は低いですが、一ヶ月以上繰り返す場合や、一度でも息苦しさを感じた場合は受診を強く推奨します。

朝の蕁麻疹が慢性化している場合、自己判断のケアだけでは限界があります。

医師の診察を受け、適切な抗ヒスタミン薬の処方や原因の特定を行うことで、重症化や将来の再発を防ぐことができます。

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