訪問看護の利用を検討する際、まず手配が必要となるのが医師の指示書です。この書類は看護師が医療行為を安全に提供するための法的な許可証であり、患者さんの命を守るための役割を担います。
なぜ口頭ではなく書面が必要なのか、理由を掘り下げると、病院と自宅という環境の違いや医療連携の重要性が見えてきます。
本記事では、指示書が持つ本来の目的や種類、取得までの流れを解説し、安心して在宅療養を継続するための知識を提供します。
訪問看護における医師の指示書の法的な根拠
訪問看護を提供するには、保健師助産師看護師法に基づき医師の指示が必須です。
看護師が独断で点滴や褥瘡処置などの医療的な介入を行うことは法律で禁じられており、医師が発行する書面による指示があって初めて、安全かつ適切なケアが実施可能となります。
保健師助産師看護師法による厳格な規定
日本の医療制度において、看護師の業務は療養上の世話と診療の補助の2点に大別され、診療の補助に該当する行為は、必ず医師または歯科医師の指示を受けなければならないと法律で定められています。
訪問看護は、病院内で行われる看護と同様に医療の一環として位置づけられているため、この法的な枠組みから外れることはありません。
自宅という密室に近い環境では、医師の目が直接届かないため、書面による明確な指示が大きな意味を持ちます。
指示書がない状態で看護師が独自の判断で医療処置を行えば、法律違反に問われるだけでなく、患者さんの体調に予期せぬ悪影響を及ぼす恐れがあります。
指示書は、いわば看護師がプロフェッショナルとして動くための法的基盤を保証するものです。
また、この法律は看護師を守る側面も持っています。医師が治療方針を決定し、看護師が指示に従って実務を遂行するという役割分担が成立することで、高度なチーム医療が自宅でも実現します。
医療安全を担保するためのシステム
医療の現場では、情報の取り違えが重大な事故に直結する危険をはらんでいます。訪問看護指示書が書面で作成される理由は、情報の正確性を期し、伝達ミスを防ぐためです。
口頭でのやり取りは記憶の風化や聞き間違いのリスクを避けられませんが、書面であれば誰がいつどのような指示を出したかが客観的に記録として残ります。
安全性を高めるためには、医師が患者さんの現在の病状を診察した上で、必要な処置の頻度や強度を細かく指定する必要があります。
指示書には、使用する薬剤の量や投与の経路、緊急時の連絡先まで記されていて、医療ミスを未然に防ぐためのチェック機能が、この書類に凝縮されています。
さらに、指示書は患者さんや家族にとっても大きな安心材料です。医師が現在の状態を把握した上で「このケアが必要だ」と認めている事実は、不透明な在宅療養に確かな安心を与えます。
指示書が管理する医療安全の項目
| 項目 | 管理の内容 | 安全への貢献 |
|---|---|---|
| 処置内容 | 具体的な手技や回数 | 過誤や過剰処置の防止 |
| 使用薬剤 | 名称、投与量、副作用 | 誤薬や健康被害の回避 |
| 緊急連絡先 | 主治医や所属医療機関 | 急変時の迅速な救命措置 |
責任の所在を明確にする公的な証拠
医療行為には常に責任が伴い、指示書は、医師が治療や看護の必要性を認めたという公的な記録です。もし看護中にトラブルが発生した場合、指示書は看護師が医師の意図に基づいた正当な業務を行っていたことを証明する、重要な書類となります。
これは、医療提供者側の自己防衛のためではなく、責任の所在を明らかにして医療を行うために必要な手順です。
医師は診断と指示に責任を持ち、看護師は実施の手技と観察に責任を持ち、この境界線が指示書によって明確になることで、協力体制がより強固になります。
責任の所在が曖昧なケアは、患者さんを不安にさせるばかりか、フィードバックを阻害します。指示書という公式文書があることで、双方がプロとしての責任を果たし、信頼関係に基づいたケアが成立します。
医師の指示書が果たす主な役割と内容
指示書の役割は単なる業務の命令書ではありません。患者さんの病名、現在の症状、日常生活の制限事項、点滴や処置の方法など、在宅療養を成功させるために必要な医学的情報が集約された総合的なプランです。
医学的情報の集約と看護への反映
指示書には、主たる病名のほかに、既往歴や合併症の情報も詳しく記載されています。病院とは異なり、訪問看護師は一人で患者の自宅を訪れます。
その際、目の前の症状が主病によるものなのか、それとも過去の疾患や持病が影響しているのかを判断しなければなりません。
例えば、糖尿病を抱える方が骨折で訪問看護を利用する場合、骨折のケアだけでなく、医師の指示に基づいた血糖管理や足の観察が重要です。
指示書があることで、看護師は患者さんの全身状態を立体的に把握し、複数の疾患が絡み合う複雑なケースでも的確に対応できます。
また、指示書には医師が描く治療のゴールも反映されます。現在は安静が必要なのか、それとも積極的に動くべき時期なのかという方針が示されることで、看護師は日々のケアの強度を調整できます。
処置の標準化と一貫性の維持
複数の看護師が交代で訪問する場合、ケアの質にバラつきが出ることは避けなければなりません。
指示書には、処置に用いる器材や薬剤、手順の留意点が細かく指定されていて、これに従うことで、どの看護師が訪問しても、同じクオリティのケアを継続的に受けることが可能です。
床ずれの処置でどのような洗浄液を使い、どの軟膏を塗るかといったレベルまで指示が及び、医師が指定した方法を厳守することで、傷の治癒経過を客観的に評価しやすくなります。
もし各自が異なる方法で処置をすれば、何が原因で改善したのか、あるいは悪化したのかを突き止めることが難しくなるので、指示書は、治療の効果を正しく測定するための定規のような役割も果たしています。
さらに、指示書はリハビリテーションの範囲も規定します。心臓疾患がある場合など、過度な運動が命に関わるケースでは、医師が許可する活動強度の指示が絶対的な基準です。
緊急時の連絡体制と対応指針
在宅療養で最も大きな不安は、急な体調変化です。指示書には、発熱や呼吸苦、痛みが増強した際にどのような応急処置を行い、どの医療機関に連絡すべきかが事前に記されています。
事前指示があることで、看護師はパニックに陥ることなく、医師が想定した通りの初動対応を取ることができ、緊急時の対応指針は、患者さんや家族にとっても心の支えとなります。
指示書に記載される情報の分類
| 分類 | 主な内容 | 活用場面 |
|---|---|---|
| 患者基本情報 | 病名、既往歴、現在の症状 | アセスメントの基礎 |
| 治療指示 | 点滴、処置、リハビリ内容 | 日々のケア実施 |
| 管理指示 | 留置カテーテル、人工呼吸器 | 医療機器の安全管理 |
訪問看護指示書の種類とそれぞれの特徴
指示書には、患者さんの状況に合わせて選択される3つの主要な形式があります。通常の訪問看護指示書のほか、急性増悪時や終末期に発行される特別指示書、そして精神疾患に特化した精神科指示書です。
通常の訪問看護指示書
もっとも頻繁に発行されるのがこの指示書です。有効期間は最長で6ヶ月間となっており、慢性的な疾患を持ちながら自宅で安定して生活を送っている方が対象となります。
主な役割は、日常的な健康管理や服薬のサポート、清拭や入浴介助といった清潔保持、そして家族への介護技術の指導など、生活に密着した看護の指針を示すことです。
指示書があることで、訪問看護ステーションは長期的な視点に立った看護計画を立てることができます。6ヶ月という期間は、状態が比較的安定している患者さんにとって、頻繁に受診して書類を更新する負担を軽減する合理的な設定です。
また、指示書はリハビリテーション専門職(理学療法士など)が訪問する際の根拠にもなります。看護師だけでなく、リハビリ職も医師の指示範囲内で動く必要があるため、通常の指示書の中にリハビリの必要性や注意点が盛り込まれます。
特別訪問看護指示書の重要性
急な肺炎や褥瘡の悪化、あるいは退院直後で状態が不安定な時期に、一時的に毎日でも看護師に来てほしい場合があり。そのような特殊な状況下で発行されるのが、特別訪問看護指示書です。
指示書が発行されると、14日間という限られた期間ではありますが、集中的に頻回な訪問を受けることが可能になります。
指示書の最大の特徴は、医療的な必要性が極めて高いと判断された際に出される点です。自宅で点滴を毎日行わなければならない場合や、気管切開部のケアが頻繁に必要な場合などが該当します。
入院を回避し、住み慣れた自宅で難局を乗り越えるための強力なバックアップとなり、短期集中型のケアによって、症状の早期改善や悪化の防止を目指します。
また、終末期(ターミナル)の状態にある方にとっても、指示書は重要です。最期を自宅で迎えたいという希望を叶えるためには、痛みや苦しみを和らげるためのきめ細かな看護が欠かせません。
特別指示書によって看護師が頻繁に寄り添うことで、本人も家族も不安を最小限に抑えながら、穏やかな時間を過ごすことができます。
精神科訪問看護指示書の特性
心の病を抱えながら地域で暮らす方を支えるために、精神科の医師が発行するのが精神科訪問看護指示書です。
他の指示書が主に身体的な処置を対象とするのに対し、こちらは精神状態の観察や服薬の継続確認、対人関係の構築支援、日常生活のリズムを整えるための助言などが主な内容となります。
精神疾患の場合、患者さん自身が病識を持ちにくかったり、治療を中断してしまったりするリスクがあります。
看護師が定期的に訪問し、医師の指示に基づいた適切な関わりを持つことで、症状の再燃を防ぎ、入院を繰り返さない生活を実現できます。
指示書は、認知症に伴う周辺症状(不眠や興奮など)で困っている高齢者にも活用されます。
身体的な介護だけでは解決できない行動に対して、精神医学的な知見に基づいたアプローチを看護師が行うことで、介護する家族の負担も劇的に軽減されます。
指示書の種類別の適用シーン
- 通常の指示書:高血圧や糖尿病、認知症など、慢性疾患の継続的な管理が必要な時。
- 特別指示書:感染症による発熱、床ずれの急激な悪化、退院直後の不安な時期。
- 精神科指示書:うつ病、統合失調症、アルコール依存症など、心のケアが主軸となる時。
指示書の発行手続きと受け取りまでのプロセス
指示書を取得するためには、まず主治医への相談が第一歩で、医師が訪問看護の必要性を認め、診察を行った上で書類が作成されます。その後、医療機関から訪問看護ステーションへ直接送付されるのが一般的なプロセスです。
主治医との相談と診察の重要性
訪問看護の利用を思い立ったら、まずは現在通院している病院やクリニックの先生にその意思を伝えてください。医師は日頃の診察結果と照らし合わせ、自宅での看護が治療にどのように貢献するかを総合的に判断します。
この際、どのような生活の悩みがあるのか、家族がどのようなことに困っているのかを率直に話すことが大切です。
指示書の発行には、直近の診察が不可欠で、医師は現在の患者さんの顔色を伺い、聴診や検査結果を確認して、最新の状態に基づいた指示を出す義務があります。
もし入院中であれば、退院前に主治医が指示書を作成し、退院後の生活に空白期間ができないよう手配を進めます。病院のソーシャルワーカーなどが調整を助けてくれることも多いため、積極的に活用してください。
主治医が決まっていない場合は、地域のケアマネジャーに相談しましょう。訪問看護に理解のある近隣のクリニックを紹介してもらうことで、スムーズに指示書発行のプロセスに乗ることができます。
医療機関からステーションへの事務的な流れ
医師が指示書を書き終えると、原本は医療機関から訪問看護ステーションへ、郵送やFAX、あるいは電子ネットワークを通じて届けられます。
ステーション側は指示書が届いたことを確認して初めて、正式な契約とケアの開始準備に入り、指示書の内容を確認した看護師が、今度はその指示をどう具体化するかという訪問看護計画書を作成します。
手続きが完了するまでの期間は、通常数日から1週間程度ですが、緊急を要する場合は医師の判断で迅速に対応してもらうことも可能です。
発行にかかる費用負担の実態
医師が指示書を作成する作業には、公的な報酬として訪問看護指示料という費用が発生し、これは医療機関側が請求するもので、患者さんは自身の保険負担割合に応じて一部を支払うことになります。
数ヶ月に一度の更新時に発生するもので、金額自体は決して高額ではありませんが、正式な医療文書を作成するためのコストとして理解しておくことが必要です。
費用を支払うことは、単なる手数料の支払いではなく、医師による医学的管理の下で安全な看護を受けるという契約の証でもあります。責任ある指示を出してもらい、それを公式な文書として残してもらうための必要な対価です。
病院の領収書に「指示料」や「文書料」といった項目で記載されるのが一般的ですので、不明な点があれば会計窓口で確認してください。
もし、複数の訪問看護ステーションを同時に利用する場合でも、指示書は一つの主治医から発行されます。その場合、指示書の宛先が連名になったり、情報の共有方法が調整されたりしますが、基本的な費用の考え方は変わりません。
指示書取得のステップガイド
| ステップ | 行うこと | 担当者 |
|---|---|---|
| 相談 | 訪問看護を利用したい旨を伝える | 患者・家族・主治医 |
| 診察 | 現在の病状を確認し、必要性を判断 | 医師 |
| 作成・送付 | 指示書の記入とステーションへの発送 | 医療機関事務 |
指示書の有効期限と更新のタイミング
指示書には法律で定められた有効期限があり、期限が切れると訪問看護を継続できなくなります。
通常の指示書は最長6ヶ月、特別指示書は14日間と期間が異なり、期限が切れる前に医師の診察を受け、現在の病状に基づいた新しい指示を仰ぐことが、ケアの質を維持するために非常に大切です。
有効期間の設定に込められた意味
患者さんの体の状態がつねに変化しているので、指示書には期限があります。半年も経過すれば、以前は必要だった処置が不要になったり、新たなケアが必要になったりすることが多々あります。
期限を設けることで、医療チームが立ち止まり、現在のケアが本当に患者さんにとって最善であるかを再評価するように設計されています。
もし期限がなければ、古い情報のまま漫然とケアが続いてしまい、病状の悪化を見逃すリスクが生じます。6ヶ月という期間は、安定している患者さんであっても、医学的な再評価を行うべき最低限の頻度として設定されています。
特別指示書の14日間という短い期限も同様です。これは、今、この瞬間の危機を乗り越えるための、期間限定の集中看護を意味しています。2週間が経過した時点で、状態が改善したのか、あるいはさらなる継続が必要なのかを厳格に判定します。
更新をスムーズに進めるための連携
期限管理の主導権を握るのは、訪問看護ステーションの看護師です。多くのステーションでは、期限が切れる1ヶ月ほど前から医師へ継続の打診を行い、更新の手配を始めます。
この際、患者さんや家族に求められるのは、医師の診察を受けるためのスケジュール調整で、書類だけの更新は認められておらず、必ず対面(または適切な遠隔診療)での診察が必要です。
更新時期に合わせて通院や往診のタイミングを合わせることで、二度手間を防ぐことができます。看護師は医師に対して、この半年の変化や現在の困りごとをまとめた報告書を提出します。
また、ケアマネジャーもこの更新時期を把握しています。指示書の内容が変われば、それに基づいてケアプラン(介護の計画書)も見直す必要があるからです。
指示内容の変更が生じた時の対応
期限内であっても、急な入院や退院、あるいは病状の劇的な変化があった場合には、その都度指示書を書き直すことができます。指示書は固定されたルールではなく、患者さんに合わせて変化する動的なものです。
新しい薬が増えた、足の傷が深くなった、食事が摂れなくなったといった変化を看護師が医師に伝えると、必要に応じて随時指示が修正されます。
柔軟さこそが、訪問看護の強みで、期限を待たずとも、必要があればその日のうちに新しい指示を仰ぐことができます。
指示書という書面を介したコミュニケーションが、医師と看護師の距離を縮め、病院にいる時と同じようなスピード感での対応を可能にします。
指示書更新のチェックポイント
- 次回の有効期限がいつまでか、看護師に確認しておく。
- 更新月には必ず医師の診察を受ける予約を入れる。
- 現在のケアで満足している点や変更したい点を看護師に伝えておく。
- 新しい指示書の内容に大きな変更がないか、説明を求める。
指示書に基づく訪問看護のメリット
指示書という医学的な裏付けがあることで、訪問看護は単なる生活援助を超えた高度な医療サービスが提供できます。看護師が医師の代行者として専門的な処置を行うことで、入院せずに自宅で質の高い治療を継続できます。
自宅での高度な医療管理の実現
指示書があることで、本来であれば病院でしか行えないような医療処置が自宅で可能です。点滴注射、人工呼吸器の管理、経管栄養(鼻などからのチューブでの栄養)、尿カテーテルの交換などは、すべて医師の指示書がなければ実施できません。
また、指示書にはリハビリテーションの方向性も含まれ、看護師が日常生活の中で行うリハビリも、医師の医学的な根拠に基づいているため、無理なく着実に身体機能を維持・向上させることができます。
病院のような無機質な空間ではなく、思い出の詰まった自宅で自分らしいペースで回復を目指せることは、患者さんの意欲に多大なプラスの影響を与えます。
専門的な観察眼を持った看護師が医師の指示に従って巡回することで、病気の予兆を早期に発見できる点も大きなメリットです。少しのむくみや呼吸の乱れも見逃さず、医師にフィードバックすることで、大きな不調になる前に対策を講じられます。
家族の精神的な安心と介護負担の軽減
家族にとって、医療行為を伴う介護は大きな不安と緊張を強いるものですが、医師が認め、指示を出したプロの看護師が定期的に訪問してくれることで、負担は劇的に軽くなります。
「このやり方でいいのか」という不安を看護師に相談でき、医師の考えを代弁してもらうことで、介護への迷いが消えていきます。
また、緊急時の対応が指示書によって明確になっていることは、家族の心の安定に直結します。万が一の際も「看護師さんが主治医の先生と連絡を取って指示通りに動いてくれる」という確信があれば、孤独な介護から解放されます。
さらに、指示書を通じて行われる服薬管理などの支援により、薬の飲み忘れや誤飲の心配も軽減されます。医師が意図した通りの薬効が発揮されるよう、看護師がチェックしてくれるため、家族は日々の見守りの負担から一部解放されます。
指示書がもたらすメリット
| 対象 | 得られる主なメリット | 生活の変化 |
|---|---|---|
| 患者本人 | 安全な医療処置と早期発見 | 入院回避、自宅療養の継続 |
| 家族 | 医療的不安の解消と相談相手 | 介護ストレスの軽減 |
| 支援チーム | 治療方針の共有と役割分担 | 一貫性のあるサポート体制 |
Q&A
- 指示書はどこの病院の先生に書いてもらえばよいですか?
-
基本的には、現在その疾患について中心的に治療を行っている主治医に依頼してください。
複数の病院にかかっている場合は、訪問看護で行うケアに最も関連が深い病気を担当している医師、あるいは全体を把握してくれているかかりつけ医が適任です。
もし判断に迷う場合は、地域のケアマネジャーに相談すれば、現在の受診状況を確認した上で医師を提案してくれます。
- 入院中ですが退院後の指示書はどうすれば手に入りますか?
-
入院している病院の主治医に、退院後も訪問看護を利用したい旨を早めに伝えてください。病院には退院調整を行う看護師やソーシャルワーカーがいますので、仲介して主治医から指示書を発行してもらうよう手配してくれます。
退院時に指示書の原本または写しを渡してもらえるか、あるいは病院から直接訪問看護ステーションへ送付してもらう形になるのが一般的です。
- 指示書の内容を自分や家族が確認することはできますか?
-
指示書はご自身の健康管理に関する大切な書類ですので、内容を確認する権利があります。
訪問看護ステーションには必ず写しが保管されていますので、担当の看護師に見せてもらうか、内容を分かりやすく説明してもらうよう依頼してください。
どのような医療処置が許可され、どのような点に注意が必要なのかを共有しておくことで、ご自身や家族も主体的に療養生活に参加できるようになります。
- 引っ越しをして主治医が変わる場合はどうすればよいですか?
-
引っ越しなどで主治医が変わる場合は、新しい主治医に改めて指示書を発行してもらう必要があります。
その際、前の主治医からの紹介状(診療情報提供書)があれば、新しい医師も病状をスムーズに把握でき、指示書をすぐに作成できます。
指示書には宛先となる訪問看護ステーション名を記載するため、転居先で利用するステーションも決めておく必要があります。環境の変化は体調に影響しやすいため、早めにケアマネジャーと連携して準備を整えましょう。
以上
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