ご自宅で酸素を吸入する在宅酸素療法(HOT)は、慢性的な呼吸器の病気を持つ方々の生活の質を維持するために大切な治療法です。
しかし、ご自宅での療養生活では、機器の管理や日々の体調変化など、ご本人やご家族だけで対応するには不安な場面も少なくありません。
訪問看護は、そのような不安を和らげ、専門的な視点から療養生活を支える重要な役割を担います。
この記事では、在宅酸素療法を受けている方に対して訪問看護師がどのような支援を行い、どのような点を観察・管理するのかを詳しく解説します。
在宅酸素療法(HOT)とは?訪問看護の基本的な関わり
在宅酸素療法は、ご自宅で過ごしながら、医師の指示に基づいた量の酸素を吸入する治療法です。訪問看護師は、この治療が安全かつ効果的に行えるよう、療養生活全般を支援します。
定期的にご自宅へ伺い、心身の状態を確認し、療養環境を整えるお手伝いをします。
在宅酸素療法の目的
在宅酸素療法の主な目的は、体内に不足している酸素を補うことです。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などの病気により、肺の機能が低下すると、血液中の酸素濃度が低くなり、この状態が続くと、心臓への負担が増えたり、息切れによって日常生活の活動が制限されたりします。
酸素を吸入することで、症状を和らげ生活の質(QOL)の向上を目指し、また、病気の進行を緩やかにし、入院のリスクを減らす効果も期待できます。
訪問看護師が関わる意義
訪問看護師は、医療機関とご自宅とをつなぐ架け橋のような存在で、病院とは環境が異なるご自宅での療養には、特有の注意点や工夫が必要です。
看護師が定期的に訪問し、専門的な視点で体調や生活状況を評価することで、病状の小さな変化や潜在的なリスクを早期に発見でき、重症化を防ぎ、安心して療養生活を継続できるよう支援します。
ご本人やご家族の精神的な支えとなることも、訪問看護の大きな意義の一つです。
訪問看護の利用の流れ
訪問看護の利用を開始するには、まず主治医への相談が必要です。主治医が訪問看護の必要性を認めると、訪問看護指示書が発行され、その後、地域の訪問看護ステーションと契約を結び、利用が始まります。
初回の訪問では、看護師がご本人やご家族の状況、ご希望などを詳しく伺い、一人ひとりに合わせた看護計画を立てます。この計画に基づき、定期的な訪問スケジュールを組んで支援を進めていきます。
訪問看護師が行う健康状態の観察(アセスメント)
訪問看護師は、療養生活が安定して送れるように、全身の状態を注意深く観察し、五感を使った観察と、機器による測定を組み合わせて、客観的なデータに基づいた健康管理を行います。
異常の兆候を早期に捉え、適切な対応につなげることが重要です。
バイタルサインの測定と評価
体温、脈拍、血圧、呼吸数といったバイタルサインは、健康状態を示す基本的な指標です。
訪問時には毎回これらの数値を測定し、平常時との比較を行い、特に呼吸の状態は重要で、回数だけでなく、深さやリズム、呼吸の音なども注意深く確認します。
数値に異常が見られる場合は、原因を探り、主治医への報告や必要なケアの実施を検討します。
主なバイタルサインの確認項目
測定項目 | 観察のポイント | 平常時との比較 |
---|---|---|
血圧 | 高すぎたり低すぎたりしないか、変動が大きくないかを確認します。 | 日々の変動を記録し、異常な傾向がないかを見ます。 |
脈拍 | 速さ、リズムの乱れ(不整脈)がないかを確認します。 | 安静時の脈拍数を把握し、変化の有無を評価します。 |
呼吸 | 回数、深さ、リズム、呼吸困難感の有無を確認します。 | 労作時と安静時の呼吸状態を比較し、悪化がないかを見ます。 |
経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の確認
パルスオキシメーターという機器を使い、指先で血液中の酸素飽和度(SpO2)を測定し、これは、体内に十分な酸素が取り込めているかを知るための重要な指標です。
安静時だけでなく、トイレへの移動や着替えなどの軽い動作をした後の数値も測定し、労作時の酸素低下(低酸素血症)の程度を評価します。測定値が医師の指示した範囲を下回る場合は、酸素流量の調整や休息の促しなど、適切な対応をとります。
呼吸状態と全身症状の観察
数値データだけでなく、見た目や訴えから得られる情報も大切です。呼吸の際に肩が上下していないか、息をするときにヒューヒュー、ゼーゼーといった異常な音がしないかなどを確認します。
また、顔色や唇の色、手足の冷たさやむくみ(浮腫)の有無など、全身の状態を観察し、心臓や循環器系への負担がかかっていないかを評価し、さらに食欲や睡眠の状態、排泄の状況なども伺い、総合的に健康状態を判断します。
酸素供給装置の管理と安全な使用の支援
在宅酸素療法では、酸素濃縮装置や液体酸素装置、酸素ボンベといった機器を日常的に使用します。機器が正しく作動し、安全に使用できる環境を整えることは、治療を継続する上でとても大切です。
訪問看護師は、機器の取り扱いや管理方法について、専門的な視点から支援します。
酸素濃縮装置などの取り扱い説明
酸素供給装置にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴や操作方法が異なるので、訪問看護師は、設置されている機器の正しい使い方をご本人やご家族に改めて説明し、疑問点がないか確認します。
電源の入れ方、酸素流量の設定方法、加湿器の水の交換方法など、日々の操作で間違いが起こりやすい点を重点的にチェックし、分かりやすく指導します。定期的なフィルター清掃など、メンテナンスについても一緒に確認します。
酸素供給装置の種類と特徴
装置の種類 | 特徴 | 主な使用場面 |
---|---|---|
酸素濃縮装置 | 室内の空気から酸素を濃縮して供給します。電気で稼働します。 | 主に室内での長時間の使用に適しています。 |
液体酸素装置 | 液体化された酸素を気化させて使用します。補充が必要です。 | 携帯用容器への充填が可能で、外出時に便利です。 |
酸素ボンベ | 高圧の酸素が充填されています。残量管理が重要です。 | 外出時や停電時の予備として使用します。 |
チューブ類の衛生管理と交換
鼻から酸素を吸入するためのカニューラや、装置とカニューラをつなぐチューブは、常に清潔に保つことが重要です。汚れたまま使用すると、皮膚のトラブルや感染症の原因になることがあります。
訪問看護師は、チューブ類の適切な洗浄方法や交換時期について指導し、また、訪問時にはチューブのねじれや亀裂がないか、接続が確実かなどを確認し、安全な酸素吸入を支えます。
火気の取り扱いと安全な環境整備
酸素は燃焼を助ける性質があるため、近くでの火気の使用は絶対に禁止です。訪問看護師は、療養環境に火災のリスクがないかを確認します。
ストーブやガスコンロ、タバコ、線香などが酸素吸入場所から2メートル以上離れているか、火元の管理が適切に行われているかをチェックし、ご家族にも火気取り扱いの重要性を説明し、火災予防への協力を求めます。
火気に関する注意点
- 酸素吸入中はタバコを吸わない
- ストーブやガスコンロの近くで操作しない
- 調理中は酸素チューブを外すか、十分に距離をとる
日常生活の支援とセルフケア能力向上のための指導
病気を抱えながらでも、できる限り自分らしく快適な生活を送るためには、日常生活の中に様々な工夫を取り入れることが大切です。
訪問看護師は、ご本人の状態に合わせて、食事や入浴、運動などの具体的な方法を一緒に考え、自分でできることを増やしていくセルフケアの取り組みを支援します。
食事や栄養管理に関する助言
呼吸に困難を抱えていると、食事をするだけでも息苦しさを感じ、食欲が低下することがあり、低栄養の状態は体力を奪い、感染症にかかりやすくなる原因にもなります。
訪問看護師は、栄養バランスの取れた食事の重要性を説明し、楽に食べられる工夫を助言します。
一回の食事量を減らして回数を増やす、柔らかく調理する、呼吸を整えながらゆっくり噛むといった方法です。栄養補助食品の活用についても情報提供します。
食事摂取の工夫
工夫のポイント | 具体例 | 目的 |
---|---|---|
食事形態 | 食材を細かく刻む、とろみをつけるなど。 | 咀嚼や嚥下の負担を軽減します。 |
食事回数 | 1日5~6回に分けて少量ずつ摂取します。 | 満腹による横隔膜の圧迫を防ぎます。 |
食事姿勢 | 少し前かがみの姿勢で食べます。 | 呼吸がしやすい姿勢を保ちます。 |
入浴や清潔保持のケア
入浴は体を清潔に保つだけでなく、心身をリラックスさせる効果もありますが、湯気や温度差、動作によって息切れを起こしやすい場面でもあるので、注意が必要です。
訪問看護師は、安全な入浴方法を一緒に考え、シャワーチェアの使用や手すりの設置、浴室の温度管理など、環境を整える助言をします。
また、息切れしないための動作のコツ、例えば、洗う順番を工夫したり、途中で休憩を入れたりする方法を指導し、必要に応じて、入浴の介助も行います。
無理のない範囲での運動やリハビリテーション
安静にしすぎると、かえって筋力が低下し、さらに動けなくなるという悪循環に陥ることがあるので、医師の許可のもと、無理のない範囲で体を動かすことは、呼吸機能の維持や体力の向上に繋がります。
訪問看護師は、理学療法士などと連携し、ご自宅でできる簡単な運動や呼吸リハビリテーションの指導を行います。口すぼめ呼吸や腹式呼吸といった呼吸法は、息苦しさを和らげるのに効果的です。
ストレッチや椅子に座ったままでできる手足の運動などを、体調に合わせて一緒に行います。
自宅でできる呼吸リハビリテーション
- 口すぼめ呼吸
- 腹式呼吸
- 上肢・下肢のストレッチ
- 椅子からの立ち座り運動
息苦しさ(呼吸困難感)の緩和に向けたケア
息苦しさは、在宅酸素療法を受けている方にとって最もつらい症状の一つです。症状は身体的な要因だけでなく、不安や恐怖といった精神的な要因によっても強まることがあります。
訪問看護師は、薬の使用だけでなく、生活の中での工夫や精神的なサポートを通じて、息苦しさを少しでも和らげるためのケアを行います。
症状を緩和する安楽な姿勢(ポジショニング)の指導
体の位置や姿勢を少し変えるだけで、呼吸が楽になることがあり、訪問看護師は、ご本人が最も楽だと感じる姿勢を見つけられるよう支援します。
ベッドの頭側を少し上げる、座った状態でテーブルに寄りかかり腕を置く(前方傾斜座位)、壁に寄りかかるなど、様々な安楽な姿勢があります。
このような姿勢は、呼吸を助ける筋肉(呼吸補助筋)を使いやすくし、横隔膜の動きを妨げない効果があり、枕やクッションを効果的に使い、よりリラックスできる体勢を保つ工夫も一緒に考えます。
安楽な姿勢の例
姿勢の名称 | 方法 | 効果 |
---|---|---|
ファウラー位 | ベッドの頭側を30~45度程度上げます。 | 横隔膜が下がり、肺が広がりやすくなります。 |
前方傾斜座位 | 椅子に座り、テーブルにクッションを置いて寄りかかります。 | 肩周りの筋肉がリラックスし、呼吸を助けます。 |
側臥位 | 横向きに寝て、抱き枕などを利用して体を安定させます。 | 左右の肺を効率よく使うことができます。 |
呼吸法やリラクセーションの支援
不安やパニックは呼吸を浅く速くし、さらに息苦しさを増悪させ、このような時に、意識的に呼吸をコントロールする方法を知っていると、落ち着きを取り戻す助けになります。
口すぼめ呼吸は、息をゆっくり長く吐くことで気道が虚脱するのを防ぎ、息苦しさを軽減する効果があり、訪問看護師は、この呼吸法が日常的に実践できるよう、繰り返し一緒に練習します。
また、音楽を聴いたり、手足を温めたり、アロマテラピーを取り入れたりするなど、心身をリラックスさせるための様々な方法を提案し、ご本人が心地よいと感じる方法を見つけるお手伝いをします。
医師の指示に基づく薬剤の適切な使用
息苦しさの原因や程度に応じて、医師から症状を和らげるための薬剤が処方されます。気管支を広げる吸入薬や、不安を和らげる薬、医療用麻薬などが用いられ、訪問看護師は、薬が正しく使用できているかを確認することが役割です。
吸入薬がうまく吸えているか、副作用が出ていないかなどを観察し、ご本人やご家族からの相談に応じます。薬の効果や副作用に関する情報を主治医と共有し、最適な処方が行われるよう連携します。
息苦しさに対する薬剤の種類
- 気管支拡張薬(吸入・内服)
- 去痰薬
- 抗不安薬
- 医療用麻薬(オピオイド)
ご家族への支援と緊急時の対応方法
在宅療養は、ご本人だけでなく、支えるご家族の協力があって成り立ちますが、ご家族は、日々の介助や見守りの中で、身体的・精神的な負担を感じることが少なくありません。
また、万が一の事態に備えておくことは、全員の安心に繋がります。訪問看護師は、ご家族の負担を軽減し、緊急時にも慌てず対応できるよう支援します。
介護者(家族)の精神的・身体的負担の軽減
訪問看護師は、ご家族の健康状態や悩みにも耳を傾け、良き相談相手です。介護に関する不安や疑問、ストレスなどを話せる場を提供することで、精神的な負担を和らげます。
また、介護保険サービスや地域のサポート制度など、利用できる社会資源についての情報を提供し、ご家族が休息を取れるような具体的な方法を一緒に考えます。
介護負担が特定の人に集中しないよう、家族内での役割分担を助言することもあります。
介護者の負担軽減に繋がるサービス
サービスの種類 | 内容 | 相談先 |
---|---|---|
介護保険サービス | デイサービス、ショートステイ、ヘルパー派遣など。 | ケアマネジャー、地域包括支援センター |
自治体のサービス | 配食サービス、緊急通報システム、家族介護教室など。 | 市区町村の高齢者福祉担当課 |
患者会・家族会 | 同じ立場の人々との情報交換や交流の場。 | 病院の相談室、地域の保健所 |
緊急連絡体制の構築と確認
急に体調が悪化した場合に、誰に、どのように連絡すればよいかをあらかじめ決めておくことは非常に重要です。
訪問看護師は、主治医、訪問看護ステーション、酸素供給会社の連絡先などを一覧にし、電話の近くなど分かりやすい場所に掲示するよう助言します。
訪問看護ステーションは24時間対応の体制を整えている場合が多く、夜間や休日でも電話で相談したり、必要に応じて緊急訪問を依頼したりすることが可能です。緊急連絡体制があることで、ご本人もご家族も安心して夜を過ごすことができます。
症状悪化時の初期対応の指導
どのような状態になったら緊急連絡が必要か、基準を具体的に示しておくことも大切です。例えば、SpO2が一定の数値を下回った時、呼吸の回数が異常に増えた時、意識がもうろうとしてきた時など、具体的なサインを事前に共有しておきます。
そして、救急車を呼ぶべきか、まずは訪問看護ステーションに連絡すべきか、状況に応じた判断の目安を説明します。
連絡を待つ間にできること、例えば安楽な姿勢をとらせる、酸素流量を医師の指示範囲内で変更するなど、初期対応についても指導します。
緊急連絡を検討すべき症状
- 安静にしていてもSpO2が90%を下回る
- 呼吸数が1分間に30回以上になる
- 顔色や唇の色が紫色になる(チアノーゼ)
- 呼びかけへの反応が鈍い
- 胸の痛みが続く
訪問看護と医療機関との連携
質の高い在宅療養を提供するためには、訪問看護師だけでなく、主治医やケアマネジャー、薬剤師など、様々な専門職が情報を共有し、連携することが大事です。
訪問看護師は、多職種連携の中心的な役割を担い、ご本人の情報を関係者間で円滑に繋ぎます。
主治医への定期的な状況報告
訪問看護師は、訪問時に得た情報をまとめた報告書を定期的に主治医に提出します。バイタルサインの経過、症状の変化、日常生活での課題、ご本人やご家族の意向などを客観的に記載し、医師が診察時に適切な判断を下せるよう支援します
。状態に急な変化があった場合は、速やかに電話などで直接報告し、指示を仰ぎ、この密な報告・連絡・相談が、医療の継続性を保ち、安全な在宅療養を支えます。
主治医への報告内容の例
報告項目 | 具体的な内容 |
---|---|
バイタルサイン | 血圧、脈拍、SpO2などの測定値の推移と評価。 |
身体症状 | 呼吸困難感、咳、痰、浮腫などの変化や新たな症状の有無。 |
療養状況 | 食事・睡眠・排泄の状況、服薬管理、酸素機器の使用状況など。 |
ケアマネジャーとの情報共有
介護保険サービスを利用している場合、ケアプランを作成するケアマネジャーとの連携も重要です。訪問看護師は、ケアマネジャーが開催するサービス担当者会議に出席し、看護の専門的な視点から意見を述べます。
ご本人の心身の状態や必要な医療的ケアについて情報を提供し、ケアプランに反映してもらうことで、より適切な介護サービスの利用に繋がり、ヘルパーなど他のサービス事業者とも情報を共有し、チームとして一貫した支援を提供します。
薬剤師や理学療法士など他職種との協働
薬の管理に不安がある場合は薬剤師と、リハビリテーションの進め方については理学療法士や作業療法士と連携します。
訪問薬剤師に薬のセットや副作用の確認を依頼したり、理学療法士が作成したリハビリ計画をご自宅で実践できるよう支援したりします。
それぞれの専門性を活かしながら多職種が協働することで、より専門的で包括的なケアを提供することが可能になります。
在宅酸素療法に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、在宅酸素療法や訪問看護に関して、患者様やご家族からよく寄せられる質問と回答をまとめました。
- 酸素をずっと吸っていると癖になりませんか?
-
酸素は空気中に存在する物質であり、薬物のような依存性や習慣性はありません。在宅酸素療法は、体が必要とする酸素を補うための治療です。
医師の指示に従って適切な量の酸素を吸入することは、身体への負担を軽減し、生活の質を保つために必要なので、自己判断で酸素を中断したり流量を変えたりせず、必ず医師の指示を守ってください。
- 外出や旅行はできますか?
-
携帯用の酸素ボンベや液体酸素の子機を使用することで、外出や旅行も可能ですが、事前に主治医に相談し、許可を得ることが重要です。
訪問看護師は、外出計画について一緒に考え、移動手段や宿泊先での注意点、緊急時の対応などを助言します。酸素供給会社に連絡すれば、旅行先で酸素ボンベを手配してくれるサービスもあります。
- 停電した時はどうすればよいですか?
-
酸素濃縮装置は電気で稼働するため、停電時には使用できなくなるため、万が一の事態に備えて、必ず予備の酸素ボンベを準備しておく必要があります。停電が起きたら、慌てずに酸素ボンベに切り替えてください。
訪問看護師は、訪問時にボンベの使用方法や残量の確認を一緒に行い、緊急時に備えます。
また、お住まいの地域の電力会社に事前に連絡し、在宅酸素療法中であることを伝えておくと、計画停電などの情報を優先的に得られる場合があります。
以上
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